あとがき
朝に読まれた方はおはようございます。
昼に読まれた方はこんにちは。
夜に読まれた方はこんばんは。
そして、初めての方は初めまして。円山翔です。
この作品は586さん主催のハワイティ杯ポケモン小説コンテスト―アローラ!―に投稿させていただいた作品です。元々は当サイトの小説ポケモン図鑑企画に、カイリキーの図鑑小説として投稿する予定でした。当初のタイトルは「ゲートの向こうに消えた少女」。サン・ムーンの体験版で文字通り改札ゲートの向こうに消えてしまった少女と主人公の少年についての短い物語のはずでした。が、どうせコンテストに出すのならばもっと膨らませようという事で、それまでに触れた様々な要素を詰め込んで今の形になりました。
さて、ここから先は作品のネタバレを含みます。下に余白を置いておきますので、まだ物語を読んでいない方は、一度戻って物語を読んでから先にお進みいただくことをお勧めします。
本文はお読みいただけましたでしょうか?
では、ここからはこの作品に詰め込んだ意図のネタバレをば。
まず、章分けの数字。あれ、おかしいなと思った方は正解です。サン君(主人公の男の子)がいる世界の、現在軸上でのお話の時は全角、過去の回想であったり、別の世界であったりする場面については半角にしてあります。そして、体験版の世界。ここは元々半角にしていたのですが、世界の線引きを考えて漢数字に変更しました。つまり、この物語には三つの世界があって、体験版の世界、消えた少女の視点の世界、そして製品版の世界、それぞれの世界ごとに数字の表記を変えていたわけです。
で、どこかで見たことあるなぁって思った方もおそらく正解。小説紹介文にも書いてありますが、この物語の構想を本格的に膨らませ始めた頃に観た、新海誠監督の映画「君の名は。」にものすごい影響を受けています。
劇場版ポケットモンスター「七夜の願い星ジラーチ」の公開年が、この小説の公開年から14年前。ダイヤモンド・パールが発売されたのが10年前。というのが、小説内に登場した年数のからくりです。と言いたいところだったのですが、残念ながら「ぼくが生まれる4年も前」「ぼくが生まれた年」については1年ずれているという……サン・ムーンの主人公が10歳だと仮定して書いていたわけなのですが、周りの方の小説を見ると島めぐりの試練を受けるのはどうも11歳からという……と、反省は置いておいて、ゲートの向こうを謎の場所と繋げたのも、千年彗星のお話を出したのも、元となった作品がもう随分と前なのだというところからです。千年彗星については、君の名は。の影響もあるわけですけれども。
そして、タイトルの「おくりもの」。これについては、二つの意味を込めています。まずは乗船所から旅立つ少女から少年サンに送られた、すいせいのかけら。そしてもう一つは言わずもがな、少年サンから製品版の少女へのおくりものです。
色々失敗したところもありましたが、短編としてここまで長い作品を書いたのは初めてだったのでいい経験をさせていただけたと思っています。というのも、実はこの作品、元々短編の中で章分けをしたものでして。一ページに本文全体が貼り付けてあったわけです。折角章分けをしたのだからと、今回は連載作品として日刊投稿させていただきました。
長い長い物語の後の長い長いあとがきでした。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
2017年5月12日
円山翔