第2話
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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください
タ「う~ん・・・・・はっ!!今何時だ!・・19時!やばいそろそろ帰らないと・・・って2人は?」
タツミは辺りを見渡してみたが、2人が座っていたはずの場所に2人はおらず小さな椅子だけが置いてあった。また乗ってきた自転車も無くなっていた。
タ「あの2人・・・僕を置いて先に帰ったな・・・。しかも自転車まで持って行って・・・。」
しかし、タツミは先程までいた場所とは明らかに場所が違う事はうすうす気付き始めていた。しかし、ここに居るとただ時間が過ぎるだけと考え立ち上がり山を下りてみることにした。
タ「とりあえず、山を下って2人と合流しよう・・・。」
「ここはどこだろう・・・。」
山の中と言うこともあり木々が生い茂り空にはまだ少しの明かりがあるにも関わらず地面は目を凝らしてみないと見えなくなるほど暗くなっていた。タツミは不安を感じながらしばらく歩く・・・すると麓の村が見えてきた。しかし、来た時に通った街とはまるで違い本当に静かな村って感じだ。
村自体は数軒の家はあるもののその他には商店はおろかコンビニすら無く、小さな山間に佇む村という感じであった。タツミは村をしばらく徘徊するとひときわでかい建物を発見したので、ここがどこかと地図をもらうために入ってみることにした。
タ「たぶん、村役場か何かだろう・・・。」
恐る恐るドアを開ける。
タ「あの~すみません・・・。」
博士「あぁん???」
タ「ひぃぃぃぃ!しっ失礼しました!!!」っと言ってその場を立ち去ろうとするが
博士「ちょっと、待ちなさい!」
パニックに陥るタツミ、それをなだめるまだそれ程年取っていない男性。男性は落ち着かせようとタツミの手を取るがその瞬間タツミは気が抜けたようにその場に座り込んでしまった。
結局その後男性から何もしないと言われたタツミは少々気を緩め、男性から差し出された椅子に座ると目の前にコーヒーが入ったコップを置かれ話し始めた。
博士「いや~ごめんごめん、まさかあんなにパニックになるなんて思って無くて・・・。それに仕事に行き詰っていてちょっと機嫌悪くしていたんだ・・・。ところで、君、ここら辺で見ない子だね。どこから来たの?」
タ「あのぉ~ここってどこなんですか?」
先程までのショックがあるのかタツミの体は小刻みに震えどこか声にも張りが無かった。
博士「怯えなくていいから!え~と、ここはワカバタウンだよ。」
タ「はっ?」
博士「だから、ワカバタウンだって!!」
ワカバタウンと聞いてタツミは目を丸くした。それもそのはずそのような地名は現在の日本にはどこを探しても無く唯一聞くのはポケモンのゲームの中の町の名前だからだ。
タ「えっ・・・でもそれポケモンの世界のでしょ?」
博士「何言っているの?ここはポケモンと人間が共存する世界なの。っで僕はポケモンの研究しているウツギって者だよ。」
タ「うそ~・・・。たった寝ただけでポケモンの世界に来てしまうなんて・・・。そういえば、他に2人男の子来ませんでした?」
博士「いや、ここら辺は子供が少なくてね。男の子は来てないよ。」
タ「そうですか・・・。」はぁ~。ため息をつく
博士「とりあえず、今日はもう遅いからここに泊って行っていいよ。」
タ「ありがとうございます・・・。」
博士「ちなみに、ポケモンの世界について説明しておくよ。この世界ではポケモンのことを知らないと危ないからね。ついでに君の名前と年齢も聞いておかないと・・・この世界ではポケモントレーナーカードってのがあって、いわば免許証みたいなやつだからね。」
タ「わかりました・・。でも、2人どこ行ったのかなぁ・・・。」
ウツギ博士のポケモンの世界の説明は大体1時間くらいで終わった。しかし、ポケモン自体はゲームでやっていた為理解するまでそれ程時間は掛らなかったようだ。説明が終わるとタツミは息抜きがてら外へと出てみることにした。
タ「うわぁ…星がきれいだなぁ・・・。向こうの世界ではあまり見れなのになぁ・・・。」
周りには人家はあるが距離が離れており木々もそれ程ない為、見晴らしは大変良くまた空気が澄んでいる為か星もくっきりと見えるほどだった。
タツミは先程合わせた時計を見ると21時50分を少し回っていた。タツミが時計から視線を戻したときにウツギ博士から
博士「タツミ君、布団用意できたからもう休んでも良いよ?今日は色々と大変だったから相当疲れたでしょ?」
タ「ありがとうございます・・・それじゃお言葉に甘えて・・・。」
タツミはウツギ博士の助手が用意してくれた布団に潜り込み、直ぐに寝息を立て夢の世界へと落ちていった。