第8話

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

タ「・・・・もう朝か・・・ってまだ5時か~・・・どうやらここからコガネまでは遠いって聞いたからもう起きて準備しておこうかな。」

タツミは昨日早めに寝てしまったのも有り早朝に目が覚めてしまう、しかしポケモン達はまだ眠りに就いたままなので起こさないようにそっと静かに準備を始めた。ここのポケモンセンターは基本的に2つの部屋からなり間を仕切りで仕切られている、その為もう一つの部屋に移るとある程度は音を出すことは出来る。

タ「さてと・・・ここならみんなを起こさずに準備が出来るだろう・・んーっと、まずは今日持って置いた方が良い品物を手持ちバックに入れてっと・・・。」


大体6時前には身支度は済み何時でも出発出来る状態にする事が出来たタツミ、しかしポケモン達がまだ眠ったままなのでタツミはポケモン達を起こさない様にボールの中にそれぞれしまい部屋を出た。

ポケモンセンターのロビーには人はおらずジョーイさんも現在は休憩に行っているようでカウンターにも人はおらず完全な無人状態であった。昨日の夜まではトレーナーと思われる人が多くロビーにてそれぞれ行動していたが今朝はそれが無く昨日までの騒がしさとは打って変わり静寂がポケモンセンター内を包み込んでいた。

タ「うわ~・・昨日までの騒がしさはどこ行ったのやら・・・まぁ先に進もう。」

外へと出てみるとまだ日は完全に昇っておらず薄暗さが残っていた。しかし、都会からはちょっと離れている為か空気は澄んでおりとても健康的な朝であった。

タ「ふむふむ・・・これなら朝から行動した方がまだ行動しやすいな・・・次からはちょっと考えてみよう。さてと・・・こっち行ってからあっちに行くって感じか・・・。」

ポケモンセンターを出て暫く行くと分かれ道が現れる。片方はウバメの森方面でありコガネやヨシノに戻る場合はこちらを通る必要がある。もう片方は私有地に向かう為あまり人は通らない道である、以前何かの問題が発生した事がありその事もある為一般人はそれ程足を踏み入れることはしないようだ。

タ「えーっと・・ここは右で・・・次の交差点を左に曲がるとウバメの森に合流っと・・・。」

ク『あれ?ここどこ?もしかしてもうポケモンセンター出発した?』

タ「いつの間にボールから出てきたの・・・もうポケモンセンターは出てもうすぐウバメの森って所かな?」

ク『そうなんだ、だったらボールから出てた方が暗さ的に良いねー。』


日は完全に昇った時間帯になったのだがウバメの森は木々が生い茂っている為か日が昇ったことがわかりにくい。その為このウバメの森で野宿する人は時間が分らなくついつい過ごし過ぎてしまう事が多いようだ。

タ「うーむ・・・恐らくここから左に行って・・・その後暫く行くと祠がある筈なんだよなぁ・・・あっ木が生えてる・・・。」

ク『僕がちょっと調整して通れる様に・・・焼こうか・・?』

タ「本当気をつけてよ?まぁ万が一の為にウィングを出しておこうか。」

ウバメの森内では大変重要な目印となる祠は大体森の中間地点辺りに存在している。しかし、そこに到達する直前には丁度小さい木が生えており通行する人の邪魔をしていてこれが原因で通行者が激減しているという話だ。

タ「おっ・・・何とか通れる様にはなったねぇ・・・って早い所工事するか何とかしといた方が良さそうだけどなぁ。」

ウィ『クラウンも全然火の扱い上手いんだね、なんか見直したよ。』

ク『僕どんなイメージだったの!?僕だって炎タイプなんだからこれ位出来て当たり前だよ!』

タ「はいはい、なら次に行こうか。ウィングありがとうね。」


その後も特段今までと変わらない風景が続いていく、しかし木を越える前の状況と違いこちら側は幾分か整備も行き届いておりトレーナーと思われる人も少なからず居るような状況だった。

タ「こっちになるとやっぱり都会に近づくから人は多くなるみたいだねぇ~。」

ク『そうだろうね?でも相変わらず鬱蒼としてて早く森を抜けてしまいたいよ・・・ずっと炎を出し続けるのもきついし・・・。』

タ「あっ・・ごめんね・・・ならボールの中に入っておいても良いんだよ?」

ク『それは止めておく。』

タ「即答かいな・・・。」

ク『でも大分進んできたと思うけどまだもう片方の出口に着かないねぇ・・・この調子なら今日は野宿って事も・・。』

タ「それはなんとしてでも避けようと思っているよ、ガイドマップの地図と照らし合わせてみるともう大分来ているからもうちょっとでコガネ側ゲートに到着するとは思うけど・・・先を見てみても全くその感じがしないね・・・。」


それから暫く歩き続けていくとぽつぽつと街灯が現れてきた。街灯が現れてきたらもう出口は直ぐで街灯が設置され始めてから大体100m位進んでいくと、そこにはヨシノ側と同じようなゲートが設置されていた。大体は検礼や通行人の監視などの目的で設置されているが最近は前述の木のせいで通行者が激減した為その役割をそれ程果たしているとは言えない為か監視員は居らず閑散としているだけだった。

タ「さてと・・・一応ここから少し行った所がコガネシティって所でジョウト地方最大の都市って感じの場所に着くよ。もう少しの辛抱だからみんなも頑張って。」

ク『うん・・・分った。もう少しだけ頑張ってみることにするよ。』

暫く歩いて行くと横目に育て屋を見ながら進む道路へと出てくる。しかし、ここら辺はトレーナーが少なからずいる地帯である為かクラウンを連れているタツミを見つけるや否やすぐさま勝負を仕掛けてきそうになるトレーナーも少なからずいた。しかし、タツミ達がいる目の前には明らかにどうしても避けようが出来ないトレーナーが1人おりタツミはクラウンへと問いかけた。

タ「一応何とか逃げ切れているけどここだけはどうしようもないか・・・クラウン戦える?」

ク『大丈夫!少しの間ならば全然どうって事無いよ!』

タ「よし!ならば行くか!」

トレーナー「むむ!マグマラシを連れていると言うことはかなりの腕のトレーナーだな!でも俺を越えないとコガネシティには辿り着けさせないぜ!いけ!コダック!」

タ「クラウン!水タイプが相手だけど頼んだ!」

ク『任せておいて!』

トレーナー「よし!コダック、水鉄砲!」

タ「クラウン!かわして火炎車!」

コダックはクラウンに向けて水鉄砲を放つが、それをかわすクラウン。そして火炎車をコダックに当てコダックを近くの木へと叩き飛ばした。

トレーナー「コダック!大丈夫か?・・・よし!大丈夫そうだな・・・続いてはたく!」

タ「クラウン、次は火の粉!」

ク『了解!』

トレーナー「そうはさせるか!コダックそこからの水鉄砲!」

コダックははたく素振りから一転し水鉄砲を放つ、火の粉を放っていたクラウンにしては計算外だったが火の粉と水鉄砲はぶつかり合うと一気に水蒸気となり辺り一面が軽い濃霧となった。

タ「クラウン・・・・!相手のコダックの体は黄色い・・・と言う事は霧の中での視認性は良い方だ・・・クラウン!見つけたらその場所に火の粉を放って!」

ク『了解!黄色・・・黄色・・・・!』

クラウンの視界の先には白い霧の中に微かに見える黄色い物体があった。そしてクラウンはそれに向かい火の粉を放つ。すると悲鳴が聞こえてきた為どうやらコダックに当たったようである。

タ「おっ、当たったか?」

白い霧は徐々に晴れていき、クラウンが火の粉を放った場所にはコダックが目を回して倒れ込んでいた。

タ「クラウン良くやったよ~。でも良くあの霧の中見えたねぇ。」

ク『タツミが言ってくれたから見つけられたんだよ~ありがとうタツミ。』

タ「でも良かった。・・・・君大丈夫・・・?コダック・・・。」

トレーナー「大丈夫大丈夫!何時もこうなるのには慣れているから・・・それよりも早く先に進みな。町は直ぐそこだぞ。」

タ「分った。バトルありがとう。」


トレーナーから数百メートル行った先にはもう一つゲートが設置されておりそこを越えるとコガネシティである。コガネシティはジョウト地方では有数の大都会の一つで有り日夜賑わいを見せる町であり、ここにはリニアモーターカーの駅や百貨店、ラジオ塔など他の都市にはない建物が軒並み連なっている。

コガネシティに到着したタツミ達はひとまずポケモンセンターへと向かう事にした。コガネシティのポケモンセンターはジョウト地方の中では1番大きい事で有名であり、立ち寄るトレーナーも今までの都市の中では最大である。また、立ち寄る人が多いと言う事は宿泊する人も多いと言う事もあり宿泊する施設に至ってはポケモンセンターとは別に建てられている等他の地域との差も感じさせられる。

タツミ達はポケモンセンターへと辿り着くとひとまずジョーイさんのいるカウンターを尋ねた。

タ「こんにちは・・・あの、今日って宿泊する事って出来ますか?」

ジョーイ「ちょっと待っててね・・・大丈夫よ。1泊で大丈夫かしら?」

タ「そうですね・・ひとまず2泊取ってて貰っても良いですか?まだ予定が決まっていないもので・・・。」

ジョーイ「分ったわ、取り敢えず2泊取っているけど何か予定が変わるようならば早めに私か助手のラッキーに伝えていてくれたら大丈夫よ。」

タ「分りました。クラウン行くよ。」



部屋へと辿り着いたタツミ達はひとまず荷物を置きこれからどこを回るかを話し合うことにした。

タ「ひとまず今日の目的地のコガネシティには辿り着く事が出来たから今日はここから先に進むのは止めておこうと思うけど、まだ時間が早すぎるから町を散策してみようと思うけど何か行ってみたい場所ってある?何かあるならそこに行こうと思っているけど?」

レガ『うーん・・・コガネシティと言ったらリニアモーターカーとかラジオ塔が有名って聞いたことあるしなぁ・・・気軽に見るとしたらそういう感じになると思うよ?』

ウィ『でもリニアモーターカーはまだ開通していないってガイドマップに書いているみたいだし・・・百貨店も私達を連れて回るのはちょっと過酷よね・・・。』

ク『ならばひとまず外に出て歩きながら考えるのはどう?』

プ『それってちょっと危ない感じがするけどどうなのかな?ひとまずどっち方向に行くってだけは決めておいた方が良いと思うよ。』

タ「そうだな~・・・じゃあ北上してみるか。南下するとさっきまでいた場所に戻っちゃうから結局は北上する以外には方法はないのかな~じゃあ行こうか。」

ク『ところで今回は誰がタツミと一緒に歩くの?』

タ「それもそうだったな・・・誰でも良いよ~歩きたいならね?」

ウィ『私はちょっとこういう舗装路ばかりの所はちょっときついから止めておく。』

プ『僕はもう眠いから寝ておくことにするよ~。』

タ「じゃあクラウンかレガとなるなぁ・・・レガはどう?」

レガ『僕はたまには歩いても良いかなって思っているよ!でもクラウンがいるからね・・・。』

ク『じゃあ僕が背負ってみる?レガくらいだったらまだ大丈夫だと思うからさ。』

タ「いけるか?無理しなくても良いんだぞ?怪我したら大変だし・・・・。」

ク『大丈夫大丈夫!これ位背負えないと僕だって・・・・何とか背負えたけど・・・この状態で歩くとタツミとはぐれそう・・・。』

タ「そうか・・・2人合わせると大体22キロ当たりか・・・ちょっと重いしなぁ・・・クラウンは歩いても大丈夫か?レガは一応僕の方に乗せる事にするよ。」

ク『僕は全然それでも構わないけど、タツミの方は大丈夫なのか?レガは結構重いぞ・・・。』

レガ『失礼な!これでも僕は軽い方なんだよ!』

タ「まぁ試しに乗せてみますか・・・・あー・・・うん、クラウンよりは軽いな。」

ク『なん・・・だと・・・まさか僕よりも軽く感じたとは・・・。』

タ「じゃあ一応出発しようか、荷物はここに置いて必要最小限の物だけ持てば・・・何とか手ぶらで行けるな。」


ポケモンセンター付近は町の中心地の近くと言うことも有り周りには高層ビルが建ち並び、目の前の道路は幹線道路の為か片側3車線にも関わらず車の流れは悪く所々ホーンが鳴り響いている。

タ「車が予想していたのよりも多いな・・・クラウン気をつけるんだよ。」

ク『分った!取り敢えずタツミの後ろを付いていくことにするから。』

タ「はぐれないようにね。」

ポケモンセンターを出て北上を始めると始めに見えてくるのがリニアモーターカーの路線である。一応駅から高架橋に入るまでは踏切形式となっており自動車や歩行者は線路を渡る従来の形式を採用しているようだ。しかし、現在はカントー地方で問題が発生している為との事で運行を中止しており、遮断機には「調整中」と書かれた札が掛けられている。

リニアモーターカーの踏切を渡らずに西進していくとラジオ塔や世界中のトレーナーとポケモンを交換することが可能となるGTS等の建物がある地帯へと進んでいくことが出来る。


タ「取り敢えずラジオ塔とかGTSとか言うのを見てみようか。」

タツミ達はリニアモーターカーの線路を渡らずに西進してラジオ塔などを見てみることにしたようだ。ラジオ塔やGTS等直接ポケモントレーナーに関わる建物がある地帯へと入っていく為か周りを見渡してみるとスーツを着たビジネスマンよりもトレーナーと思われる人が多く行き交っている。


リニアモーターカーの踏切の所を曲がり暫く行くと右手に黒く大きな建物が現れる。これがラジオ塔である。主にジョウト地方を管轄地域としているがカントーとの管轄際の場所では両方のラジオを聞き取ることが可能である。


タ「一応これがラジオ塔だね、テレビ塔じゃなくてラジオ塔・・・まぁラジオの方がテレビよりも緊急時とかは放送しやすいからこの世界ではラジオが発展しているんだろうなぁ・・・。」

ク『タツミー、中に入ってみようよー。』

タ「それもそうだな、一応中を見て行ってみようか。」

タツミはクラウンに促されてラジオ塔の中へと入ってみることにした。ラジオ塔自体は見学は無料の為社会科見学や観光客には人気のスポットとなっている。中は基本的にシンプルといった感じでタツミの他にも観光客と思われる人が数人写真を撮ったり説明を聞いたり公開収録を見ていたりそれぞれが目的を持って訪れているようであった。

タ「ラジオ塔自体は初めて入ったけど中ってこうなっているんだ~、へぇ~。」

レガ『本当だね、色々な機材もあるし公開収録とかは中々見れる物じゃないからなんかわくわくするね!』

ク『凄いなぁ~、ここから色々な情報を発信しているんだね~。』



近くにいた受付嬢からラジオ塔の全般の説明を受けた後に聞いた内容を照らし合わせながらちょっと見学する事にしたタツミ達。現在は2階までが一般人に公開されているようだったが、以前はほぼ全てのフロアを開放しておりどこでも見ることが可能だったようである。2階に続く階段の前で見張っていた警備員は今の局長は別人みたいとの事らしく、恐らく局長が性格的に代わったことにより方針が変更された可能性があるとの話だった。


タ「よし、じゃあ次の目的地に向かうことにしようか。次はGTSかな~。」

ラジオ塔の見学をある程度終えたタツミ達は次の施設の一つGTSへと向かうことにした。GTSは世界中の人々とポケモンの交換が可能となる施設であるが、その技術の到達はまだ猶予がある為現在は試験運用的な感じで作動しているようだ。しかし、施設内部や敷地は自由に現在でも出入り出来る為トレーナー達の交流の場として現在は活用されているような状況である。

タ「GTSと言っても施設としてはそれ程近未来的という感じではないんだなぁ・・・でも今は運用されていないみたいだしあまり長居は無用かな?」

レガ『でもここから世界中のポケモンが送られてくるって言うけどどういう技術なんだろうね?』

ク『確かにそれは気になるね、だけど聞いても恐らく全く理解できないから分らないままなのが良いのかもしれないね?』

タ「まぁ暫くここら辺でのんびり座っておこうか・・今ポケモンセンターに帰っても暇なだけだろうしなぁ・・・。」

レガ『運用されていないとは言っても人は多く来るんだね~。ある意味人気スポットなのかもね?』


タツミ達が座ったベンチの近くで人だかりが出来ている部分が有りそこからはポケモンへ指示を出す声が聞こえてきた為、どうやら即席でポケモンバトルを行っているようである。集まっているのは大抵トレーナーと思われる人であるからかバトルしているのを興味本位で見に来ているのかもしれない。



男の子「ニドリーナ!大丈夫か!・・・・・。」

とある男の子が自身の手持ちポケモンの名前を叫んだのを聞いたのを見るとどうやら勝負あったのかその言葉の後には歓声が周りから浴びせられた。タツミが立ち上がりその場所の様子を見てみると、負けた方の男の子は倒れたポケモンをボールに戻すと同時に走り出し町の方へと消えていった。

そして、勝利した方の子を見てみると自身が勝った事を誇っているのかかなり威張り尽くした感じの態度で廻りのトレーナー達の声援に応えていた。

男の子2「どうだ!俺の方が強かっただろ!さっきの奴も弱かったし俺に敵う奴なんてここら辺にはいないみたいだな!俺がこの町のナンバー1って所か?はっはははは!」

タ「かなりなんかイライラするような感じの態度と言動だな・・・何のポケモンを使っているんだ・・・よく見えないけどヤドランか・・・それなら結構強い方の部類かもしれないな。」

ク『ヤドランってかなり強いの?聞いた話だと水タイプだから僕は相性がめっぽう悪いけど・・・。』

タ「まぁ強いって感じかって言うとうーん・・・返答に困るな・・・でもクラウンは相性が悪いからな・・・下手に勝負を仕掛けられてもこっちが困るから早い所町に戻ってから百貨店でも見てみようか。」

ク『う・・うん。』

タツミは下手に勝負を仕掛けられるとかなり厄介なことになると判断した為、早めにGTSを切り上げこの後の時間は百貨店で潰す事を考え移動し始めたがそれに威張っている少年が気付きタツミの方へと大声で喋りかけてきた。


男の子2「おい!そこのお前!何逃げてんだ!次はお前の番だ!こっちに来い!」

タ「うわぁ・・・捕まってしまった・・・まぁ早い所終わらせてから急いで帰ろう。にしても面倒だなぁ・・・。」

男の子2「まぁ俺が勝つのは当然なんだが、お前も勝負させてやるよ。俺のヤドランに勝つなんて到底不可能だと思うけどな!はははは!!」

タ「はいはい。うーん・・・クラウンだと流石に水タイプで相性が悪い・・・かといってウィングやプレッサだと・・・。」

レガ『じゃあ僕が行く!』

タ「えっ?レガ大丈夫?無理しなくても良いんだぞ?」

レガ『大丈夫!僕だって実戦の経験を積みたいしクラウンを出すよりは僕を出した方がまだ相性とかの問題が低いでしょ?だから僕が行くよ!』

タ「そうか・・・じゃあレガ頼んだよ?でも無理しなくても良いからね?」

男の子2「ミニリュウを出してきたか・・・。でも相手に不足はないな。俺は余裕があるからな、そっちが先行で良いぞ。」

タ「じゃあ遠慮なく・・って・・・レガ・・・何の技が使えるの・・・?」

レガ『一応たつまきとかかな・・・?僕もよく分ってないんだよね(笑)』

タ「まじか・・・じゃあ一応たつまき!」

レガの廻りに風が集まりそれが渦となりヤドランの元へと飛んでいく。移動している間にも木の葉や木の枝などが集まってくる為その間接的なダメージもあるようだ。

男2「ヤドラン!かわしてみずてっぽう!」

普段はおっとりしているヤドランだがこの時ばかりは素早い動きでたつまきを横へかわして水鉄砲をレガへと放つ。その水鉄砲も威力が強いようでウィングの水鉄砲よりも強そうに見える。

タ「レガ!かわして・・・・たたきつけて!」

レガはぎりぎりのところでかわしヤドランの頭にたたきつけるをヒットさせた。何故ヤドランの頭上まで移動できたのかというと、先程までのたつまきの影響がある為かどうやら風に乗りヤドランの頭上まで移動できたようである。

男2「ヤドラン!」

レベル差が多少ある為かそれ程酷いダメージには繋がっていないのかヤドランは当たった所を吞気にさする程度で直ぐにレガの方を見、キッと睨み付けた。

男2「中々やるなお前のミニリュウ、今まで戦ってきた奴等の中ではある程度骨のある奴なのかもな、でもなこれ位でへこたれる柔な奴じゃないんだよなぁ~ヤドランずつきで吹き飛ばせ!」

タ「!レガは・・・・まだ空中・・・まずい・・!レガ急いで地面に・・・・」

レガは先程のヤドランに当てた叩きつけるの技の反動でまだ地面に完全に着地していなかった。その瞬間を狙われヤドランはずつきをレガに当てレガは避ける事が出来ず近くの街灯へ叩きつけられてしまった。街灯が揺れた衝撃で廻りの埃が舞い上がってしまい軽く視界不良になってしまいレガの様子を確認することが出来ない。

タ「レガ!」

男2「・・・・・・勝負あったな。ヤドランもう戻って良いぞ。」

砂埃が少しずつ晴れていきある程度視界が効くようになるとその場所にいたのは目を回したレガであった。

タ「・・・・・・・・ごめん・・・。レガ・・・。」

ク『タツミ・・・・あいつのヤドランの方が一枚上手だったって事か・・・それでもやり過ぎだろ・・。』

男2「お前のミニリュウは今まで戦ってきた奴等の中では強かったが、それにも勝てたって事は俺の方が強かったって事?ははは、やっぱり俺はこの町のナンバー1だな!じゃあな。」

男の子はそう言い捨てるとGTSの敷地内から出ていった。彼が去るのと同時に野次馬なども一気に退散したため数分後には再び静粛なGTSに戻っていた。

タ「レガごめん・・・・・クラウンとりあえずポケモンセンターに急いで戻ろう。」

ク『うん。』

タツミはレガをボールへと戻すとポケモンセンターへと走り出した。



ポケモンセンターへと到着と同時にカウンターへと急いで行きジョーイさんに事情を話しレガを預けた。元々コガネシィのポケモンセンターは利用客が多い故に基本予約をするといった感じなのだがタツミの様子を見たジョーイさんはタツミが話す前から事情を察し予約なしで見ることにしたとの事だった。

タ「・・・・・・・・。」

ク『タツミ大丈夫?・・・タツミが悪いんじゃなくて、あのいやらしい男が悪いんだよ。』

タ「クラウン・・・ありがとう・・・。少しは気持ちが楽になったよ・・。」


暫く1階のカウンター近くの椅子に座りジョーイさんから呼ばれるのを待つタツミ達、流石利用客がジョウト地方の中で多い部類に入るだけあり人の往来が激しい。また、老若男女色々な人が利用している為その分賑やかである。

暫くするとジョーイさんがタツミ達を呼びに座っている椅子の所まで歩いて来た。

タ「ジョーイさん・・・。」

ジョーイ「そんなに心配しなくても大丈夫よ、命に別状はないわ。ただ、今は疲れてぐっすりと眠っていて今日1日は安静にしておかないといけないから今日はもうゆっくり休むことね。」

タ「わかりました。」

ジョーイ「今日一日は治療室のベッドで休ませて、そんなに心配しすぎなくても大丈夫よ。」

ジョーイさんはそれだけタツミに伝えるとまた小走りでカウンターの中へと戻っていった。

ク『会いに行ってみようよ。ここにこうしているのも疲れたよ。』

タ「それもそうだな。行くか。」


レガがいるのは怪我をしたり体調を崩したポケモン達を一時的に休息・治療するための部屋であり通常は入れない部屋である。部屋の中は基本白を基調としたシンプルな部屋であり中にはベッドが5床規律良く並んでいる。その中でレガが休んでいるのは一番窓際に近い場所のベッドであった。

タ「レガ・・・・・。ごめんね・・・。」

ク『タツミ・・・。』

レガは寝ていて起きなかったが、タツミは罪悪感からか泣いていた。

ク『タツミ・・・泣いているよ・・・。』

タ「あー、僕ね涙もろいんだよね。だからアニメだろうがドラマだろうが感動的なのがあってジーンとしてね・・・。それよりも部屋に戻ろうか。ここじゃ他のポケモン達の迷惑になるかもしれないからね。」

タツミとクラウンは部屋へと戻って行った。

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