12.単なる偶然?
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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください
ここ最近、引っ掛かっていることがある。
どうでも良いことといえば良いことだ。生活には何ら影響のないことだ。
だが、どうしても頭から離れない。ふとした瞬間思い出し数分考え続けてしまう。
「単なる偶然?」って思うときもある。でも「偶然にしては……」っ思うときもある。
とにかく私はずっともやもやしていた。
「ちょっと良い?」
「どうしたの?」
「これっておかしいと思わない?」
このもやもやを私は、友達に話すことにした。
「有名な人って、色の名前多くない?」
「有名な人?」
「ロケット団を一人で壊滅させて、その後ポケモンリーグを制覇した人っているじゃん」
「めっちゃ有名な人ね」
「その人の名前って『レッド』って言うんだよ」
「……ああ」
「後、ポケモンリーグで四天王を倒して、その後トキワシティのジムリーダーやってる人いるじゃん。その人は『グリーン』って名前なんだよ」
「言われてみれば……」
「両方色の名前って、偶然にしては出来すぎてない?」
「うわっ本当だ! 私全然気がつかなかった!」
「これすごいよね! なんでこのこと誰も話題に出してないの? ニュースとかでも流れてこない」
「……でも、その二人だけだよね、名前が色の人。他のジムリーダーとかは色じゃない」
「そうなんだよね。二人だけなんだよね」
「二人だけなら、偶然そうなったんじゃない?」
「偶然かあ。でも、なんか引っ掛かる……」
家に帰ってお母さんにこのことを聞いた
「なんで名前が色なのか? そんなこと知らないわよ」
「偶然にしては出来すぎてない?」
「えーレッドとグリーンって両方マサラタウン出身だし、マサラタウンでその時期に色の名前が流行ってたんじゃない?」
「色の名前が流行ることってある?」
「わかんないわよ。あれじゃない? 名前が色だと、バトルが強くなるんじゃないの?」
「え? なんで?」
私の質問攻めに耐えきれないお母さんは、向こうへ行ってしまった。
結局、なんで二人とも名前が色なのか分からない。
「まあ、どうでもいいか。それよりさっさと寝よっと」
こんなこと考えるだけ無駄だ。でもまた、ふとした瞬間にこれを思い出すんだろうなあ。そしてまた、考え込んでしまうのだろう。