day1-2

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本当は昨日投稿する予定だったですが忘れてました・・・
「日本語で話す人ばかりだけど文字は意味不明なのってどうなのよ。」

言葉は日本語だったからどうにか意思疎通は出来そうで一安心したのも束の間で、看板や標識に書かれている文字が日本語でも英語でもアラビア語でもなんでもなく謎な字体で僕は困惑を隠せずにいた。ミニリュウは流石に文字は読めないだろうと思ってたら案の定そうだったので仕方ないね。でもこれは困った事になったぞ・・・多分この世界にも免許証だとかトレーナーカードとかはあると思うんだけど、それに書かれているのはその見た事も無い字体な訳でしょ?そう考えるとこの字を理解する事が先決なような気がしてやまない。

ミ『字ですか?・・・なるほどなるほど・・・確かに私も見た事無い字を書かれますね・・・日本語?日本語というのですか?それも初めて聞きました。ところで貴方のお名前を聞いてませんでした。なんと仰るのでしょうか???私はミニリュウです(ドヤァ)』

「そこドやる所??まぁ良いけど、僕の名前はコウイチ。面倒だから呼び捨てで良いからね?こんなおっさんにさん付けだとかしなくて良いからね??」

ミ『はい・・・でもそれだと失礼じゃないですか??』

「別に元居た世界ではよく呼び捨てで呼ばれたし、特にニックネームとかは無かったから気にしなくても大丈夫よ?それよりも今早急にやるべきなのはこの世界で有効な身分証を取得する事だろうな。日本語を書いたところで向こうもこっちも?となるのは目に見えてるし、通じないのは分かるけどこの世界で何も持たない無一文状態が長く続くのは命に関わる。早急に何とかしたいところ。それとお金もね?」

ポケモンセンターは一定間隔であるのは助かるけど、トレーナーカードも現金も持ち合わせてない僕が利用できるのかは現時点では判明しない・・・そもそもミニリュウが万が一瀕死な重傷を負ってしまったとしたら救急搬送してもらう事は出来るのだろうか・・・?これは一回入って聞く方が良いような気がするな。

ミ『?コウイチさん早く行きましょー!そんなところで突っ立ってないで次の町に早く行きましょ?それよりも疲れました?あのセキチクシティからはそこそこな距離歩いてきたのでやっぱり疲れましたか?それなら少し休みます??』

「さん付けしなくても良いのに・・・それもそうだね~、そこにあるベンチにちょっと座ってこの世界を観察してみよう。・・・おっ、そこにこの地域の地図があるじゃないの。丁度良かったわ。」

僕はその地図を見て見るとやはりここはカントー地方で間違いない模様。そして今いるのはセキチクシティの西側数キロ地点。つまりはサイクリングロードという事だ・・・サイクリングロード?そういえば自転車持ってない状態では入れなかった気がするんですけど。これは嫌な予感がします。旧道とかあれば良いけどなぁ、休憩取った後に行ってみましょう。





案の定自転車を持ってないから入る事は出来なかった。係員に聞くところによると元々から歩行者が通れるような設計で建設されてないから歩行者がこの道を通行するのは無理との事らしい。自動車と自転車だけが通行できる謂わば高速道路のような感じで、全く道路も何もない海の上に橋を通して作ったから当然旧道も存在せず。仮に自転車や車両を運転できない持ってない人がここからタマムシシティまで行くには、セキチクシティへと戻ってそこからグルっと迂回するしかないとの事。海に橋を通したという事は東京湾アクアラインか・・・東京湾ではフェリーが運航されていたけど流石にこの世界では運行してないかな・・・それか高速バスでもあったら・・・そもそも今無一文だったわ。さてと、いきなり詰んでおりますがこれからどうしましょうか。

ミ『ここからどれ位掛るんですか?えっ?最悪1週間は平気で掛るかもですって?・・・やっぱりお金稼ぎます?何かバイトでもして・・・それかポケモンバトルで稼ぐという事も出来ますよ・・?』

「バトルか・・・やった事も無い見た事しかないけど出来るのだろうか?ゲームみたいな感じなのかそれともアニポケみたいな感じなのか。そもそもミニリュウはどういう技が使えるの?」

ミ『えっ?・・・まきつくとか竜巻とか・・・そこら辺ですかね・・・?私自身もバトルなんてやった事も無くて、周りで見る位しかなくて分からないんです・・・本当すいません・・・あっ、そうこうしている内になんか知らない少年がこっちを見てますよ?』

ミニリュウからそう言われて僕はその方向を見て見る。すると確かに1人の少年がこちらをじっと見て動かずにいた。そして急にニカッて笑うとモンスターボールをこちらに見せてポケモンを出して来た。あのポケモンはニドラン♂・・・一旦やってみるか。

「ミニリュウどうやらバトルを望んでいるようだからお願いできるかな?・・・僕も不安ではあるけど案ずるより産むが易しって言う位だから一旦やってみよう?」

ミ『は・・・はい!!コウイチさん指示お願いします!!!精一杯頑張ります!!!』

「そう張り切り過ぎなくて良いからね・・・・じゃあやりましょ。」

急にどこから現れたのか分からない謎の少年とバトルする事になった僕は一先ずミニリュウに技の指示をしてみる。あれ?これって先攻後攻決めなくて良いの??あっ素早さ順?でも素早さだとあっちのニドランの方がありそうな予感はするんですけどそこはもう細かい事はどうでも良いんだよ状態って事かな??

「ミニリュウ竜巻!!!あぁぁ!!めっちゃこっちに色々な障害物が飛んできたぁぁ!!これかなりの被害になるんじゃないんですかぁ!?」

「ニドランは毒針!!」

いやいやこんなつむじ風以上の暴風にそんな毒針とか打っちゃったらこっちとかまで飛んでくるじゃないですか!!危ないって!今の僕には毒消しとか持ってないんだから!!

「くっ・・・!強い風だ・・・!!毒針がニドランの方にまで降ってきちまうぜ!」

こいつ今頃気づいたのかよ!?毒針撃つ前に気づけよ!ってミニリュウも何時までもそこで竜巻しなくて良いから攻撃して!!あぁ動き出した!!洗車機のブラシみたいに動き出した!なんなんあの動きは!!なんていうかキモイ!!!

ミ『あぁぁぁ目が回るぅぅぅ・・・・。』

「あれってミニリュウ自身が回転しながら起こしてたの??でもあっちのニドランは突風に飛ばされて近くの木にぶつかってダメージは与えられたみたいだよ?ミニリュウ大丈夫???」

ミ『気持ち悪い・・・』

これってミニリュウもダメージ受ける技だったりするの!?そんな技だったっけ竜巻って技は??でもあっちのニドランもそこそこダメージ受けたみたいだしこれはちょっとミニリュウに頑張って貰ったらどうにかなりそうな予感はする。

「ミニリュウ気持ち悪い所ごめんけど続けて巻き付くであのニドランの動きを封じ込めて!あっ!あいつ毒針あるから気を付けて前足か後ろ足だけ巻き付けてそのまま地面に叩きつければ良いから!」

ミ『めっちゃ注文付けてくるね!!取り合えずあぁぁぁ!!もう分からなくなったから巻き付けてから地面にたたきつけるよー!!』

「だからそのまんまだって。理解出来とるやん。」





「バトル有難うございました~!!」

あの後取り合えず勝った事は勝ったけど果たしてあれでよかったのかなぁ・・・ってか賞金って事で幾らか差し出して行ったけどこれ明らかに円ですよね??なんかそう見えるのは僕だけなのかな?円だったら僕も少なからず手持ちあるからどうにかこうにかなりそうな予感はするんだけど。それよりもさっきからミニリュウがすり寄って来て凄くなんか怖い。

ミ『私勝ちましたよ~!初めてのバトルで初めての勝利!!これこそコウイチさんと私で勝ち取った勝利ですよ~!この調子でまだまだ稼ぎましょうね~!」

「言い方よ。それよりもこれって明らかに円だよね??だってさっきの子供だって300円とか言ってたし、これってもしかして紙幣もあったりするのか・・・?ちょっとお店寄ってお金について調べてみる必要があるな。これ円で行けるんだったらちょっとは希望の光が見えてくるんだけど・・・それにもうすぐ日の入り・・・つまりは暗くなってくる・・・この状況で暗くなるのは真面目に生死に関わるから急ぎたいところ。ミニリュウ肩乗って!!急ぐから!!」

ミ『分かりましたー!!』

結論から言うと日没までに町までは辿り着いたのだが、日没の時点で肝心の宿が見つからない状態で彷徨っていた。飯より宿という言葉もある様に、まず最初に寝床を確保しない事にはその後の行動に支障が出てしまう。一先ず僕はポケモンセンターに出向いてみるが果たしてここに宿泊施設は備わっているのだろうか・・・万が一お金が掛るとかあったら今日は詰みな状態になりますよ真面目に。

「あの・・・ここって宿泊施設ありますか??」

ジョーイ「ありますよー、ところでトレーナーカードはお持ちですか?それをお持ちならば費用は掛からずに宿泊する事が出来ますよ?・・・しかし・・・見たところトレーナーカードをお持ちではないようですね、それでしたら費用は掛かりますが・・・。」

やはり運転免許証のような何かの資格免許証のような個人を証明するものが必要なようだ。トレーナーカードは恐らくここでは作って貰えないのだろうが、そのカードとやらを作らないと無料では宿にありつけない・・・しかし、僕が持っている所持金はさっきの少年から貰った賞金560円・・・・絶対に泊まれる位の金額ではないよな。

「それで費用はお幾らですか?」

ジョーイ『一泊500円です。』

ぬぉぉぉぉぉビジホとかカプセルホテルはおろか、ネカフェよりも安いではないか!!それを聞いた僕は二つ返事で快諾したのだった。

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