第4話 チーム加入

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 ヘリコプターに乗り込むと、そこにいたのはレオンであることを再度確認した。

「いったい、このヘリコプターは何なんだ? それにあのジュプルとかいうジュプトルは?」レオンと確認するとワゲイは彼に尋ねた。

「このヘリは、ニューシルフシティに向かっている」とレオンは答えた。

「つまり、レオンはニューシルフシティにこれで行こうとしているということか。じゃあ、あいつは?」ワゲイはジュプルを横目でみた。

「あいつは、オレと同じ目的でニューシルフシティに行く。ただ、それだけの話だ」

「じゃあ、なんであいつは俺を襲ってきたんだよ?」

 と、ここでジュプルが口を開いた。

「お前を試すためさ」とジュプルはいった。

「試す?」ワゲイはよくわからず聞き返した。「いったい、何を試すんだ?」

「お前のバトルの実力をだ。お前がオレたちの仲間になるかどうかふさわしいかどうかを判断するためにな」

「仲間だって?」

「そうだ」とレオン。「お前がいったいなぜニューシルフシティに行くのか、理由はまったくわからん。しかし、お前は博物館に用があるんじゃないか?」

 図星だった。ワゲイはそうだといえず、また違うともいえず、ただただ口ごもるだけだった。

「博物館こそ、戦争が起こる発端の場所だ」レオンは続けた。「そんなところにお前を行かせるわけはいかない。当然、博物館には近寄れないようにもしてあるが、お前は何をするかわからんからな。博物館に侵入されても困る。

 お前がどうしてもニューシルフシティに行くというのは、あの道にいたことから結論付けられるし、シルフシティであったときもそれはわかった。お前は必ずニューシルフシティに行く。しかし、邪魔をされても困る。場合によっては戦争が起こることなんだからな。

 そこでだ。オレたちはお前に提案をしたいと思った」

「提案?」ワゲイは聞き返す。

「オレたちのチームに入ることをだ」とレオン。「オレたちのチームは、マルチに活躍するチームで、今回の戦争が起こるかもしれないこの騒ぎを終焉させるためにきたんだ。よって、オレらは博物館に近づくことを許される。お前がオレらのチームに入れば、博物館に入ることもできるし注意をすることもできる。

 しかしだ」レオンは続ける。「戦争が起こる可能性があるのは相変わらずだ。生半可な気持ちじゃ危険だし、それなりの実力がなければならない。そこで、お前をテストにかけたんだ。ジュプルとバトルをして、負ければ何が何でもセントタウンに返すつもりだったが、お前は勝った。お前の実力は、あのホウオウとのバトルで知っている。お前はオレらのチームに入るための、実力を持ち合わせている」

「それで、俺をチームに入れようっていうのか?」

「不満か?」

 その問いにワゲイはすぐに答えなかった。彼は話を整理しなければならなかった。

 確かにレオンの話は完全に筋が通っている。博物館が占領されている今、近づくことは容易ではないだろう。それに危険も伴うことになるし、場合によっては戦争の引き金となる。そんなことを起こしてはならない。

「わかった」とワゲイ。「お前のいうチームに入ろうじゃないか」

「そういうだろうと思った」とレオン。「いったい何のために、博物館に行くのかは説明をもらえないんだろうな?」

「この際だ、話すよ」

 その態度にレオンはいささか驚いたが、何も口出しはしなかった。

 ワゲイは、自分の目的がオーダを探すための手がかりを得ることという目的を話した。

「そうか」とレオンは同情するようにいった。「しかし、それだけの理由でオレらのチームに入るつもりか? 死との代価は小さすぎると思うが」

 ワゲイは答えなかった。確かに代価は小さいかもしれない。しかし、彼の心はまたヒラシとチリーに向かっていった――いや、彼らだけではない。これから探そうとしているオーダや彼の母親、兄……。

 ワゲイが答えないのをみて、レオンはいった。

「チームに本当に入るのか?」

 ワゲイは躊躇することなく言った。「入る」

 こうなれば、ワゲイの決意は変わらないことを誰もが悟るだろう。レオンももちろんそれを悟り、彼はジュプルに目配せをした。

 ジュプルは、ワゲイにタマゴの形をベースにし、左右に羽のようなものがついている、小さいバッジのようなものを渡した。

「これは?」ワゲイは尋ねた。

「オレらのチームのバッジだ」レオンは答えた。「オレらのチーム――チームレジェンディアのな。レジェンディアの一員であることを示すものだから、絶対になくすなよ」

 第四話終了第五話に続く……

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