超えられない存在

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ハンスとリーリエとの旅が始まり、ニビシティへ行くために町の北へ向かう途中、リーリエが右の大きな施設を指差した。

「もしかしてあれがポケモンジムですか?初めて見ましたけど、すごく大きいですね!」

「あ、そっか。アローラ地方にはジムリーダーがいないから、ポケモンジムも建ってないんだったね。各地のジムリーダーは、タイプによって様々な内装を施しているんだよ。フィールドによって戦い方も変わるから、頑張ってリーリエちゃん!」

二人がポケモンジムについて盛り上がる中、俺はトキワジムを見て昔のことを思い出していた。


俺が初めて旅をしていた十年前、少し先にカントー地方を巡る旅をしていた、マサラタウン出身の二人のトレーナーがいた。
ポケモンマフィアのR団と正面から戦いを挑み、ボスに勝利して解散にまで追い込んだ伝説を持ち、今もなお頂点に君臨する男、レッド。
ポケモン研究の第一人者・オーキド博士の孫であり、圧倒的な実力でポケモンリーグ予選を勝ち進み、決勝戦でレッドと壮絶なバトルを繰り広げた天才トレーナー、グリーン。
実は旅の途中で一度だけ、二人と対戦する機会があった。もちろん結果は惨敗で、相手の最初のポケモンに全部のポケモンが倒されてしまった。
レッドのピカチュウには、ボルテッカーという強力な技でボコボコにされ、グリーンのラッタには、まるで神速のような恐ろしい動きで攻められ、こちらは手も足も出なかった。反省する点もないくらいに、俺は圧倒的に負けた。
その後は二人と会うことはなく、レッドはチャンピオンになった後なぜか行方不明になり、グリーンはトキワジムリーダーとして現在も活動している。
もし今の俺が挑戦すれば、勝利を掴むことは出来るだろうか…?しかし、かつて完敗した時の苦い思い出が頭をよぎる。先にヤマブキジムでバッジをゲットしてから、最後にトキワジムへ挑戦する流れで問題ないだろう。べ、別に後回しにするわけじゃないんだからね!最終的にはポケモンリーグに挑戦するから、トキワジムは最後にした方が都合が良いってだけなんだからね!
そして俺たちは、トキワシティを後にして二番道路を進む。その途中でリーリエが、初心者っぽい少年のトレーナーにバトルを申し込まれた。

「こ、これがポケモンバトルの始まりですか…。精一杯やらせていただきます!」

二人のバトルが始まったので、俺とハンスは近くにあった石に座って見守る。初バトルのリーリエは、明らかに緊張していた。

「相手のポケモンは…二匹か、イーブイだけじゃ心配だな。せめてもう一、二匹手持ちが欲しいな」

「確かにそうだね。ニビジムを勝ち抜くためにも、トキワの森で仲間を増やしたいなぁ〜」

ニビジムリーダーのタケシは、岩タイプのポケモンを使う。イーブイじゃ相性が悪いし、草か水タイプのポケモンを持っておきたい。イーブイを進化させて、シャワーズかリーフィアにさせれば手っ取り早いが、多分リーリエの気持ちも考えるとそれは無理だろう。
それを踏まえた上で、リーリエがこれからどんなポケモンを捕まえるのか、非常に楽しみだ。

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