お揃いのマグカップ

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 僕はしばらく、シーちゃんと一緒にショッピングモールを見て周り、彼女が入りたいと指差したお店へ入る。そこはオシャレな小物や食器が並ぶ雑貨屋さんだった。

 「すごいね〜、思わず目移りしちゃうよ。シーちゃんは何か欲しい物ある?」

 「う〜んどうしようかな?せっかくお店に入ったし、日常生活で使えそうな物を買おっかな〜」

 どうやら彼女はまだ物色中のようだ。僕も一緒に陳列された商品を見ていくと、シンプルかつスタイリッシュな感じのマグカップを見つけた。シーちゃんにも感想を聞いたら、なかなかの好感触だった。

 「じゃあこの可愛いピンクのやつを買おう。家に帰ったら、僕がこのマグカップにココアでもいれてあげるよ」

 そう言ってピンクのマグカップをカゴに入れる。そのままレジに向かおうとしたが、シーちゃんはなぜか同じ模様の青いマグカップをカゴに入れた。

 「せ、せっかくなら一緒のやつ買おうよ。いつも一緒に休憩してるんだし、私だけ新品のやつだなんて…ちょっとイヤだよ」

 顔を背けながら気まずそうに伝えるシーちゃん。いつも家で一緒に過ごしてるのに、僕はそこまで気が回っていなかった。

 「そ、そうだよね。せっかくだし僕も帰ったら、このマグカップを使うことにするよ」

 まさかのペアルックになってしまった。嬉しさと恥ずかしさで、僕の心臓はさらにバクバクしていた。
 二個のマグカップが入った袋を持ちながら、僕たちはゲンくんとコジョ姐さんの待つカフェに戻った。既に二人は店を出る準備をしていて、カフェで会計をすませた僕たちは、そのまま帰宅することにした。

 「今日は久々に楽しい時間を過ごせたわ。買い物も悪くないわね」

 「ケケッ、いつも運動してばっかだったからな。そういうのに興味ないのかと思ったぜ!」

 「お小遣いで好きなものを買えましたし、またこの四人で遊びに行きたいですね!」

 「そうだね。あのショッピングモールには映画館もあるから、皆でいつか見に行こう!」

 そんなふうに談笑していると、無事に家までたどり着いた。それぞれ自分の部屋に入り、今日購入したものを確認したり飾ったりするのだろう。
 そういう僕も袋から新刊マンガとマグカップを出して、リビングでココアを飲みながら読もうかなと思っていたら、ちょうどシーちゃんもマグカップを持ってきていた。

 「フフッ、考えることは同じですね。レオンくん」

 「そ、そうですね。とりあえずココアをいれてくるので、マグカップを借りていいかな?」

 「はい、それじゃあ待ってる間に、新刊見ててもいいですか?私も続きが気になってるんです」

 僕がうなずくと、シーちゃんは漫画を読み始めた。その間に僕はお湯を沸かして、ココアを作ることになっていた。

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