孤独な強さ

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毎日ハロウィン企画:28日目のお話
 ある日のこと。マーシャドーが新しい技を覚えようと、手当たり次第見かけたポケモンの影に潜り込んでいると、ピリリとした痛みを伴う影がありました。それは、ルカリオの影でした。どんなやつだろうと影からこっそり本体の様子をうかがうと、ひと時も緩まない険しい表情をしていました。こいつは強そうだ。しばらく身を潜めていよう。マーシャドーは、技や強さを自分のものにしようと、ルカリオの影にもぐりこみました。

すると、流れ込んできたのは意外にも悲しい気持ちでした。流れを遡っていくと、大切な家族や友を弱さから失った過去の記憶に繋がっていました。マーシャドーは触れているうちに自分も悲しくなってしまい、涙を流すのでした。 そして、闘うしかないという覚悟にも触れて、是非ともこのルカリオと闘ってみたいと思うのでした。

影に潜んで数日が経ち、ルカリオの技と経験を大体吸収したところで、マーシャドーはすうっと影から姿を現しました。驚くルカリオにバトルを持ちかけると、すぐに戦闘態勢に入りました。マーシャドーはずっとルカリオのことを見ていたので、はどうだんもボーンラッシュも、するりするりと躱して、 インファイトをかまします。

ルカリオはモロにダメージを受けましたが、ここで倒れるわけにはいかないと不屈の精神力で踏み止まります。目を閉じて神経をとぎすまし、シャドーパンチを繰り出そうとしたマーシャドーにアイアンテールを喰らわせます。技を受けて吹っ飛んだマーシャドーは、強い相手と闘うことを喜んでいるようで、ニッと笑って緑色に闘志を燃やしました。対してルカリオは、こんなときに笑っているなんてと怒り、しんそくで突っ込んできました。

けれどもそれは、相性の悪い技。ルカリオはマーシャドーの身体をすり抜けて、地面に思い切りぶつかってしまいました。倒れ込んだルカリオに、マーシャドーはとどめのシャドーパンチを撃ち、勝負がつきました。ここまで負けなしだったルカリオは、喪失感からもはやこれまでと命を断とうとしたので、マーシャドーは慌てて影にもぐりこんで、死んでしまいたい気持ちと無力感を引きずり出して、外に放り出しました。

そして、落ち込んでいるルカリオに手を差し出して、いっしょに行こうよといいました。ルカリオはかなり迷っていましたが、ぐっと顔を上げマーシャドーの手を取りました。それから、マーシャドーとルカリオは共に修行をする仲間になりました。手合わせを繰り返すうちに、なんのために闘うのか、誰のために闘うのかを思い出していくのですが、それはルカリオのおはなし……。

きょうのおはなしは、これでおしまい

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