day7-2

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今日から3月。卒業等のシーズンに突入ですね、まぁだから何って話ですけど・・・。
少し休んだらどうでしょうか?

僕はあれから何分走ったかは分からないが、一番近くにあったと思われるポケモンセンターへと駆け込んだ。あまり都会ではないどちらかというと田舎な辺鄙な場所にあったけど、中は至って今まで訪れてきた普通のポケモンセンター。しかもこれまでの所と比べるとちょっと狭く、綺麗なままなソファやテーブルが利用者が少ない事を物語っている寂しい感じは受けるポケセンだった。

僕が勢いよく凄く息が上がった左腕が血だらけな状態で来たものだから、ジョーイさんはすぐに察してくれて対応してくれたのでなんというか本当感謝しかないという思い。それよりも絶対にこの血だらけは変に思われただろうな・・・


「休んでっと言われてもどう休んだらいいか分からないしなぁ・・・。それにしてもみんな大丈夫だろうか。特にミニリュウとリザードンには更に無茶させたから余計に心配・・・こうなった原因にちょっと早くポケモンセンターを出たのが原因ならば僕に責任がある・・・あー・・・ミニリュウ達に申し訳ないな・・・。」

手持ちのポケモンとあのリザードンが入ったボールをジョーイさんに渡したので今の僕はポケモンを1体も持ってない状態。この状態で外に出て先程のような事になると今度こそ詰むので大人しくセンターの中で待機している。上記の言葉はそんな僕を見計らったジョーイさんからの一言であって、もしかしたらポケモン達の状態からトレーナーでもある僕も相当な疲れが溜まっているのではと思われたからそう言われたのかもしれない。でも心配しかないから休むにも休めないし、気を紛らわそうと近くにあった雑誌っぽいものを見て見ても文字が分からないので写真部分でどういう内容なのかを判断しないといけないから疲れて止めた。

「ちょっと良いかしら?あっ、そんなに固くならなくて大丈夫よ。ただポケモン達の状態から普通のバトルで付いた傷ではないと思ったからちょっと話を伺ってみようかしらと思って。」

「そうですか・・・分かりました。」

やはりミニリュウ達の状態から普通のポケモンバトルで付いた傷とは違う感じを受けられたのだろう、僕はジョーイさんから事情聴取や職務質問とまではいかないけど話を聞かれてしまった。ここで違うように話す意味も無いのでそのままあった事を誇張なく話したが上手く伝わっただろうか?僕はどうも説明くどくて、大事な部分を分かりにくくしてしまうという最悪な要素を持っているからなぁ・・・

「なるほど・・・そんな事が・・・やっぱりここまでその団体は来ていたのね。あっいや、ちょっと他のジョーイと話していて、ヤマブキシティ近辺だけじゃなくて他の町や道路でもその団体の人間を目撃したって話をしていたのよ。だからね・・・分かったわ、話をしてくれてありがとう。それとピジョンとラプラスの方は治療終わったわ。でもミニリュウとリザードンはちょっと傷が深くて今日1日は安静にしておいた方が良いわ。・・・それよりも貴方の方は大丈夫なの?左腕辺りが凄く血だらけだけど・・・。」

「そうですか・・・分かりました。こちらこそお忙しい中、治療して頂きありがとうございます。僕の方は今の所貧血とか眩暈とかの症状はないし、さっきよりは止血出来ているのでこれ位ならば大丈夫とは思います。多分・・・。」





ミニリュウとリザードンは治療の為別室の病室に1日入院となった訳だが、このポケモンセンターには残念な事にトレーナー等への宿泊施設が併設されていないという。なるほど・・・そういうポケモンセンターもあるんだね、てっきり全部のポケモンセンターが宿泊施設併設かと思ってたよ。この付近には宿泊施設は無いという無慈悲な話も聞いてしまったのでどうするかね・・・



っと言う訳で今日一日はジョーイさんの許可を取り、端っこのテーブルとソファを貸し切らせてもらう事にした。特段何時もそこまで人が来ないから自由に使って良いとは言っていたけど、果たしてこれで採算取れているのだろうか・・・やっぱりポケモンセンターって税金で運営されているのだろうか・・・それならこの世界の税率って何パーセントを占めているのか。・・・この話は止めよう、疲れる。考えるとポケモンとかのゲームを止めた理由が、あまりにも現実的に考え出してしまったからというのを思い出した。

ラ『コウイチさんは大丈夫だったの・・・?だってコウイチさんだってかなり血だらけになってたじゃない?あのリザードンが問答無用で爪立てて攻撃していたの見たし・・・本当はすぐに助けに行きたかったんだけど、イーブイの相手で手一杯で・・・本当ごめんなさい・・・。』

「大丈夫よ。それよりもラプラスはもう良いの?・・・あぁそう。それなら良かった。ピジョンは?OK。じゃあちょっと凄く遅いんだけど昼食にしようか。・・・あんまり食べる気しない??あっ、それとこれは別って感じですか・・・そうですか・・・。」

時計を見ると既に針は16時を指示していた。昼食と言うには遅すぎて夕食というには早すぎるという一番面倒な感じだ。っと言っても何か食べないと朝から何も飲まず食わずで来たから大分体力的にもきつくなってきているから仕方ないね。

ピ『にしてもあのリザードンは一体何だったんでしょうね?何であんな最初は攻撃仕掛けて来ていたのに途中から僕達を援護してくれるようになったんでしょう?もしかしてコウイチさん何か言いましたか?・・・・!!あ~そう言う事でしたか!それなら納得ですね!それよりもそんな事も出来るなんてコウイチさん流石です!』

ラ『でもあんまり無理しないでね?僕達ポケモンだったら自然治癒力があるからある程度のダメージを受けても治るの早いけど、人間のコウイチさんは治るのに時間掛かるし下手したら・・・ね?だから無理はしないで?』

やっぱりラプラスは知能が高い。自然治癒力なんて言葉を知ってるなんてどこまで博識なんだろう。しかも僕の事まで気遣ってくれるなんて優しいにも程がある。もっと自分の事を心配した方が良いだろうにね・・・にしても何故生まれたばかりのヒトカゲをリザードンに無理やり進化させて町に居る人や他のポケモンを襲わせたのだろう?あの団体のやる事は一体何が目的なのだろうか?これは厄介な事に首突っ込んじゃった感じかな・・・今日の所は色々あって疲れたからゆっくりとして色々とあとで考える事にしよう。

ピ『それにしてもこのポケモンセンターは昨日までのと違って凄く静かで、まるで僕達しかいないような感じがしますね!・・・えっ?本当に僕達しかいないの・・・??』

ラ『通りで静かすぎると思った・・・テレビは点いてるけどずっと気が滅入るニュース番組ばかりだし、その周りには見る人居ないから・・・辺鄙な所とは言ってもポケモンセンターだから少なからず何人かは居ると思ったのになぁ。あっ!そうか!それでテーブルもソファも全部使って良いって言われたんだね!』

「簡単に言うとそう言う事。だから今日はここのソファで( ˘ω˘)スヤァと行く事にしましょう。なんか寒い気はするけど、屋根と弱いけど空調がある所で眠れるから野宿よりは何百倍もマシ・・・っと思いたい。そうだ、意外とソファで寝るのって体力使うからピジョン達はボールの中に戻っておいてね?」

ラ『???僕も今日はここで寝るよー!全然大丈夫!だってここフカフカした絨毯敷いてあるし、アスファルトとかで寝るよりも全然大丈夫!それにこんな広い所にコウイチさん一人だと寂しいし怖いでしょ?』

ピ『確かにそれも考えられますね・・・幾らジョーイさんとラッキーがあっちに居ると言ってもこんな広いところに一人じゃ僕も怖いです。そう言う事なら僕も今日はボールの外で寝ますねー!』

本当僕のポケモン達はまだ出会って1週間も経ってないって言うのに僕の事を色々と考えてくれてねぇ・・・全然僕は寂しくも怖くも何もないんだけど、ラプラス達がそう言うならばそう言う事にしておいてあげます。でも流石にラプラスを地面で寝かすのは衛生上どうなのと思ったから何かマットか何か無いか聞いてくる事にした。





ここって本当に誰も来ないんだなと思って、明日以降の事を計画を色々練ったりしていたらいつの間にか21時を過ぎていたという。そりゃあこんな夜に誰かしら来たら怖いと思うし、何事やねんって思ってしまうか。そんな事よりもポケモンセンターって24時間営業だと思っているけど、ジョーイさん達は一体何時休んでいるのだろうか??ワンオペ対応で365日24時間勤務は正直言うと絶対に不可能だし、そもそもそんな事無いとは思うけど一体どうしているのだろうか???さっきから姿が見えないからもしかしたら今のような暇な時間帯に休んでいるとかかな??

「やはり待ってる時の時間ってなかなか過ぎないなぁ。それに22時前は寝るには早すぎる気もするのよね・・・ラプラス達はやっぱり朝から昼間の事があったから疲れたんだろうな、もう寝息立てて寝ちゃってるよ。そんな所で何も被らずに寝たら幾ら空調が効いてると言っても風邪ひくよー。」

僕はラプラスとピジョンにそれぞれタオルケットを掛けてあげて、一先ずポケモンセンター内を散策してみる事にした。因みに今日だけでこのポケモンセンター内を散策するのは3回目である。・・・どうでも良い事なんですけどね。暇だったので中だけじゃなくて外も散策しようと思ったけど、ミニリュウ達に悪いなと思ってしなかった。

「昼間とはまた違ってホラー映画にでも出てきそうな雰囲気だな。ゴーストタイプのポケモンでもいるんじゃなかろうか??」

ポケモンセンター内は結構な広さがあり、廊下の電気は点いているのだが如何せん人やポケモンが居なさ過ぎて怖い。そんな場所を歩いている僕も僕だとは思うけど時間があり過ぎてどうしようもなかったので・・・ん?あっちの部屋から何か色々な物が落ちる音が聞こえましたよ??あぁぁめっちゃ怖い。でもめっちゃ気になる・・・どうする行ってみる?でもいったん戻ってラプラス達を連れてくる?しかし誰かが倒れたとかだったら急がないと手遅れになるかもしれないし・・・

「怖いけど行ってみよう・・・あっちの部屋だったな。あれ?あの部屋って確か・・・。」

僕はその電気が点いていた部屋のドアをそーっと開けてみる。あっ、やっぱりここはリザードンが入院している病室じゃないですか・・・ん?リザードンがなんか唸りながらジョーイさんを睨みつけてるじゃないですか!!これは一発触発の危機!助けに入らなければ!!

「ちょいストップ!!ジョーイさんは関係ないでしょ!!少し落ち着きなさいって!!」

リ『!!!!あの時のお兄ちゃん!!!!・・・今回は見逃してあげるけど次はこうも行かないですからね・・・・!』

あぁ・・・良かった。どうやらジョーイさんが攻撃される最悪な事態は回避できたようだ。それよりもリザードンは目が覚めて目の前にジョーイさんが居たから焦った感じか。やっぱり人間嫌いだからジョーイさんですら怖いのか憎いのか・・・でも治す為にジョーイさんはここに居るんだから少しくらいは信頼しても良いとは思うんだけどなぁ。まっ、あんな事されたんだったら人間が嫌いにもなるか・・・あの黒づくめ集団絶許。

「大丈夫ですか?あぁ・・・僕も拾いますね・・・。」

「大丈夫。こういう事は慣れてるから・・・たまに居るのよ、人間から酷い事されてそれがトラウマとなってるポケモン。私は全然大丈夫。それよりも消毒と包帯を変えないと・・・えっ?貴方がするですって?・・・出来るの??」

「多分大丈夫とは思います。それにあのリザードンは何故か僕には心を少しだけ開いてくれているみたいですから・・・リザードン、消毒と包帯変えるよ。」

リ『コクリ・・・。』

その後のリザードンはジョーイさんを睨みつけたりはしていたが全体的には大人しかった。人間嫌いと言うよりは恐怖心の方が勝ってしまっている感じがするのは僕の思い過ごしだろうか?本気で人間嫌いだったらさっきのジョーイさんにも躊躇なく技を放っているでしょ?そう言う事。

「人間が怖いのは分かるけど、ずっと怖がっていたら先に進める物も進めなくなるよ。ちょっとずつで良いから慣れていこう・・・そういう僕も怖い事は避けて通りたいタイプだけどねぇ・・・仕事とかでトラウマなってしまってああぁぁっぁあ・・・嫌な事思い出した。この話は止めよう。」

リザードンはキョトンとした顔で僕の話を聞いていて、ジョーイさんは後ろでさっきリザードンが掃った治療器具とかを片付けているというシュールな光景が広がっていた。早よ帰って寝たい。

「あんまり無茶しなくても良いからね?それにまだ進化したばっかりなんでしょ?だったら徐々に慣れて行かないと。・・・無理やり進化させられた事を絶望するのは止めて、この先どう生きるかを考えよう?過去には絶対に戻れないから未来をどうするかをね?」

リ『絶望はしてないけど・・・でも、お兄ちゃん・・・分かりました・・・。』




後の事はジョーイさんとラッキーに任せて僕はラプラス達の元へと戻った。相も変わらず凄い寝相のピジョンときちんとした姿勢姿で眠っているラプラス。育ちの違いはあれどもこんなにも寝相に表れるものなんだろうかなと僕は思ったけど、それぞれの個性という事にしておいてさっきまでやっていた明日以降の日程を考える続きを始めた。

「明日は一応ニビシティまでは辿り着きたい。そうすればある程度距離は稼げるし、何かしらの情報が掴めるかもしれないからね。にしてもこの世界に来てからもう1週間が過ぎようとしてる・・・1週間でこれだけの仲間に出会えただけでも奇跡なのに生きてるのも不思議な感覚。・・・それにしてもこの部屋寒いな・・・ジョーイさんもうちょっと空調アップアップしてほしい。これ真面目にこの毛布だけじゃあ寒いと思いませんか??」

僕としてはもうちょっと先の事を考えとこうと思ったのだが、あまりにも部屋が寒くてそれどころじゃなくなったのでさっさと毛布被って寝る事にしたのだった。にしても滅茶苦茶さむい。


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