第112話

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読了時間目安:28分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

登場ポケモン→ ・フィーロ→ルギア ・ルタ→ナエトル ・ルディナ→ポッチャマ ・ポル→ミズゴロウ
        ・タツミ→キュウコン(元人間)

タ「洞窟に入って暫く経ったけど・・・今どこ歩いてるのかな~?」

フ『洞窟の中って言ってもずっと蛍光灯が照らしてくれているし、ずっと先まで外の光が見えないって事はまだまだ掛かるって事なのかなぁ~怖いから早い所出たいんだけどここ・・・。』

タツミ達が洞窟に入ってから早くも3時間が経過しようとしていた。しかし、外の景色や光が全く入ってこない事もある為タツミ達はそこまで時間が過ぎている事に気づく事すら無くただひたすら先に進んでいるだけであった。

タ「それにしてもここを正規ルートに設定するこの地方行政は何考えているのだろうか、誰がこんな所通るのよ!今までポケモンは出てきても人は1人も出会わなかったし、整備が行き届いていないから危ないと思うこと多数あったしもうなんなんだろ!」

フ『まぁまぁ落ち着いて。ほらもう少しで出口・・・・っと思うから早い所進もう?ところで今何時?』

タ「えっ?・・・・・おお・・・もう9時じゃん・・・早くも3,4時間くらい歩き続けてきたのかな~・・・でも全く出口が見えてこないというのも中々心細い所もあるね・・。」

ポル『多分・・・この風の感じからすると・・・あと数キロって所だと思うよ?』

フ『えっ?そんなに風吹いていた?てっきり逆の方から吹いてきている物だとてっきり。』

タ「取り敢えず洞窟内で野宿はあまりにも危険すぎる!・・・から急いで行こう・・・って言った傍からまた野生のポケモンが出てくる~。」

ポル『ここは僕が・・・・ていや!・・・まったく、ここって僕達水ポケモンからすると本当良いトレーニングルームだよね?』

タ「それは思う、みんな経験値とかも大分貯まったんじゃないかな~・・・それよりも急いで外に向かおう!」


その後も道路状況は一向に改善する気配が無く、相変わらず蛍光灯だけがごく僅かの通行人の為に照らすような寂しい道を進んでいく。整備が行き届いていない為か整地も中途半端で所々ゴツゴツした足場を移動する、尖った石等も多い為タツミの足は傷つき所々切り傷のような物が出来、見るからにも痛々しい感じだった。

タ「痛てててて・・・全くなんでこんなに道悪いのよ・・・。」

フ『タツミ大丈夫?あれだったら僕の背中に乗っても良いんだよ?そんなに足怪我してたら満足に歩けないでしょ?』

タ「そうだけど・・・でもそうしたらフィーロが大変になるし・・何よりポルとかだって怪我してるかもしれないし・・・?」

ポル『僕の方は全然大丈夫!ほら!全然怪我してないでしょ?』

そうポルは言うとタツミとフィーロに前後の手足の裏を見せる、その足は薄く汚れてはいたが特段怪我をしていると言った感じでは無かった。

フ『やっぱりタツミは僕の背中に乗って!明らかに怪我してるしそれ以上歩くとバイ菌入ったりして大変な事になるから!良いから早く乗って!』

タ「あ・・じゃあお言葉に甘えて・・・。」

タツミはフィーロの背中に乗る、この洞窟内は先程までとは違い高さと幅が十分に無い為か、フィーロが飛ぶことは物理的に難しく背中にタツミをおんぶして移動する事となった。

タ「本当ごめん・・・。」

フ『良いの!良いの!だって人間の時のタツミと比べると全然軽いしこれ位どうって事無いよ!』

フィーロにおぶって貰い先へと進んでいくタツミ、ッとここで急に視界が開けた。先程までのかなり手入れが悪い状態から一気に整備がされていると覗えるように、照明は蛍光灯からLED照明に、そして路面状態も人が通る部分だけは舗装がされていたりととても環境が良くなった。どうやら出口が近いようである。

タ「おっ、この感じなら出口が近いかな?もう少しだね!」

フ『ようやく出られる-!長かった-!!もう通りたくない・・・。』

タ「大丈夫・・今度はあっちから行く事になるから・・もうこの道は通らないと思うから・・・そう心配しないで。それよりも・・もう10時過ぎてるから今日は洞窟を出た所でキャンプとしよう?」

フ『分かった!』


洞窟を出るとそこは町・・・っというわけでも無くただ広い田園風景が広がっているようであった。夜遅く街灯すら無かった為、真っ暗でどこに何があるのかすら分からない状態である為、田園風景と言うのは星空の広さから仮定したようだ。

タ「こりゃ見えないから危ないな・・・ちょっと行った所で今日は終ろう?こんな中進んでいたら何があるか分からないからね。」

ポル『それは一理あるね。だけど、ここからそのヨスガまで大体どれくらいの距離なの?距離から逆算して明日何時に出れば良いか計算できるからどれくらいの距離?』

タ「うーん・・・地図を見る限りでは10キロ・・・20キロって所だと思う。こういう時に携帯の地図があれば楽なんだけどなぁ・・・・。」

フ『それよりも早く行こう?あまりこんな所で立ち止まってたら襲撃されたりなんか良くない事が起こりそうだし急ごう?』

ポル『それじゃあ今日泊まる所で明日の距離を教えてよ!それから逆算してみるから!』

タ「それでお願いするよ。」


真っ暗な道をフィーロが持つ懐中電灯で照らして歩き続ける事大体20分、ようやくまともに野宿できそうな場所が見つかった為ここで今日の行動を終えることとしたタツミ達。近くにコンビニはあるのだが、ポルやフィーロに買いに行って貰うにはリスクが大きく、かと言ってタツミが行くとそれはそれでリスクが大きい為、結局は先日の食事の残りでその日は我慢する事とした。

タ「なんか・・ごめんね・・・すぐそこにコンビニはあるけど、ちょっと色々とリスクが大きい気がして・・・。」

フ『大丈夫!全然気にしないで!それにもう遅いからそんなに食べれないし、食べ過ぎても気持ち悪くなったりするから全然これだけで大丈夫!』

ルデ『そうそう、気にしなくて良いよ~。それに何か買ってくる物あれば言ってくれれば買ってくるからさ!』

ルタ『あんたに頼むと余計な物まで買ってきそうで怖いわ。』

タ「ははは、ありがと。まぁじゃあ今日はもう食べたら寝よう、明日はヨスガシティに入るから・・・多分フィーロは・・・」

フ『僕は大丈夫!こっちの人って僕があの伝説ポケモンのルギアの子供って分かってる人少ないみたいだし!それにポルとかルディナに任せるのはちょっと不安。』

ポル『別に大丈夫なのに~。まぁそう言うなら歩いてみるのも良いんじゃない?大丈夫でしょ~、だって珍しいポケモンじゃ無いし。』

タ「いやいや、めちゃんこ珍しいポケモンになるぞ・・・フィーロは・・・。まぁそこまで言うならポルを出しておけば何かあっても大丈夫か・・・・でも無理は禁物だからそれだけはしっかりとね?」

フ『はーい!』

ポル『ところでタツミ、ここから町までの距離ってどれくらい?』

タ「そうだったね・・・うーんっと・・・大体15キロって所かな~。じゃあ歩いたら・・・簡単計算で3時間程度って感じか・・・。」

ポル『じゃあ明日は6時に出たら丁度良く町に着けるね!』

タ「明日こそは町に着かないと・・もう厳しいし色々と調達しないといけないからそれ位の時間に出るか!」





タ「やっぱりもう少し大きなテント買えば良かった・・・ってなんで昨日は広かったのに今日はこんなに狭いん?・・・もうちょっとそっち行けないかい?」

ポル『いや、こっちはもうテントの端だし無理だ~フィーロの方をどうにかした方が良いんじゃない?それになんで全員集合してるのよ!』

フ『何言ってるのよ?こっちだってもうタツミも迫ってきてるわ荷物はあるわで動けない状態なんだから!・・・・荷物がなんか増えてるんだよ!それが狭い原因じゃないの!?』

ポル『荷物って何も入ってないでしょうに・・・なんで増えたんでしょうね。』

フ『・・・ってかこの状態じゃ寝れないな・・。』

ポル『寝れるわけ無いじゃん・・・・ってか今日はもう寝させないぞ?』

タ「全員で寝るにはやっぱりキツかった・・・今更だけどこのテント1人か2人用だな・・・。それにオールしても良いけど明日寝不足状態で歩いて貰うぞ。」

ルデ『なにそれ酷い。第一荷物の狭いんだったら外に出しておけば良いんじゃ無いの?』

フ『物騒でしょ!』

ポル『第一ねぇ、要らないもの買いすぎなのよ。使わない物も多いんだから幾つか向こうに送ってしまっても良いんじゃないかな?』

フ『明日の明日くらいに考えておくわ。』

タ「取り敢えず時間も時間なんだからもう寝なさいよ?・・・・何だい?身体を伸ばすことも出来ないのかい?」

フ『こっちだって結構キツキツなんだからちょっと我慢してよ!僕だってもうちょっと自由に寝たいけどもうテントが迫って迫ってどうしようも無いんだから!』

ルデ『こりゃ寝た後にフィーロを押して・・・・』

ルタ『そんな事したら大変な事になるよ?テントごと移動する事になるよ?』

フ『何考えとるねん!』



翌朝は雲一つ無い晴天であった。しかし、雲が全く無いというのも考え物で、雲が無いことにより地表の熱が空に逃げてしまう為テントには霜が降りるくらい朝方は冷え込む。ちなみにタツミ達は昨日の疲れがやはりあるのかまだ誰も起きずに夢の中だった。


タ「・・・・・はっ!!今何時・・・・9時・・・・9時かぁ~・・・・ああぁぁぁぁぁ!!!!!」

ルデ『煩いなぁ・・・まだ朝じゃ無い・・・まだ眠いって・・・。』

フ『タツミなんなの~・・・・もうちょっと寝させてよ・・。』

タ「もう9時だって!!昨日の夜に出発は朝6時って言ってたでしょ・・・3時間も現在進行形で遅刻してる!!!」

フ『・・・・・なにーーー!!!!!なんで!!目覚まし掛けたんじゃ無いの!!!??』

タ「かけたけど・・・・なんかいつの間にか止めてしまっていたようである・・・取り敢えず急いで支度して進むよ!!」

ルタ『朝から騒がしいですね・・・ってもう9時・・・・あちゃ~昨日張り切りすぎましたねぇ。』

タ「そう言って場合じゃ無くて!取り敢えずフィーロは一緒にテント畳んで!それ以外はちょっと小物系を片付けててよ!もう~ここから町までまだ15キロくらい離れてるって言うのに!!」

ルデ『まぁまぁそう慌てなくても。ゆっくりやっていけば良いじゃないの~急ぐと他の所で危ない目に遭うよ~。』

フ『ルディアの言う事も分かるからそう急がなくて・・・向こうの町ではもう泊まる予定なんでしょ?』

タ「泊まれたら泊まるけど・・・僕が今キュウコンの姿ってのをお忘れで?」

フ『それでも一応泊まれるもんじゃ無いの?保証は出来ないけど・・・それよりもタツミの声って人間に聞こえるの・・・??』

タ「そ・・・それは・・・どうなんだろ・・・この姿になってから人と話した事無いから分からなかった・・・しゃーない・・後で実験してみよう。」

ルタ『多分大丈夫とは思いますけどね?たまに居ますよ?人の言葉を話すポケモン。』

フ『本当この地方怖すぎ。』

ポル『それは思った。』


タツミ達は、早急にそれぞれが振り当てられた役割を終えてヨスガシティへと歩き出す。山脈を越えたと言う事もありここからのルートは民家や農耕地も多くなる為、平坦路をただひたすら歩き続けるという感じが多くなる。

タ「なるほど・・・山を越えたからもう険しいルートはないと言う事か・・・これならゆっくり歩いても定刻に着けそうだねぇ。」

フ『しかも風が殆ど無いから凄く飛びやすい!天気も良いし凄いハイキング日和だね。』

ポル『ハイキングって・・・でもこの調子なら昼過ぎには着けると思うよ。でも大分山の部分で時間取っちゃったね・・・山を越えるだけで3日くらい掛かってる・・。』

タ「そうなんだよなぁ・・ここってかなり面積広いからちょっと移動が大変だよね?この地方1周ってかなり大変かもしれない・・・それに僕だってこの姿だし・・・色々あるなぁ・・。」

フ『大丈夫大丈夫!ウィングが言ってたみたいに楽しんだら良いよ!滅多に無いし良い経験良い経験♪』

タ「なんでそんな嬉しそうなん・・・。」

ポル『それにしても何も無いね・・・・本当この地方で生活するのって大変そう・・・。』

ルデ『別に問題無いと思うぞ?だって100キロとか近い近い、下手すると買い物に200キロとか使うから全然大丈夫大丈夫。』

ポル『やっぱりこの地方怖い。』


2時間程度歩き続けた所で検札所のような建物が現れた。この地方では等間隔にチェックバリアと言った感じの所謂検問所のような建物が存在している。ただ、チェックバリアとは名乗っているが常に検問をしているわけでは無く基本的には無人であり、検問というよりも休憩所や交通情報の確認所のような意味合いが強い。

タ「まぁ高速で言う本線料金所のような物か・・・ここは普通に通過できそう・・・おっ、ここを過ぎるとヨスガシティまで3キロって。」

フ『遂に着いたねー、やっと寂しくない所で休めるよ~早い所行ってからポケモンセンターの予約取ろう?』

タ「ちょっと待って・・・凄く緊張してきた・・・こんなに人と話す事って大変な事だったっけ?まぁ・・・元々人と話すのは得意じゃ無いけど・・あー動悸してきた・・・。。」

ポル『大丈夫大丈夫!僕達が付いているから何かあってもすぐ対応出来るから!そんなに心配しないで・・。』

フ『そうそう!何かあったら僕達もフォローするから安心して大丈夫!』

タ「ありがと・・・みんな・・・よし!じゃあ行くぞ!」


3キロ程度の距離ならば普通に歩いて1時間も掛からずに町へと入る事が出来る。検札所を過ぎた後はそれまでの人っ子1人居ないような状況から一変しトレーナーや一般人が多く歩くように活気があった。タツミの横にフィーロが、そしてそのちょっと後ろをポルが守るように歩く。

タ「これで大丈夫かなぁ・・・・・・・。ってみんなこっちを見向きもせずに歩くね・・・山を越えて地方は変ったから・・・こっちの地方の人はそれ程気にしないのかな?」

フ『それなら好条件じゃ無い?だってほら、ポケモンだけで旅?しているようなのも居るし。そういう方が何かと便利だし怪しまれないから良いと僕は思うけど?』

タ「そういう考えは良いね。・・・・ってポケモンだけで旅するって・・・やっぱりポケモンの中にも旅好きが居るのね。」

ポル『そりゃあ勿論!だって、旅して知らない地方を走ってみるってとってもワクワクするしそれがこれから生きる上での糧になるって事もあるし!』

タ「僕も知らない日本を旅してみたかったなぁ・・・。」

その後も人通りが多い通りを歩いて行く、途中何人もの人とすれ違うが誰1人としてタツミの方を見て不審がったり気味悪がったりしなかった為、こちら側の地方ではやはりポケモンだけで移動するのは珍しい事ではないようである。

タ「お、もう少しで町だ。山脈のこっち側ではこの町が中枢都市みたいな位置づけになってるみたいだね。」

フ『つまり向こうでのコトブキシティがこっち側ではこの町って事?』

ポル『この様子からすると・・・そういう解釈でも大丈夫と思うけど・・・?』

タ「そうそう、そういう意味合いで大丈夫・・・・見えてきたね。」

タツミ達の目の前には何重にも連なるビル群や合計6車線ある大通り、ホウエンで言うコンテスト会場や大きな教会などコトブキシティにも引けを取らないくらいの大都会が広がっていた。

タ「調べてみるともう一つか二つ似たような町ありましたわ。」

フ『でもこの町も中々凄いと思うけど?だってこんなビル群に色々な施設とちょっとなんか凄いなぁ~・・・それよりも早い所ポケモンセンター行って部屋押さえておこう?』

タ「ちょっと何言ってるか分からない。」

フ『取り敢えず!!!ポケモンセンターに!!!行こうって!!言ってるの!!!』

タ「聞こえてるって!煩いなぁ!・・・・ちょっと待ってよ・・滅茶苦茶緊張するんだから・・・怖いわ・・・。」


ポケモンセンターは町の中心から北西にちょっと行った所に設置されていた。その周りは大きな道路が数多く交わっている場所であり、行き交う人や車の数はこれまで通ってきた町の中では1、2を争う程多かった。

タ「ポケモンセンターでけぇ・・・。」

フ『ほぇ~・・・・・・。』

タツミ達はポケモンセンターの入り口近くでポケモンセンターを見上げてみる。そこには5階建てのビルがあり1階がポケモンセンター受付、そしてそれ以降は全てが宿泊棟のようでこの町のポケモンセンターがどれ程この地域での中心を努めているのかが窺い知る事が出来る。

フ『これは・・・予想外です。・・・・下手すると僕達もサポート出来ないかもしれない・・・。』

ポル『大丈夫でしょ?取り敢えず何でも挑戦!行こう!』




ジョーイ「あら~ひっさしぶりに喋るポケモン来た-!しかも今回はジャケット着たキュウコンとかかなり珍しいー!いや~元人間みたい!って、そんな事無いっか。」

タ「はっ?えっ・・・ちょ・・・・前にもこのような事あったのですか??」

ジョーイ「この仕事長く勤めているとね~そういう子よく見るのよ~。前見たのは確か1週間前だったかしら、あの時も貴方達みたいに複数のポケモンで旅しているって言ってたわ。」

タ「なるほどですね・・それで今日・・・ここに泊まりたいのですが・・・?」

ジョーイ「そんなに身構えなくても大丈夫よ、それと序でにトレーナーカードの方も発行しておくわね?・・・後ろのルギアとミズゴロウもそんなに敵対心剥き出しで居なくても大丈夫。あっ、部屋ね・・・はいこの部屋を使ってちょうだい?」

タ「ありがとうございます・・・ん?トレーナーカード発行出来るんです!?」

ジョーイ「勿論・・・・その驚きかただと以前1回発行した事あるでしょ?」

タ「えっ?・・・・・・。」

ジョーイ「大丈夫大丈夫、私ももう長年勤めてるから分かるのよ~。貴方元々人だったでしょ~ちょっと普通のキュウコンと違う感じがするけど~。」

タ「・・・・・・。」

ジョーイ「えっ?・・・まさか本当だったの?」

タ「えっ?い・・いや~そんな事あるわけ無いじゃ無いですかぁ~、最初はロコンでしたよ~ははは。」

ジョーイ「そうよね~私の勘違いかしらね~・・・なんか今まで見てきたキュウコンとちょっと違うな~と思ったけど・・・まぁこの地方ではキュウコンなんて滅多にお目にかかれないから私の気のせいかしら・・・。あっ、持ってないなら序でに作っておいて上げるわ。」

タ「ありがとうございます・・・ところで、この町がこの地方では一番大きいのですか?」

ジョーイ「そうねぇ・・・トバリとかナギサとかは同じくらいの規模ね。それ以外はまぁそこそこか小さな町と言った感じよ。あら?貴方達はデンガン山の西側から来たのかしら?」

タ「はい、ハクタイからカンナギに行く途中で通行止めって聞いてそこから山の中を彷徨いながら来ました。」

ジョーイ「あー、この前の大雨で土砂崩れが起きてもう少しで解除されるけど通行止めだったわね~。それに山の中を通るルートはね、昔はあのルートが主流ルートで人や車も多く通ってたけど、ちょっと西側に新しい道路が開通した今となっては通行する人は新しい方に流れるし、そのせいで行政からは見捨てられて荒れるばっかりだからねぇ~。ところで、ちょっと足見せてごらん・・・・やっぱり怪我してるじゃ無いの。ちょっと治療するわよ。」

タ「えっ?でもこれ位なら全然大丈夫ですよ?今は痛くないですしそれに暫くしてたら勝手に治りますから・・・。」

ジョーイ「そう言わずに早く治療する!そうやって悪化するケースを何回も見てきたんだから!それに少しでも痛かったら満足に動けないでしょ、万全を期すのはどの状況でも大事な事なのよ?」

タ「わ・・・分かりました・・(レガが怖がってたのも何となく分かる)」




その後タツミは怪我をした足の治療をして貰う事になり、その間フィーロとポルは近くの椅子に座りタツミの処置が終るのを待っていた。この町ではコンテスト等も盛んに行われている為か華やかな衣装に身を包んだ人やポケモンが多く通る。

フ『へぇ・・・ここもコンテストって文化があるんだ・・・。』

ポル『結構華やかな衣装が多いね。うぉ、めっちゃ奇抜・・・そして歩きづらそう。』

フ『コンテスト終った後くらい着替えれば良いのになんで着替えないのやら。』

ポル『周りになんか反応して欲しいからそういう格好したままなのかもよ?そういう人って結構いるって話だし、それかただ単に着替えるのが面倒ってだけの人も居ると思うけどね。』

フ『そういえば、スパイアはコンテストにちょっと興味持ってたような気がしたなぁ~。なんかそれっぽく技も魅せるし確実に狙った所に当てるしなぁ~。』

ポル『あのリザ-ドンってそんなに器用だったの・・・。』



タ「ありがとうございました・・・お陰様で助かりました・・・・。(めっちゃ痛かったー)」

ジョーイ「いいのいいの、こうするのが私達の仕事なんだから。後は部屋に行ってゆっくり休むと良いわ、後まだ完全に治りきってないから暫くは歩く時気を遣ってね。あとこれが部屋の鍵とトレーナーカードよ?なくさないようにね?」

タ「分かりました・・・・・えっ?カードキー・・・・、あーいや何でも無いです。そ・・それじゃあ行こうかフィーロ、ポル。」

フ『うん!ところで何階・・・・・3階ね。分かった!』

ポル『フロント周りも綺麗だったけど、こっちの方も綺麗だなぁ・・・まだ出来たばっかりかもしれないね。』

タ「あ~もしかしたらそうかも。それ程下も汚れてなかったしまだちょっと薬品の匂いがするから出来たばっかりかも・・・。」

タツミ達はエレベーターで3階まで上がる、そのエレベーターも最新式で振動は皆無で上昇していく。その室内では先程のジョーイさんの対応について仲間内で協議がなされていた。

フ『さっきのジョーイさん・・・かなり感が良かったね・・まさか目の色とかのちょっとした違いに気づかれるとは・・・。それにまさかバレてるとは思わなかったよ。』

タ「あれは真面目に焦った・・・どこでそういう風に感じたのかなぁ・・・目の色とか尻尾の数って言っても本当に詳しい人じゃ無いと分からないと思うんだけどな~。それにしても怖かったー。」

ポル『なんか違う事でもあるのかね?僕達からすると特に変わりないキュウコンなんだけどなぁ~目の色と尻尾の数以外はね?それかジャケットとかその首に巻いてるタオルがいけなかったとか?まさかねぇ・・・だけど、そういう風に見えるって事はやっぱりまだ危険は完全に排除されてないって事だから注意が必要だね!』

タ「えぇ・・・まぁ確かにジャケットは寒いから着てるだけで、特に意味は無いのになぁ・・・でも考えて見るとポケモンでこんなジャケット着てるのって僕くらいか~。」

フ『本当、気をつけよう!・・・そして何か別の目立たない服買おう!』



タ「・・・・・おっここだここだ。」

タツミ達は今日泊まる部屋の前に辿り着く、今までのポケモンセンターは普通の鍵穴に差し込み回すタイプだったにも関わらず、ここのポケモンセンターはカードキー式を採用しており、ただカードのようなキーを差し込み引き出すだけで鍵を開ける出来るタイプでオートロック採用である。

タ「カードキーってだけでも相当ハイテクって言うか・・・高いホテルって感じなのにね。って・・・部屋の中も凄い!綺麗だしどこのホテルだよ!って感じだ・・・。」

フ『うわ~凄ーい!今まで泊まった部屋の中でもトップ5に入るくらいの広さと綺麗さと豪華さだね!』

ポル『これは・・凄い・・しかもこれが無料って・・・この地方怖いわ。』

タ「それはそれでちょっと違う気がするけど・・・取り敢えず荷物を置いてっと・・今日はこの町で泊まる予定だから何する?まだ外も明るいし、この町くらいなら散策できそうだけど?」

フ『そうだね~じゃあ散策する!』

ポル『ちょっとこの町を見てみるのも良いかも!うん!行こうタツミ!』

タ「分かった分かった。じゃあ行こ!」


この町・・・ヨスガシティはこの地方ではやや南東に位置する町である。山脈を隔てて東側の地域ではそれなりの大きさを誇る町であり、この地方ではここだけに設置されているコンテスト会場や公営公園、この地域では有名なポフィンを作る事が出来るカフェなどなど色々と揃っている町である。

タ「おお、コンテストもあるのか~じゃあスパイアとか居たら嬉しがっただろうなぁ~。スパイアってなんかコンテストに興味があるのか知らないけどやたらとコンテスト技ばかりやってたし。」

フ『それってタツミも思ってたの?スパイアってなんかバトルって言うかこういう周りに魅せるような技を使うよね?』

ポル『もしかして・・それでレガとぶつかってるかも?』

タ「あー・・・自分には無いような魅力を感じてちょっと嫉妬してるって感じ?それなら僕にも普通にあるけどなー。だって周りが持ってる物とか出来る事が僕には無いと焦るしなんか気持ち的にも沈むしな~。」

フ『人は人、自分は自分で分けれるとどんだけ生きやすくなるんだろ?周りと比べる事なんて無意味ってよく聞くけど、それって大抵地位もお金もある人が言う言葉だからあんまり無意味というか・・・なんというか?』

タ「でも、今はこうなったし別に気にもしてないから良いんだけどね~。じゃあこれからどうする?まだ時間も2時過ぎた辺りだからまだ何でも出来るけど?」

フ『うーん・・・コンテストを見学するのもなんかねぇー。・・取り敢えずまずはお腹空いた!』

タ「おお、じゃあまずはご飯と行きますかー・・・・ってポケモンだけで飲食店入って大丈夫なの?食品衛生法とかそういうのに抵触しない?」

ポル『食品衛生法って・・・凄いリアルな法律出してきたね・・・第一それって作業場には入れてはいけない的な感じだったと思うから大丈夫でしょ?』

フ『それよりも食品衛生法って何?』

タ「その話は長すぎるから割愛してっと・・まぁ幾つか廻ってから食べれる所で食べようか~?」

フ『うん!ところでこの町の名物ってなに?・・・・えっ?調べてないの?もータツミもしっかりしてよ!』

タ「ごめんごめん、特に気にも掛けてなかったから調べてなかったんだ・・・取り敢えずのんびりと探そう!話はそれからだよ!」


フ『この町・・・飲食店に関する法律厳しすぎない?4店舗言って全部NGってどういう事よ・・・じゃあどこで食べれば良いのよ・・・ねぇ?タツミ。』

タ「やっぱりポケモンだけだと無銭飲食されたり衛生管理的にNGってだったりと色々と難しいみたいだねぇ・・・じゃあ仕方ないから昼はコンビニで買ったやつで良い?」

フ『やむを得ない理由だからそれでいいよ?でも、これじゃあお店で食べるのはタツミがその姿の状態では難しいね・・・。』

タ「本当ごめん・・・。」

ポル『タツミが謝ることじゃないよ。まぁそんなに気を落とさずに・・・ね?じゃあなんかそこの公営公園に行ってみようよ。何かあるかもしれないし、そこでご飯食べれるかもしれないし。』

タ「そうやね・・・じゃあ行こう?」

ポケモンの新作発表されましたが、あれ・・・なんか四国ですかね?

タンバシティどこ行ったって感じがしますが、これが四国がモデルならば残すは東北・北陸・甲信越・中国の4地方となりました。東北とかモデルにしたら面白そうですけどね。

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