この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください
主な登場人物
(救助隊キセキ)
[シズ:元人間・ミズゴロウ♂]
[ユカ:イーブイ♀]
(その他)
[チーク:チラーミィ♂]
前回のあらすじ
バトル大会『インフォメーションカップXXX』。それに連なる一連の事件に対処し、しかし敵とは言え多数のポケモンを死傷させたコリンクの救助隊、スズキ。彼は逮捕され、留置場に置かれていた。
彼に事情を聞こうと、シズたちは面会に向かう。そこで聞かされたのは、『再生教団』と呼ばれる巨大組織の存在、および『救助隊協会』との対立。そして、事件を起こした犯人は『再生教団』であるという事実であった。
一体、『再生教団』の目的とは? 『世界を壊して作り直す』という大きな理念を、どう達成しようというのだろうか?
「ねえ、シズ……一体どうしてなの?」
……スズキと救助隊キセキの面会があった日から1週間後。
自分たちの家で、シズとユカの2匹は向かい合って話していた。
「どうしてあの資料を読まないの? せっかく……苦労して手に入れたのに?」
あの資料――バトル大会『インフォメーションカップXXX』の優勝賞品であり、失われたシズの過去が記されていると目されている書類。
「ユカ、それは……言いたくなくって……」
「それで納得できるわけないでしょ!? ワタシ、キミが記憶を取り戻したいって言うから……なのに、いきなりいやだいやだって言い始めてさ!」
ユカの怒りは最もだ。シズは、せっかく達成した目標を突然否定し始めたのだから。
……何より、ユカはシズが見た『悪夢』を知らない。シズが黙っているのだ。
「ごめんなさい……でも」
「悪いって分かってるなら、話してよ。お願いだから……ワタシに出来ることなら、なんでも――」
突然、がちゃりと音がした。
「なんだよッ!」
「ユカ!? いや……オレだよ、チークだよ!」
ユカは反射的に扉へと向き直り、吠える。そこにいたのはチークだった。
「……え? 帰り早いね。いま朝10時ぐらいだけど」
「『え』じゃねぇよ『え』じゃ。いやまあ確かに帰りは早いけどさぁ」
気が立っているユカに対して、チークはわりといつも通りに冗談口調で会話をする。
「――って、そうじゃなくて。『救助隊協会第一支部』の上層部が遠征をするらしくってだな」
「遠征? ……どうして」
遠征――そのままの意味で受け取って良いだろう。探検のような何らかの目的を持って遠方に出かけることだ。
「それがまぁ……『救助隊協会第一支部』に行ったときにこんなことがあってよ……」
時はさかのぼり、同日朝8時頃。レンガ造りの建造物、『救助隊協会第一支部』の内部。
チークはいつも通り依頼を受けにやって来ていた。
「しかしですね、人的コストがバカにならんですよ。人じゃないですけど」
「いいや、今回の一件で我々『第一支部』には注目が集まっている。銃器事件への対策意識を示さねば……」
そして……事務室の扉の横を通りがかった時、チークは気になる会話を耳にした。『銃器事件への対策』――十中八九、バトル大会『インフォメーションカップXXX』での出来事を踏まえてのことだろう。
そのあたりの椅子で休憩する振りをしつつ、扉の先から聞こえる声に耳を傾ける。
「ですが、だからってそんな大規模なこと……それに、あなた自身だって危険でしょう」
「そうも言ってられんのだ。このところ、救助隊の隊員たちにこの件をつつかれ続けている。支部長を下ろされるのも時間の問題だろう」
支部長。……救助隊協会第一支部には滅多に顔を出さない、『ピースワールド』の救助隊をまとめ上げるエラいヤツ。顔を出すのは重大な決定を行うときぐらいのもので、それ以外は書類仕事を専用のオフィスでやっているという噂を聞く程度。
……そんなのが、一体どうしてここに?
「いいかね? 私の一族は、代々『第一支部』の支部長を務めてきた。代々だぞ! ……それが、不祥事の噂程度で――そう、噂程度で! 引きずり下ろされそうになっているのだ!」
「お、落ち着いてください支部長! 分かりました、分かりましたから……」
噂程度だなんて、よくそんなことが言える。……チークはそう思った。
チークは、実際に彼らのような上層部が不祥事を起こした――賄賂の流れがあったことを疑うに足る根拠を知っている。
そのことで騒ぎ立てるつもりは(知人に釘を刺されたので)今のところはないが、だからといって不快感が消えるわけでもない。
「……はぁ。とにかく『遠征』の件は決定だ。いいな?」
「ええと……『大陸』の専門家に、銃器犯罪の対処法を学びに行くんですよね?」
『大陸』――この島、『ピースワールド』から海を隔てた土地である。銃器関連の犯罪がかなり活発である事も知られており、平和な島たる『ピースワールド』の住民からは旅行には行きたくない場所としてよく挙げられたりする。
……銃器犯罪が活発であると言うことは、すなわち当該犯罪への対処法のノウハウも必要になってくる。そう言った場所に学びに行くというのは悪い選択ではないのかもしれない。自分が銃器犯罪に巻き込まれるリスクを無視すれば。
「いちいち確認するな。その程度は一度で分かれ」
「はぁ……」
支部長は部下らしきポケモンを押し切ったらしい。チークと彼らを隔てていた扉を開き、部屋の外側へとやってくる。
盗み聞きしていたのを悟られたくないがために、チークは咄嗟に目をそらした。
「むっ。……貴様。」
「――えっ? オレ?」
……しかし、むしろそれがまずかった。挙動不審な行動のせいで支部長の注目を寄せてしまった。
「確か……チークだったか?」
「……覚えてくれていたんですね。光栄ですよ……」
チークはばつが悪そうに返事をする。
「貴様、救助隊キセキと同棲しているそうではないか」
「はぁ、まあ」
「救助隊キセキは、登録をしてからすぐに功績を挙げた期待の新人だ。その後はそつなく依頼をこなし、例の大会での優勝も経験している」
「……まあ」
ちなみに、シズの大会優勝が『再生教団』の意図的な工作込みによるものであることを知っている者はこの場にはいない(察していたとしても、『伝説の情報屋』暗殺の一件の詳細が明かされ始めたおかげで、完全な偶然と捉える者がほとんどだ)。救助隊協会所属でこの事実を知っているのは、現在留置場にいるコリンクのスズキくらいのものである。
……つまり、チークも支部長も、救助隊キセキ――特にシズの実力を実際よりも上方向に誤認していると言うことだ。
「私はそこが気に入った。と言うわけで、救助隊キセキを遠征の護衛として招集することにした。ついでに貴様も」
「はッ――はあ!? いきなり!?」
……それ故に、こんな事態にも発展してしまう。
「詳細は追って連絡しよう。……どうせ、聞いていたのだろう?」
「……」
チークは分かりやすく目をそらす。
やっぱり、見え透いた反応がマズかったらしい。
「それに、大会終了後の救助隊キセキは救助活動を休みがちらしいじゃないか。『報酬はたんまり出そう。このペースで活動を続けるなら、蓄えはあった方が良いだろう?』……とでも伝えておいてくれたまえ」
「あぁ……分かりましたって。伝えれば良いんでしょう、伝えれば……」
「――と、言うワケなんだ」
そして、現在に至る。
「報酬がたんまり、かぁ。具体的な額はわかんないけど、休みがちなのは事実だしね。……大体シズの体調が原因なんだけど」
シズの体調。……例の『悪夢』を見てから、シズは不定期的に体調を悪化させるようになってしまっていた。
トラウマ物の記憶を掘り起こされたとあれば、フラッシュバックに苦しむのも道理ではあるが……問題はそういう苦しみ方をしているという事実をシズ自身以外誰も知らないと言うことである。
「うっ。ごめんなさい……」
「ああ、いや、責めるわけじゃないよ。……でも、受けるとしたら『大陸』に戻る羽目になるんだよね」
ユカは『大陸』で暮らしていたことがある。……そして、そこで大事件に巻き込まれたことも。そのせいで両親と死別してさえいる。
「支部長は『お前たち以外にも護衛は沢山用意する』とか言っていたが……」
「ええと、『大陸』では銃器犯罪が活発って話なんですよね……」
救助隊・スズキの言葉……『ポケモン自身の手でポケモンを殺すことは難しい。だが、ポケモンに依らない武器を使えば一瞬で殺れる』。
例えば、銃火器などもポケモンによらない武器に数えられるのだ。シズたちがリスクに数えているのはその点である。
「――正直言うと、オレとしては断って欲しいと思ってるんだ。でも、伝えろって言われたからには伝えないわけにも行かねえし……」
銃器犯罪に実際に巻き込まれる危険性が例に上がったのに反応してか、この件について伝達したチーク自身が否定的な意見を示す。……それに賄賂の件もあって、『救助隊協会第一支部』そのものに対して一定の反感を抱いている部分もある。
ちなみに、チークは賄賂の件を救助隊キセキに隠すようにしている。もし2匹がそのことを知ったら、チーク自身がしでかしそうになったように暴走してしまうかもしれない。そして権力に叩き潰されてしまうと言う最悪のシナリオさえあり得るからだ。
「結局決めるのはおまえらっつーか……とにかく、まだ数日単位の時間があるからじっくり考えてくれよな」
「……どっちつかずって感じの意見だね?」
「分かってる、分かってるよ……オレだって分かってんだそんなこと。死んじゃ嫌だけど金回りでは楽して欲しいっていうかな……」
ユカの指摘するとおり、チークの思考はかなり中途半端な場所にある。
『大陸』に向かう危険性と、報酬というメリットやシズの大会優勝の実力(※誤認)を天秤にかけて、決めあぐねている状態なのだ。
「えっと……詳細は追って連絡するって言ってたんですよね? だったら、決めるのは詳細っていうのを聞いてからにした方が……」
「確かにね。思ったより危険な仕事かもしれないし、その逆だってあり得るしさ」
結局、結論はしばらく後へと持ち越すことになった。
『護衛』。なかなかに仰々しい響きではあるが……
……あれから数日後。
ここは『シーサイド』と呼ばれる場所。その名の通り、海岸に位置する『ピースワールド』最大級の街である。
「なあ……ホントに受けてよかったのか? だってよ……『大陸』だぞ? 銃だぞ?」
チークが不安げな声を漏らす。
チーク、ユカ、シズの3匹は、そんな街の中でも『救助隊協会第一支部』の次点に特徴的な施設――『大陸』行の船が出る港へとやって来ていた。
……言うまでもなく、支部長の遠征に護衛として同行するためだ。
「いや、大丈夫だって。だってさ、行き先は『黄金の街・ルドー』だよ? ピースワールドが世界一平和な島だとしたら、ルドーは世界一強い街。銃器犯罪なんて考えなくてもいいでしょ!」
『黄金の街・ルドー』。……そこが、今回の遠征の行き先であった。
黄金という名を冠しているだけあって、その街はとても豊かなことで有名である。
「えっと……たしか、独自の軍隊を持ってるって話でしたよね。この世界じゃとても珍しいって……」
『黄金の街・ルドー』は、シズが話すとおり独自の軍隊を保有している。
――銃器犯罪やそれを引き起こす『再生教団』には対抗したいが、だがやはり銃火器は卑怯で無粋である……しかし近接武器であれば、銃火器と違い多少の手加減も聞くだろうし、何より無粋ではない!
そんな思想から、『人間の武器』の1つである槍で武装した彼らは、それこそ銃の脅威にも負けないような実力を誇っているそうだ。
もっとも、外部のポケモンから「槍も危険で卑怯だろ」という指摘を受けることも多いのだが……この軍の目的は銃火器への対抗である。遠征の目的である銃器犯罪対抗策の学習にうってつけであるのは確かだろう。
「でも、危険なのはやっぱり道中だろ。街にたどり着く前に襲われたら……」
「それもできる限りの安全ルートを通るって話じゃん。それでお金が貰えるんだから……悪い話じゃないよね?」
「楽観視するのは危ないと思うけど……」
「シズ。最近キミって、心の調子崩しっぱなしじゃん。良いリフレッシュだよ! それにワタシ、『大陸』は怖いけど、『黄金の街』には一度行ってみたかったんだよね」
「あ……あはは……」
ユカは……どうやら完全に旅行気分でいるようだ。
シズは苦笑いするしかなかったし、チークはものすごく不安げだ。
それからさらにしばらくして。この港には、当該遠征に参加するのであろう救助隊バッチをつけたポケモンたちが沢山集まっていた。
そして彼らの視線が一番集まるであろう場所に、『第一支部』の支部長が立っている。
「諸君。この度はよく集まってくれた。皆も知っての通り、今回集まってもらったのは『銃器犯罪の対抗策学習のための遠征作戦』が目的で――」
演説を始めた支部長の言葉を聞き流しつつ、チークとユカはこれから自分たちが乗り込む船へと視線を寄せた。
木製の大型帆船。みずタイプのポケモンによる補助を行いやすいような細工が成されていたり、そのほかにも人類技術による改造が施された『救助隊協会第一支部』の所有物である。
「……船に乗ってる間って、暇そう……」
「あー……そうか。そうかもな」
「まあ、今この瞬間が一番暇なんだけどさ」
「……確かにな」
……3匹の内、まともに支部長の話を聞いているのはシズだけである。チークはこんな奴の話は聞くだけ無駄だと考えているし、ユカはごく普通に面倒だと思っている。
早く終わりますように。シズを除いた2匹はそう思っていた。
それからさらにしばらく。救助隊たちは、出航した船に揺られていた。
「どんどん島が遠ざかっていく。ついさっきまでボクたちがあそこにいただなんて……」
「何か神秘的って言うか……この世界の広さを感じるよね」
「神秘的って表現、なかなか独特だな……?」
甲板の縁で景色を眺めながら、3匹は各々の言葉を呟く。
「なんというか、実感が沸かないです。ボク、初めて『大陸』に行くわけで……チークさんと、ユカと一緒に。……でも、『いくぞー!』っていう盛り上がりがないっていうか……」
「気分が落ち込んでるからじゃないかな? 『黄金の街』には何日か滞在するわけだし、じっくり羽を伸ばそうよ。支部長のおじさんが勉強してる間は暇だしさ」
船に乗る前から何度も指摘されていたように、最近のシズは調子を崩しがちな状態にある。シズ自身以外からはその理由は分かっていないが……精神的な事情に原因があるという一点においては、周囲も想像がついている。
「なあ……ちょっとした推測があるんだが、話していいか?」
「え……?」
「推測?」
チークが海を眺めながら言葉を発した。
会話の流れからして、シズの精神事情のことではあろうが……
「シズがあの資料を読みたがらない理由なんだがな。もしかすると……実はちょっとだけ、記憶を無くす前のこと、思い出してるんじゃないかって……」
「……」
あの資料――バトル大会『インフォメーションカップXXX』の優勝賞品として用意された、シズの過去が記されているとみられる記録だ。
シズにとってはあまり踏み込まれたくない話題である。
「えっと、どういうことなの?」
「いや、だってよ。そのちょっぴり思い出したのが、シズにとってつらい記憶だったりしたなら……それ以上思い出すのが嫌になるってのもあり得るだろ?」
「あー……確かに? その理屈なら理由を言いたがらないってのも納得できるね。言葉にしちゃうと真実になる……みたいなのを聞いたことあるし。言霊って言うのかな? いや、やっぱりちょっと違うかも……」
会話が進むにつれて、シズがあからさまに目を逸らす。
……チークの推測はすべて当たっていた。記憶をほんの少し取り戻しているという予想も、それが原因で過去を取り戻すことに及び腰になっているという結論も……すべて正解だった。
「とにかく……どうなの? シズ。中身までは聞かないから、チークの予想が当たってるかだけ教えてくれたら嬉しいんだけど……」
「ユカ、その……ごめんなさい。ボク、今は……1人になりたいよ……」
俯きながら、シズはそう言った。
「あ、えっと……分かった。ごめん、嫌なこと聞いて。ほら、チークも行こう?」
「多分……イエスってことだよな?」
「いや、このタイミングでそれ言っちゃダメでしょ……」
……2匹はシズの要求するとおりにこの場を離れることにした。
甲板には3匹以外の影はほとんど無い。じっくり、何かに思いを馳せることもできるだろう。
ここは船の内部、遠征作戦に参加するポケモンたちが過ごす船室である。
ユカとチークはシズを1人にしてやるためにこの場所へと戻ってきていた。
「ワタシ、結構ヒドいこと聞いちゃってたのかもね……」
「いや、あんなの本人の口から言ってくんなきゃ気づけねぇだろ。ユカは悪くねぇって」
「……」
……この場にいる2匹には船を扱うような技能は無い。無論、甲板にいるシズもそうだ。船に揺られている間は話し込むぐらいしかやることがない。
「あのさ……ちょっと辛気くさい話から離れるんだけどね」
「なんだ?」
そんな状況になると、やはりいろいろな話題を試したくなるのが道理だ。ユカがやろうとしていることもそれである。
「……じゃーんッ! これ!」
「なんだそれ?」
ユカが自身の鞄に前足を突っ込み、そして引き上げる。
そこに握られていたのは、フルカラーで何やら印刷された三つ折りの紙であった。
「『黄金の街』の観光パンフレット! 港でもらってきたんだ!」
「……おまえなぁ。」
■観光パンフレット(黄金の街・ルドー)
『黄金の街ルドー』は、その名の通りとても豊かな街です。不思議のダンジョン『いけにえの城』から産出される金鉱に裏打ちされたその強大な財力は、他の文明を圧倒しています。
観光客の皆さんは、街に入るとすぐに驚くことになるでしょう。何しろ、役所や公共施設、民間の店舗や民家に至るまで……すべての建物が金で彩られているのですから。
・特徴的な施設
レストラン・シルバーズキー、バトルアリーナ・ナイアール――この街には様々な施設がありますが、最も特徴的なのはカジノ・ワールディでしょう。他の街にはない、大型の賭博娯楽施設……もし資産に余裕があるならば、あなたも楽しんでみませんか?
・世界最大級の安全保障
しかし、こんな豊かな街が『大陸』に存在しても良いのでしょうか? 犯罪者たちに襲われてしまうのでは?
そんな不安を力で圧倒するのが、『黄金兵』と呼ばれる兵隊たちの存在です。槍で武装した彼らは、黄金の街の財力と徹底した訓練に裏打ちされた実力と統率力を持ち、頭数では及ばないながらも単純な戦力においては『救助隊協会』や『再生教団』にも迫るほどです。
特に、『エネルギー橾槍術』と呼ばれる特殊な槍術を見切ることは容易ではありません。
・立ち入り禁止区域
大変危険ですので、観光客の皆様方におかれましては、指定の区域に立ち入らないようお願いいたします。
「どう? 今からでも着くのが楽しみになってきたでしょ?」
「……一応仕事なんだからな? これ」
チークは軽く頭を抱えた。……不安だ。