第32話

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

唐突に何故か急に焼けた塔の前にいた初老のおじいさんとバトルする事になったタツミ。しかし、さすがに焼けた塔の前でバトルするのは周りにも迷惑掛かるし何よりも気が引けるのでちょっと離れた人が少ない草原みたいな場所へと移動した。

爺「ほっほっほっ、使用ポケモンはわしは1体。そっちは2体で良いぞ。」

タ「えっ・・・でもそれじゃあ不公平じゃ・・・。」

爺「わしは今1体しか連れておらん。レベル差を考えるとこれくらいして当然じゃ。じゃあ行くぞ。ゆけ、バクフーン!」

初老のお爺さんはバクフーンを繰り出してきた。結構レベルが高いのか、気迫はすごい。

タ「じゃあ・・・行って来い!ウィング!」

タツミは相性を考え炎タイプに有利な水タイプのウィングを繰り出した。

爺「そっちからで良いぞ。」

タ「よし、ならば・・・ウィング!みずてっぽう!」

ウィ『分かった!』

ウィングはみずてっぽうを繰り出した。

爺「バクフーン、受け止めろ。」

タ「ええ!?」

言われたとおりにバクフーンはみずてっぽうをもろに受けた。しかし・・・


タ「えぇ・・・まさか・・・効いてない?」

ウィ『そんな・・・まさか・・・・。愛称としては抜群なのに・・・。』

爺「少年よ、バトルは時として相性関係ないことがあるんじゃよ。炎タイプに有利な水タイプで来てもこのように形勢不利なバトルもあるのじゃ。こっちからも行くぞ、バクフーン、火炎放射!」

バクフーンは火炎放射を放った。見た目からしてすごい威力のようだ。

タ「まずい・・・!ウィング!避けろ!」

ウィ『うん!・・・きゃあ!』

タ「!?ウィング!大丈夫か?」

ウィ『何とか・・・・。』

どうやらウィングは火炎放射を部分的に受けてしまったようだ。

タ「ウィング、まだ行ける?」

ウィ『まだ大丈夫!』

タ「よし!ウィング!のしかかれ!」

ウィ『わかった!』

爺「ほぉ・・・なかなかガッツのある子じゃのう・・・。バクフーン、火炎車。」

タ「しまった!」

ウィングがバクフーンにのしかかろうとしたところに逆に火炎車で突っ込んできた。

ウィ『まさか・・・。』

そのままウィングは飛ばされてしまい地面にたたきつけられてしまった。

ウィ『うっ・・・・。』

ウィングは目を回してしまった。

タ「ウィング!・・・お疲れ様、ゆっくり休んで。」

爺「さぁ、次はどの子で来るのかな?」

タ「…行って来い!クラウン!」

ク『任せて!』

爺「ほぉ、さっきのマグマラシと来たか・・・。でも、進化しているこっちのほうが若干有利じゃ・・。」

タ「クラウン・・・任せたぞ。」

ク『うん!』

爺「バクフーン!突進じゃ!」

タ「穴を掘るで避けろ!」

バクフーンが来る直前に穴を掘り地面へと回避したクラウン。

タ「今だ!そのまま火炎放射!」

クラウンはバクフーンの背後に出てきて火炎放射を放った。

咄嗟のことに対応できなかったバクフーンは火炎放射をもろに受けてしまう。しかし、あんまりダメージにはなっていないようだ。

爺「あのマグマラシはなかなかやるな・・・バクフーン!爆裂パンチ!」

タ「クラウン!地面に向けて火炎放射!」

ク『またあれやるの・・・。』

クラウンは渋々地面に火炎放射を放ち、その反動で空へと浮き上がり爆裂パンチを回避した。

爺「なんと・・・!」

タ「そのままでんこうせっか!」

爺「まだじゃ!突進!」

クラウンとバクフーンがぶつかり合った。

クラウンの方がやはり力負けしたのか飛ばされてしまった。

爺「今じゃ!とどめの爆裂パンチ!」

タ「まだまだ!火炎車!」

爆裂パンチと火炎車がぶつかった!


互角だったのかお互い飛ばされてしまった。

ク『くっ・・・。』

クラウンとバクフーンは共に地面にたたきつけられた。

爺「なんと・・・・進化前と互角じゃと・・・。こりゃ・・・一本取られた・・・。」

タ「クラウン・・・。」

クラウンとバクフーンは共に立ち上がったが、クラウンの方が先に倒れこんでしまった。そしてその数秒後にバクフーンも倒れてしまった。

タ「クラウン!」

タツミはクラウンに近寄り抱え込む。

タ「ごめんな・・・クラウン。ゆっくり休んで。」

爺「おお・・・バクフーンもよう頑張った。お疲れ様。」

お互いにボールにポケモンを戻した。

タ「負けちゃいましたね・・・。」

爺「なあに。こりゃ引き分けじゃよ。あのマグマラシにやられたわい。」

タ「そんな・・・。」

爺「あー、いい汗かいたのぉ・・・。どうじゃ?これから温泉に行かんか?近くにあるんじゃよ。」

タ「温泉ですか?でもまずポケモン達を回復しないと・・・。」

爺「温泉には回復の効果もあるのじゃ。だから大丈夫よ。」

タ「そうですか・・・。なら行きます。」

・・・・・・・・・
温泉はバトルしたところから5分くらい歩いた場所にあった。穴場なのかあんまり人はいない。

爺「ここの温泉は結構効くぞ。バトルで疲れたならばここで休ませるのが一番じゃ。」

タ「ポケモンと人は別なんですね。」

爺「そうじゃの。まぁ一風呂浴びようではないか。」

・・・・・・・・・・
どうやらここの温泉は水着着用のようである。

タツミは着替え浴槽へと浸かった。

タ「はぁ~・・・。生き返るなぁ・・・。」

爺「じゃろ?やっぱり温泉は偉大じゃ。人の体と心を安らげてくれる。」

タ「ですねぇ・・・。」


~ポケモン達サイド~


ク『おいおい・・・ここ温泉って炎タイプでも大丈夫って言ってたよな?』

ス『タツミはそう言ってたけど・・・。クラウンから先入ってよ。』

ク『おいおい、スパイア・・・先輩を実験台にするんじゃないよ。』

フ『わーい\(^o^)/』

ドンッ!

ク『!?』

クラウンはフィーロに押されて浴槽にダイブした。

ク『・・・・・・あ・・・案外大丈夫だぞ・・・。だけど、スパイア尻尾の炎には注意しろよ。』

ス『わかってるって・・・・。』

スパイアも恐る恐る浴槽へと浸かる。

ス『案外行けるものなんだね・・・。』

ク『でしょ?でもフィーロ、いきなり押したらダメだぞ?』

フ『うん(´・ω・)』

レガ『何さっきから騒いでるの?ってここ意外にもバリエーション多いんだな。じゃあ僕は向こうに行こうかな。』

ク『レガは相変わらずだな。』

『ちょっと失礼するよ?』

ク『ん?』

クラウンは声をしたほうを向くとそこには戦ったバクフーンの姿があった。

ク『・・・・・・。』

バ『そんなに警戒しなくても良いよ。』

ク『ええ・・・。』

バ『でも、お前強かったなぁ・・・俺を倒すなんてホント久々だぜ?レベル相当高いんだろ?』

ク『う~ん・・・よくわからん・・・。ちなみに前バトルしたのは・・・?』

バ『う~ん・・・1か月くらい前だったかな?あの時は草タイプだったから楽勝だったわ。』

ク『あ~・・・そうですか・・・。』

クラウンはスパイアに助けを求めようとするが、何時の間にかスパイアは他の浴槽へと移っていた。

バ『お前のトレーナーってどんな奴なんだ?察する限り俺たちの声が聞こえているように思えたが・・・。』

ク『聞こえますよ。ええ。』

バ『へぇ~・・珍しいな。』


ウィ『クラウン大丈夫かな?かなり警戒してるけど・・・。』

プ『まぁ放っておけば自然と打ち解けるでしょ。ゆっくりとしとこう。』


レガ『おいおい・・・スパイア、お前助け求められていたぞ・・・これでいいのかよ・・・。』

ス『しょうがない。僕はああいうタイプが苦手なんだ・・・。』

フ『確かに僕も話にくい・・・。』


・・・・・・・・・・・
タ「ふぅ~・・・さっぱりした。」

爺「やっぱりバトル後の風呂は最高じゃのう・・・。」

レガ『ちょ・・・タツミタツミ!』

タ「ん?どうした?レガ。」

レガ『クラウンが・・・。』

タ「クラウンがどうした?」

レガ『のぼせた。』

タ「はぁ!?」

とりあえずタツミはクラウンの様子を見にポケモンの方の浴室に急いで入っていった。そこにはのぼせて扇風機で冷やされるクラウンの姿が・・・。

タ「何があったんだ?」

レガ『いや・・・どうやらバクフーンの話の長さでのぼせたみたいで・・・。』

爺「あー・・・あいつ長風呂で話好きだからなぁ・・・。」

ス『何度か助け求められたけどどうしようもなくて・・・。』

タ「そんなにかいな・・・。とりあえず氷と水持ってくるから。」


・・・・・・・・・

ク『ふぅ~・・・ちょっとは楽になったよ。』

タ「まったく・・・。のぼせるなんてねぇ・・・。」

ク『まさかあんなに話が長引くとは思わなかったからね(ボソッ)』

タ「あーなら仕方ないかな。」

爺「いやーすまんかったのぉ・・・。わしのバクフーンは結構話好きでなぁ。大丈夫かのぉ・・・。」

タ「大丈夫って言ってるんで大丈夫ですよ。」

爺「そうかのぉ・・・。それじゃあわしは帰るとするよ。これからも気を付けて旅を続けての。それじゃあ。」

タ「あっ、はい。ありがとうございました。」

初老のお爺さんは帰って行った。

タ「さて、僕たちも先へそろそろ進もうか。」

レガ『それもそうだね。』

ク『うん。』

タツミ達もまたチョウジへ向けて出発したのだった。

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