ビーチの魔法

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読了時間目安:3分
 洋館で行われるマジックショーに何をしようか考えているスナバァとシロデスナは、とあるビーチにやってきました。海水浴をするには小さくニンゲンもあまりやってこないところなので、ゆっくり考え事をするにはよいところです。

 打ち寄せる波の音を聞いていると、なんだか体の下の方がムズムズします。スナバァが移動すると、砂の下に何かが埋まっている様子。引っ張り出してみると、それはニャビーでした。
 ニャビーは、このビーチに魔法のような宝石が流れ着くので、それを拾いにやってきたといいます。もしかしたらマジックショーに使えるかもしれないと、スナバァとシロデスナは一緒に探すことにしました。

 とはいえ狭い場所だから、探すといっても波打ち際か砂浜くらいしかありません。石や貝殻を拾っては、これじゃないとニャビーは首を横に振ります。一つ一つ探すのは難しいからと、シロデスナはすなじごくを作って、ビーチ中のあらゆるものが集まってくるようにしました。
 すると、砂粒に混ざって曇ったガラスのかけらがパラパラと集まりました。ニャビーはこれこれとガラスのかけらを拾って、自慢の爪で引っ掻き削ります。そうすると、曇ったガラスのかけらは形が整って美しい宝石のようになりました。

 ね、ガラスが宝石に変わる魔法のビーチなんだよここはといって、ニャビーは満足そうに帰っていきました。ただのガラスを宝石に変える、これこそきっと魔法だ。遊びに来てくれるポケモンも喜んでくれそうだ。スナバァとシロデスナは二匹で大きな大きなすなじごくを作って、ガラスのかけらを集めました。

 歪な姿は砂で磨いて、つるりとまあるい形に変えます。瓶に詰めれば、素敵な魔法の出来上がり! これなら、お土産にして持って帰ることもできそうです。二匹は体の中にしまって、洋館に帰るのでした。
 ただのガラスが曇ったガラスのかけらになるには、波に揉まれる必要があるので洋館では作ることができないのですが、二匹がそのことに気がつくには、もうちょっと時間がかかりそう……。

きょうのおはなしは、これでおしまい

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