Episode 97 -Tormentor-

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読了時間目安:19分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

 翌朝、日も登らぬ時間帯に動き出すえっことヘイダル。えっこに唆され、イマードたちを待たずして油田に突入することとなった彼の元に、更なる援軍が駆けつけた。
 「おーい、ヘイダルさーん……起きてくれー!!」
「うん………………? あれ、えっこ……君…………さっき寝たばっか……。」

「出発しましょう、やるなら今しかないです。今すぐにですよ。」

ヘイダルがComplusの時計を見ると、時刻は5時17分だった。つい1時半頃まで砂行船に残って作業していたので、睡眠時間は4時間足らず。えっこに連れられ、ヘイダルは寝ぼけ眼をこすりながら操舵室へと歩く。


「まだこんな時間じゃないか……。出発ってどこ行くの?」
「16番油田に決まってるでしょう? 今から向かうんです、レギオン使いの秘密を探りにね。」

「えっ!? 確か父さんが夕方に車を用意するって……!! 今から出発だなんて、父さんに何て説明すれば……。」
「そんなの後だ、やったもん勝ちですよ。見せ付けるんです、あなたの意思の強さを。行動で示すんです、砂行船と共に活躍したいと。俺も一緒に行きます。だから心配しないでください。」

「あー? 何がやったもん勝ちだぁ? 何勝手に抜け出そうとしてんだよアホ共が!!」

油田に向かおうとヘイダルに提案するえっこだったが、突然船の下の方からそのような声が聞こえる。ぎょっとしながらも窓から顔を出すと、そこにはマーキュリーが仁王立ちしていた。マーキュリーはそのまま甲板に飛び乗り、えっこに向かって呼びかける。


「誰にも知らせずに勝手にダンジョン向かうとは、やってくれやがるな、オイ!?」
「うわっ、ま、待ってくださいマーキュリーさん!! これは間違いなんです、そ、そのですね……。」

「うっせぇな。依頼主の指示に背くのがどういうことか分かってんだろうな、アホえっこ!?」
「……分かってます…………。でもお願いです、どうか黙って行かせてください!! ヘイダルさんは心の底からこの船に情熱を注いでいるんです。一緒に作業した俺だから分かります、彼はこの船で任務の遂行に一役買いたい、技術者としてそう強く願っている。そんな彼の思いに免じて見逃してください、必ず任務は成功させますからー!!!!」

必死に言い訳を絞り出すえっこだったが、何とも支離滅裂でちぐはぐな意見ばかりが口から飛び出す。ひとしきりえっこが言い訳し終わると、マーキュリーは甲板から操舵室の窓へ飛び乗り、遂にえっこたちのいる操舵室まで侵入してきた。


「ダメだね、このままお前らを置いていくなんてできるわけねぇだろ、バカかお前?」
「うう……ここまでなのか…………。」

「俺も行くつってんだよ、お前みたいなボヤボヤしたのに任せたら危ねぇだろ。俺が一緒に戦ってやるからどーんと来いだぜ!!」
「へ!? い、今さっきマーキュリーさん、依頼主の言うことは絶対だって自分で……。」

きょとんとするえっこを尻目に、マーキュリーは16番油田に向かう地図を一行に提示した。といっても、砂漠ばかり広がる真っ白な空間が広がる寂しげな代物だったが。


「どーでもいいだろそんなの。それとも何だ、ヘイダルの親父に知らせた方がいいか?」
「いやいや、それだけはやめてください!! 分かりました、俺たちもマーキュリーさんが一緒だと心強いし、是非お願いしますっ!!」

「そう来なくちゃだぜ。おっしゃ、ヘイダル!! さっさと船を飛ばすぜ、トレたちが起きて気付く前に遺跡に行っちまうぞ!!」
「うん!! でもちょっと手荒に行くからね、覚悟しててね!!」

そう返事すると、ヘイダルは慣れた手付きで操舵室内の無数にあるスイッチを上げ下げしていった。程なくして操縦席に座ると、砂行船はドックを離れて砂の上をゆっくりと滑り出し、方向を定めてから一気に加速して突き進んでいった。










 それから1時間も経たない内に夜が明ける。地平線のはるか向こう側から太陽が顔を出すと、どこまでも延々と続く砂漠がその姿をえっこたちの前に現した。

砂漠を行く船とは誠に言い得て妙であり、砂行船はまるでホバークラフトのように、起伏に富んだ砂の大地を滑っていく。その姿はまるで荒波が逆巻く夜明けの海を航行する高速船のようにも見え、決して快適とはいえないものの、えっこたちは砂漠の丘のアップダウンにも負けることなく突き進んでいった。


「ん? どうしたんだヘイダル、まだ油田はどこにも見えてねぇぞ?」
「油田はここから北西の方角に1kmのところにある。でも、こんな大きな船で乗り込んだらすぐに見つかっちゃうからね……。秘密裏に忍び込むなら、残念だけどここからは歩かなきゃ。」

「暑いのは嫌なんだけどな……。でもしょうがない、イマードさんには内緒で突入するんだ、隠密行動に努めないといけないか。」

えっこがそのように答えると、ヘイダルは大きな丘の裏に船を止めて一行に降りるよう促した。この場所なら丘の陰に隠れる形で、油田からは船が見えないようになっているらしい。

24時間稼働していて監視の目もあるという油田だけに、えっこたちはこの場所から砂漠をゆっくりと歩いて移動し、丘の下に見える油田目指して進んでいく。


「しかしどうすんだこれ? 敷地の近くまで来たのはいいけど、フェンスで囲まれてて入れねぇじゃんか。でもそりゃ普通そうだわな。」
「うーっ……そう来たか…………。どこかにフェンスの切れ目とかないですかね? でも監視カメラや警報装置もあるように思えますし、無闇に近付くとさすがにまずいか……。」

「えっこ君……まさか敷地内に入る算段なしに飛び出してきたの? ……全く、無鉄砲だなぁ……、はぁ……。」

ヘイダルはそう呟くと、近くにあったゲートのカメラにゆっくりと歩み寄っていった。


「ちょっ、ヘイダルさんまずいですよ!! それ監視カメラなんじゃ……!!!!」
「僕を誰だと思ってるの? 君も幸運だったね、丁度いい『鍵』と一緒にこの場所に来られたんだから。さあ、遺跡に向かおう。」

ヘイダルがカメラに目を近付けると、電子音と共にゲートのロックが解錠された。どうやらゲートは網膜認証システムを採用しているらしく、エボニーブーツ社の御曹司であるヘイダルは、何の問題もなく油田に出入りできるようだ。

えっことマーキュリーもヘイダルの後を追って敷地内に侵入し、遺跡に向かってひた走った。夜が明けて間もない時間帯だけに油田の敷地内には職員の姿は全くなく、ヘイダル曰く夜勤労働者や宿直警備員が建屋内に何匹かいるだけとのことだ。ゲートから2分程走ると、地面が四角く掘られた場所に辿り着き、ヘイダルがその足を止めて中を覗き込む。


「なるほどね……僕も実物を見るのは初めてだよ……。あの穴の中、横側に扉みたいのが見える。入り口なのかな?」
「おっしゃ、道案内ありがとよ、ヘイダル!! 後は俺たちに任せとけ、中は危険かもだからな。」

するとヘイダルは、穴に飛び込もうとするマーキュリーの腕を掴んだ。その眼差しは何かを覚悟したかのように一点を見据えていた。


「僕も……連れて行ってくれないかな? 足手まといになるかも知れない…………。でもね、僕は嬉しかったんだ。えっこ君が誘ってくれたこと、そしてマーキュリー君もこうして話に乗ってくれたこと。僕を仲間として頼りにしてくれた2匹に報いたいんだ。僕もダイバーとして、レギオン使いたちと戦う!!」
「ヘイダルさん……。分かった、一緒に来てください。あなたの思いと技術者としての魂、きっと俺たちの助けになってくれると信じてる。よろしくお願いします。」

「ただ、面倒は見ねぇから覚悟しとけよな? 自分の身は自分で守ってもらうぜ、ダンジョンじゃそれが鉄則だ。他のポケモンを信頼して背中を預けることと、他のポケモンに甘ったれることとは違う。それだけは守れるな?」
「もちろんだ、僕は君たちの力になれるように全力を尽くすよ。そのために、自分のことくらいきちんと自分で注意する。さあ、潜入しよう。」

3匹は深さ2m程度の縦穴に飛び込んだ。底まで降りると、側面に入り口のような場所があり、コーンとバリケードで封鎖されているのが見えたが、マーキュリーが強烈な蹴りでバラバラに粉砕し、一同はそのまま遺跡内部へと侵入していった。









 「おいユーグ、起きろ。面倒なことになりやがったぞこりゃ……。」
「んぁ……まだ7時じゃないか…………。僕が夜型ポケモンなの知ってるでしょ? 任務開始は夕方なんだから、昼まで寝かせてよ…………ふぁぁ。」

何とも間の抜けたあくびと共に立ち上がったユーグは、寝間着のケープ姿のまま、トレに連れられて部屋の中央へ歩いていった。テーブルの上には2枚の紙が置いてあり、片方は整った筆記体のような字で、もう片方は汚く乱雑な字で書き置きがしてあった。


「『トレさん、ユーグさん、裏切るような形となり申し訳ございません。しかし、俺はどうしてもイマードさんに蚊帳の外にされるヘイダルさんが放っておけなかった。だから強硬手段で彼と共にダンジョンに向かいます。厚かましいお願いとは存じますが、どうかこのことはイマードさんにはご内密にお願いいたします。 えっこより。』」
「えーと、こっちはマークの下手っぴな字かな? 『えっこのヤローが夜にぬけだした。オレもしんぱいだからついていく。なに、オレにまかせとけ!!』だってさ。あらら……厄介なことしてくれたね……。」

書き置きの内容を読み終えると、ユーグは前足で顔を覆って溜め息をついた。そのままトレに対して目配せをすると、トレも面倒臭そうに片目を瞑ってそれに応える。


「さーてと、面倒な仕事が増えやがったぞー。ユーグ、お前あの魔導書持ってきてるか?」
「ああ、アレね。僕も丁度使おうかなと思ってたところ。問題はどうやって近付くかなんだけどね。」

ユーグはそのように呟くと、懐から一冊の魔導書を取り出した。やがて2匹は何やら小声で相談を始め、何度も頷くような仕草を見せていた。


「ほぇー……変わった遺跡だなこりゃ。壁中至るところに変な文字が書き込まれてやがる。」
「それは偶像崇拝が禁止されてるからだと思う……。この地に住んでいた人間の宗教や文化、そこでは、あらゆる形の偶像を作ることを禁止されてたんだ。宗教画みたいな絵ですらダメなんだよね。」

「なるほど、それで宗教的な文字を整った形にして偶像の代わりに……。人間といっても、俺たちカルスターの住人ともまた違った宗教や文化の元で暮らしていたんですね……。」

遺跡は壁が朽ち果てて野ざらしの状態になっていたが、ところどころに金色や青色の塗料が残っているのが見え、独特の文字が刻み込まれている様子も目立っている。

それはアラベスク模様と呼ばれる装飾様式の一種であり、偶像崇拝が禁止されている宗教において、絵や像に頼らず、教典の一説などの文や単語を文字として刻み付けることで、施設の内装を彩っているのだ。

やがて一行は通路の行き止まりのような場所に辿り着くが、よく見ると壁ではなく大きな石の扉がシャッターの如く閉じられているようであり、そこをこじ開ければ内部へと進めそうだ。


「うーん……この石扉、どこかに開けるためのスイッチとかがあると思うんだけどなぁ……。」
「んなもん関係ねぇな、持ち上げちまえば一緒ってもんよ!! せーのっ、うぉりゃぁぁぁっ!!!!!!」

マーキュリーは扉の下の隙間に指を潜り込ませ、そのまま強引に石扉を持ち上げ始めた。さすがは怪力を誇るマーキュリーだけあって、扉はゴリゴリとこすれるような音を上げながらも、徐々に上へとスライドしていく。


「凄い……こんな重そうな扉まで持ち上げてしまうなんて……。でもこれで中には入れそうだね!!」
「ええ、内部にレギオン使いの過去のヒントがあるはず……。先に進みましょう。」

驚きを隠せないえっこたちだったが、マーキュリーが扉を上げている間に中へと潜り込み、マーキュリーも部屋の中に足を進めた後、重厚感溢れる石の扉をドスンと地面に落とした。

そうして侵入した部屋の壁面にはいくつもの武器のようなものが並べられており、窓1つない空間が独特の圧迫感をこちらへ差し向けてくる。


「何でしょうこの場所……武器庫とか?」
「いや、それは多分違うと思うんだ……。あれを見てよ、部屋の真ん中にある奴……。」

ヘイダルが指差したそれは、四角錐のような形をした骨組みだった。竹のような植物の幹で作られているらしいその骨組みは、地面から70~80cmくらいの高さに梁が通してあり、何か布でも掛けられそうな感じにも見える。


「何だこれ? 洗濯物干す場所か何かか?こんな地下だと乾かねぇだろ……。」
「洗濯物なんかを引っ掛ける場所じゃないよ……そこに引っ掛けられるのは受刑者だ。」

「受刑者!? ヘイダルさん、それって一体……。」
「間違いない、これは鞭打ち刑の処刑台だ。この中央の梁みたいなところに身体を折り曲げて乗せるんだ。丁度大きなバスタオルを引っ掛けるみたいにね。そして腰の少し下辺りを露出させ、硬い植物の茎で作った鞭で思い切り打ち付ける。その激痛は想像だにできないらしい。そんな刑罰は、今の僕らの国では禁止されている……。なのにどうしてこんなものが?」


ヘイダルは自ら梁に身体を乗せ、身体を折り曲げる格好になって説明した。こうすれば下半身が完全に無防備なまま晒されることとなり、避けられぬ鞭打ち刑にじっと耐えるのみになるらしい。もっとも、今ではその刑罰は禁じられているらしいのだが。


「なっ!? えっこ、ヘイダル、危ねぇ!! うっ…………ぐぎっ……あっ…………!!!!!!」

突然えっことヘイダルの前に立ち塞がるマーキュリーだったが、タフネスが取り柄のはずの彼が膝を付いた。慌てたヘイダルが、その様子を見て叫ぶ。


「マーキュリー君!! まずい、あの鞭は鞭打ち刑用のもの……!! あの鞭で叩かれれば、いくら筋骨が鍛えられていても……!!」
「いってぇ……ちとビビッちまったわ。さすがに皮膚までは筋肉の鎧で固められちゃいないんでな……やってくれるじゃねぇか……!!!!」

マーキュリーが睨みつける先には、全身を茶色の装束で覆った刑吏のような者がいた。その手には鞭打ち用の硬い鞭が握られており、マーキュリーを襲った一撃はこれによるものらしい。


「コイツ……人間なのか? でも様子がおかしい……人間はもう滅びてしまった存在。レギオン使いの記憶のダンジョンといえど、人間が襲ってくることなんてあるんだろうか?」
「何だっていい。さっきの落とし前、きっちり付けさせてもらおうか!?」

マーキュリーはそう叫ぶと、相手の頭部目掛けて思い切りアッパーカットを放った。岩をも粉砕するというその一撃を受け、敵の頭はゴツっという音と共に真上にちぎれて吹き飛び、天井にめり込んだまま落ちてこなくなった。


「ひぇぇ……マーキュリー君、やりすぎだよ……。く、首が……。」
「……ところがそうでもねぇよ。殴った俺がよく分かってる……感触が違った。えっこ、気を付けろ!!」

「まさかっ……!! うぉぁっ!!!!」

マーキュリーによって吹き飛ばされた頭からバシャっと弾けるような鈍い音がしたと同時に、その真下辺りにいたえっこに何かが降り注ぐ。えっこは咄嗟に何かを取り出したが、落ちてきた液体を被ったと同時に煙に包まれた。


「あの化け物、体液が酸性だったのか……!! えっこ君……!!」
「……俺なら無事です……。マーキュリーさんが気付いてくれたから、これを使えた……。」

「ま、メイやユーグみてぇな魔力がなくても、それだけできりゃ上等だぜ。そいつが使えて命拾いしたな。」
「『パラフルード』の魔導書は空気中の水分を凝縮して膜を張り、液体や気体などを遮断して防御できる。ローレルやセレーネに、少しばかり魔法を教えてもらっておいて正解でしたよ。」

透明な水の膜の向こう側には、小さな魔導書を片手に身を屈めるえっこの姿が滲むように見えた。いつの間にやら魔導書も戦術に取り入れていたえっこは、水属性の防御魔法により強酸の液体を防いだようだ。


「後は残った身体の始末だな……。どうせゾンビみてぇなもんだろ、あんだけぶん殴ったのに立ってる辺り、バラバラにしても襲ってくるだろうぜ。」
「バラバラにする? それはいいかも。……残念だけど君はもう終わりだ。えっこ君へ体液が降り注いでる間に僕たちを攻撃すればよかったのに。あっちに気を取られてる内が、最後のチャンスだったのにね。」

ヘイダルが敵にそう言い放った直後、その身体から何かが無数に飛び出てくるのが見え始めた。それは小さなトゲか刃のように感じられる。


「うえっ、ヘイダル……お前何したん?」
「僕のComplusには色んな工業用薬剤が入っててね……。注射弾に仕込んで、ある薬剤を敵に撃ち込んでおいた。」

「なるほど、その薬剤は敵の酸性の体液と中和して特定の塩(えん)を生成した。そしてその塩は、水分に触れると急速に結晶化する性質がある。そんなところですかね?」
「大正解だよ、君に体液が降り掛かった途端にピンと来た。奴の体液は非常に強い酸性、それなら塩基性の薬剤と中和させることで、内部から仕留められるってね。それに言ってたじゃないか、ダイバーたる者、自分の身は自分で守るって。だから君は十中八九無事だろうと考え、すぐに反撃の手に打って出られた。」

全身を食い破って現れた巨大な結晶により、生ける屍は完全に八つ裂きになっている。元の形が分からない程にまで分解されたことにより活動を停止した敵を尻目に、えっこたちは更に奥のフロアへと足を進めていった。


「何て光景だ…………。こんなのが現実に……?」
「ああ、アホの俺でもさすがに分かるわこれ……。拷問器具だよな? 何でそんなもんが大量に遺跡に置いてあんだよ?」

先程の部屋から更に進むと、下のフロアへの階段があった。その階段を下り切ると、その先には別の大広間があり、えっこたちが思わず目を見開く。

そこにあったのはマーキュリーの言う通り、フロア中に並べられた拷問器具の数々だったからだ。すると、えっこがそれらを眺めてあることに気が付いた。


「まさかっ……!! やっぱりそうだ。この部屋の拷問器具、確実にある1つの共通点があります……!!」
「共通点だって!? えっこ君、それって一体…………。」

「大きさや形から考えられる用途……。どれも人間の女性をターゲットにした拷問器具だ……!! 何でそんな拷問器具ばかりがここに……!!!?」

近くに落ちていたトゲのたくさん付いた棒状の器具を片手に、えっこは青ざめた顔でそのように2匹に告げた。


(To be continued...)

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