第85話

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

タツミ達はその後ポケモンセンターへと帰り着いたのだが、ポケモンセンターの周辺では先程のレガとスパイアの衝突音が話題になっているようで警察なども一時出動していたようでちょっとした騒動へと発展していたようだ。

タ「うわ・・・もしかしてスパイアとレガを出しておくと危ないか・・・2人とも一時ボールの中に入っていて。」

ス『うん・・・分ったけどごめんタツミ・・・・もうちょっと考えて行動していたらこんな事にならなかったのに・・・。』

レガ『僕も同じだよ・・・ごめんタツミ・・・。』

タ「大丈夫だから、取り敢えずひとまずボールの中に入っていて。部屋の中に着いたら出すからね?」

タツミはレガとスパイアを一時ボールの中に戻し先程の騒動の発端はスパイアとレガだと言う事を廻りに悟られないように対応した。しかし、スパイアとレガを見ていたトレーナーはタツミの顔を見つけるなり睨み付けてきたり驚きの顔をしていたりしている。
それにタツミは特段気づかない振りをしてその場を乗り切り、ポケモンセンターの部屋へと辿り着いた。

タ「何とかあの場を乗り切る事が出来た・・・・でも恐らくスパイアとレガはこの町じゃもう外に出せないな・・・何人かから気づかれたし・・・取り敢えずみんなをボールから出すことにするか。」

フ『タツミ、なんかさっき凄い騒動あったみたいだけど大丈夫だった?またスパイアとレガが発端と思うけど・・・。』

レガ『フィーロもいつの間にか察しが良くなったな・・・・その通り・・・僕達が原因です・・・。』

ス『でも何人かから明らかに気づかれていたよね・・・?睨み付けられていたのがひしひしと伝わってきたよ・・・迷惑掛けてごめん・・・。』

タ「そうなんだよね・・・だからちょっともうこの町じゃスパイアとレガはボールの中から出すのはちょっと厳しいかも・・・だからまぁこの町を出発するときは大丈夫と思うけど暫くはボールの中に入っておいてね?」

レガ『そういう事なら仕方ない・・・安全のために・・・分った・・・・。』

ス『うん・・・・・。』

タ「まぁ部屋に居る間は見られることもないからボールから出てても良いけど・・・・どうする?」

ス『僕はこのまま部屋に居ることにするよ?レガはどうする?』

レガ『僕も部屋に出ておく。ボールの中よりもやっぱり外の方が全然圧迫感もないし楽だからね~。あっ、タツミは気にしなくても良いよ。』

タ「そうかい?まぁ自由にやっていてよ。さてと・・明日は一体どこまで行きますかねぇ・・・やっぱりトクサネかな?それとも明日までこの町に居てから明後日向かおうか・・・どっちが良いと思う?」

フ『なんか明後日は雨の感じがするから、移動するならば明日の方がまだ多少は安全かなぁと思うよ?悪天候の時の海は何があるか分らないからね?』

ティ『フィーロの天気予想は本当当たるからねぇ・・・タツミ、やっぱり明日の内の移動で良いんじゃないかな?』

タ「やっぱりそうか・・・じゃあ明日の昼頃位からに移動することにしよう。さてと・・・ここからトクサネまで結構距離があるからレガとスパイアで飛ぶのは流石に無理があるか・・・。でも明日は丁度定期船の時刻が悪い・・・。さてどうしよう・・・。」

レガ『全然大丈夫!タツミが乗るって言うんだったら全然大丈夫だから!』

ス『僕だってずっと飛んできて大分体力付いたし、これ位の距離だったらどうって事無いよ?だから僕が明日は飛ぶよ!』

レガ『いんや、僕が・・・。』

タ「また喧嘩になりそうだからじゃんけんにしなさい。」

レガ『はい・・・・じゃあじゃんけんで・・・・行くよ?』

ス『分った。』


その後じゃんけんをした結果スパイアが勝利したため、明日のトクサネまでの航路はスパイアに飛んで貰う事になった。しかしレガはどうも腑に落ちない点があるようだ。

レガ『うーむ・・・・どうもなんかじゃんけんって腑に落ちない点が出てくるよねぇ~。』

ス『もう終わったことなんだからそんなに考えなくて良いでしょ。』

タ「レガには悪いけど・・・じゃあスパイア、明日はよろしく頼むね?これ地図だけど途中で休憩出来る島は幾つかあるみたいだから、きつかったりしたら遠慮無く言って良いからね?」

ス『分った!でも大丈夫だと思うよ、地図で見る限りでは所々に陸地があるみたいだし明日の天候もそれ程大荒れって感じじゃないみたいだからね。』

フ『山と同じく海も天候が変わりやすいから気をつけて飛んでいってね?特に海は風が急に酷くなることが多いから・・・。』

ス『分った、風と天候だけに気をつけることにするよ。後は・・・日差しかな・・・。』

タ「それは一応日焼け止め使えば良いとして・・・よし、明日はそれで行こうか。これからどうしようか・・・まだ寝るには時間が早いし、かと言って何かあるって訳じゃないんだけどね・・・。」

レガ『うーむ・・・・・。』

フ『そういえばなんでスパイアとレガって喧嘩してたの?僕が目を覚ましたときになんか怒られているみたいだったから・・?』

タ「あー、あれはちょっと色々と訳ありでねぇ~。まぁもう終わったことだからフィーロは特段気にしなくても良いしなにも思わなくて良いよ。」

ス『あの時はごめんタツミ・・・・。』

レガ『本当・・色々と・・・・面目ない・・・・。』

タ「もうこんな事って慣れっこだからねぇ・・クラウンが居た頃はもっと酷かった記憶があるけどそれに比べるとまだマシって感じだし・・・。レガとかスパイアはまだ良い方だから気にしなくても良いからね。さてと、一応それぞれ自由にしていても良い・・・って言っても部屋もそれ程大きくないし何かして遊べるって感じじゃないけど・・・それぞれ休んでて良いよ。」

フ『確かにクラウンが居た頃はもうちょっとまだやんちゃだったって感じだったね・・・クラウンとか今どうしているかなぁ~・・。』

タ「本当やね・・・今度電話して様子聞いて見ることにしようか。前話した時はウィングとルビアが来た時だったからなぁ・・そろそろ電話してみよう。」

レガ『あの後ウィング達が帰った後どうなったのかかなり気になるw』

ス『あの二人相当怒っていたからね・・・クラウンも墓穴掘ったから・・・・。』

タ「ははは、あの二人の怒り具合は中々だったからなぁ。さてこれからどうする?一応外に行ってから考えて見ようか。」

レガ『じゃあ僕はボールの中に入っておくことにするよ・・・。』

ティ『じゃあ僕が外に出ていることにするよ~。今の世の中物騒だからね、あんまり役に立たないかもしれないけど・・・。』

タ「いやいやティア、ありがとう。じゃあ行こうか。」



この町はやはりポケモンリーグへと挑戦する人にとっては最後の大都会と言う事もあり訪れる人も必然的に多くなる。その為夜遅くになってもどこかしらでポケモンバトルが繰り広げられており時折町中では技と技がぶつかったと思われる衝撃音が聞こえてくる。

そんな中タツミ達は町の外れの静かな海岸に来ていた。ここでは人も少ない為フィーロやスパイア等もボールの中から出しておいてそれぞれ自由に過ごさせていた。この海岸から近くにはバトルフィールドがある為かここでも時折バトルの音が聞こえてくる。

タ「やっぱり相当気合い入ってんだねぇ~。こんなに夜が更けてきてもバトルしている人が多いとはねぇ・・・。」

フ『でもここら辺って気候的には良いんだよね・・・・ジョウトの海とはまた違った感じだけどこっちはこっちで中々良い海だと思うよ。』

タ「そうか・・・そうだ、フィーロちょっと遊ぶか?今はまだ夜だからそれ程人も多くないし大丈夫だと思うから。」

フ『えっ・・・でもやっぱりなんか危ないんじゃ・・・そりゃあ遊べたら嬉しいけど・・・。』

ス『僕達が付いているから大丈夫!ね?レガ?』

レガ『そそそそうやね?僕達が居れば誰も近寄ってこないでしょう?だからタツミ良いと思うよ?』

タ「2人が居たらトレーナーからかなり勝負しかけられそうな気もするけど・・・まぁその時はその時で考えれば良いか・・・じゃあ行こうか?」

フ『うん!』



タ「誰も居ないね?・・・ここまで来るまで何人かとすれ違ったから人が多いのかと思ったけどそれ程じゃなくて良かった良かった。フィーロ自由にして良いんだよ?」

フ『うーん・・・なんかやっぱり一人で遊ぶのも空しくなっちゃって・・・・。』

タ「そうか・・・じゃあ久々にみんなで遊ぶか?ここ数日バタバタでこんな事も全然出来てなかったから良い気分転換になると思うし・・・レガもスパイアもどう?」

レガ『じゃあお言葉に甘えて・・・。』

ス『うん、最近バタバタだったからたまにはこう言った気分転換も必要だろうから良いよ?』

ティ『たまには良いんじゃない~こういう風に休息も必要だろうし人の目に付かないようにするなら大丈夫だと思うよ~。』

タ「よし、じゃあ久々に何かして遊ぶか!・・・・・んで何して遊ぶの?」

ス『えっ?タツミ何か持ってきてないの?』

レガ『何も持ってきてない状態で何かして遊ぶって言い出したの?何か簡単な物でもないの?』

タ「そんなに威圧感マックスで話さないでよ・・・めっちゃ怖いから・・・うーん・・・簡単な物ならあるけどさ・・・ビーチボールとかしかないけど明からにレガとかスパイアが叩いたら割れますよねぇ・・・これビニール製だし・・・。」

ティ『確かに恐らく割れるだろうねぇ・・・その爪じゃあ・・・特にビニールなら簡単に・・・。』

レガ『(汗)』

ス『まさかの形勢逆転ですか・・・・ごめん・・・全くその事考えていなかった・・・。ん~・・・じゃあ少し簡単に・・・。』

そう言うとスパイアは空に火炎放射を打ちそれを爪で切り裂くと火炎放射は小さい火の粉となり辺りに散らばった。青い火の粉はキラキラと光りながら下へと落ちていく・・まるでその光景は花火のが開いた後のあれに似ていた。

タ「おや?まさかのコンテスト的な感じですか?」

ス『まぁそんな感じ、なんかこの町じゃコンテストって物が結構流行っているって聞いたからちょっと真似してみただけw』

レガ『スパイアが出来るなら僕だって出来るだろう・・・・って結構むずいな・・・えぇ・・・・。』

タ「スパイアにこういう才能があったとは・・・意外やったな・・・。」

ス『なんかそれ地味に傷つく・・・。』

タ「ごめんごめん、さてとなんかこれにみんな力注いで居るみたいだから暫くはこのままそっとしておいてあげようか・・・。」



暫くそのままみんなの自由にさせていたタツミだったがふと見た時計は23時を指していた。

タ「ファ!もうこんな時間・・みんなそろそろ帰るよ~。明日も移動するつもりだから今日はここまでね?」

フ『うん・・・もうちょっとでタツミにも見せれたのになぁ・・・また今度見せるね!それまでいっぱい練習するから!』

タ「それは楽しみだなぁ~。スパイアとレガ、ティアも見守っててくれててありがとうね。お陰でフィーロも楽しめたみたいだし。」

レガ『これ位ならお安いご用だよ。でも、やっぱり慣れない事すると疲れるね・・・もう帰って寝ることにするよ・・・。』

ス『じゃあ帰りは僕が空を飛ぶで移動することにしようか?僕はまだ大丈夫だから。』

タ「そう?じゃあそうして貰おうかな。ティアもありがとうね。」

ティ『そりゃあずっと一緒に居たから全然構わないよ~。それよりも結構みんなセンス良いんだねぇ・・・意外だったよ。』

タ「確かにコンテストに出てみると案外受けたりするかもしれないね、でも確かあのコンテストって町町で開催する小さな大会から始めないといけないから一段落したら良いかも。特にスパイアはまんざらな感じじゃなかったし。」

ス『いやいや、僕はただ何もする事が無かったからやっただけであってそんなコンテストに興味があるって訳じゃないから・・・・。』

タ「ははは、それ位分ってるよ。それよりもそろそろ帰ろうか。明日も早いからもう休まないとね。」

レガ『でもどこで降ろせば良いの?町中は相当騒動になっているみたいだしスパイアだとかなり目立ってかなり危ないんじゃないかな?』

ス『大丈夫でしょ?もうあれから結構時間経っているし何よりももう11時過ぎだよ?こんな時間まで集まっていたらみんなこんな時間まで何やってるのって話でしょ?』

タ「まぁ確かにそうだけど、実際レガで行っても目立つから意味ないと思うしそれよりもやっぱりまだ濃色のスパイアの方が夜に紛れることが出来そうな気がするからね・・・レガごめんけど・・・。」

レガ『大丈夫、ただその部分が気になっただけだから。でもスパイア本当気をつけてよ?ただでさえ目立つ容姿なんだから・・・。』

ス『大丈夫でしょう・・・・?もう夜遅いから・・・・それよりも行こうかタツミ。』

タ「うん、じゃあみんなはボールに戻って・・・・スパイア行くよ!」


その後町の近くまで飛んできたタツミ達であったが、町の様子は至って普通であり時間も時間の為か人影も車もまばらで先程までの騒動はなくなっているようである。

タ「おっ、騒動がないみたいだから今の内に部屋の中に入ってしまおう。スパイアは・・・ポケモンセンターの前で降り立つのは流石に危険か・・・ちょっと離れた所に降ろして?」

ス『うん、分ったけど・・・見つかりにくい場所ってどこ・・・?あのビルの影とか?』

タ「そうだねぇ・・・まぁそういう所で良いよ。」

ス『でももう騒動ないみたいだから良かった・・・じゃあ降りるよ。』

その後ビルの影に降りポケモンセンターへと帰ったタツミ達は部屋に入ったら急に睡魔に襲われそのまま夢の世界へと入って行った。

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