フラフラフランダンス

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気合いを入れてみたものの、やっぱり相性がとても悪い。ここはフランの素早さを活かして、確実に先制攻撃を当てるか。

「フラン、空を飛ぶ!」

フランは二枚の羽をはばたかせ、そのまま真っ直ぐ上に飛ぶ。うどんの出前で鍛えられた飛行能力は伊達じゃない!一瞬で相手の射程圏内から外れた。
予想通り相手のルージュラは、いきなり冷凍ビームを放ってきたが、上空にいるフランには当たらない。四倍ダメージだから当然狙ってくるよな…。

「よし、そのまま急降下して攻撃だ!」

フランは飛んでいる勢いのまま、首の後ろを使って相手のルージュラに突進する。確かルージュラは防御が弱かったはずだし、フランの攻撃力なら大きなダメージを与えられるはずだ!
攻撃を受けたルージュラは、苦悶の表情を浮かべながら膝をつく。動けない今がチャンスだ!

「フラン、一気に決めるぞ!地震だ!」

一番威力の高い地震を繰り出そうとしたが、なぜかフランの様子がおかしい。いつもなら指示通りに動く賢いフランが、まるでパッチールのようにフラフラしている。フライゴンだけに…って言ってる場合か!

「フッ、ルージュラの熱いキスの味はいかがかな?」

まるで誘惑するかのように、相手のルージュラは投げキッスをしてくる。まさか…攻撃した時に天使のキッスを受けていたのか!?こちら側では全く見えなかったので、気付くのが遅れてしまった。

「フララァイ…」

フランはわけもわからず、地面に倒れて顔を強打した。いつも献身的に動くフランの珍しい場面を見て、ちょっとホッコリする俺であった。

「隙だらけだよ!ルージュラ、冷凍ビーム!」

倒れたままのフランに冷凍ビームが当たる。氷技の四倍ダメージに加えて、特攻の高いルージュラの攻撃に耐えれるはずもなく、フランはカチンコチンに凍らされたまま戦闘不能になる。

「やっぱり相性が悪かったな…お疲れフラン」

労いの言葉をかけてフランをボールに戻す。本来はダブルバトルで活躍するポケモンだし、シングルだとこんなもんだろう。

「さあ、これで僕が有利になったよ!次は何を出してくるんだい?」

一体倒しただけで勝ち誇った表情になる相手のトレーナーを見て、俺はここでエース級の強さを持つこのポケモンを出すことにした。フランに比べると少し扱いづらい所もあるが、ここはこいつに任せるしかない!

「それなら、俺のポケモンで一番強いやつを出してやるぜ!
いけ、シウバ!」

「ウゥッ、シャアァァ!!」

大きな雄叫びを上げて登場したのは、うどん屋で火元の担当をしていたシウバだ。得意の足技と炎の特殊技で、数々の修羅場を乗り越えてきたウチのエースで、相手が強ければ強いほど闘争心が増す。戦いにおいて一切の妥協をしないシウバなら、必ず勝てるはずだ。

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