行方不明になった人を探そう

しおりを挟みました
しおりが挟まっています。続きから読む場合はクリックしてください
読了時間目安:16分
このテーマは結構長く書くつもりではあります。
ルネシティに来たのはあの事件以来だからもう5,6年位になるのかな?僕は入っていた仕事以外は全部キャンセルして数年前の姉失踪事件をもう一度探してみる為にルネシティに向かっている。前回はボーマンダの背中に乗せて貰ってえっちらおっちら行ったけど、今回は島での行動や探索する期間を考えてミナモシティまでは陸路で行き、そこからは船に乗り換えて行く事にした。

「高速使ってこんな長い距離移動するのは本当久しぶりだな。カイナシティからミナモシティまでは大体5時間か6時間程度か?そう考えたら前回は本当ボーマンダには頑張ってもらったよなぁと思うし、流石ボーマンダよなぁと思う。」

今回はボーマンダとリザードン、そしてその当時フォッコだったマフォクシーだけを連れて来ていて、それ以外は事務所の方でお留守番をしてもらっておく事にしたのだ。車はRV車と言ってもそこまで広い車じゃないから全員ボールの中に入ってもらっているけど、ボーマンダとリザードンはどうもボールが苦手なようでずーっと後部座席を行ったり来たり移動している。つまりはボールの中で暴れまくっているって事だよな・・・あれ?ミナモシティから出る船の中だとポケモンボールから出せたっけ?そもそも車も載せるって予約したけどどうだったっけ?・・・次のパーキングが出てきたらちょっと止まろう。


ボー『あーあーあーあーあーあ!!めっちゃボールの中は嫌いだって言うのにーー!!!シンゴったら全然ボールから出してくれないんだもんなぁ~~~!!!』

リ『そこまで色々と駄々こねなくて良いんじゃない???車の中に乗る訳にもいかないからボールに入ってるだけだし、そもそもこんな感じで1時間か2時間おきにはボールから出してくれているんだからそんなに色々と言わなくても良いんじゃない??』

「そうそうリザードンの言う通り。駄々こねるんだったらボールに入れてガムテープでシートに固定するぞ?そこまでされたくなかったら大人しくする事。そもそも空を飛ぶでずっと付いてくるって言ったって、カイナシティからミナモシティまでどんだけ距離あると思ってるん?危ないわ。」

パーキングで車を止めてボールの中からボーマンダ達を出してあげたけど、ボーマンダに至ってはさっきから欲しい物を買ってもらえずに駄々こねる子供のような態度になっております。ここ人気がないパーキングだったからどうにかなってるけど、あんな大きなポケモンがあんな感じに色々と駄々こねてるのを見ると本当色々な意味で危ないなとは思う。

「はーい、もう時間だから全員ボールに入っててねぇ~?次は船内の個室で出してあげるからそれまでは我慢しててね。」

先日キュウコンから教えてもらったあの・・・時や空間を司る神だとか、この世界を作り出したと言われる創造神。このポケモン達の事について調べてみるとどうもシンオウ地方が引っかかる。あの地域の伝説ポケモンと言われるディアルガ、パルキア、そしてアルセウス・・・これらのポケモン達が先程言った色々な神と言う事だ。しかし、ここはホウエン地方のしかもかなり南部の方・・・シンオウ地方とはかなりの距離が離れているから一見すると関係なさそうな感じがするのだが果たして関係があるのだろうか???

車はミナモシティへと入った。ミナモシティはホウエン地方の中ではそこそこの大きさを誇る都市の一つだ。ここから船に乗ってルネシティとかサイユウシティへと向かう人が集結する為、色々な地域の色々なポケモンと人が集まる所謂港町。そう考えるとカイナシティも港町だけど、あっちとこっちはやっぱり結構離れているから雰囲気が全然違う。

「さてと、まだ出航手続きまで時間があるから買い物とかしておこうかな?あっちは島しょ部という事もあって色々と物価が高いだろうし、ガソリンも満タン入れておかないと。」

こんな遠くまで来たのは本当何か月振りだろうか。こんなにいっぱいの人とポケモン、そしてこの町にはコンテストの最終地点とも呼ばれる会場もあるから凄い華やかな人とポケモンも多い。サイユウシティに向かう船乗り場には強そうなポケモン連れたトレーナーが何人もいるし、ポケモン勝負をしている中学生くらいと思われる子供もいる。カイナシティでは見かけないから凄い新鮮。写真撮っておこう。


僕は車を走らせ、港近くのディスカウントストアに立ち寄ると、食料や日用品等の色々な物を買い込む。そして買い物が終わり店を出ると、ガソリンを入れて船着き場へと向かった。恐らくルネシティは物価もガソリンも何もかもが凄く高そうだから、こういう準備しておかないといけないのもちょっと面倒。ルネシティとミナモシティは地図上ではそこまで離れているという認識がないけど、実際にフェリーに4,5時間程度は乗る事から結構離れているという事が伺い取れる。まっ、途中にも幾つか有人島があるからそこで休憩を取りながらルネやサイユウに行くという事も出来るしそっちが圧倒的に安いんだけど・・・前回はそうしたけど今回はそんな気力と体力は無かった。年を取るという事は寂しいものだ・・・

乗船手続きを終えると向かう港の紙を貰いそれを車のダッシュボードに掲示する。まさか連れて行くポケモン達全員の種族名を書かされるとは思ってもいなかったけど、やっぱり飛行タイプのポケモンで途中船外に出ていく人がいるからなのだろうか??そうこうしている内に車を船に乗せる時間が来てしまった。結構でかい船に車を乗せるのは意外とこれが初めてだったりする。大型トラックやトレーラー等が載せられた後に一般乗用車を載せ始めるのは、他の小さな航路フェリーとは違う所だろうか。おっと、数台前の車が移動し始めた。それを見た僕はエンジンを掛ける。



マ『これが船の中って全然想像もつかないね・・・。私こんな船乗ったの初めてかもしれない・・・それでいつ向こうには着くの?大体4,5時間後?結構ルネシティって近いんだね・・・えっ?シンオウに渡る時の船は一日近く乗る船もあるって?うわー・・・。』

「マフォクシーはフェリー初めてなのか。でも最初はそういう風な感じかもしれないなぁ、僕もシンオウに取材旅行で行った時に乗った船はジョウトの港からシンオウに渡ったけど、あっちは確か丸一日掛る位結構長く乗ったからなぁ。まっ、見た感じはそこまで狭い船ではないからゆっくりしててよ。他のお客さんの迷惑にならない程度にね?・・・残念な事にボーマンダとリザードンはボールから出せないけど・・・まさか誓約書まで書かされるとは思わなかった。」



船内での時間は退屈なものかなとは思ったけど、やっぱり超早朝にカイナシティからミナモシティまで相当な距離ずっと走って来ていたから、3時間程度とはいえ結構深く眠る事が出来た。これならば到着が昼くらいになる見込みだからホテルのチェックインまではどうにかこうにか散策できそうだな。

ん?そういえばマフォクシーの姿がないなぁ・・・どこかに行ったのかな??ボーマンダ達のボールは残ってるし、うーん・・・船内を散策しているのか?ちょっと心配になったから探しに行ってみるか。よいしょっと

「へぇ~船内はこんなになってるのか・・・って意外と小さなポケモン多いな・・・おっと。危ない危ない。もうちょっとトレーナーは監督責任果たしてくれや~、ぶつかって怪我でもしたら双方ともに不幸になるぞ。おっ居った居った。」

船内には居なかったのでちょっと窓の外を見てみると、外の待合室のような場所にマフォクシーが腰かけていた。おいおい、スカーフはなびいてるしどこから持ってきたのか分からないけどあんな大きな帽子被って・・・まるでどこかのセレブみたいななりふりやなぁ。

マ『あっ、シンゴもう起きたの?まだもうちょっと掛ると思うよ?えっ?あぁ・・・私が居なかったから心配して来たって・・・ありがとう。なんかちょっと中は色々と騒がしくてあまり居心地よくなかったから。』

「それは思った。なんか今日は子供と小さなポケモンが多いなぁ・・・なんでかな??何かイベントでもあるのかな?それともPTAか何かの団体客?ん~・・・分からん。でも騒々しいのは確か。んじゃあ着岸までここでのんびりしておこうか?後1時間かそこら辺で着くだろうし、今日は穏やかな天気で外に居ても全然大丈夫だし。」

マ『そうだね。シンゴがそう言うなら・・・。』

何となくマフォクシーが元気ないような気がしたのだが、僕は特に何も言わずに横にずっと居て着岸を待った。意外とボーっと海を見ているというのも風情があるというかなんというか・・・でもやっぱり暇と言っちゃ暇ではある。早い所着岸してもらって島を散策してみたいところ。



「やっと着岸したわ。ようやく車に戻ってこられたけどやっぱりの子供達はPTAの集まりだったのね。そこにある観光バスに乗り込んでいるわ。・・・マフォクシーも窮屈じゃない?この車も大分古い型式のRV車だからシートもスポーツチックなのが付いていていまいち合わないかもしれないけど・・・無理なら無理って早めに言って。」

マ『大丈夫。これ位のスポーツシートは全然OK。むしろちゃんと固定されてる感があっていい感じかも??前乗ってた・・・あの板チョコみたいなシートよりは全然マシ。』

船を下船した僕達はひとまず最初にその姉ちゃんが消えた寺院へと向かってみる。ナビにはその時の住所を入れたから多分そこまでは辿り着けるとは思うけど、如何せんもう年数が経ちすぎているというからその寺院自体が無くなっていないか不安ではあるのだけどね。

「そういえば前々から聞こうと思ってたんだけど、なんでマフォクシーはあの寺院に居たの?そもそもフォッコってポケモンはこんなホウエン地方の離島部には居ない筈のポケモンだったじゃない?だからなんであんな所に居たのかなと思って・・・あっ、話したくないなら話さなくても大丈夫。無理にとは言わない。」

マ『・・・なんでこの地域に居たのかは分からないけど、生まれたらもうこの地域に居た。だから多分まだ私がタマゴの中に居た時に向こうから連れてこられたんだと思う。そしてこの地域で生まれて、そこでたまたまシンゴのお姉さんに会って。色々と一方的に話されただけだったけど凄く安心したのを覚えてる・・・でもふと前を見るとシンゴのお姉さんの後ろになんか大きな黒いブラックホールのようなものが現れて・・・。すぅ~・・はあ・・・・・







私はどうにか吸い込まれずに済んだけど、シンゴのお姉さんは・・・・そのまま吸い込まれていったの・・・私どうかこの事を誰かに伝えないとって思ったんだけど、その時の私はまだ小さかったからどうすればいいのか分からずに。だからあの時シンゴが後で来たから・・・お姉さんに写真も見せられていたからこの人には絶対に伝えないとって思って・・・だから咄嗟にあんな嘘をついて無理やり付いて行った感じね・・・。』

「姉ちゃんとはその一方的に話されてる時に僕の事も話していた?あっ、話したのか・・・しかも携帯の写真まで見せてきたのか・・・だから僕の顔も名前も知っていたのね。なるほどなるほど。納得した。」

マ『話している途中にブラックホールみたいなのが現れたから・・・でっでも!私はお姉さんに見せられたシンゴの写真を見て本当にこの人の事が好きって一目見て思ったんだからね!!!だからあの時咄嗟にあんな嘘ついただけなの・・・こんなこの地域に居ないポケモン連れて行ってくれないだろうって思って・・・・。ごめん取り乱して。でも、お姉さんのお陰で今の私が居るから・・・どうにかしてお姉さんを救い出したいとは思ってる。けどどうすればいいのか分からないの・・・。』

「一目ぼれって言葉あるけど本当なんだな・・・僕は体験したことないから分からなかったよ(ボソッ)なんかマフォクシーにも辛い思いずっとさせてたんだなぁ・・・ずっと気付く事が出来なくてごめんね?別に僕は他の地域だからとかこの地域には存在しないポケモンだからと言ってそんな見捨てるような真似はしないけど・・・ましてやあんな小さな子供ポケモンが居たならさらにね。」

マ『本当シンゴありがとう・・・シンゴに一目惚れして本当良かった(ボソッ)』

「まっ、取り合えずはその現場に行ってみようじゃないの。話はそこからだ・・・姉ちゃんが居なかったら確かにマフォクシーとは出会ってなかったし、マフォクシー自身もどうなっていたかわからない。そう考えるとあの姉ちゃんがやった事が全てうまい方うまい方に行ったという事か・・・ひとまずその寺院に急ごう。」


あれれ?こんな所だったかな???行き過ぎた?いやでもナビではこの辺りって示してるな・・・でもこんなに近くまで住宅街迫って来ていたっけ??もうちょっと周りに何もない寂しい場所だったと思うけど・・・こんなにも真新しい住宅ばかりだと恐らく当時の事を知ってる人も居ないか少数だろうしなぁ。じゃあどうするか。

「うーん・・・地図だと確かにこの場所になるけど、あるのは地区の集会場・・・取り壊されたのかはたまた移転したのか。どちらにしてもどこかに何かしらの碑とかは残しておくとは思うのだけどなぁ。ボーマンダもここだったよね??」

ボー『そうだな・・・道の形が確かそんなんだったと思うからここで合ってるとは思うけど、こんな数年で一気に開拓されるものなんだかなぁ。これだとまるであの時には既にこの辺りの再開発が決まっていたって考えにもなるし、そういえばあの時写真撮ってなかった?』

「数枚撮ってたね・・・ちょっと待って・・・ネットのクラウドに上げた写真を探してみるから。あぁもうちょっと整理しておくんだったなぁ・・・こんな時に探すのに手間取る。あったあった!これこれ。えーっとこれと見比べると・・・やっぱりここだよ。電柱の位置と道の形が一致するもん。」

ボー『そうか・・・じゃあもうあの時には取り壊しが決定していたのかもしれないな。これからどうする?現物がないんじゃ探しようも無いし、かといってこんな新しい集合住宅じゃ聞き込みしても期待は薄いだろうし。』

「再開発・・・古い地図・・・じゃあ役所行って聞いてみた方が早いかもしれないね。再開発とか言うならば少なからず役所にも届けとか話は言ってる筈だし!じゃあ早速行ってみよう・・・あっ、ボーマンダはまたボールに入っていてね?」

ボー『なにぃぃぃぃ!!?!!』

「はーい問答無用でボールに戻っておいてね~。第一ボーマンダは出してあげたけどリザードンに至ってはルネに来てからボールすら出していないんだから。さてと、明日は土曜で役所は休みになるから急いでいこう・・・おっと、もう15時。急がないと間に合わない間に合わない。マフォクシー急いでいくよ!」

マ『わかった!!』

僕達は急いで車に乗り込みルネシティ庁舎へと向かった。

一目惚れした人や物程、長続きするものです。

読了報告

 この作品を読了した記録ができるとともに、作者に読了したことを匿名で伝えます。

 ログインすると読了報告できます。

感想フォーム

 ログインすると感想を書くことができます。

感想