4ラウンド目
ピカチュウ「で、コレどうすんだ」
スタート地点前にて、俺とナエトルとピィが戻って来た訳なのだが……
バクフーン「思いっきりスピンを掛けて投げれば強制的に外に出させることができるぜ!」
何故か笑顔でそう返すバクフーン。ふざけんな。
俺は手元に持っていたモンスターボールを見た。この中にはイーブイが入っているはずなのだが……何故か外へ出てこないんだ。
ナエトル「んー……それじゃあピカチュウさん。とりあえず投げてみたらどうですか?」
ピカチュウ「そうだな……やってみるか」
バクフーン「あ、ただしボールを投げるときにはちゃんと掛け声を入れないと、ポケモンは出てこないから注意なッ!」
なんだその謎仕様ッ!? まぁ一応やるけどさぁ!
ピカチュウ「出てこい! イーブイッ!」
森の開けた場所に向けて、俺はボールを思いっきり投げた。ポケモンがモンスターボールを投げるとはこれいかに……
スピンが掛かったボールは空中でパカッと半分に開き、中から赤い光が飛び出す。光はやがてポケモンの姿を形成し、その実体を現した。
イーブイ「いっぶい!」
ボールの中から現れ出たポケモンは勿論イーブイだ。
……なんか凄い目を輝かせてるんだけど。
ピィ「ぴぃ、ぴぃう? (イーブイ、どしたの?)」
イーブイ「凄いわよコレ!! もうね!! なんか、中が、もう、ヤバイ!!」
ピカチュウ「いや何言ってるのか全然分かんないんだけど……」
語彙力が喪失してるぞ、イーブイ……
イーブイ「ねぇバクちゃん! これ一個欲しいんだけど、良い!?」
バクフーン「おう、今ならもっと快適に過ごせるゴージャスボールをプレゼントするぜ!」
ナエトル「マズイです! イーブイさんが野生ポケモンの地位を捨てようとしてます!」
ピカチュウ ピィ「「止めろ~!? (ぴぃ~!?)」」
間。
バクフーン「よしッ! それじゃあ次のラウンド行くぞッ!」
モンスターボールをゴール手前の屋根の上へと戻した後、バクフーンがシェイクしたPARTY BOXをドン、と地面に置いた。
俺たちは一斉に箱の中を覗き込む。
ナエトル「ハイ取った!」
ピィ「ぴぃ!? ぴぅぅ~! (ちょ!? それピィも取ろうと思った!)」
ナエトル「ピィさんはすぐに変わった物を取ろうとするので……それで、これは……キマワリ……?」
揉め合いつつもナエトルが我先にと取り出したのは、植木鉢から生えたキマワリだった。待って、かなりリアルなんだが。……生きてる?
バクフーン「そいつはパンチングキマワリだッ! もちろんそのキマワリはただの人形だぞ!」
マジか。え、でもなんかこのキマワリゆらゆら体動かしてねーか……?
ナエトル「へ、へぇ……それで、これはどんな効果があるオブジェクトなんですか?」
バクフーン「実際に見てみたらすぐ分かると思うぜ! まぁちょっとそれをそこに置いてみろ」
ナエトル「わ、分かりました」
なんか嫌な予感する。
ナエトルが自身の顔と同じぐらいの大きさの植木鉢をそっと地面に置いた。
その瞬間。
────きゃーーーー!!
ナエトル「へぶっ!?」
ピィ「ぴい!? (うぇ!?)」
ピカチュウ「ちょっ!? ナエトル!?」
植木鉢から生えたキマワリが突如甲高い声を上げたかと思うと、その大きな網状脈の葉の腕を振りかぶり、ナエトルを文字通りしばき飛ばした。
そして豪快に吹っ飛ばされたナエトルはそのまま生い茂る森の草木の中に衝突して止まった。
バクフーン「そう! そのパンチングキマワリは近づいたものを強烈な『はたく』で攻撃するトラップオブジェクトだッ! 勿論はたくを食らったら即脱落だぞ!!」
ピカチュウ「へ、へぇ……これまた厄介なトラップだな……」
ピィ「ぴぃぴぃ……(ホントホント……)」
変わらぬ笑顔のままゆらゆらと体を揺らすキマワリを見ながら、俺達はそうつぶやいた。つーか、今のところトラップの大半はピィ、お前の仕業なんだけどな。
イーブイ「あー、あったあった!」
そんな事を俺が考えていたら、箱の中に顔をつっこんで中身を漁っていたイーブイが顔を上げた。その口に咥えられているのは……モンスターボール。
ピカチュウ「まさか、自分で引っ掛かりに行く気か……!?」
イーブイ「いやさすがにそれは無いわよっ! ケーシィ、コレを手前の崖と木の足場の
間の空中に設置してちょうだい!」
ケーシィ「りょうカイしまシタ」
イーブイの持っていたモンスターボールがケーシィのサイコキネシスによって運ばれ、崖の足場の少し手前の空中にモンスターボールが設置された。……ちょっと待ったコレってもしかしたら。
ピィ「ぴぃ……ぴぃうぃぴぃ(ねぇイーブイ……これ下手したら足場を渡ろうとジャンプした時に、モンスターボールにぶつかるよね)」
イーブイ「もちろん、それが狙いだもの」
ピカチュウ「マジかよ」
しかもまた高さが絶妙というか……高くジャンプしすぎなければ当たることは無さそうだけど、とにかく加減を考えて渡らないといけなくなったな。
ナエトル「ううっ、中々強烈ですね……痛くはないんですけど……」
そうこうしている内に、吹き飛ばされたナエトルが体に付いた木の葉を払いながらこちらへと戻ってきた。
ピィ「ぴぃ(あ、ナエトル)」
ピカチュウ「おう、お帰り……」
イーブイ「随分派手に飛ばされてたわね?」
ナエトル「まさかぶん殴られるとは思ってませんでしたよ……これ、崖の足場の中央に設置してください」
ピカチュウ「さりげなく面倒な場所に設置してるッ!?」
コレ、ジャンプした後に勢い余って前に進んだら、はたくを食らっておしまいじゃねーか。
ピィ「ぴぃういぃ! ぴぃ! (じゃあピィはこのキバトラップにする! 木箱の上に設置して!」
イーブイ「あ、もしかして木箱を経由してのゴールを出来なくするつもりね?」
ピィ「ぴぃ! (当然!)」
ピィは俺が前のラウンドに選んだものと同じ、するどいキバのトラップ(長さは1マス分ほど)を取り出し、それをケーシィに運ばせた。ギザギザに入り組んだキバは空中に設置された木箱の上面にきっちりと固定される。
ピカチュウ「(まぁ、妥当な妨害か。俺はどうしようかな……)」
最後に余った俺は、顔に手を当てながらPARTY BOXの中身を再度覗き込んだ。
ピカチュウ「(んー……これ、どうみてもトラップだよなぁ)」
俺はその中にあった、小さくて太い警告色の鉄板の片側にトゲがびっしりと張ってあるオブジェクトが気になり、取り出してみた。
ピカチュウ「なぁ、バクフーン。コレなんだ? 何か鉄の部品がいっぱい組み込まれてるみたいだけど」
バクフーン「おう! そいつはフリッピングブロックだな! 一定の間隔でそのブロックが上下反対になり、トゲが付いていない方は足場として利用できるぞ!」
ナエトル「こんな小さな幅の鉄板が足場なんですか……?」
確かにナエトルの言うとおりだ。トゲが張られていない面を足場にするとしても、ギリギリ一匹立てるかといったところだった。(体重計などをイメージしてもらうと分かりやすいか)
それに、ここに乗っているときに足場が回転したら……
バクフーン「言うまでも無いかもしれないが、トゲの部分に触れたら即脱落のトラップだからな! 気をつけろよ?」
イーブイ「……でもこんなのどこに設置するっていうのよ?」
ピカチュウ「それは……勿論崖の下だな」
イーブイ「え゛」
これはもしかしたら使えるかもしれないな。
俺はケーシィに頼んでフリッピングブロックを崖の少し下、手前寄りの空中に設置してもらった。トゲの向きは上下を向くようにした。
ピィ「ぴぃぴぅ……(あれは何か企んでる顔だなぁ……)」
全員のオブジェクトの設置が終了し、バクフーンの号令で俺達はスタートのラインに足をそろえた。
ナエトル「どんどん森の一本道が魔改造されていきますね……」
ピィ「ぴぃう、うぃ(近いうちにゴールが完全に不可能になってくるんじゃないかな?)」
イーブイ「それなら今のうちにポイントを稼いでおかないと、私、逆転できなくなるわね……」
それぞれが体を慣らしながら、思ったことを呟いていく。目の前の森は既に何かのアトラクションみたいな状態になっているが、それを突っ込むのはもう遅すぎる。とにかく、このレースも頂いてしまおう!
バクフーン「4ラウンド目……よーいっ! ドンッ!!」
ダッ!!
スタートの号令と共に各々がサイドステップを踏んで左右に散らばった。
目の前に設置された雷雲と両サイドの草木の隙間を上手くすり抜けて、順にゴール目掛けて駆け出してゆく。
ピィ「ぴぃ! (一番乗りいただきっ!)」
先頭に踊り出たのはピィ。その後ろを密着するようにしてイーブイが走り、そこから少し離れたところ、三番手にナエトル。ピカチュウの俺はそのまた後ろの四番手を走っていた。
イーブイ「でも問題はこの先よ!」
イーブイが走りながら叫ぶ。────確かにこの一本道での駆けっこに勝ったとしても、オブジェクトだらけの崖地帯を突破できなければ何の意味も無い!
ゴロゴロゴロゴロ…………
ピカチュウ「(意外と奥深い戦い……とか考えてる暇は無いかッ!)」
ナエトル「雷、来ます!」
俺達は一斉に地面を蹴って高く飛び上がる。
ピシャァァァァァァァァァン!!!
直後、轟音と共に放たれた鋭い稲妻が地面すれすれに走った。
ピカチュウ「うわぁっぶねぇ!?」
イーブイ「あと少しでも遅れてたらマズかったわね!」
ピィ「ぴぃ、ぅうぅいぅぴぃ! (今、個人的にビックリしたのが雷がキマワリの植木鉢に命中して途切れてた事なんだけど!)」
ナエトル「という事はパンチングキマワリを乗り越えれば雷に当たる心配は無いという事ですね!」
そんな情報交換も束の間に、先頭を走っていたピィが崖の足場に向かって飛び出した。
ピィ「ぴぅ! (とぅ!)」
絶妙なジャンプの高度で、空中に浮いたモンスターボールを頭すれすれの所で避けて足場に乗ることに成功する。
イーブイ「体小さいのちょっとずるいんじゃない!?」
ピィ「ぴぅいぃ! (それはそこまで関係ないから!)」
ナエトル「お先っ!」
崖を前にして立ち止まったイーブイの横を通り抜けて、ナエトルは身を思いっきり前へ投げ出した。
そのまま宙返りの要領で体を丸め、空中のボールを回避して向かいへと飛んでゆく。
ナエトル「ほっ!」
ピィ「ぴぃぴぴ!? (ちょちょちょ!?)」
そして流れるように受け身を決めてナエトルは足場の上に乗った。──対してピィは飛んできたナエトルを避けようと、咄嗟に足場の奥へ飛び退いた。
────きゃーーーー!!
バゴッ!!
ピィ「ぴぎゃぁぁぁぁぁぁ!? (うぎゃぁぁぁぁぁぁ!?)」
そして次の瞬間には、足場中央のキマワリがすかさず腕を振り下ろし、ピィを崖の下に向けて殴り落としていた。
イーブイ「ピィ!?」
ナエトル「ピィさん!?」
崖の底へと消えていくピィ。しかし最後には無事ボーマンダにキャッチされた。
バクフーン「ピィ! パンチングキマワリにはたかれたことにより脱落だッ! ナエトルにトラップボーナスが入るぞ!!」
ナエトル「……まぁラッキーだったという事にしておきましょう。それよりコレ、どうやって抜ければいいんでしょうか……」
タネマシンガン発射のサイレンが鳴る
傍らで、ナエトルは動こうにも動けない状態であった。
イーブイ「……そうだわ! あえてはたくを誘っておいて、隙が出来た瞬間に抜ければいいんじゃないかしら!」
ナエトル「なるほど、やってみます!」
イーブイの案を呑み、ナエトルはゆっくりと数歩前に進んでキマワリに近づいた。
────きゃーーーー!!
ナエトル「よっと!」
キマワリが腕を振りかぶったのを確認してから、ナエトルは素早くバックステップを踏む。直後、凄い勢いで振り下ろされた腕は、バサリと空を切った。
ナエトル「今だッ!」
すかさずナエトルは走り出す。そして、植木鉢を突っ切る事に成功した。
イーブイ「やっぱり! 腕を振り下ろした状態から元の姿勢に戻るまでの間なら通り抜けられるのね!」
ゴロゴロゴロゴロ…………
イーブイ「っとと、私も急いで追いかけないと!」
イーブイは再び放たれた稲妻をジャンプで避け、空中のモンスターボールを巧みに回避してナエトルを追いかけはじめた。
ピカチュウ「……行ったみたいだな」
そんな様子を終始後ろから眺めていた俺は、イーブイが架け橋を渡ったのを確認してから行動を開始した。
素早く崖の近くまで寄った後、それを飛び越えるのではなく、ゆっくりと岩を掴んで下り始める。
ピカチュウ「誰もげんきのかたまりを取りに行かないし、コレは俺が頂いていく他にないな」
イーブイが崖の下に設置した『げんきのかたまり』。最初こそ、イーブイはコレを空中でキャッチしてから崖を登れると踏んでいたみたいだったが、結局は見向きもしなくなってしまった。
ピカチュウ「(でも今は最初とは違う。ちゃんとした足場がある!)」
果たしてソレをちゃんとした足場と呼んでいいのかは疑問に残るであろうが、現在崖の下には、上下が反転する足場(フリッピングブロック)とその場で回転し続ける足場(トレッドミル)が設置されている。
ピカチュウ「(この崖からフリッピングブロックにジャンプ。立て続けにトレッドミルへとジャンプして、げんきのかたまりを回収し、向かいの崖を登るという作戦……!)」
うまく行くかは分からない。ここで重要なのは正確な体重移動と、ジャンプのタイミングだ。
フリッピングブロックは約5秒ほどで上下が反転する。そしてトレッドミルに固定されたキバトラップが一周してくる時間は約7秒。(キバがトレッドミルの下を通っていて、完全に安全な状態である時間は約3~4秒)
その両方が安全な状態であるタイミングを狙い、素早くげんきのかたまりを獲得して向かいの崖に飛び立たなければならないのだ。
ピカチュウ「(立ち止まらず、一瞬で……!)」
崖をしっかり掴んだまま、そのタイミングを見計らう。
トゲが上向きになって、キバが足場の下を通って、トゲが下向きになって、キバが足場の上を通って────
ピカチュウ「今だぁッ!」
崖を強く蹴って俺は飛び上がる。
空中でうまく体をコントロールして、小さな警告色の板の上に着地した。
ピカチュウ「うわっとと!?」
バランスを崩して崖の下に落ちそうになりながらも、目の前のトレッドミルに固定されていたキバが下を通っていくのを確認して、素早く飛び移った。
ピカチュウ「おおお落ちるッ!? 落ちる!!」
トレッドミルに飛び乗った瞬間、体が急加速して、またもや足を踏み外しそうになった。慌てて反対側に体を捻って走り出す。
ピカチュウ「そういえばナエトルはベルトの回転方向を向かいの崖側に指定してたんだっけか……!」
なんとか体勢を立てなおし、宙に浮くげんきのかたまりへと視線を向けた。ここから姿勢を崩さずジャンプすればなんとか手が届くはずだ。
……そう思った瞬間、下を通っていた筈のキバトラップが俺の足元近くまで近づいてきているのが目に入った。
ピカチュウ「ちぃっ!」
俺は半ばがむしゃらに足場を蹴ってジャンプした。────自分で設置したキバトラップがこんな邪魔になるなんてな!
俺は必死に右腕を空中のげんきのかたまりへと伸ばす。
ピカチュウ「ッ! 取ったぁうぐぁッ!?」
手に何か硬いものが当たる感触がしたかと思うと、次の瞬間には向かいの崖に体を打ち付けていた。ごつごつした岩が体に刺さってかなり痛い。
ピカチュウ「ぐっ……と、取ったぞ!」
しかし俺は体はぶつける瞬間に左手で崖を掴むことに成功し、転落を免れることが出来た。俺の体の隣ではげんきのかたまりがふわふわと浮遊している。
バクフーン「ナエトルッ! 一位でゴールだ!」
ピカチュウ「(……よし、大丈夫。あとは崖を登ってリニアソー地帯を抜けるだけだ)」
バクフーンの知らせにも動揺せず、ゆっくりと落ち着いて、三点支持を決して崩さないようにして崖を登り始めた。
ピカチュウ「(ったく、このルートを通るのはこれで最後にしたいな……!)」
どんどんと上へ登っていき、崖の天辺付近まで到達した俺は、すぐには上へと登らず、そのままの状態で静止した。
ビィッー!!
だだだだだだだだだだっ!!
ピカチュウ「(よし、今のうちに!)」
切れ目の辺りに無数のタネが全て着弾したのを確認してから、俺はようやく崖を登りきった。
そして階段に設置されたリニアソーの刃が上にスライドするタイミングを見計らって、思いっきりジャンプした。鉄柱の下側を蹴っ飛ばして、向かいに並ぶ木の角材へと飛び移る。
刃が下にスライドしたのを確認してから、もう一度角材を蹴っ飛ばし、リニアソーを乗り越えようとした。……が。
ピカチュウ「うわぁッ!?」
足に力を入れるタイミングと、飛び上がろうするタイミングにズレが生じ、俺は無残にもリニアソーの刃目掛けて落下した。落下する途中で、刃によって体の皮膚が切り裂かれた……かのような感覚がした。
ピカチュウ「ぐえっ」
そのまま腹から地面へと衝突する。
バクフーン「おおっと!? ピカチュウ、ソーに切り裂かれた事により脱落だ!」
────くそっ! やらかした……!
イーブイ「チャンス! げんきのかたまりは頂いたわ!!」
────は!?
突如として小屋の屋根の下で身を潜めていたイーブイが飛び出してきて、倒れた俺を避けながらリニアソー地帯を突破すべく高くジャンプした。
華麗な壁キックで鉄柱を駆けのぼり、さらにはリニアソーの近くで浮遊し続けていたげんきのかたまりも回収してゴールへと飛んでいった。
ピカチュウ「あ、アイツ……!?」
俺はバクフーンが最初にげんきのかたまりについて説明してくれた時の事を思い出した。
『げんきのかたまり保持者が途中で脱落したら、げんきのかたまりはその場で留まり続ける』
ピカチュウ「(俺がげんきのかたまりを取りにいくのを気づいた上で……!)」
今のは偶然なんかじゃない。アイツは俺がミスすることを狙って、先にゴールせずに待機してたんだ!
ピカチュウ「完全にしてやられた……!」
バクフーン「イーブイ、二位でゴールだ! さらにげんきのかたまりを保持してのゴールなので、コインボーナスが付くのと、他のランナーとの点差が開いていたため、カムバックボーナスも付くぞ!」
イーブイ「やったぁ!」
俺はしばらく地面に倒れ続けたままでいた。
──ポイント累計──
ピカチュウ・・・6/25pt・・・+0pt(脱落)
イーブイ・・・11/25pt・・・+11pt(ゴールポイント、コインボーナス、カムバック)
ナエトル・・・13/25pt・・・+7pt(ゴールポイント、ファースト、トラップ)
ピィ・・・13/25pt・・・+0pt(脱落)