day19-1

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新年度・・・自分は自分なので自分の信じる道を進んだ方が良いと思います(他人は言うだけ言ってその後の責任取らないですので)
あれから無事にハナダシティへと辿り着いたコウイチ達。・・・ではあったが、ハクリューとニドリーノの他にリザードンまでもが、2人のコウイチに対する態度がムカつくという事で険悪なムードが更に険悪なムードでハナダシティまで歩く羽目になったのだった。
また、ハクリューの言動にムカついたリザードンが何度も怒りに任せて放った雷パンチが想像以上にダメージになってしまったようで、ハクリューはハナダシティまで身体が麻痺した状態で結局歩く羽目になり散々な一日でその日は幕を閉じた。




「おはようございますハナダシティの朝です。ここはまぁポケモンジムがある通常ならば4つ目の町・・・」

ラ『誰に向かって話してるの・・・もしかしてまだ寝ぼけてる感じ?あっ違うの。それよりすっかり皆回復出来たねー!さっすが新しめのポケモンセンターって感じ!何もかも施設が新しくて過ごしやすかった!絨毯もフカフカでテレビも冷蔵庫も大きいし、部屋も僕達全員出てても窮屈にならない感じで良いね!』

ハナダシティのポケモンセンターは老朽化が進んでいたとの事で、つい先月新しいポケモンセンターへと更改されていた。その時に幾つか施設を追加やアップグレードしたようで、今回コウイチ達が宿泊した宿泊棟もその時に建てられたまだ新しいものである。新しいポケモンセンターという事で通常ならば人気過ぎて宿泊するのは難しいそうだが、今回はたまたま閑散期に訪問したという事で運よくそこにコウイチ達は1泊出来たのだった。因みに新しい建物という事で防火設備も万全らしく、リザードンのような尻尾に火がともったポケモンも部屋に出しても良い(引火に気を付ける旨の誓約書はある)

ブ『やっぱりこういう新しい施設は備え付けられている・・・こういう家具家電も新しくてなんか気持ちが良いね!他のポケモンセンターもこういう風にドンドン改築していってくれたら旅も捗るというのにね。予算の関係で難しいのかもしれないけどさ。』

部屋や備え付けのまだ新しい家具家電を見ながら話すポケモン達を横目にコウイチは出発の準備を進めていく。昨日争った当の本人達であるハクリューとニドリーナはまだ目を覚ましていなかった為、起こさずにそっとしておく事にして、ある程度片付けが終わった時点で起きている組だけ先に朝食を頂く事にしたのだった。

リ『にしても昨日は何か散々な感じだったねー。何とか19時とか辺りに町に着けたから良かったものの、あれが真っ暗になって移動が困難でそこでまたまた野宿とかなったらそれこそもうあの二人に責任取ってもらうしかなかったから。麻痺以上の状態にしても良かったんだけど、ハクリューはボールに入れる事出来ないから、瀕死の重傷にしちゃうと僕達の負担増すって事であれ位にしておいたけど次はどうかな~(悪い笑顔)』

ピ『あの2人も周りの事をちょっと考えてほしいものですよね。この家族では女の子はあの二人しかいないんですから、同じ性別同士もちょっと仲良くしてほしいと感じるところです。あっこれ美味しい。ラプラスも食べてみて?』

当の本人達は未だに寝息を立てながら幸せそうな顔で眠っているのを見ると、他のポケモン達の苦労なんてお構いなしという感じである。因みにハクリューの寝相は相も変わらず凄い体制で眠っているが、これはもう治らないなと半ばあきらめ気味なコウイチ達なのであった。




ハクリューとニドリーナ以外のポケモンが朝食を取り終えてから10分後辺りに二人が目を覚まして来た。昨日の無理が相当祟ったのか2人とも身体の節々やら肩や腰が痛く思う様に動く事が出来ないようで、それを見たコウイチは二人に近づきそっと抱きかかえると、近くのテーブルへと1人ずつ移動させる。その行動だけでもまた2人の顔は真っ赤になり頭からは湯気のような蒸気が出てコウイチの顔を見る事すら出来ない事態に陥る。そしてそれを見ていた他のポケモン達はやれやれと言った感じの表情で見ていたのだった。

ラ『コウイチさんってあれ無自覚?二人があんな風に顔真っ赤になってるのってコウイチさんがあんな風に抱きかかえて移動させたからじゃない?・・・いや~分からないねぇ女心ってのは。』





「ちょっと様子が変わったので今日も一応ここに1泊。どの道この道この次の町はクチバシティかヤマブキシティのどちらかとなるし、昨日の事案もあるからゆっくり先に進む事にして今日はこの付近を観光しようと思いますが如何でしょう?」

リ『僕は特段異議はないよ?でも昨日の連中がこの町に来ないって確証はないからそこだけはしっかりとしておきたいところだよね!だから今日は僕が一緒に歩く事にする!そこの二人は今日1日大人しくしておくことだね。』

ハ『何よこのお子ちゃまは。第一ね、私はコウイチさんのパートナーなの。分かる?パートナーは常にその人の事を思ってその人の安全のために近くに居てって言うのがモットーなの。だから・・・私は歩くからね!誰が何といおうとコウイチさんと一緒に歩く!』

「そうムキにならんでも・・・。」


ハナダシティはカントー地方では緯度的に一番北に位置する町であり、東西北を山に囲まれている町である。カントー地方のリーグに挑戦する為には必ず訪れる必要がある町で、順番的には2番目に訪れるまだまだ初版の町である。町の規模はそこまで大きくはなく必要最低限度の設備が整っているだけで、これと言った見どころがある町と言う訳ではない。

「ハクリュー大丈夫か?やっぱり昨日の麻痺が残っているっぽいし、そう無理して付いてこなくても良かったのに。無理すると結局自分に返ってくるよ?それにまだ旅は当分続きそうな予感はするし、万が一またあの連中がのこのこ現われでもしたらハクリュー相当負担になると思うけど。」

ハ『大丈夫!これ位の麻痺なんてこの前受けたあの傷に比べたら比較にもならないよ!それよりこれからどうする?まだ時間は早いし、それに今日はここに一泊するわけでしょ?だったら尚更時間的余裕ありまくりだし。』

「そうねぇ・・・北の方に行ってみるかな~・・・でも何もない気もするけど、かと言ってこのまま部屋で過ごすってのも時間が無駄ってもんだし。行ってみようか。ハクリューは無茶しないようにね?あれだったらすぐに言って。すぐに引き返す・・・リザードンもサポート宜しく。」





ポケモンセンターから北の方に行くと、すぐに民家は途切れ左右を木々に囲まれた一本道へと変貌する。途中トレーナーと思しき人物達とすれ違う所からこの先に何かしらあるようだが、リザードンとハクリューにはそのすれ違う人達から痛い視線のプレゼントが飛んでくる。っが、コウイチ達はそれを気にも留めずに先へと進んでいく。ガイドマップにはハナダの岬と言われる景観地のようなものがあるとの記載があるが、写真が載っていない為、現時点では何があるのかは見当つかず。そして一向に変わらない景色に段々と先に進む事に不安が増して来たリザードン。

リ『・・・・この先って何があるの?ガイドマップにはハナダの岬ってものがあるって書いてあるけど一体それが何なのか書いてないし・・・。それにさっき通った誰も居なかった長い橋もそうだし、これって明らかに方向間違ってない?』

「さっきの長い橋はゴールデンボールブリッヂと言って・・・完成度高い橋だったけど、まだ工事中で橋の上で立ち止まる事が出来なかったから誰も居なかっただけであって・・・。ハナダの岬って何があるんだろうね。僕も分からない。」

ハ『!?ええ?じゃあ何でこっち方面来たの!?・・・南に向かうとヤマブキに行っちゃうし、かと言って東に行ったらイワヤマトンネル行っちゃって大惨事になるからって???そんなハナダシティって四方を大変な事で囲まれてる町なの???ま・・・まぁまだ時間もあるし、一旦行ってみて何もなければ引き返して町で遊べばいっか。リザードンもそれでいいね?』

リ『・・・・・まぁコウイチさんが良いって言うなら僕はそれに従うまでだけどね。』

それからさほど時間は掛からずにハナダの岬へと到着した。特段岬と言った感じでは無いにも関わらずに何故岬という名前が付いているかは分からない。役所が建てたと思しきハナダの岬と書かれた立派な立て看板が設置されていた事から場所は間違いではないと思われるのだが、如何せん適当すぎる観光地にコウイチ達は首をかしげる。

「ここで間違いないとは思うんだけど・・・岬ってそもそも海とかで突出した部分を言うんじゃなかったっけ?」

ラ『あ~一応海だけじゃなくて陸地が湖とか海とかに突出した部分を岬って言うと聞いた事があるよ?だからこれも・・・湖なのこれ??』

「こんな立派な立て看板まであるし、ちゃんと支柱にはハナダシティってテープまで貼ってるから・・・でもこれ湖というには大きさが足りないし、かと言って水たまりと言ったら失礼な気もする。これはマズイ・・・何もないぞ。ラプラスが出てきた以外何もないぞ?」

ハ『さっきまですれ違ったトレーナーは別の場所に用事があったのかしらね・・・この近辺にはトレーナーどころか人の気配すらしない・・・夜は怖いかも。』

リ『どうする?戻る?』

「この先にも道は続いているけど、ハナダシティに宿取っちゃったし、荷物も置いて来たから一先ず戻ろうか。うーん・・・戻るには時間がまだ早い・・・・12時過ぎ・・・じゃあせっかく来たって事だし、ここで昼食タイムと行きましょう。幸い天気も穏やかで誰一人いない貸し切り状態だから少しくらい騒いだりしても問題にならないだろ・・・?」

コウイチはバックからレジャーシートを取り出し、昼食の準備を始める。最初は困惑していたリザードンではあったが、すぐにコウイチの手伝いをすべくテーブルを組み立てたりお皿を並べたりしだした。

「無理しなくてもいいからね?出来る範囲の事をやって貰うだけで全然こっちは助かるんだから。」



???「ちょいあんた達何人ん家の前でピクニックなんてしようとしてんねん!!」



「???誰か関西弁話した?」

リ『さぁ?どこから聞こえてきたのか・・・ってかその家って廃墟じゃなかったの?誰か住んでたの?うーんわからん。』

「兄ちゃん達!ここやここ!・・・あぁ!!もう背が低くなってしもうたから全然気づいて貰えへんやん!下向いてや!」

コウイチはその声がした方の下を向いてみる。するとそこには1体のコラッタと思しき物体が凄い手招きでコウイチ達を呼び寄せている光景が広がっていた。

「これは・・・関わらない方が身のためな気がする。ってかコラッタ?にしては何かちょっと気味悪いコラッタだなぁ・・・どうする?」

ハ『何か危害加えるとかなったらその時は全力で攻撃するけど、今のところは何か別に私達に対して敵対視している感じはしないし様子見って所で良いんじゃないかな?それよりも何か話したい事あるみたいだからちょっと話だけ聞いてみない?』

ハクリューからの提案で僕達はピクニックの準備をする手を止めてそのコラッタの方へと向き合ってみる。すると向こうも少し安堵した表情でコウイチ達に近寄ってきて話し始めたのだった。

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