ボクはボクだから

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今回は、このシリーズでは屈指の暗い内容です。

旅を続ける僕とミライ。その途中スタンプラリーが開催されていることを知り参加することにした。ところが最初のスタンプを押すためにはバトルをして勝たないといけないという条件があった。
そこでジャノビーとエモンガとバトルすることになった僕達。初戦は僕がジャノビーに勝利した。
そして第二戦、ミライとエモンガのバトル。途中までは完全にミライのペースでバトルは進んだ。しかし、勝利を目前にして、ささいなきっかけで突然ミライの調子が狂い始めてしまう。そして動揺して冷静さを失ってしまう。
そしてミライはエモンガに負けてしまった......。

そしてバトル後ミライに話しかける僕。ところがミライの様子が......。

フウト「ミライ大丈夫か...?」
ミライ「私は大丈夫です......」
フウト「今なんていった...?」
ミライ「私は大丈夫です...」
フウト「いったいどうしたんだよ...元気もないし...」
ミライ「何でもないです...大丈夫です......」

(ここからミライ視点です)

フウトは私の事を心配してくれる。私が落ち込んでるから......そして私のしゃべり方もいつもと違うし.....。こうなったのは今回がはじめてじゃないけど......。

フウト「とりあえず次の町に向かうか?」

私は無言でうなずく......。そして私達は次の町に向けて出発する。しかし私は進まない......その場から動こうとしない...。

フウト「どうしたんだ?行かないのか?」
ミライ「行くよ...!」

しかしそれでも、私はその場から動こうとしない......。

フウト「行くんだろ」

私は歩いて次の町に向かい始める...しかし明らかに様子がおかしかった。

フウト「とりあえず行くのはあとにして、先にここでバトルの練習でもするか」

そう、私はここでバトルの練習がしたかったのだ。バトルの練習をすることになって本来は嬉しいはずだった。でもその時の私は素直に喜べなかった。

どうしよう...またフウトに迷惑かけてる......そう思い込み、申し訳なさでいっぱいになり、私は自己嫌悪に陥る。

事の発端は少し前にさかのぼる。少し前のこと私はエモンガとバトルしていた。それなりに自信はあった。もちろん油断は禁物だけど......。
そしてバトル開始後しばらくは私のペースだった。そしてとどめのアイアンテールを発動しようとした。ところがそれを外して地面に激突してしまう。
そこからリズムが狂い始める......私は焦って動揺してしまった......。せっかくフウトが初戦で勝ってくれたのに......。冷静さを失って、出しまくった技はほとんど当たらなかった。そうして私はバトルに負けた......。
試合はその後フウトがエモンガに勝利して、スタンプを押すことができたけど......。

ほんの、ささいなことで何もできずに負けてしまった......。
せっかくフウトが頑張っていたのに、私はフウトに迷惑をかけただけだ......。
自信がなくなってくる......こんな自分が嫌になってしまう。
たいしたことじゃないかもしれない、そんな気にすることじゃないかもしれない。自分でも分かってる。分かってるつもりだった。でも、落ち込んでしまう。そして、そんな自分も嫌になってしまう。
そして一人称をボクにするのが申し訳なくなって、一人称を私にしないといけないと思うようになる。だって女の子の一人称は普通ボクじゃないから......。
フウトは心配してくれる......でも、迷惑をかける訳にはいかない。そう思い、私は大丈夫です、と答える。

フウト「とりあえず次の町に向かうか」

そりゃそうだよね。次の町にむかわないとね。分かってる......でも、進めない......。

フウト「どうしたんだよ、行かないのか?」

どうしよう、フウトに迷惑かけてる......無理してでも行かないと。そう思い込んでしまう。どうしても落ち込んでしまう。

そして......

フウト「とりあえず次の町に向かうのはあとにしてバトルの練習でもするか?」

とりあえず、ここでバトルの練習をすることになった。

私はここでバトルの練習がしたかった。
嬉しいはずだけど、嬉しくない......私のせいでフウトに迷惑かけちゃった...。
私のわがままのせいで...フウトに対して申し訳ない...。
実際は違うかもしれない。全然迷惑じゃないかもしれない。
しかし、私の思い込みは暴走し、自分をさらに責めてしまう。

そして......

ミライ「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」

謝らずにはいられなくなる。

フウト「何を謝ってるんだ?」
フウト「バトルの練習でもするか」

そして私はバトルの練習を始めた......しかしまったくうまくいかない。

そして、私はもうやけになってこんなことを言い出してしまう。

ミライ「もう、別にいいよ...私なんて練習したって無駄だから...」
ミライ「フウト、こんなダメな私の特訓にわざわざ付き合ってくれてありがとう」
ミライ「旅は他のみんなと行けばいいよ...」

そう、最初から他のメンバーといけばよかったんだ。私に旅を楽しむ資格なんてないんだ。

フウト「ミライ」
ミライ「どうしたの?フウト?怒るなら怒って...だって私は散々フウトに迷惑かけちゃったから...」

もちろん、本心なんかじゃない。でも、私の口は止まらない。

フウト「つらいのはわかるよ。でも諦めていいの......?」
フウト「たった一回失敗しただけで、それもほぼ勝てた試合なのに」
フウト「旅をやめる?何でやめるの、ミライは旅をしたいんだろ...」

もちろん旅はしたい......でも、素直にそのことを言えない。

ミライ「みんなに迷惑かけるだけ...」
フウト「ミライは旅をしたいんだろ...やりたくないなら...無理に旅しろなんて言わない...他にもいろいろあるし...」
フウト「でも旅したいんだろ!だって僕は覚えてるよ...旅に出たときのミライの楽しそうな、嬉しそうな顔、ワクワクしてたあの時を」
フウト「迷惑なんかじゃない。むしろミライが落ち込んでると寂しいよ...」
フウト「自分はダメだ、人に迷惑かけてる...根拠のない思い込みと勝手な遠慮で不安になって自分のやりたいこと諦めるのか?」
フウト「行くんだろ、日常という名の非日常な冒険の旅に」
フウト「あとそれ以上そんなこと言わないでよ。ミライは僕の大事な友達で仲間なんだから!ダメなんかじゃないよ」

ありがとう......フウトの励ましのおかげで少し元気が出てきた。そうだよね......でも、私は素直になれない。

ミライ「私はいつも通りだよ...」
フウト「ここに来て一番最初に戻るか...」
フウト「全然いつも通りじゃない。だって一人称が私になってるだろ」
ミライ「たまにはと思って変えただけ」
フウト「違うな。そういう時のお前は一人称が私でも最高に楽しそうだから」
フウト「一人称を気にしてるんだろ」
フウト「別に僕達は友達だし仲間なんだから、気にしないでいいよ。みんなミライの一人称知ってるし、文句言ったりもしないよ」
フウト「あと小説では僕っ娘は、ある程度普通だからな。僕っ娘はかわいいんだ」
フウト「そして、自分にもっと自信もっていいんだよ」
フウト「という訳でミライ、一人称を元に戻せ」
ミライ「わかったよ...ボクはミライ」

私......いや......ボクはまだ完全に元気になった訳じゃない。でも、少し元気が出てきた。そうだよね......落ち込んだって何も進まない。前向きに元気出さないとね!

フウト「今日も晴れてるな」
ミライ「そうだね!」

青空を見た...
きれいな青空だった...
落ち込んでたことがバカみたいだと思いたくなる...
今はきれいな青空だけど
曇ることもある
雨が降る事もある
そしてボクも落ち込む事もある
でも、いつかは晴れる
落ち込んだって何も変わらない

笑顔で前を向こう

勇気だしてまた頑張ってみよう

その時、お腹がすいてたからかお腹がなってしまう。ボクは恥ずかしくて顔を赤らめる。

フウト「ミライお腹すいてるのか......?」
ミライ「いや......そんなことないよ......」
フウト「食べないと元気もでないぞ」

そして、結局その後は、一度町に戻って昼食を食べることにした。

続く......
自分を責めないで......

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