day5-2

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寒い(n回目)
中心部というのでやはり都会なのかと思ったのだが、その思いは到着した瞬間に打ち砕かれる事となった。僕達はあれから30分くらい歩いただろうか、ようやくクチバシティの中心部へと到着した。役所と思われる大きな建物やジムと思われる建物だったりがあるので恐らくここが中心部と見て間違いないだろう。しかし、思っていたクチバシティはもうちょっと色々な高いビルがあったり車や人の往来が激しい街を想像していたのだが、現実は静かな海沿いにある町という感じだ。この感じだと人口的にあっちの世界では市ではなく町レベルだろうな・・・クチバ町って感じか。何言ってんだろ。

ミ『ここが・・・クチバシティ・・・なんか想像していたのとちょっと違うね・・・もうちょっと都会で色々な物があるものだと思ってた。さてと、コウイチさん。ここを第一目的地としてたけど何するの?なんかあまり・・・その・・・めぼしいものは無いというかなんというか。』

「そうだね・・・。」

ミニリュウが言っているようにここを第一目的地としてはいたがここまで何もないとは思いもしなかった。取り合えずそのジムやら役所やらの前で集合証拠写真は撮っておこう。もしかしたら何かしら今後に役に立つかもしれないからね。

ラ『それで・・・ここからどうするの??えっ?特に決めてない?あらまぁ・・・。』

ミ『でもこの町に居るよりは次の町に早めに行った方が何かしらの収穫がありそうな気はするね。どうかな?次の町は・・・ヤマブキ?に行ってみるとか。』

ピ『ヤマブキシティはかなりの都会とは聞きますからミニリュウの提案は良いかと思いますね。それよりもまずは前からコウイチさんが言ってた着替えを買う所から始めたらどうでしょうか?それから次にどこに行くのか、はたまたこの町に1日滞在するのかを決めたら良いかと思います。毎日スーツだと結構疲れるでしょ?もうちょっとラフな格好しても良いと僕は思いますよ?』

そうかそうか、じゃあまずは服買いに行ってみましょう。安いところあるのかな~G〇とかユ〇ク〇とかみたいな値段お手頃で着やすいのが置いてあるお店があると良いんだけどね。





結論から言うとそういう店はあった。値段はよく分からなかったがあまり高くは無かった模様。序でにミニリュウ達にもワンポイントになる様な物を買ってあげた・・・あっ、ミニリュウ達はこれじゃあポケダン感が半端ない感じになったぞ???まっいっか。
これでようやく着替え等を揃える事が出来た。ずっとスーツから何時もみたいな普段着に着替える事が出来るってもんだ・・・スーツ着てるとずっと仕事モードみたいであまり嫌なのよ・・・。序でにボストンバックみたいなのも買ったのでこれで一気にビジネスマンから旅行客へ様変わりというもんだ。状況によって変えるけど。序でにコインランドリーがあったら洗濯をしておこう。

「クチバシティとは言えども特段何もないという事が判明した・・・他の地域のポケモンがちらほらいるのが気にはなるけど、殆どがトレーナー同伴という感じだし僕達には関係ないね状態。んじゃミニリュウが言った通りにヤマブキシティへと行ってみる事にしよう。」

ラ『・・・さっきの人が言ってた通りにタクシー使っていくの?それにここからヤマブキシティまでは相当な距離あるみたいで到底さっきのお金でタクシーは無謀じゃ・・・。』

ミ『そうね、お金を温存するならタクシーよりもバスとかの方がある程度は残りそう。コウイチさんがどうするかによるけど、あれだったら途中まで交通機関で行ってそこから歩きとかって考えてはどうかな?』

「ラプラスが言う通りにさっき頂いた賞金だけでは到底ヤマブキシティまでタクシーで行くのは厳しいものがあるだろうね。一先ずここで補給をしてから昼過ぎ辺りに出発としようか。幸いこの先は定期的に休息できる場所があるみたいだから、ポイントポイントで見極める事にしましょう。」

一先ずこの地域にもポケモンセンターはあるようなので行ってみる事にした。流石にここでラプラスをボールから出したままなのは危険が生じるかなと思ったのでボールに戻してミニリュウとピジョンという何時ものメンバーで行く事に。こういう風に町で行き交う人を見ていると特段日本と変わらないなと思う事がある。やっぱりここはポケモンの世界で言う日本なのだろうか?地図も日本地図っぽいし主要な町の配置も殆ど似ている・・・県庁所在地がある場所が例えばクチバシティとかの名前になっている所な気もするのだ。

「にしてもポケモンを連れ歩いている人って結構な数居るんだね~。てっきり皆が皆ボールの中にしまっているものかと思っていた。」

ピ『タマゴから孵って育ててるってケースもありますけどそういうのはレアケースでして、大半は野生ポケモンだったっていうケースが殆どで、やっぱりボールの中よりも外の方がしっくりくるってポケモンが多いみたいですよ!勿論僕もボールの中よりもこうやってコウイチさんと一緒に歩いている方がしっくりきますけど、中にはボールの外で一緒に連れ歩くには危険を伴ったり他の交通の妨げになったりするとかで自らボールの中に入ってるポケモンも居ますが。』

ミ『でも私みたいに全くボールに入らずにコウイチさんみたいなトレーナーに着いて行く感じのポケモンは少ないんじゃないの??』

ピ『うーん・・・僕が聞いた話ではあまり居なかったですね・・・そればっかりか元々ボールで捕まえられていないポケモンはそのトレーナーを信用していないから危害を加えたり逆に加えられたリって話はちらほら・・・まぁモンスターボールで捕まえてないポケモンは基本野生ですから何やってもやられても自己責任って事になっちゃうんですけどね?』

「この世界で生きるのは難しいね。・・・・今ふと思い出したけど、ミニリュウもピジョンもラプラスも僕と出会った時は野生だったけど危害加えてくるとか無くて逆に感謝してたじゃない?何か思う事でもあったの??」

ピ『えっ?僕はコウイチさんに命的に危ないところを助けて頂いたので・・・言うならばコウイチさんは僕の命の恩人みたいな感じです!そんな命の恩人を守らずしてのうのうと生きてられませんよ!だから着いて来たのです!それに僕には家族も居ませんでしたからねぇ~。』

「そうなの・・・??まぁラプラスも出会ったのはつい昨日だったけど同じような感じだったからなぁ・・・助けてくれたからって言ってたし・・・そんな感じなのかな??ミニリュウは??」

ミ『私は・・・(コウイチさんを一目見た時から好きになったって言えない・・・)、わ・・・私もピジョンと同じ感じかな~。私も家族は居たけどやっぱりこの色違いでしょ?・・・だから誰からも嫌われたリ汚いものを見るような目で私を見てきたりしたけど、コウイチさんだけは違ったから・・私の事可愛いって言ってもくれたし・・・。』

「そっかぁ・・・そういえばそうだったなぁ~。変な事聞いてごめんごめん。じゃあ用意して出発しよう。」





クチバシティである程度の日数耐えられる位の食料やら日用品やらを買い込み、さっき買ったばっかりのボストンバックにぎゅうぎゅうに詰め込んだ僕。予定からはちょっと遅れたがセキチクから長い日時を掛けて来たクチバシティをわずかな滞在時間で次の町へと発つ事にした。

「あれだけ結構大変な思いしながらやってきたクチバシティも僅かな時間で離れる事になるとは思っても無かったなぁ・・・もうちょっと何かしらの動きがあるものだと思ってた。でもこの町だと特段何も起こらなさそうだし、それに特に何かがわかるという感じでは無かったから仕方ないね。気を取り直して次の町に行こう。」

クチバシティからヤマブキシティに向かうには北に伸びる道を進むと良いようだ。ん?西に向かう方にも道はあるみたいだけど今は行かないでおこう。なんかそうしておかないといけない気がする。結構な数の車が町の中では走っていたにも関わらず、一歩町を出るとぱったりとそれが無くなるのは一体どういう原理なのだろうか?もしかしてポケモンを守る為に地下トンネルとかあってそこを通っているのか?いやそれだとディグダとかの地面タイプポケモンがあからさまに被害を被る。本当謎だ・・・この世界も物流とかある筈でトラックとかもある筈なのに何なのだろうか。物流関係全部ポケモン任せとか?そんな訳ないか。

ミ『コウイチさんどうかした?凄く難しそうな顔してたけど・・・。何か悩み事だったら話しても良いよ!全然大丈夫!良い答えを言えるかは分からないけど・・・全力は尽くすよ!』

ピ『ですよ!』

「いやそこまで大した悩み事じゃないよ。それよりも町からあまり離れていないのに先程までの町の賑やかさはどこ行ったのやら。それにあれだけ居たトラックとか車とか電車とか一体どこ走ってるんだろうね~この世界はまだまだ不思議だ。」

ミ『電車・・・??トラック・・・??何それ???』

あっ、この反応だとミニリュウは電車とかトラックを見た事が無いのか。電車はともかくトラックはクチバシティで何台か居たし走っているのも居たけどなぁ。

「ヤマブキシティならいっぱいいると思うからそこで説明するよ。一先ず今日はこのヤマブキシティまで行く道中にある町の最初まで行こうと思うから一先ず急ぐことにしよう。」

今日の最終目的地はヤマブキシティまでの道中にある町の一つに決定する。セキチクからクチバの道中は休める町という町が全然なかったので少々憔悴しきっていた感があったけど、こっちは途中途中で補給できる町があるとタウンマップに書いてあるので少々安心。野宿しなくても今日の所は大丈夫そうで一先ずそっちの方の心配もクリア。あとはその町に着くだけ。そう・・・着くだけ。

ピ『これって日没までにその予定していた町に到着出来そうですか??・・・えっ?そんなの分からないですって??あらまぁ・・・野宿は流石にちょっと嫌ですよ?テントとかあるなら話は別ですがこの前みたいな感じで寝るのはもうあれで最後にしたいですね。』

「この前のあれは緊急事態だったから仕方なし。それよりもこの地図はどう見れば良いのか・・・えーっと今はこの辺りに居るからここからここの長さを測って・・・ってこれ右下とかによく付いている何キロとか何百メートルってのが載ってない。こりゃダメだわ。」

ミ『ちょっとタウンマップ見せて見て?・・・うーん・・・微妙。距離的にはそう離れてないけど日没までに着くかって言われると微妙だね・・・1回でもバトルを申し込まれたら時間的にアウトな感じは受ける。』

「そうそう、なのでなるべくトレーナーらしき人物と目を合わせない事。移動は小走りから競歩辺りの速度でする事。周りから話しかけられないような雰囲気ににするという事を心掛けて移動したいと思います。勿論ミニリュウとピジョンもそうしてね?じゃあスタート!!」

ピ『テンションがおかしくなってきてますよ・・・。』





なるべく早めに安全に着くように移動した結果、残念な事に日没までに町に着く事は出来なかった。しかし幸いな事に今日は雲一つない晴天な夜空だったようで月明かりが強く、真っ暗な中移動という最悪な環境での移動は回避できたのでヨシとしよう。
20時過ぎにはその町で目星を付けていたポケモンセンターに到着する事が出来、そのまま部屋を取ってゆっくりする事が出来た。あっ、傘はちゃんと返しました。そもそも借りた後に雨がやんでしまったからそこまで利用してないんですけどね?そんな事よりも夕食がまだでしたわー・・・でもこんな所に今の時間に開いている食堂みたいなコンビニ以外の何かあるのだろうか?無いような気がして仕方ない。

ミ『遅れたって言ってもこれ位の時間帯に着く事が出来て良かったね。それに今日は月明かりもあってやや明るい中移動出来たってのも大きかった。もし真っ暗な中移動してて夜行性のポケモンとかに襲われたら一溜りも無かったからね?幾ら私達が居るからって言っても大量に来られるとちょっと難しいから・・・例えばズバットとか。』

ピ『ですね!それよりも夕食にしませんか?僕お腹ペコペコです~。』

ラ『うん・・・僕もお腹すいた。』

「そうかそうか、どうするかな。この時間帯だともう既に飲み屋以外の飲食店関係は終わってるだろうし、かと言ってコンビニ飯ばっかりも健康的且つバリエーション的ににどうかなと思っちゃうし・・・よし、じゃあいっその事頑張って作ってみる??あっ、ミニリュウ達が自由に好きなの作る?それでも良いけど??」

ミ『流石にそれは・・・。』

ピ『右に同じく。』

ラ『僕はどっちでも良いかな?』

「ある意味薄情やな・・・じゃあ今日までは買った物を食べて明日何か作る事にしよう。それよりも明日は早めに出発して早めに次の町に着くようにしたいね。」

その後僕達はクチバシティで買ってた食料で簡単に夕食を済ませ、翌日の行動範囲を確認した後に早めに休む事にしたのだった。

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