第84話

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください


あの後町へと夕食を食べに出掛けたタツミ達であったが、ミナモシティはホウエン地方の中でも有数の都会なので中々探している店に出会えず町をウロウロとする事になった。

タ「うーん・・・そろそろ店に入りたいところだけど一体どこが良いかなぁ・・・一応スパイアとかレガもいるからポケモンOKな店だと助かるんだけどなぁ・・・。」

レガ『あれだったら僕達の事は気にしなくても良いんだよ?それでタツミが直ぐ食べることが出来るなら・・・。』

ス『うん、だから僕達の事は気にしないで?ポケモンOKな店を探すよりは少しは楽になるでしょ?』

タ「まぁ・・・だけどやっぱりみんなで食べた方が気が楽だから・・・もうちょっと探してみて・・・8時くらいになったらもう諦めるよ。」

その後暫く歩いて行くと小さな古民家的なカフェが現れてきた。ガイドマップにも載っている店のようだが一番の稼ぎ時といえる夕食時にも人の数はまばらで店内では小型ポケモンを出している人もいる為どうやらポケモンも良いようである。

タ「おや?ここなら行けるんじゃないのかな・・・ちょっと聞いて見ようか。」

タツミはスパイアとレガを外へと残し、その店へと入ってみた。中はとてもレトロで落ち着きが有りコーヒーの香りが漂うとても静かでモダンな空間だった。

タ「ここってポケモンも大丈夫でしょうか?」

店主「大丈夫だよ。ただ・・・大型ポケモンみたいだからお客様の迷惑にならないように端っこの席なら自由に使っても良いよ。」

店主が窓の外を指差しているのをタツミは不思議に思い窓の外を見てみると、レガとスパイアが窓に張り付かんばかりで中の様子を伺っている様子だった。

タ「ありがとうございます。・・・って2人ともこっちガン見しているし・・・・早い所呼んであげるか・・・。」


スパイアとレガは大型ポケモンの為やはり周りの小型ポケモンが多い中ではかなり浮いた感じになっていた。その中タツミはフィーロ以外のポケモンを出しメニューを見ながら夕食を選んでいる所だった。

タ「うーむ・・・結構良い値段するな・・・やっぱりか・・・。んでみんなは決まったかい?」

ティ『僕はこれが良さそう!だからこれにする事にするよ!』

ハ『僕はこれ!』

タ「げっ・・・やや高い料理・・・・。」

レガ『僕はこれにしようかなぁ~・・・ちょっと値段高い気がしてなんかタツミに申し訳ないし・・・。』

ス『本当だね・・・僕も同じやつでいいや。』

タ「2人ともごめん・・・さてと一応注文しておくことにしようか・・・・ってあれ?卵動いた?」

普段はタツミの持つバックの中に入れてある卵がどうやら少し動いたようだ。しかし、最近は色々とあったりした為卵の方まで中々手が回らない状態が続いていた為卵が揺れたのはこれが初めてではないようである。

レガ『と言うよりも卵の存在半分くらい忘れかけていた気がする・・・・。』

ス『本当だね、卵の中のポケモンも呆れかえっているかもw』

タ「本当そうかもしれないね~、さてと注文しよう。」


料理はそれ程時間が掛らずに出てきた。ポケモンセンターに併設されている食堂とは値段域が違う為、食器は高級ホテルで出てくる皿やグラスであったりタツミの料理に添えられているナイフとフォークは純銀でとても重厚感がある。その他ポケモン達に出された料理も何時もの料理とは違いどこか高級そうである。

タ「・・・このフォークとナイフ・・・純銀製か・・・すげぇ・・・。」

レガ『と言うよりも生まれてから初めてかも・・・こんなに高級そうな夕食・・・。』

ス『確かに・・・でもなんか・・・・何時もの感じが落ち着くといった感じのような・・・・まぁ冷めない内に食べよう。』


タツミとポケモン達は料理を口に運ぶ、普段食べている食堂や買った物とは違い流石レストランといった感じでとても香ばしくそしてどこかクリーミーで食欲をそそられる。そしてタツミ達はあっという間に食べきってしまった。


タ「やっぱり高いだけあるな・・・・。」

ティ『本当、たまに食べるとやっぱり良いね~。』

レガ『流石値段が値段なだけあるね・・・ところで今日はもうこれから何もないんだよね?』

タ「一応そういうつもりだけど・・??一体何やるつもりなの?」

レガ『いや、最近体がなまっている感じがするからちょっとスパイアと練習試合でも・・・・あっ、スパイアは疲れていたか・・・。』

ス『ん?別に良いよ?それ程疲れまくったって感じはないから大丈夫だよ?』

タ「ここって練習場所あったっけ?まぁポケモンセンターに帰ってから考えることにしよう。さてと、そろそろ出ようと思うけどみんなはもう大丈夫?ハリマロンも良いかい?」

ハ『うん!タツミ、ごちそうさま!』

タ「うん、じゃあ行こうか。」

タツミ達はポケモンセンターへと戻る事にしたが、その前の会計で少々葛藤があったのはここだけの話である。



タ「一応1時間だけとは言え借りれた事は借りれたから自由にバトルして良いよ~、ただ限度をわきまえてね?」

レガ『分ってる、行くぞ!スパイア!』

ス『よし来い!』

ティ『あの二人が戦って大丈夫かしら?何時もみたいに喧嘩に発展する様な感じもするんだけど・・・いいの?タツミ。』

タ「うーん・・まぁその時はその時かなぁって感じ。でもやっぱり2人を止められるようなポケモンがいたら心強いんだけど・・・。」

ティ『それなら僕がうたうで眠らせればいい話だよね?』

タ「あっ、うたう覚えてるの?ならそれが一番手っ取り早い方法だねぇ・・・まぁその時はティア、頼んだよ?」

ティ『うん。』

そうこうしている間にいつの間にかレガとスパイアはお互いに技を出しあって勝負を開始していた。やはりレベルが少々レガの方が高い為かスパイアは押され気味になるがスパイアも負けては居らず隙を見てはレガに攻撃を繰り出していた。

タ「2人とも十分強いねぇ~・・・・あんなに小さかったのになぁ・・・。」

ティ『本当強いよね・・・もうちょっと聞き分けが良かったら良いんだけど・・・なんか廻りにトレーナーみたいな人が沢山来ているよ・・?タツミ。』

タ「本当・・・・こりゃスパイアとレガがバトルしてるのを見てちょっと集まってきたんだろうな・・・なんかまた勝負とか仕掛けられないと良いんだけどなぁ、なんかここら辺になるとトレーナーのレベルも高いみたいだしなんかねぇ・・・。」

ハ『でも僕が元々いたカロスと比べたら全然人少ない方だよ?』

タ「そうなの・・・カロスって一体どんなところ何だろうなぁ・・・。」

タツミがティアやハリマロンと話していると何時もの通り遠くから技と技がぶつかり合ったときに出る爆発音が聞こえてきた。バトルフィールド周辺はポケモンセンターだけとはいえ先程の様な爆発音がした時は誰もが驚くのが普通のリアクションである。その為爆発音がした後ポケモンセンターの宿泊棟の電気が幾つか点いてしまった。

タ「これってもしかしてまたジョーイさんに怒られるパターンですか?2人とも!!こんな狭いところで破壊光線と火炎放射を本気で撃たないで!!」

ス『ごめん・・・・つい夢中になって・・・・。』

レガ『意外とスパイア強くて強くて・・・いつの間にか技の威力強くしすぎて・・・ごめん・・・次から気をつけるよ・・・。』

ティ『相変わらずだねぇ~。でもギリギリ怒られる範囲には届いてないかなぁ~。』

先程の爆発音を聞きつけたのかいつの間にかバトルフィールドの周りには人が集まってきていた。その為タツミはひとまずティア以外を急いでボールへと戻しバトルフィールドを後にする事にした。

ティ『そんなに慌てなくても良いんじゃない?ほら、意外と周りは何も思ってないようだよ?』

タ「この町ってポケモンリーグに挑戦する人にとっては終盤に近い町だからね・・・案外戦うのが好きな人とか色々といるからあんまり長居したくないんだよね・・・。」

ティ『そういうことだったんだね・・・でも相当集まってきているから早く逃げた方が良いかも・・・。』

そうティアに言われタツミは周りを見渡してみる。するとやはり噂が一気に広まってしまい恐らくポケモンリーグに挑戦すると思われる人が数人見受けられた。

タ「早く逃げましょ・・・・そういえばここって温泉が有名だったな・・・ちょっと探して入ってきてみる?」

ティ『それもそうだね、じゃあそうしよう!』


タツミは何とか部屋へと戻りその温泉を探してみることにした。探す序でにスパイアとレガには少々説教をする事に。

タ「取り敢えず、あんまりこう言った場所ではガチの技の出し合いはしないこと。そういえば前もこういったことあったような・・・怒られるのは結局僕なんだからね・・??」

ス『はい・・・。』

レガ『分ってます・・・今回はちょっと夢中になったというか何というか・・・。』

タ「とりあえず次からは気をつけてね?さてと、一応ここが有名な所だけど・・・あっ意外と遠いな・・・。」

タツミが遠いと呟いた瞬間、スパイアとレガは一気に待ってましたと言わんばかりの勢いで

ス『じゃあ僕が連れて行くよ!』

レガ『いや、僕の方が早く着くことが出来るよ!だから僕が・・・。』

ス『早く着いたってやっぱり安全な方が良いじゃないか!ただレガは汚名挽回みたいな感じにしたいんでしょ?』

レガ『ギクッ!・・・そそそそそういうスパイアだってそうじゃないか!だから良いんだよ!スパイアはもう十分タツミにいい顔したでしょ!』

ス『なんでそうなる!』

タ「ストー--ーップ!!じゃんけんで決めて!そんな感じでまた喧嘩気味になるんだから気をつけて!」

ス『ごめん・・・・。これで今日2回目だ・・・。』

レガ『本当・・・・気をつけないと・・・。』

タ「まぁ何時もスパイアに飛んで貰っているから今日はレガの方に乗る事にするよ。それじゃあちょっと距離があるから早速出発しよう。レガ大丈夫?」



その温泉はポケモンセンターから大体15分くらい飛んだ場所に建てられていた。海に近い事もあり夕暮れには夕日が沈む等の一種の観光スポットと鳴っているようである。

タ「一応目を付けた場所の温泉宿に入ろうか、ポケモンの湯もあるみたいだし丁度良いからね?」

レガ『うん!それで大丈夫だよ。』


受付「大人の方1人500円とポケモンの方は頂戴しておりませんのでどうぞご自由にお入りください。」

タ「ポケモンがタダなのはとても助かるからね・・・それじゃあみんなゆっくりくつろいできて。」

ス『うん!タツミもゆっくり休んでね?』

レガ『結構最近バタバタみたいだったからたまにはゆっくりと過ごすと良いよ?』

ティ『2人の事は任せて。何かあったら直ぐ眠らせるから。』

タ「分った、ティア3人の事頼んだよ。それじゃあゆっくりしてくるよ。」



温泉としては大浴場とその他数種類の湯船、そして露天風呂と流石温泉旅館なだけあるようなバリエーション豊富な風呂であった。

タ「はぁ~・・・・疲れが取れるのぉ・・・・。・・でも・・・なんかポケモン達・・・僕の事信頼してくれているのかな・・・なんか最近どうも僕イライラしすぎているような感じもするし・・・。」

タツミはここ最近仲間の増減やレガの暴走など色々と気苦労が多い為か少々鬱気味になりかけているようである。

タ「・・・なんか僕のポケモンで良かったと思ってくれているのかな・・・。」



ス『なんか最近タツミが疲れているような気がする・・・前に比べるとため息の数も増えているし・・・。』

レガ『そりゃあスパイアが色々と問題起こしているしなぁ~。』

ス『なっ・・!元々はレガがいきなり暴走起こすからでしょ!あれで結構タツミかなり疲れたと思うよ?』

レガ『うっ・・・それは・・・・確かにそうだけど・・・僕もうちょっとタツミに寄り添わないといけなかったかなとは思っているんだ。なんかタツミもしかして孤独に感じているんじゃないかって思うときがあってね・・・。』

ス『そうだよね・・・僕達の小さい頃はタツミ・・・付きっきりで僕達の傍にいてくれたからね・・・もうちょっと僕達の方から近寄らないといけないね。』

ティ『本当そうだよ、2人とも何時も好き勝手してタツミを困らせているんだから。』

レガ『うん・・・そうだね・・・・。』

ス『今度は僕達の方から恩返しする番なのかも・・・ね?レガ。』

レガ『うん、そうだね。でも何すれば良いのか分らないし・・・。』

ティ『何もしなくても良いんじゃない?ただ傍に居てあげるだけど相当違うからね。』

ス『何もしなくても良いねぇ・・・・うーん・・・・。』




タ「あー、疲れが取れた・・・これで次の町まで何とか持ちそうかなぁ~。あっスパイア、他のみんなは?」

ス『タツミ・・・・大丈夫だからね?僕がずっと傍に居るから!』

タ「いきなりどうした?でもそう言ってもらえると気が楽になるよ・・・うん。」

ス『前も言ったと思うけど僕は絶対タツミを見捨てないから・・・だから・・・そんなに思い詰めないで。』

タ「スパイア・・・うん・・・・・どうやら僕の思い過ごしだったみたいだね・・・それに忘れかけていたよ・・・ありがとうスパイア。」

ス『僕の方が何時もタツミに助けて貰ってばかりだから・・・これ位しても・・・・。』

タ「スパイア・・・・。」

タツミはスパイアの頭を優しく撫で

タ「スパイアもこんなに大きくなったんだなぁ・・・あんなに小さかったのに・・・・こんなに立派に成長してくれて僕は嬉しいよ。」

ス『それもタツミが居てくれたから・・・みんなが居てくれたからここまで来れたんだ。うん。』

タ「そうか・・・・ところでレガ達はどうした?なんか結構長く出てこないけど・・・?」

そうこうしている内にレガ達が出てきた。しかし、体は傷だらけだが手には人数分の飲み物を持ち笑顔でタツミの元に帰ってきた。

タ「何があったの・・?そんなに傷だらけになって・・・・風呂場で何か勝負でもしていたの・・・?」

レガ『いや・・・勝負して勝つと飲み物買ってくれるって言ってきて・・・だからちょっと勝負して見ただけだよ。それよりもタツミはどれが良い?』

ティ『レガ、タツミの為ってかなり相当無理していたんだよ。勝負もずっと続けてだったから相当疲れたと思うよ?』

タ「そうか・・・レガもごめんね・・・こんなに心配掛けてしまって・・・。」

レガ『いやいや心配掛けているのは僕の方だから気にしないで、それに色々と僕が問題起こしてその都度タツミにかなり迷惑掛けたし心配も掛けたから・・・・これ位気にしないよ、それよりもどれが良い?』

タ「そうだね・・・じゃあこれにしようかな・・・。」

ハ『僕はこれ-!』

ス『じゃあ僕はこれでいいよ?でもレガずっと戦ってたんだな、かなり面倒な相手だったと思うけどどうだったの?』

レガ『うーん・・・まぁそれなりにかな~。だけどやっぱりタツミに元気出して欲しかったからね、勝てて良かったよ。』

タ「ごめんねレガ・・・。」

レガ『いいのいいの、これ位どうって事ないからね。』

タ「じゃあ飲み物飲み終わったらポケモンセンターに帰ろうか。今ぐらいに帰ると丁度良い時間になるだろうからね。」
明日より新年度ですが、残念ながら遠くに赴任する事になった為ネット環境が整うまでは更新できないです。

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