数ヶ月ぶりの更新です。お待たせして申し訳ありません。
オシャレな文字でPokeCafeと書かれた看板が特徴で、人間とポケモンが楽しく過ごせる空間が売りのお店に入って、僕はゲンくんとコジョ姐さんが座っている席に向かう。二人とも荷物を置いてリラックスしているところを見ると、すでに買い物を終えた後のようだ。
「お帰りレオン、あなたがなかなか来ないから、ゲンくんが心配していたわよ」
「なっ、俺様がそんなことするわけないだろ!俺様はただ…レオンがいなくて退屈だなーって呟いただけだ!」
相変わらず微笑ましい雰囲気の二人だったが、僕はふとテーブルに目を向けた。コーヒーカップが二つしかないようで、まだシーちゃんは来ていないようだ。
「そういえばシーちゃんは?二人ともどこかでシーちゃん見てない?」
僕がそう聞いてみると、二人とも首をかしげながら見てないと言った。こんな大型ショッピングモールだから、もしかしたら迷子になってるのかもしれない。
「よし、僕が探してくるよ。ごめん二人とも、そのまま待ってて」
「お、珍しく積極的だなレオン。俺がシーちゃんをここまでエスコートしてやるってか?」
「頑張ってねヘタレオン。しっかりシーちゃんを守ってあげなさい」
二人にからかわれながら、僕は買ってきた本を置いてカフェを出た。まずはシーちゃんが行きそうな場所を探してみよう。
最初に僕が買い物をした本屋へ向かう。もしかしたら、シーちゃんも気になる漫画があって見に来たかもと考えたが…いない。次に彼女が寄りそうな場所を予想して、雑貨屋さんに行ってみたが…ここにもいない。
(どうしよう…ここにいるって思ったのに。他にいそうな場所は…いや、順々に見て回った方が早いかな?)
こうなったら手当たり次第にお店を見ていこう。僕の脚力なら早く走れるし、その方が見つかりそう。僕はショッピングモール内を、人混みをかき分けながら進む。体が細いおかげで、人とぶつかる範囲が狭くて抜けやすい。ただ、尻尾には鋭いナイフがついてるので、丸めてぶつからないように配慮する。
そうしてひたすら店を回って見ていくと、有名なブランドのファッションショップの前で、シーちゃんが女の人に話しかけられていた。ショートヘアのスーツを着た女性で悪い人ではなさそうだが、シーちゃんが困惑してる表情を見て、僕はすぐに近づいていった。
「あ、あの…そろそろ行かないと、皆を待たせちゃってるので…」
「ちょっとだけ話を聞くだけで良いんです!アナタのように美しいサーナイトなら、絶対にトップモデルになれますよ!」
女性の今の言葉からして、おそらくモデル雑誌のスカウトだ。シーちゃんに大きな魅力を感じて、専属モデルとして雇おうとしてるのだろう。
正直そう思われるのは嬉しいけど、トレーナーの許可もなくそんなことはさせられない。僕はシーちゃんとスカウトの女性の間に入って、二人の会話を遮った。