滅びゆく貴方に恋をした

作者:ジェード

本文冒頭

 寒空で薄く青みがかった満月。冷たくて神秘的な色をしていた。その景色を壊すような爛れた悪臭が漂っている。「鼻がひん曲がる」と聞いていたが、私はそうでもなかった。やっぱり、それは「キミ」だからなのかな。
 月明かりの下で行き倒れている貴方を見た時、運命ってあるんだって初めて思ったの。


 ◆


 その夜、一匹のベトベトンは倒れていた。
 理由は何とも明瞭な飢餓であった。彼の生まれたハッコウシティの灯台付近は、大都市として成長した。その暁に、目に見えるゴミなんてものはみるみるうちに清

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