非道のジャローダ
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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください
「どけ!俺が用があるのはそこのジャローダだ!」
立ち塞がるアーボックに向かってルカリオが叫ぶ。アーボックはニヤリと笑い
「どいてほしいなら…俺を倒してみな!アイアンテール!」
そう言葉を返すと、アーボックの尾にあたる部分を鉄に変形させ、おもむろにルカリオめがけて振り回してきた。ルカリオは剣で防ごうとするが
「なら…力ずくでもどかすぜ! 火炎拳!」
ルカリオの後ろから走ってきたバシャーモが、身体中の炎を走りながら右手に集めて、ルカリオに目掛けて飛んでくる鉄の尾に振りかぶり、殴った。
「なっ!?」
鈍い音とともに、アーボックの尾に火炎拳がヒットした。
アーボックは鉄に変形させた尾ごと、宙に浮いた。
「次に続きます!サウザンナイフ!」
次にルカリオの十メートルほど後ろにいたサーナイトが、光輝く無数のナイフをサーナイトの後ろに出現させ、アーボック目掛けて発射した。鋭い音をたて、アーボックに接近する。
ルカリオに打ってきたサウザンナイフとは桁違いの速さで、ナイフはアーボックを切り裂いた。
「ぐぁ!!」
二人の攻撃がヒットしたため、かなりの隙が出来ている。しかも宙にまだ浮いている。
ルカリオの絶好の攻撃チャンスであった。
「俺はジャローダを倒す!邪魔はさせねぇ!」
ジャローダを倒すという覚悟が、『オーラブレード』の力を発揮させ、剣は青白く光輝いた。
ルカリオは大きくジャンプし、アーボックに向かって剣を振り上げた。
「くらえ! 波導斬!!」
振り上げた剣を、アーボックに向かって一気に叩きつけた。
「ぐぁぁぁぁぁ!!」
斬りつけた衝撃で、アーボックは地面に叩きつけられた。
「終わったか…?」
と土埃で全く見えないルカリオ達の方を見て、少し安心しながらガブリアスが話した。
「どこ見てんのー? アンタの相手は僕だよ!ローズウィップ!」
ルカリオの方を見ていたガブリアスに向かって、ジャローダは背中から出てきた六本の鋭いトゲが生えているツタで、ガブリアス目掛けて叩きつけてきた。
「分かっている。ふん!」
ガブリアスは構え、別々の方向から来るツタを、一本一本全て鋭く尖った爪で弾き飛ばした。ジャローダは笑い
「アハハ!やるね~ 。じゃあ次は…バレットシード!」
弾き飛ばされたツタの先端が二つに割れ、中から種が現れ、ガブリアスに放たれた。その数、約六十発。空を裂く音に、ガブリアスは耳を傾ける。
「…ここだ。竜牙昇!」
種がガブリアスの射程範囲に入った瞬間、ガブリアスは思いきり拳を振り上げ、その凄まじい風圧で飛んできた種を全て弾き飛ばした。ジャローダはそれを見て、再び不気味に笑う。
「さっすが~!でも遊びは終わりだよ。実は最初からガブリアス先輩は終わってたんだ~」
そう顔色一つ変えずにガブリアスに話してきた。ガブリアスは顔をしかめ
「…何?」
警戒しながら言葉を返すと、ジャローダは高笑いをし
「アハハハハ! じゃあサヨナラ! ヘルプラント!!」
すると地面がうねり、ガブリアスにバレないように地面に張り巡らされたツタが一気に地面中の養分を吸って、巨大化し地面から突き出てきた。さながら、大樹の根っこのように。
「何だと!?くっ…」
ガブリアスは足場が全て不安定になり、右や左から襲いかかるツタを避ける事に精一杯であった。
「今だね!いけっ!」
とジャローダが叫ぶと、ガブリアスの真下から巨大なツタが突き出てきた。
「くそっ! 牙突!」
ガブリアスは焦りながらも、真下から来るツタを拳を振り上げ、一気に肘で叩きつけた。だが全くダメージを受けてなく、ガブリアスは身体ごと 突き飛ばされた。
「ぐっ!!」
宙に浮いたガブリアスを追撃するように、巨大化したツタの先端が割れ、巨大な種が現れた。
「これで終わり!バレットシード!」
ジャローダがそう言うと、宙に浮いたガブリアスに目掛けて大量の巨大な種が発射された。数も大きさも二倍近くあり、巨大な大砲の弾の様だった。
「くそっ!避けれないか!」
避けれないとふんで、両腕でガードしようとすると、何かが種に目掛けて飛んできた。青白く輝くエネルギーの弾…。ルカリオの波導弾だ。
その波導弾は紅き目が発動しているため威力が桁違いで、一つの種に当たると、大爆発を起こして全ての種を吹き飛ばした。
「大丈夫か!?ガブリアス!」
無事アーボックを倒したルカリオ達が駆けつけてきた。波導弾の爆風でガブリアスは少しダメージを受けたが、無事地面に着地した。
「助かった。全く…。俺が助けられる羽目になるとはな」
密にガブリアスは、胸を撫で下ろした。
「ちっ! 思い通りにならないのはつまらないね!」
すると悔しそうにジャローダが言った。いくつもの罠を避けられ、相当不満なのだろう。そんなジャローダに向かい、ルカリオは
「俺はお前を倒すぜ!覚悟しな!」
とジャローダに叫んだ。