「わたしの理想は間違ってなどいない」
あの日、男はカイオーガを手にして世界を海に沈めた。男も暴れる海に飲まれ、気がつけば異世界に迷いこんでいたが、その世界の科学者の手により再びこの水没したホウエン地方へと帰還した――正確には、帰還させられた。
「あちらの世界もわたしの理想に近づけてやろうと思っていたが……まあいい。こちらの世界さえ生命の海に沈んでいれば、それでいい」
世界を生命の根源たる海に沈めた男――アオギリは、かつて自身が首領を務めていたアクア団の面々さえ失い、今や独りの身であった。しかし、彼は自身の野望が果たされたこの世界を何よりも優先した。
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