元通りの生活まであと一歩

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朝日が窓から差し込んでいる・・・つまりは朝が訪れたと言う事だ・・・しかしまだ眠い・・・思えば今日は休みだから特に寝ていても問題無い筈だが、何故こんなにも罪悪感に襲われているのだろうか・・・ん?

「あー・・そっか・・昨日HDDの中見を見ていたらいつの間にか寝ちゃったのか~・・・寝る前に気になる事出来たからあまり熟睡できなかった・・・しゃーなし、コーヒー飲んで眠気を覚ますか・・・そしてまた昨日の続きで見て、何も無かったら取り敢えず見つからない所にあのHDDとUSBを隠して・・・っと・・・ん?まだみんなは起きてきていないのか・・・珍しいな。」

起き上がった僕はコーヒーを入れテレビを点けパソコンの電源を入れる、この時間僅か10分。昨日は確かこのフォルダまで見たんだよな・・・最後に見た動画に写っていた後ろ姿・・・あれは・・・確か・・・もう一回確認序でに見て見るか・・・うーん・・・やっぱりこの後ろ姿は多分カズですよなぁ・・・えっ?あいつがあの団体に情報を流していた張本人・・・?まだこの動画だけだと確信出来ないな。しかし、警察内部の人間と言う事で確かに情報は持ってるっと思うし、詰まるところやはりアキにここの住所を教えて襲撃させたのってあいつ???

『おはよ・・・トオルさん・・・・あーなんか凄く体がだるい・・・ここ数日ずっとこんな感じの体調ばっかり・・・季節の変わり目だからかなぁ・・・。』

「おっ、ハクリュー体大丈夫か?ここ最近ずっと体調悪い感じだったけどアレなら今日病院行くか?今から行けばまだそこまで多くなってないからすぐ診察してくれると思うぞ?それにリザードンのお見舞いがてらな?」

『大丈夫!なんか最近ちょーっと体がだるいなーって思ってるくらいだから全然大丈夫!体だるいけど元気いっぱい!それよりリザードン入院でもしたの?僕昨日ずっと寝てたから何が起きたか全く分からないの・・・。』

「やっぱり1回病院に行った方が良いと思うわ。」

なんか矛盾してる事言ってる気がするけどやっぱり1回病院に連れて行った方が良いよなぁ・・・それよりもこのHDDの中見を全て見終わらないといけないしこの後の事も気になる・・・幸い今日は金曜日・・最悪明日の土曜日や日曜日に回せばどうにか行ける・・・。じゃあ一旦ハクリューを病院に連れて行ってやるか。





「えっ?っと言う事は、進化の兆候が見られるって事ですか?」

「ええ。レントゲンやCT等一応一通りやってみたのですが身体のどこにも異常は見当たりません。それにこのハクリューは健康そのものです。その事からその倦怠感などの原因として考えられるのは、進化前によく現れる兆候に一つでは無いかなと言う事です。ハクリューと出会ってもうどれ位経ちますか?それと、以前進化してからどれ位の期間が空いていますか?」

「出会ったのはもう5年位前で、ハクリューになったのはもう3年半位前だと思います。」

「なるほど・・それならば進化しても何らおかしくは無い期間ですね。いえ、進化すると言ってもそれぞれ個体差がありますので一筋では言えないのですが、1年経たずに進化する子もいますし、長いと次の進化形に進化するだけに5年以上掛かる子もいるのでおかしくはないと思います。なので3年半と言うとまぁ・・・何時進化してもおかしくは無いと言う感じですね。暫く様子を見てみましょうか、暫く様子を見ても改善しない場合はもう一回受診して下さい。」

「分かりました。」

なるほど・・・進化の兆候ね・・・ポケモンがどのように進化するのかは今でも研究段階だけど、人間で言うところの成長痛見たいな感じの兆候でもあるのだろうか?やはりポケモンにもそういうのがあると言うのならば、ハクリューの進化が近いと言うのも過言ではないのかもしれないな・・・それに最近ずっとあんな感じで体だるそうにしてたし、それにずっと寝てたし・・・また本人に伝えると抱え込んで余計体調崩すかもしれないし、本人には伝えない方が良さそうだな。

『あっ!トオルさん!僕何だったの?・・・・もしかしてもうすぐ進化が近いとか?』

「・・・・・・。」

『図星・・・いやあのね、やっぱりこんな感じの体調ってハクリューになった時にもあってね・・・だからもうすぐ進化が近いのかな~って思っていたの・・・でもなんかカイリューに進化するともう車にも乗れなくなるし・・・僕としてもどうすれば良いのかなって思って・・・。リザードンみたいに尻尾に火は灯ってないからどうにかしようと思えばどうにか出来るんだろうけど・・・でもやっぱり今みたいに一緒に居られる時間が減るのかなと思って・・・。』

「それは・・・ハクリューが今後どうなりたいかで決めれば良いと思う。僕はこうやって助言する事しか出来ないけど、ハクリューは今でも十分強いんだから・・・無理に進化しなくても良いし、次のカイリューになってもっと強くなりたいかどうか・・・・・・・僕は責任取れないから・・その内容には・・・もう進化したら前の自分には戻れないから悩むのは勿論分かるけど・・・。」

『そうだよね・・・やっぱり自分で決めるしか・・・ないよね・・・うん・・・・。』




『ほぉ~遂にハクリューもカイリューって言うポケモンに進化するのか~・・・それでそのカイリューってポケモンどんな見た目なんだ?俺よりもバトルで強そうなのか?』

「少しはお前バトルとか強さから離れろよ。まぁ・・・リザードンがカッコいい系に分類されるならば、カイリューは可愛い系に分類される感じかな?あとな、リザードンよりも身長は高くなるな。」

『な・・・何だってー!!!俺よりも身長高くなるのか!?そ・・・そそそそそんなぁ・・・なんか凄くショックを受けるな・・・俺ハクリューよりも小さくなるのかよ・・・(´・ω・`)そんなぁ・・・。』

『ごめんね~って言ってもまだ進化するって決めたわけじゃ・・・でもこの感じだと・・・恐らく後・・あまり猶予時間は無いって感じかな?もう2日経ってるし・・・でも車に乗れなくなるのは寂しいしトオルさんにおぶってもらう事も出来なくなるなぁ・・・それに、リザードンでも手一杯な家なのにますます僕がカイリューになったら厳しくなるし・・・。』

そうか・・・リザードンの体格でも結構ギリギリな家だからカイリューなんてもう動くだけで一大事な感じになるのか。全く考えていなかったけど、コレは場合によって広い家に引っ越す必要がありそうな・・・ん?そんな事言ってたらルギアはどうなるの?成長したらめっちゃ大きくなる感じでしょ?えっ?コレ結局引っ越しフラグが立ってる感じ?じゃあもうちょっと都心部に近くて広い所さがs

「キャー!!!!!!」

!?廊下の方からなんか悲鳴みたいな物が聞こえてきたけど!?えっ!?何何?隣の病室とかも滅茶苦茶騒がしくなってきたし一体何があったって事なの!?えっ?ちょリザードンそんな引っ張って何何?

『トオル!!こっちに隠れてろ!!なんか嫌な予感がする!!!』

まじかよ・・・リザードンがそんなに警戒心丸出しと言う事はじゃあまさか


『やーっと見つけたわよー!!!!!今度こそ逃がさないわ!!!トオル!!!!覚悟しなさい!!!』

やーっぱりアキじゃないかよ!!!恐らく外の駐車場に駐めてたアコード見て乗り込んで来やがったな・・・ん?なんかこの前見た時と比べて幾分か痩せてないか?気のせいか?あのネックレスとか凄くぶかぶかになってるじゃない?人間の時もそれ程スマートじゃなかったけど・・そこまでガリガリでは・・・・うぉっほん。そんな話は後で。それよりもなんで病院の中まで突撃して襲ってくるんだよ!!!


「あのポケモンです!!!あのルギアがいきなり病棟内に入ってきて暴れ出したんです!!!」

「分かりました!!急いで病院の中にいる人達を安全な場所に避難させて下さい!!おい!!そこのポケモン!!大人しくしろ!!!さもなくば撃つぞ!!!大人しくその場に伏せろ!!おい聞いてるのか!!!大人しく伏せろって言ってるんだ!!」

「至急至急本部・・・」

『ちっ・・・煩い連中ね・・・こっちは大事な場面なのよ・・・少し黙っててくれるかしら?』

そうアキは言うとハイドロポンプを天井に放ちその直後に冷凍ビームを放つ。ハイドロポンプで滴っていた水滴が冷凍ビームで凍り、分厚い透明な氷のドアが出来上がった。外では警備員や病院職員がその氷の壁を蹴飛ばしたりしてどうにかぶち破ろうとしているが、その行動とは裏腹に凍りの壁はびくともしない。

『さぁ・・コレで邪魔者は居なくなったわ・・・トオル・・・大人しく・・・消えろ・・・。』

ゾクッ・・・・僕はアキからの視線に少し恐怖を感じた。あの死んだような目から放たれる目線やあの声のトーンは明らかに僕を殺しに来ている。まぁ・・・仮に死にかけてもここは病院だから何とかなりそうな気もするが、今はあまり刺激するのは危険かな?さてこの場面をどう切り抜けるべきですかね・・・あぁ!!!おい!!リザードンとハクリューも出て行くなって!!危ないから!!!

『また貴方達ね・・・トオルはどこかしら?ボスの命令なのよ・・・貴方達は消すように言われてないけど、邪魔するんだったら特例で一緒に消してあげるわよ?・・・死にたくなかったらそこを退きなさい!!!そこにトオルが居るのは分かってるのよ!!!』

あーあ・・・やっぱり気付かれていたか・・・仕方なし、昔の僕が何かしたんだろうしここは責任を取ってどうにか乗り切りますか!OK!!トオル行きまーす!!!!

『ば・・・馬鹿!!!隠れてろって言っただろ!!!何出てきてるんだよ!!』

「昔の僕が何かしたお陰でアキもみんなも被害に遭ってるんだ。何をしたのかは一切記憶にございませんが、取り敢えずその責任は僕にあると思うので・・・・ひとまず逃げるんだよ-!!!」

僕はリザードンの手とハクリューの尻尾を掴み一目散に近くの窓に向けてダッシュ!!!あれれ~おかしいな~リザードンとハクリュー合わせて約130キロほどあるのに軽々と引っ張れてるよ-!コレが火事場の馬鹿力ってやつ?凄いわ-!

『逃がさないわよ!!!』

あっ、やっぱりですか~窓ガラスまで凍らされて逃げる術完全に無くなりましたよ?コレはコレで真面目にちょっとピンチと言う物でしょうか?幸い個室だったから他のポケモンとか人がいなかったのが不幸中の幸い。さてどうやってこの場面を乗り越えますかね(2度目)

「しゃーない・・・ハクリュー、リザードン・・・良いか・・・僕が合図したら火炎放射とりゅうのいかりを頼みますわ。あいつはどうもレベル的にはそう高くないし、今まで見ていたら少し技を撃つ時に間が開くんだ・・・その瞬間を一気に狙おう。一気に行きましょうよ一気に!良いか・・・いっせーの・・・・・・今だ!!!」

アキが技を放つ時に少しの間が開くのは前回のあの事件の時に気付いた事だ。ほんの10数秒だがこちらにとってはそれ位の時間あれば大丈夫だ。よし!火炎放射とりゅうのいかりは当たったな・・・って後ろの病院の壁まで崩れかけてますけどー!!これ保険下りますかねー!

『よし!!当たったぞ!!・・・でもこの感じだとまだだな・・・やっぱりトオルの言った通りこういう部分は強化されているみたいだな・・・一撃必殺でも倒れやしなそうだ。』

『リザードン・・・気をつけて・・・どこからあいつが現れるか分からないから・・・!!!』

「ちょ!!!うわ!!!!」

しまった!!!油断した!!!アキが凄いスピードでリザードンとハクリューの間をすり抜け僕の首を掴んで今にも持ち上げようとしている!!!コレは持ち上げられたらTHEEND!!窒息してしまう!人生終了のお知らせが届いてしまう!!マズい!!!

『トオル!!!・・・・・貴様ぁ・・・・そんな事してどうなるのか分かってるのか!!!』

『そう怒らないでよ~?・・・この人がこの世界に居たらボスが報われないじゃないのよ~それにボスだって生きづらいし、ボスももう恨みで苦しまなくて済むじゃ無いの?貴方達の言葉なんて聞く必要なんて無いのよ。それじゃあトオル・・・さん。さ よ な ら 。』

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!いってぇぇぇ!!!」

『トオルさん!!!』


えーアキにぶん投げられた勢いで氷の壁を突き破って人生で2度目の紐なしバンジージャンプを敢行しております。ここは5階、死ねるには十分な高さだな・・・氷の壁に当たった腕がジンジン痛い・・・ってここで死んでたまるかぁぁ!!ってどうしようもねぇぇ!!!

『とほるさん!!!!』

「えっ?ハクリュー?・・・・はっ?なんでアンタ紐みたいになって僕掴んでるのよ!!危ないって!!しかも尻尾巻き付けてるところって配水管配水管!!このままだと落ちるって!!

えーハクリューが相手の隙を見て一緒に飛び降り、僕の首元の服を口で掴んで尻尾を配水管に巻き付けて助けてくれました・・・・助かったと言えるのコレ?あっ、ほどけた・・・ほどけたぁぁぁぁぁ!!!?!??

『あー!!!ごめんトオルさーーーん!!!!』

「ハクリュー!!!」

今度こそ落ちるぅぅぅ!!!!ハクリューと抱き合いながら地面に向かって1直線!このままだと真面目にヤバい!!下にはエアクッションも無いし車も止まってない完全なアスファルト!!ハクリューが止めてくれたから3階からダイブ状態になってるけどコレでも絶対怪我する!!!オワター!!!!






『トオル!!!ハクリュー!!!大丈夫か!?・・・お前らと言うかハクリューだけだけどな・・・無茶するなぁ・・・俺が間に合わなかったらお前ら大惨事になるところだったぞ?もう大丈夫だから目開けても良いぞ?』

あっ・・・またリザードンに助けて貰ったのか・・・コレで2度目だな・・・本当ピンチの時に役に立つんだから。・・・それより・・・辺りには警察官や看護師などが僕達を囲むように見てるじゃないの。あっ・・・ハクリューと抱き合ったままだ・・・・恥ずかしい。

『トオルさん無事だった・・・?あー怖かった・・・でも僕のこの長い身体も少しは役に立ったよね!うん!』

「そ・・・そうやね・・・本当助かったわ・・・ありがとう2人とも・・・でもあんまり無茶しないでくれ・・・今回は本当助かったけど・・・。」

『やっぱり・・・僕このままの姿で居る事にする!!カイリューになったらなんかちょっと寂しくなりそうだし、今回だってこんなに長い身体が役に立ったし・・それにずっと動き慣れた身体の方が良いし・・・・うん!!』

『まっそれでも良いんじゃねーの?俺に取っては好都合だし。それよりもあいつまだくたばっていなかったぞ?・・・!!!?』

『また助かりやがって!!!お前らもういい加減にボフッ!?!?』

もう何が何だかムカついてきた僕は、たまたま持っていた唐辛子エキス(!?)をアキの口へと無理矢理放り込んだ。ふふふ・・・付き合い長いんだからあいつの嫌いな物とか苦手な物くらい覚えてるんだな~・・・あいつはずばり!!辛い物が嫌い!!!コレで洗脳が解けたら万歳ありがとう。

『そ・・・そんな簡単に行くものなの?唐辛子は確かに辛いけど、もっと辛い物でタバスコとかハバネロとかの方が良かったんじゃ・・・?』

「あいつは辛い物の中でも唐辛子系が一番嫌いなんだよ。取り敢えずコレでどうにかなれば良いけど・・・ん~?なんか気絶したのを見るとやっぱり苦手な物は変ってなかったって事なんだろうな。あのーすいませーん!なんか気絶しちゃいましたけど-!!」







『あれ・・・?ここは・・・??私どうしてたのかしら・・・?なんか凄く長い間夢を見ていた気がする・・・口の中がなんか辛い・・・うえ・・・・・。・・・・そうだ!!確か家に居たら知らない黒づくめの男達が急に現れて・・・ハンカチを口元に当てられた後の記憶が無い・・・それよりトオルさんは!?』

オッ!目を覚ましたな。この発言からすると一応あの凶暴なルギアな状態では無い事は確かだな、ん~っと言う事は僕の作戦成功って事ですかなぁ~やっぱり得意な物は書き換えられても苦手な物までは消せなかったんだな~あの軍団ざまみろ。

「よっ!無事か?気分悪くないか?随分長い事寝ていたみたいだがな~全くずっと心配させてからな~。」

『ご・・・ごめんなさい・・・でも私今まで何をしてたのかしら・・・?なんかずっと悪い夢を見ていた気がする・・・!!!?それよりそのポケモンって!!!もしかして私達を攻撃するんじゃ!!?』

あっ、アキと居た時はまだハクリューとすら出会ってなかったな・・・ならリザードンとかハクリューを見るのは初めてだったか・・・なら驚くのも仕方ない。でもこの様子なら大丈夫そうだな。じゃあひとまず確認の為にあの質問してみましょうか。

「このポケモン達の事は後で説明するからそれよりもアキ、僕が告白した場所は?」

『えっ・・・?・・・博多駅の改札口じゃない・・・///』

う~ん、白い顔を赤らめてそういう風に言ってるって事は・・・・やっぱり戻った-!!!いよっしゃー!!!唐辛子ありがとう!!!君のお陰で僕の人生に少し光りが見え始めてきました-!!帰りにめっちゃ苗とか買って帰るからね-!!!

『コレで取り敢えず一段落だな。ヤレヤレ。』

『トオルさんもこれでやっと安心して過ごしていけるね。でも、まだ油断は出来ないよ?何かあったら僕達でフォローしていかなきゃ。』

「おいリザードン、お前確か入院している身だったよな?」

『あっ・・・もう元気になったので退院しまーす!!』

次回は緩く書きます。

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