第79話
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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください
???「なるほど・・・あいつらに負けたと言うことか?あんな弱いポケモンや人間にもやられるとはどうしようも無い奴だな。」
リュ「大変申し訳ありません。私としたことが・・・・しかし・・・一体誰が私達を・・・。」
???「謝りの次は今度は記憶探しか?・・・・この様子じゃあ罰を与えるしか無いな。」
リュ「!?そそんな・・・・私は言われたとおりに奴らを襲っただけで・・・特段奴のリザードンを持ってこいと言われた覚えは・・・・。」
???「私は襲うと共に奴の手持ちのリザードンを持ってこいと言ったはずだぞ・・・私の命令すら聞けずに計画そのものも出来ないとは・・・おい。」
下っ端「はっ!」
リュ「な・・・何を・・・?」
???「まぁこいつは元々人間である意味が無いからな、お前は実験台行きだ。例のプロジェクトチームに連れて行け。」
下っ端「はっ!分りました!おいこっちに来い!」
リュ「ま待ってください!私は貴方に言われたとおりに・・・離せ!邪魔だ!」
下っ端「大人しくしろ!」
リュ「話を聞け!おい!話を!聞けーー!!!」
あの後町の中を散策しているとやたらと警察車両や消防・救急関係車両と出会す機会が多くあった。そして以前ほどでは無いが少々一般人と思われる人々が家へと急いでいたり何かを探したりしている光景も見受けられた。
タ「うーん・・・レガ居ないねぇ・・・・。」
ティ『やっぱりあの後相手のアジトか何かに行ったのかな~。』
タ「でも・・・・そういえば・・・役所に来いって電話あったなぁ・・。ここから役所までは近いから一応行ってみることにしようか。」
カイナシティの役所は町の中の港にほど近い場所の小高い場所に建てられている。そこに行くには大通りを海の方へと向かい途中で数百メートル坂道を上ると到着する場所に建てられている。
基本的には車で行くのが一般的だが、町の中心部にほど近い場所にあるため交通渋滞が激しく車で行くのはお勧め出来ないのだがこのような状況では車は数えるほどしか走っていないためそういう心配は全然要らなかった。
タ「うーん・・やっぱりちょっと遠いなぁ・・・。」
タツミがそう呟くとボールの中からフィーロが飛び出してきた。
フ『それなら僕が送るよ~。だってこんな状況だったら歩くよりも空を行った方が多少は安全でしょ?』
タ「まぁそうだけど・・・気をつけて飛んでね?」
フ『分った!注意しながら飛ぶよ、それじゃあ行くよ?』
タ「よし、なら役所までよろしく頼んだよ。」
空を飛ぶで大体15分くらい飛び続けると下に役所庁舎と思われる建物が現れた。しかし、やはりここがロケット団の拠点基地となっているようで正門には門番が配置されており中の敷地にも何人もの下っ端団員がウロウロしていた。
フ『これじゃ自ら捕まりに行くようなもんだね・・・。どこに降りようか・・・。』
タ「うーん・・・あっちょっと離れた場所にコンビニみたいな建物があるしそこなら人も少ないからそこに降りようか。」
役所庁舎から数百メートル離れた場所に建つビルの1階にはコンビニがありその周辺ならば団員が見当たらずフィーロで降りても支障がなさそうだった為そこに降りることにしたタツミ達。
タ「さてと・・・ここからはちょっとフィーロは危ないかもしれないからボールの中に入って置いて。」
フ『うん・・・でも危ない事が起きたら直ぐボールから飛び出すからね?』
タ「本当に危ないときはね・・・。」
タツミがフィーロをボールに戻したと同時にロケット団下っ端と目が合ってしまった。
ロケット団「おい!貴様こんなところで何をしている!」
タ「お宅の誰かから電話で役所に来いって言われて来たんだけど?」
ロケット団「なるほど・・・お前があの話の張本人か・・・よし、良いだろう!付いてこい!」
その後ロケット団の下っ端に連れられ役所の中へと入る。中に入ると庁舎の中で半ば強制的に働かされている職員とポケモンの姿が一番に目に付いた。
タ「でも役所って特段何も得られないと思うけどなぁ~。もしかして個人情報欲しさとかかな?」
ロケット団「つべこべ言わず付いてこい!」
県知事室の中へと半ば無理矢理入れられたと思ったらそこには下っ端数人に囲まれた黒いスーツを身にまとった男が立っていた。
男「よく来たな。元々は知事室って言って県のトップが滞在する部屋だが、ご覧の通り今は我々ロケット団のボス室と言ったところだ。まぁゆっくりしていってくれ・・・・っと言っても無駄か。」
タ「単刀直入に言います。ここに僕を呼び出した理由は何ですか?」
男「まぁそう焦るな。そうだ、まずは久々にお仲間に会いたいだろう、連れてきてみようでは無いか。」
男はそう言うと手元にあるリモコンを操作した。すると次の瞬間スカーフを付けたカイリューが器用に開いた窓から中へと入ってきた。
タ「レガ・・・・・やっぱりあのリモコンが元凶か・・・。」
男「どうだね?我々が使っているこのポケモンを操る機械、君の憶測通りこれは電波で操っている。これで世界中のポケモンは我々ロケット団の物だ。」
タ「でも、それなら僕のポケモンで実験し無くても良かったんじゃ無いのか?他にもポケモンは多く生息している筈・・・。」
男「それでも良かったんだが、どうせなら強いポケモンが良かったからな。それに強いポケモンで効くなら弱いポケモンならなおさら効果は現れやすいからな。」
男はそう言うと指を鳴らす。その瞬間レガはタツミの横すれすれを通るように破壊光線を放つ。破壊光線が当たった場所は粉々に崩れ落ち大きな穴が開いてしまった。
タ「・・・・それで?」
男「まぁここで一つ話をしようじゃ無いか。君たちは元々この世界の住民じゃ無いと言うのは分っている、そしてその原因を作り出したのは我々の装置だ。」
タ「!?」
男「簡単な例で表そうじゃ無いか。シートベルトを思い浮かべて欲しい、シートベルトはバックル部とベルト部と最初は分かれているね?しかしベルト部分の金属をバックル部に差し込むとそう簡単に取ることはできない。つまりはこの世界がベルト、君たちが元々居た世界がバックル部って事だ。」
タ「何が言いたい?」
男「元々は別の世界で時も平行して流れている・・・つまりはパラレルワールドって事だ。我々が行っている研究や実験は何時もなら何事も無く行けたんだが、あの時は数人の人間がこちらの世界へと飛ばされてしまった。」
タ「ほぉ・・・貴方達が原因だったと。」
男「君達みたいなこの世界に存在していなかった人間に生きられ邪魔されるとこちらとしても対策を打たないといけなくてね。特に時空的にはあっちも同じ時間が流れるから困ったことになるらしくてね・・・だからある計画を実行に移しているんだ。」
タ「・・・・・・。」
男「それは人間をポケモンに変える事さ、そして君達の居た世界を征服する・・・それが我々の最終目標さ。勿論、君達を襲ったあの少年にも実験台になって貰ったよ。」
タ「!?リュウセイがポケモンに・・・・?っと言うよりも何故人をポケモンにする必要がある、それに何故彼らをポケモンにしたのか。」
男「この世の中は人間が増えすぎた。元々はポケモンだけが多く生息していたが人間が増え身勝手な人間も多く存在してきてね、それで我々はそういう人間を排除するために人間をポケモンにする研究を進めていた。そして、もう実用段階までこじつけることが出来た。ここまで人間からポケモンになって貰ったのはもう数え切れないほど居るよ。みんなみんな選択権無くしてきたが、何時もそれでは面白くないからね、そこで君には選択肢を与えたいと思う。死ぬか・・・我々の実験台になって貰うか・・・この2択だ。」
タ「お前達の言いなりにはならないしお前達に協力する気もさらさら無い!それだけだ!僕はもう帰るぞ!」
そう言いタツミが後ろを向こうとした瞬間目の前にレガタツミの両肩をつかみタツミをフロアギリギリまで押し寄せた。タツミの一歩後ろはもう床が無い、またこの高さから落ちたら命は無いと言うくらいの高さであった。フィーロがボールから出てこようとしたが何故かボールが展開せずガタガタと揺れるだけで他のポケモン達も出ることが出来ないようだった。
男「ボールの中から出られないようにちょっとこの部屋は細工しているんだよ、だから手持ちのポケモンに助けて貰うことも出来ない。我々の仲間にならない君には残念だな~。あの少年はこうしたら降伏したがね?まぁこれで君の処理は終わる・・・さらばだ。やれ。」
タ「もう無理なのか・・・・?」
この瞬間もポケモン達のボールは激しく揺れ続けるが一向に開く気配は無く、タツミは絶体絶命のピンチを迎えた。しかし、その瞬間タツミの頭の中に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
『(・・・み・・・・タツミ・・・・・今すぐ僕から離れて・・・!このままだと・・・・!くっ・・・・・!)』
タ「レガ!大丈夫か?待ってろ・・・直ぐ戻しやるからな!でもこういう状況では・・・うわ!!!!」
そうこうしている内にタツミはレガに押されそのまま下へと落下した。
男「不運な男だったな。さよなら。」
タ「あああああああああ!!!!!!!」
ドサッ
タ「ん・・・?・・・・?」
タツミは静かに目を開けると目の前が濃い青色に染まっていて風が少し吹いていた事にタツミは不思議に思い周りを見渡してみる・・・すると・・・。
タ「スパイア・・・・?」
ス『タツミ大丈夫だった?・・もう僕を置いてこんな危険な所に行くって危ないんだから・・・間に合って良かった。』
タ「ありがとう・・・助かったよ・・・・。」
タツミが落ちている時にスパイアはタツミが落ちてくるタイミングを見計らい、背中では万が一を考え確実性のある自分の胸にタツミを落としタツミを抱きしめた、リザードンに抱かれた状態で飛んでいたので、タツミの視界はおかしい事になっていたと言うことらしい。
タ「スパイア・・・もう大丈夫なの?さっきまで結構疲れてたみたいだから・・・。ってポケモンセンターどうした?」
ス『もう大丈夫だよ、それよりもタツミが危ない目に遭っているのに休んでいることなんて僕には到底出来ないよ。・・・・ポケモンセンターはこっそり抜け出してきた・・・(汗)』
タ「まぁ今回はいいか・・・お陰で助かったから・・・。」
男「なん・・・だと・・・生きているだと・・・しかもリザードンも目の前に居る・・・ちっ・・・邪魔が入ったがまぁ実験はうまくいっているからな。」
タ「とりあえずレガを元に戻して貰いましょうか?」
男「ふん、誰が戻すか!カイリュー破壊光線!」
タ「スパイア!火炎放射からの雷パンチ!!」
レガは破壊光線を撃つがスパイアの火炎放射で相殺してスパイアは雷パンチをレガの腹に打ち込んだ。これにはレガも相当来たようで体制が崩れた。
男「なにーー!!!ま・・まだだ!カイリューりゅうの息吹だ!!」
ス『いちいち遠距離戦を強いてくる・・・タツミ!』
タ「了解!スパイア、地球投げだ!!」
スパイアはレガがりゅうの息吹を放っている隙を狙い、腹の左右をつかみ上空へと持ち上げたがあまりの重さにそのまま落としてしまう。その瞬間レガは雷パンチをスパイアの腹に打ち込んできた。スパイアはそのまま後ろへ下がり一旦レガとの距離を取る。
ス『くっ・・・やっぱりレガは強いな・・・・。』
タ「やっぱりスパイアでレガを持ち上げるのは酷だったか・・・スパイア!大丈夫か?」
ス『大丈夫!だけどさっきみたいに長期戦になるとやっぱり不利になるみたいだから、なるべく長引かせたくは無いってのが感想かな?』
タ「分った!火炎放射からのドラゴンクロー!」
ス『了解!』
スパイアはレガの正面から火炎放射を放ちレガの視界を遮ったのを確認すると近寄りそのままドラゴンクローをレガの翼目がけて繰り出した。しかし、レガもその事は想定住みだったように不気味な笑みを浮かべるとスパイアの尻尾をつかむとそのまま砲丸投げのように回し始めタツミの方にスパイアを投げ飛ばした。
タ「!?」
ス『!!・・・しまった!!タツミが・・・・!!』
スパイアはどうにか勢いを落とそうとしたが投げられた時の力が強くほぼそのままの速度でタツミに衝突し、そのままタツミはスパイアと共に吹き飛ばされる形となり、再び落下してしまう。しかし、今回は先程よりも建物が破壊されたせいかフィーロがボールから飛び出しギリギリのところでタツミとスパイアを背中に乗せたので事なきを得た。
フ『タツミ!大丈夫だった?今回はボールから出れたから良かった・・・スパイアも大丈夫?』
ス『う・・・うん。フィーロありがとう、お陰で助かったよ。でもこの場面でフィーロをフィールドに戻すのは危険が生じるかも・・・。』
タ「そうだね・・・スパイア大丈夫かい?」
ス『うん!さっきはちょっと油断しただけだから何時でもまた行けるよ!』
タ「フィーロありがとう、ちょっとあいつらに見つかったら危ないからもう少しだけボールに戻っておいて。」
フ『うん!分ったけど・・・あんまり無茶なことはしないでね?』
タ「分ってる。よし、スパイア行くよ!」
ス『分った!!・・・・レガめ・・・今度こそ目を覚まさせてやる・・・・・。』
下っ端「あいつら上がってきませんね?もしかして本当に死んだんじゃ・・・。」
男「まさか、あいつらはしぶとく生きている・・・そして再びこのフィールドに戻ってくるさ。それよりも例の計画は進んでいるか?」
下っ端「その点に関してはご心配なさらず。現在フィールド4まで進行していて後は・・・・。」
男「分った。・・・やっぱり生きていたな。さてと、我々は逃げる準備でもしておこうか。」
タ「お前らもういい加減にしろよ・・・!絶対レガを連れて帰るからな。」
男「はははは!!威勢だけは良いガキだな。もうそろそろ処分してもイイだろう、カイリュー本気でやってしまえ。」
そう男が呟くとレガはますます速度を上げスパイアに近づく、しかしスパイアの方も対策があるらしく空へと一旦飛び上がる。
ス『レガ・・・絶対戻すからな・・・タツミ!!』
タ「うん!絶対戻すぞ!スパイア炎の渦からきりさく!!!」
スパイアはレガの動きを一時的に止める為炎の渦の中にレガを閉じ込め、動けなくなった隙にきりさくにてレガの翼を狙う。それに対してレガも抵抗し破壊光線を打ち込んでくるがスパイアはそれを避けレガの翼にきりさくを当てる。それによりレガは飛び続けるのが難しくなりそのまま地面へと落下してしまった。
片翼を負傷し満足に飛べるのが困難になったレガだったがそれでもまだ飛ぼうと羽ばたかせていたが一向に飛ぶ気配は無かった。それを見たスパイアは地面に降り立ちじっとタツミを見ていた。
タ「えっ?・・・・僕が何かアクション起こすのか・・・・でも一体どうやって・・・そういえば・・・・。」
タツミは以前スパイアが元に戻ったときの事を思い出していた。タツミが直接目を覚まさせたようでレガにもそれが使えるのでは無いかと考えた。
タ「もしかして・・・スパイアの時もそうだったけど・・・今なら・・・!」
男「カイリュー、破壊光線で抹消しろ・・・・・・なんで攻撃しないんだ・・・・。」
男が指示したがレガはその場で動こうとせず、ただ静かにその場に立ち尽くしていただけでその姿はスパイアの時と同じく動こうとしているが何かが止めているような状態であった。そしてタツミは少しジャンプしレガの顔面にやや強めのビンタを食らわせた。
ス『まぁレガがどう思っているかは分らないけど、もしまだタツミに対する気持ちがあるなら・・・・絆の力で・・・・。』
男「!?そんなんで我々の洗脳が解けるわけ無いだろ!!馬鹿じゃないのか!カイリューそのまま二度と目を覚ませないようにしてやれ!」
男がそう言った後、数分間の沈黙が流れた・・・・そして
レガ『・・・・・・そうなるのは・・お前の方だ!!!!!!』
レガは男達の方を向き渾身の力で破壊光線を打ち込んだ。それは今まで見た中で一番強力で巨大な破壊光線であった。
男「馬鹿・・・な・・・我々が作った装置が破られただと・・・ちっ・・・一旦退くぞ!覚えていろよ・・・・今度こそ仕留めてやるからな・・・・!」
そう言うと男と下っ端達は壊れた壁から外へとジャンプし、着地する寸前でパラシュートを開き近くにあった車に乗り込み走り去って行ってしまった。
レガ『タツミ・・・・・・。』
タ「レガ・・・戻ったんだね・・・?」
レガはタツミの目をじっと見つめると大粒の涙を流しながら深々と頭を下げ
レガ『ごめん!!ずっと自分を制御することが出来なくて・・・・気づいたら目の前にタツミが居て・・・知らない自分がタツミの命を奪おうとしても・・・それも制御できなくて・・・タツミの命を奪おうとしたりタツミに対して酷い事をしたりして・・・僕もう本当なんてお詫びすれば良いのか・・・。本当にごめんなさい!』
タ「いいよ、だって仕方ないことだったんだから。それよりも疲れてない?少し休もうか。」
レガ『うん・・・・!』
ス『まったく・・・本当に世話が焼けるんだから。それよりも羽の方大丈夫か?』
レガ『えっ?まぁちょっと痛いかな・・・?でも・・・ごめん・・・本当スパイアとかフィーロとかみんなに迷惑掛けてしまって・・・でもタツミのお陰で目が覚めたよ、助けてくれてありがとう。タツミ。』
タ「うん、それよりも一旦ポケモンセンターへと戻ろう。何か進展があるかもしれないからね。」
その後レガはボールの中へと戻しスパイアの背中に乗ってポケモンセンターを目指した。
ポケモンセンターに着くとリストバンドを着けた見覚えのあるリザードンが近づいてきた。
『よぉ、タツミも来ていたのか?』
タ「ショウか・・・ん?そういえば地方で我を忘れて暴れてるって話とか聞いたけど?」
ショ『えっ?なんだその話?俺はずっと仲間探して地方を旅してたぞ?お陰で3体帰ってきた・・・本当安心したわ・・・。』
タ「そうか、じゃああの話はリュウセイの作り話だったのか・・・・。でも相変わらず元気そうだねぇ・・・ってスパイア、レガそんなに警戒しないで・・・。」
ス『まぁこいつの事は僕は信用してないからこれ位しとかないと気が済まないんだ。』
レガ『僕の場合はただ何かあった場合に備えてこうやって近くに居るだけだよ。それ程気にしないでイイよ~。』
タ「そ・・そうか・・・まぁあれだ、元気そうで何よりだ。」
ショ『タツミの方こそ元気そうだな、相変わらず仲間達とも仲も良いし。』
タ「ちょっと前までゴタゴタあったけど今はご覧の通り何事も無く過ごしているよ、でも今日は何でショウここに居るんだ?」
ショ『いや、たまたまこの地方を探していたら例の軍団が暴れているって聞いたからちょっと懲らしめてやろうと来たんだけど残念ながらボスは帰った後でなぁ・・・下っ端は相当懲らしめたがね。』
タ「まぁ程ほどにね?そういえばショウって何か連絡できる物持ってる?やっぱり連絡先を聞いてた方が何かと役立つと思ってね?」
ショ『おっ、あるぞ・・・ちょっと待ってて・・・はい、携帯。』
タ「自分がするんかい・・・。」
ショ『この手じゃ携帯を扱うのもかなりきつくてねぇ・・・それよりもタツミは何でこんな所に居るんだ?』
その後タツミは今まであったことをショウに簡単に話した。ショウは真剣にたまにうなずきながら静かに聞いていた。
ショ『なるほどなぁ・・・でもそれはかなり気の毒だったな。でも良かったじゃ無いか、元に戻ったんだからな。それでリュウセイの方は?』
タ「さぁ?あいつは今どこで何やっているのやら・・・でも恐らく脅されてあいつらに協力させられていたんだろうな。あっちのボスの話だとショウ、お前みたいにポケモンになったってよ。」
ショ『なっ・・・!まだ俺みたいにポケモンにならされている奴らが居るのかよ!』
タ「まぁ、結構な数居るって話だよ・・?ってショウちょっと落ち着いて、尻尾の炎が凄く燃え上がって危ないから!落ち着け!」
ス『あらら・・・あれ結構怒っている証拠だよ・・・・こりゃ暫く様子見だなぁ・・。』
レガ『でもあいつのポケモン、そんなに悪い奴らには見えなかったんだけどなぁ・・・僕の見間違いだったのかなぁ・・・。』
ス『そうとは限らないかもよ?もしかしたらって事も考えておかないといけないし、あいつらに命を狙われて苦渋の決断だったかもしれないし話が全く読めないから深追いは今は止めた方が良いかも?』
レガ『それもそうだな・・・そろそろ止めた方が良くないか?なんかまずいことになってきている・・・。』
タ「レガは、ジョーイさんに治療してきて貰いなさい。」
レガ『い・・・いや・・・その・・・・大丈夫だよ!これ位少し横になってれば直ぐ治るよ!だからジョーイさんの所に行くのは・・・・。』
タ「いいから早く行ってくる。」
レガ『・・・・はい・・・・・。スパイア何かあったらよろしく頼むね・・・・。』
ス『う・・・うん・・・。(どれだけジョーイさんが嫌いなのか・・・)』
その後何とかしてショウを落ち着かせポケモンセンターの隅の方でもうちょっと話をする事にした。
ショ『すまなかった・・・たまにこうやって急に興奮することがあるんだ・・・だからたまに仲間達から止められたりするんだ・・・。』
タ「そりゃまだ慣れてないだろうからな。ところでちょっと気になること聞いたんだが、お前記憶が戻ったときカイリューと居たか?」
ショ『えっ?うーん・・・確か居たな・・・女のカイリューが・・・それがどうした?』
タ「いや、そのカイリューこの町にいて未だに所在不明なんだ・・・ついこの前会って話したんだけどショウの事を話していて心配していたからな。」
ショ『確かにあのカイリューなんか様子が可笑しいと思ったんだが・・・やっぱり俺と同じく人間だったのか・・・。』
タ「まぁそれ程気にしないでくれ。それよりも今日はどこから来たんだ?」
ショ『今日はシンオウから飛んできた。』
タ「ふぁ!それじゃあ相当疲れているだろ?もう休んだ方が良いぞ。」
ショ『それもそうだな・・・じゃあお言葉に甘えて休むことにするよ。』
その後特段夜まで何事も起こらずただ悶々と過ごしていたタツミ達だが、流石にずっと座りっぱなしと言うと体に悪いように感じるので一旦外の空気を吸いにポケモンセンターを出た。
タ「あ~・・・やっぱり性格上何かじっと座っておくってきついなぁ・・・。」
ス『それは思うなぁ・・・やっぱり移動したいよね・・・。』
タ「一応レガも戻ってきたし軍団も出て行ったみたいだから、明日次第だけど今度こそ旅を再開しようかね・・・。距離はその分増えたけど・・・。」
ス『それなら僕が空を飛ぶから大丈夫だよ?』
タ「それしか無いか・・・じゃあお願いね?さてと、今の時間は・・・9時ちょっと過ぎか・・・一応今日は早かったからもう休むことにしようか。」
ス『それもそうだね、ふぁ~あ・・・・朝からずっと飛ばしてきたから結構眠くなってきたなぁ・・・。』
タ「スパイア、今日はお疲れ様。フィーロとかみんなもお疲れ様、ありがとね?」
そうタツミがボールに呟くとそれぞれのボールが軽く揺れた。その後ポケモンセンターの中へと入り眠っているショウとレガを起こさないようにそっと横になり眠りに落ちていった。ちなみにスパイアもタツミの横で眠ったので知らない人から見ると大型ポケモン3体に囲まれているように見えかなり近寄りがたい事になっていた。
その日から次の日の出までは特段何事も起こらなかったためタツミ達にとっては2日ぶりにゆっくりと休息を取ることが出来た。
タ「もう朝か・・・一応昨日は何にも無かったから今日は予定通り出発できそうだな・・・。あれショウはもう行ったのか・・・・相変わらず行動が早い奴だ。」
タツミはスパイアとレガを起こさないようにゆっくりと2人から離れると出発の準備として洗顔・歯磨き等をしにトイレへと向かった。
タツミがトイレに行っている間にスパイアが目を覚ました。
ス『うーーーーん・・・朝か・・・あれ?タツミはどこ行ったんだろ?』
スパイアは立ち上がり辺りを見渡すが避難者の数がやや多く中々タツミを見つけることが出来ない。っと言うことでレガも起こして2人でタツミを探すことにした。
レガ『もう起きたときには居なかったの?起こさないように静かに出て行ったのか・・・でもどこ行ったんだろ?』
ス『あっ、戻ってきた。タツミどこ行ってたの?』
タ「ん?あー顔洗ったりとかしてただけだよ。それよりも2人とももう大丈夫かい?まだゆっくりしていても良いんだよ?」
レガ『僕はもう十分回復したよ!でもあのリザードン居なくなったね・・・?』
タ「さっきどうやら出て行ったみたい、まぁあいつは前からああ言う感じだったから特段気にしなくてイイよ。さてと、それじゃ今日の事について話し合おうかね。」
ス『今日は確かヒワマキまで行くんだよね?』
タ「うーん、まぁそのつもりだけど相当遠いぞ。だから途中で一旦休憩がてらフエンで休んでから一気にヒワマキまで行ってしまおうかなって感じかな?」
レガ『フエン・・・。』
タ「あっ・・・レガそんなに気落ちしないで大丈夫だよ。」
レガ『でも恐らく僕のせいでポケモンセンターとかも壊滅だろうし・・・・色々な人に迷惑掛けたと思うし・・・僕・・・。』
ス『だ大丈夫だよ、だって他のポケモンもなんか暴れ出したって言ってたしレガだけのせいじゃないよ!』
タ「そうだぞ、レガ。そんなに気落ちしていたって状況が変わるわけじゃ無いんだから・・・ね?だからそんなに気を落とさないでイイよ。っと言うわけで今日もよろしくね?」
ス『うん!』
レガ『はい・・・・。』
タ「だからそんなに気落ちしないの!!」
その後ポケモンセンターを出たタツミ達、町の方はロケット団の一部を取り逃がしてしまった以外はすべての団員が捕まり以前の町の雰囲気に戻りつつあった。しかし建物が壊れていたり車がひっくり返っていたりとまだまだ戻るのは先のようだ。
タ「さてと、一応ここからは飛んでフエンまで行こう。レガ頼んだよ?」
レガ『うん!』
ス『あの~・・・僕は?』
タ「スパイアは昨日までずっと動き続けていてくれたから休んでも良いよ?」
ス『いや、やっぱり僕もボールに入らずにタツミと行動するよ!行こう、タツミ!』
タ「よーし、2人とも行こうか。レガ、スパイア今日もよろしくね?」
ス&レガ『うん!!』