第3話
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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください
翌朝はよく晴れたとても清々しい朝だった。タツミは博士からの声にて起こされ自分の状況を再確認する。
タ「やっぱり夢じゃ無かった・・・。」
博士「あっ起きた?」
タ「おはようございます・・・。」
タツミはまだ眠たいのか声に張りは無く目も半開きの状態だ。その状態で朝食を頂くのは失礼な為、タツミは顔を洗い朝食をいただく。朝食という文化はこちらでも変わらず行われておりこの部分で見ると元の世界とはそう大差ないと思わされる部分もあった。
朝食を食べ終わり窓の外を見てみると、慌ただしく家から飛び出していく人や通学と思われる学生達など元の世界でもよく見れる日常を見ることが出来たタツミだった。
博士「ちょっと、タツミ君。こっち来て。」
タツミは窓の外を見ていたが、急に博士からそう声を掛けられ博士の下へと向かうことにした。
タ「仕方ないなぁ・・・。」
タ「なんですか?」
博士「いや、昨日も話したと思うけどこの世界でポケモンを持たずに移動するのは危ないからポケモンをあげようかなと思って。」
タ「本当ですか!!やったー!!」
博士「うん、そこに置いてある3つのモンスターボールから選んでいいよ。」
博士からそう言われタツミは3つのボールが並んでいる横長のテーブルの前に移動した。モンスターボール自体は特段大きいというわけでも無く手のひらサイズという感じの大きさであった。
博士「えーと、右奥のがワニノコで真中がヒノアラシで左奥がチコリータだよ。」
タ「うーん・・・どいつにしよう・・・。悩むなぁ・・・。」
博士「じっくり考えて選ぶといいよ。初めてのポケモンだからね。」
暫く考えてタツミはテーブルの上のモンスターボールを手に取った。
タ「じゃあ、僕、このヒノアラシにします。」
博士「うん、僕もそいつはタツミ君に合ってると思ったよ。」
タツミは緊張した様子でモンスターボールの真中のスイッチを押す、赤い光線がボールから発せられたと思ったら目の前には一体のヒノアラシがおりタツミをじっと見つめていた。
タ「ややや、確かに本物だ。」
博士「ははは、あたりまえだよ。」
タ「よろしくなヒノアラシ。」
『うん。こちらこそよろしく!』
タ「・・・・・博士、ポケモンって人の言葉しゃべりますっけ?」
博士「いや、話さないよ。もしかして・・・。」
タ「はい、聞こえました。この耳ではっきりと。」
博士「う~んタツミ君はもしかしたら、特殊な能力があるみたいだね・・・。」
タ「そうですか・・・。まぁ、別に気にしませんがね。」
博士「それより、ニックネームとかはいい?」
タ「そうだなぁ・・・。う~ん・・・。じゃあ、クラウン。」
博士「クラウンか・・。いい名前なんじゃない?」
タ「よーし、今日からお前の名前はクラウンだ!よろしくな!」
『うん!』
タ「じゃぁ、博士、一日ありがとうございました!とても助かりました。」
博士「あとの2人と会えるといいね。無理しないようにね。」
タ「はい。」
タツミは1日お世話になったお礼を博士に告げると扉を開け外へ飛び出す。そして、一旦深呼吸をした後隣町へと通じる道路を歩き始めた。ちなみにクラウンは研究所を出てからタツミの肩に乗っている為、タツミにとっては少々重く感じているようだった。
町を出ると木々が多い割には一本道のため迷うことは無く、また通行人も多くいる為先程までいた村の様子とは打って変わってやや賑やかな感じを受ける。
しばらくしてクラウンがタツミに話し掛けた。
『あの、タツミさん・・・?』
タ「あーさんはつけなくていいよ。」
『じゃぁ、タツミ。この僕の名前のクラウンの由来って何?」
タ「由来?由来は、王冠。」
『王冠?』
タ「そう。王冠って王様とかがつけていたんだ。王様は上の人だよね。つまり、これから捕まえるポケモンとかよりも常に上でいてほしい・・つまり切り札でいてほしいからクラウンって名前つけたんだ。」
『そうだったんだ・・・。』
タ「あれ?気に入らなかった?」
『いいや、とっても気に入っているよ!』
タ「そう、ならよかった。あっ、次の町が見えて来たなぁ・・・。」