第16話 ~発見 それは幸であり 不幸であり~

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読了時間目安:19分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

主な登場人物

(救助隊キセキ)
 [シズ:元人間・ミズゴロウ♂]
 [ユカ:イーブイ♀]

(その他)
 [スズキ:コリンク♂]
 [チーク:チラーミィ♂]

前回のあらすじ

犯罪者を追っているうち、不思議のダンジョンに迷い込んでしまったシズ、ユカ、スズキ。
そこでバラバラになってしまった3匹はそれぞれ激しい戦闘を繰り広げる事となり、スズキは追っていた犯罪者の捕縛に成功するも、シズとユカは敗北寸前まで追い込まれる事となる。
一方その頃。シズたちの失踪を知らないチークは、救助隊協会が総力を挙げて捕らえたはずの"スターチ"という犯罪者が釈放されたことを知り、激昂するのだった。
ここは、どこかの洞窟。青色の淡い光をたたえた水晶のような鉱物と小雨のように水がしたたり落ちる"不思議のダンジョン"。

――救助隊キセキは、"ギャンブル"に敗れた。
シズがとにかく"たきのぼり"で暴れ、その障害になるであろうハスボーをユカが足止めするという、多数の"敵ポケモン"に囲まれた救助隊キセキが取った苦肉の策。それを便宜的に"ギャンブル"と呼んでいた。

「うぅ……」

シズの身体は動かない。頭部に直撃した"メタルクロー"の衝撃のせいで意識が朦朧とする。
"もうダメかも知れない"。"このまま意識を手放した方が楽だろうか"。
ある種の諦めがシズの脳裏に浮かび上がっていた。

「だ……だめだ! もう持たない! シズ!」

ユカの声。シズが倒れたことによってすべての敵を相手する羽目になってしまったのだろう。
ただでさえひどいケガを負った身体だ、限界がやってくるまで数十秒残されているかどうか……



「――させるか!」

――聞き慣れた声がした。シズは力を振り絞り、視線を上げる。
スズキ。先日交えた練習試合において、シズたちに手も足も出させずに完封してしまった彼。
おぼろげな視界に彼の"でんこうせっか"の軌跡が残る。そのまま"ワイルドボルト"――電気をまとい、対象に物理的な攻撃を加えるワザ――へと移行し、ユカを囲んでいたポケモンの1匹を吹き飛ばしてしまった。

「スズキ!」
「スズキ……さん……?」

シズたちの目に映るスズキの姿はさながらピンチにやってきたスーパーヒーローのよう。
もう1匹の"メタルクロー"を素早く受け止め、"ほうでん"で反撃を加える流れはもはや芸術だ。

「ハスボーか。手こずるわけだ!」

そして残された最後の1匹に対しては、一瞬の隙を突いて相手を切り払うワザ"つじぎり"の一撃を食らわせた。
……早い。スズキの介入からすべての敵ポケモンが光の粒子となって消滅するまで、わずか十数秒。













「聞いた話じゃあ、ここで訓練しているはずなんだけどなぁ」

チークは、とある砂浜にやってきていた。
先ほど"救助隊協会第一支部"でトラブルを起こしてしまい、居づらくなって飛び出してきたのだが……どうせ外を出歩くならスズキがシズたちに稽古をさせる様子を見てみようと思い、ここに足を運んだのだ。
しかし、彼らの姿は見あたらない。この暴風雨であれば当然とも言えるが。

「うーん……それなら、あいつらはどこに行ったんだ?」

チークは頭を回して、シズたちの居所を考えてみる。
――スズキが行きつけの飲食店に誘ったか? いや、さっき通りがかったときには見かけなかった。なら、スズキの家で勉強会でも……ないない! そう安々とポケモン招き入れられるほど綺麗な場所じゃないだろ!



「もしもーし! そこのおにーさーん!」

突如として、チークに話しかける1つの声が聞こえた。
そちらを見やると水色のリボンを頭につけたかわいらしいオンバーンの姿が。

「ちょっと黙っててくれ、今考え事を……誰だお前!?」
「えー? ひどいなあ。初対面の子にそんな言葉使うと嫌われちゃうよー?」

チークは思わずオンバーンを二度見した。
スズキがこの場所を選んだ理由は"誰も来ないから"だったはずだ。実際、少し特殊なルートを通らないとたどり着けない場所だったし……
いや、空を飛べるオンバーンなら偶然迷い込む可能性もあるのか?

……待てよ。このオンバーン、見覚えがあるぞ。

「初対面って……お前"ヴァーサ"だろ! なんだよそのリボン、女装でもしてるつもりか!?」

"ヴァーサ"……救助隊であり、異常者の類い――であるとチークは記憶している。
2週間前のあの一件を知っているのなら、誰だってそういう評価をする。

「せいかーい! どう? 声、女の子っぽかったでしょ?」
「んなこと知るか!! いや、実際ちょっと騙されかけたけどな……」

意味の分からない登場をするヴァーサに呆れるチークに、クスクスと笑うヴァーサ。
――帰ってくれ、マジで。関わりたくない。

「そんな"帰ってくれ"みたいな目しなくてもいいじゃん。僕がここに来たのはシズたちの居場所に心当たりがあるからなんだけどさぁ?」
「……なんだって?」

"みんなの居場所に心当たりがある"――ヴァーサがそう語った瞬間、チークの目の色が変わった。

「――"海難事故"だよ」












「……よし。ユカの処置は終わった」

スズキの一声とともにユカは立ち上がる。
清潔な水で傷口を拭き取って包帯でぐるぐる巻きにしただけの雑な治療ではあったが、それだけでもかなり楽になったようだ。

「シズの防水カバンが活きたね」
「包帯を買っておいて良かった……」

ここは洞窟の中でも特に狭苦しい、洞穴のような場所。
スズキは力尽きかけていたシズたちを半ば引きずるような形でこの場所に連れてきたのだ。
ここなら"敵ポケモン"に捕捉される可能性もかなり低いだろうし、2匹が十分回復するまで待機することが出来るだろうと踏んでの行動だ。

「……ごめんなさい。ボクたちを助けるために、リオルに逃げる隙を与えてしまったんですよね」

"リオルに逃げる隙を与えてしまった"――スズキはシズたちの戦闘に介入する直前に、捕らえていた犯罪者のリオルを地面に放棄した。ポケモン1匹抱えた状態でまともな戦いは出来ないと考えての行動なのだが……
戦闘終了後に回収に来てみれば、リオルはいなくなっていたのである。

「ロープさえ残っていれば未然に防げたんだ、"シズのせいで逃げられた"なんて考えは無意味な結果論でしかない」
「ボク、大人に頼ってばかりですから……」
「……そういう物言いは止めろ。こっちまで気が滅入る」

優しさや誠実さと、自分を卑下する行為は別だ。

スズキも謙虚に振る舞うことはあるが、シズのそれはスズキのそれとは全く違う。
下手をすれば「自分さえ我慢すれば全部丸く収まる」と言い出しそうな、そんな危うさがにじみ出ているのだ。少なくともスズキはそう感じている。

「フラッペのヤツもそうだが……いや、変な純粋さを持っている分シズの方が厄介かもな」

スズキの口から、ため息とともに愚痴が漏れ出した。
ユカが少し反応を示すが、あまりにも声が小さかったせいか詳しい内容は聞き取れていないようだ。

「……? シズがどうかしたの?」
「いや、気にするな。この島に住んでいる限りは無縁な話だ……」

――"ボクは、いやだ! この場にいる、誰だって見殺しにしたくない! このリオルだって、死んで良いはずはないんです!"

これは、破損したボートの上で聞いたシズの台詞。
スズキの感性からしてみれば本当にふざけた話だ。手の届く者すべてを救えるなどと、傲慢に他ならない。
ポケモン人生など、"何かを得て何かを失う"か、あるいは"問答無用ですべてを失う"かの二択しかないのだ。



「……とにかく、十分休憩したら"救助隊バッジ"を使って脱出しましょう」

……シズの性格について文句を垂れても、今の状況はどうしようもない。
スズキはシズの話す"これからの行動指針"に関心を向けることにした。

「――いや、それは無理だ」
「えっ?」

……そして、スズキはシズの考えを否定する。

「"救助隊バッジ"の仕組みを知らないのか? あれはポケモンの知識とか、感情とか……そういう何かに働きかけて、不思議のダンジョンの"歪み"に乗せる事によってポケモンを外へ運ぶんだ」
「つまりどういうことなんです?」

その理由は、シズにはピンと来なかった。
救助隊バッジには"使用者の目的達成"の瞬間に強力なテレポートエネルギーを発生させる特性があることをシズは知っている。そこから鑑みるに"救助隊バッジはポケモンの感情的な何かに働きかける"というスズキの主張に間違いは無いはずだが……
スズキの言いたいことがいまいち伝わってこないのだ。

「つまるところ、"ダンジョンの出口・入口の景色"がイメージできないと使えない制約がある」

説明が抽象的すぎたと判断したのか、それとも最初からそうするつもりで会話をしていたのか、スズキは一言付け加える。

「ボクたちは、"気がついたらこの場所に居た"。つまり――」
「ワタシたちは、このダンジョンの出口の景色を知らない……」

――"テレポート"を使うポケモンについて、ある"豆知識"が存在する。それは、ワザ"テレポート"を使う際に、その使用者はテレポート先の景色をイメージする事によってテレポート先を指定するらしい……というもの。
救助隊バッジを使用する際にも、その"豆知識"と同じ事が言える。それだけの簡単な話をしたかっただけなのだろう。
……つまり、自分たちは徒歩でここから脱出するしかない。












「……やけに、シズたちの救助に熱心だな?」

"救助隊協会第一支部"。チークとヴァーサの2匹はそのレンガ造りの建物の中にいた。
チークはここに戻ってくることに気乗りではなかったが、「ユカたちはおそらく海難事故に遭った」と語るヴァーサに付き合わないわけにも行かなかったのだ。

「救助隊が困っているポケモンを助けるのに理由がいるのかなぁ?」
「2週間前のお前に言って聞かせてやりたいよ……」

書類を漁りながら、1匹は少しむかつく声で、もう1匹は呆れた声で受け答えを繰り返していた。
ちなみに、2匹が探しているのは不思議のダンジョンについての情報だ。ヴァーサが言うには、シズたちは不思議のダンジョンに迷い込んでいる可能性が高いらしく、さらにそこはあまり認知されていないダンジョンとのことで、準備をしっかりとしておきたいのだそうだ。

「全然書類が見つからない。よくそんなマイナーなダンジョンを知ってたな、お前……」
「これでも"通"だからさ! この町周辺のダンジョンくらい網羅しておかないと恥ずかしいよぉ~?」
「くたばれ。――っと、やっと見つかったぜ。これだろ?」

チークがやっとの事で取り出した書類には、"水晶海域"の名が冠されていた。












「スズキさんって強いですね。ボクたちはあんなに苦戦していたのに、今じゃ石ころみたいに蹴散らしちゃうんですから」
「世辞はいい。……あまりなかったな。強さを褒められたこと」

シズ・ユカ・スズキの3匹は、洞窟を進んでいた。
ケガをしていた2匹は数時間の休憩で十分に回復しており、脱出できるまで歩かせることも可能だろう。
……とても戦闘はさせられないが。

「褒められたことがないって、どういうことなの?」
「"恨まれる方が多い"と言い換えれば分かってくれるか?」
「なるほど、スズキは犯罪者との戦いを専門にしてる救助隊なんだね」
「まあ……似たようなもんだ」

……にしても、このダンジョンは綺麗だ。2週間前の"輝き野山"とは趣が違った、より幻想的な光景が広がっている。
洞窟の内部にもかかわらず降り続ける雨に、青みがかった壁や地面。洞窟を照らす光源となっている水色の水晶に、その光を反射する川や湖。
ここが不思議のダンジョンでなければ、住んだって良いかもしれない。

「――あれ?」

その景色を眺めているうちに、シズは一点の違和感に気付く。
この場所を幻想的と評した条件の、いずれにも当てはまらない場所を見つけたのだ。

「ユカ、スズキさん! あそこ……なんか変じゃないですか?」

呼ばれた2匹は、シズの指さす方向に注視した。

「確かに、あそこだけ水晶がないな」
「壁も青くないね」
「水もしたたり落ちていないぞ。雨宿りできそうな屋根のある場所……って所か?」
「……なんか気になる。もしかしたら、出口かも?」

そして口々に、シズが説明するまでもなく違和感を指摘し始めた。
それがひとしきり終わった後、3匹は顔を見合わせ、言葉を交わす間もなく"行ってみよう"という結論で合致した。





それからしばらく、この奇妙な"外見の分かれ道"を進んでみたが、出口につながっているわけではないようだ。
結局の所、行き止まりがあるだけだった。

「……誰かが住んでいた、あるいは現在進行形で住んでいる痕跡がある」

先の見えない暗がりの中、ワザ"フラッシュ"で唯一の光源となってシズたちを先導していたスズキは口走る。
まだ食べられそうな木の実類の入ったカゴに、地面に散乱している本や古ぼけたアルバム。比較的新しい写真立てに、すでに冷たくなった焚き火の跡などを見ておいて、"誰かが住んでいた"と評価しないはずがなかった。

「"敵ポケモン"の巣……じゃないですよね、明らかに」
「そもそも、"敵ポケモン"は巣を作らないよ……」

奇妙な情報に2匹は首をかしげた。
不思議なダンジョンに居を構えたところで、不便でしかないのは目に見えている。
"敵ポケモン"の脅威に眠るときでさえ警戒しなければならないし、不思議のダンジョンの地形を変える特性によって外部へのアクセスも悪いはずだ。
わざわざそんな場所に居を構えるなど、何か勘ぐらずにはいられない。

「……犯罪者が、救助隊協会やその他組織の追跡に怯えてダンジョン内部に住み着くことはある」

その思考の最中でスズキが提示したのは、考え得る中で一番もっともらしい理屈だった。
――犯罪者の住処。

「調べてみましょう。救助隊としては、見過ごせませんよ」

そうなると、こういう発言が飛び出すのは必然だ。





「……特に犯罪の証拠は見当たらないな」
「怪しい物はいっぱいあるけどね。この地図とかさ、めちゃくちゃピンを立てた跡がある」

10分くらい調べて、出た結論はそれだけだ。
光源がスズキの"フラッシュ"しかないせいで捜索に支障が出ているというのもあるが、これ以上探しても無駄だとシズたちに確信させるのには十分すぎるほど"もぬけの殻"と言った雰囲気が漂っているのだ。

「この……なんて言うのかな、この場所。とにかく、こういう場所があると覚えておきましょう」
「無駄だとは思うが――ん? なんだ、この写真は?」

そんな状況ではあったが、たった1つだけスズキの興味を引く物が見つかった。
それは、一枚の写真。ポケモンバトルの様子を撮影した物だと解釈すれば怪しい物でも無いのだが……

「ん? 何か見つかっ――これって、シズ!?」
「えっ、ボク!?」

その被写体が赤いスカーフをつけ、チークのカバンを抱えたミズゴロウでなければ、特段興味を引く写真でもなかったのだ。

「シズ。アイドル的な何かの経験は?」
「あ、あいど……ないです! 断じてないです! ボクは男ですから!」

3匹の間に、衝撃が走る。……いや、スズキはある程度冷静だが。
当然だが、シズには戦闘中の様子を撮影された覚えは無い。つまるところ、この写真は盗撮された物であると言うことになる。

「これって、"炎の洞窟"の時の――!!」

ユカには、この写真の状況に覚えがあった。自分たちの"最悪の初依頼"。忘れるはずも無い。
それに、シズがチークのカバンを所持している場面はこの一件しか無いのだ。簡単に結びつけることができた。

「……"初依頼"以前からシズのことを知っていた、か。チークから聞いたシズの情報が正しければ、相当奇妙だぞ」

"炎の洞窟"と言うワードに、スズキは強く反応を示す。
スズキも"最悪の初依頼"の事を知っているのだ。チークの奇行――実際は操られていただけなのだが、あれは印象に残っている。

「スズキさんも、ボクの"記憶喪失"のことを?」
「ああ。フラッペが知っているんだ、俺も知っていて当然だろう?」

スズキがシズの記憶喪失を知っているのは、チークが言いふらしてくれたおかげだ。まあ、シズが「自分は人間だ」と主張していることに関しては、シズへの誤解や変人扱いを防ぐために黙っているようなのだが。
……情報を手に入れたきっかけはともかく、それだけの情報を保持しているのなら、スズキも救助隊キセキ当人の立場に立って推察することもある程度は可能であろう。

「とにかく……俺は、この趣味の悪い撮影者がお前が記憶喪失になる以前からお前を知っていた可能性が高いと考えている」
「記憶喪失の前から?」

そして、そうした情報を組み合わせてはじき出したスズキの結論がこれだ。

「そうだ。さもなければ、たった一日間でお前に出会い、撮影機材を用意し、その翌日にそれを可能とする技術をもって盗撮を実行したということになるからな。ただのストーカにしては熱心すぎると思わないか?」

確かに、妥当性はある。
シズの視点からすれば疑問点が浮かび上がりはするが、"シズが元人間であり、かつどのタイミングでポケモンになったのか全く不明である"と言う情報を知らないのであれば、100点に近いといっても過言では無いだろう。

「なんか、怖くなってきました……」
「……無理も無いな。前か後ろかは検討しかねるが、とにかく気をつけろよ」
「前? 後ろ? それってどういう……あっ!?」

……どちらにせよ、シズの過去を探るための有力な情報であることには変わりは無い。
少々下品な台詞をぶつけられたシズを尻目に、ユカは写真をしまい込むのだった。












そこは、洞窟の入り口だった。
湿気った空気が頬を撫でる。この先に、救うべき者たちがいる。

「複数個の入り口が存在し、そのいくつかは海中に位置している――"水晶海域"を探せば、これまで海難事故に遭ったポケモンたちをいくらか救えたのかもなぁ……」

――しかし、"救えなかった者たち"も、そこにいるだろう。
ざっと調べた限りでは、"水晶海域"から救い出されたポケモンの記録はそう多くはなかった。
"水晶海域"の海中の出入り口が、よく利用される航路の真下――事故の母数が多い箇所の真下に位置しているのにもかかわらず、だ。

「 な ぜ か 注目されてなかったダンジョンだからねぇ。
雨への天候変化を補強する"つめたいいわ"がたくさん取れる場所でもあるんだけどぉ……ま、今回は無関係だっ! ちゃちゃっと探して、ちゃちゃっと帰っちゃおうっ!」

……チークがそんなことを口にしたにもかかわらず、ヴァーサの冗談めかした口調は変わらない。
ふざけた異常者にも思えるが、あるいはその"動じない精神性"を真似るべきなのかも知れない。救えなかったポケモンたちに向ける"救えたかも知れない道筋"の空想は、生き残ったポケモンたちの精神を蝕むだけなのだから。

「……そうだな。ちゃっちゃと探して、ちゃっちゃと帰るか!」
「イェイ!」

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