17.エピローグ

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 青い空。白い雲。アローラの輝く太陽が、大地に温かな育みを、海にきらきらと尽きない宝石のかけらを与えている。
「んー、今日もいい天気!」
 ベランダで洗濯物を干しているママの声は、相変わらず満足そうだ。この好天なら、今日は遠くに足を伸ばしてもいいかもしれないとヨウは思った。
 リーリエに手紙を送ってから、ヨウはさらにもう二、三通の手紙が書けそうなくらい、いろいろな場所に行き様々な発見と体験と大冒険をした。ポニ島の奥地では息を飲むほど美しい紫色の花園を見たし、ポケモンリーグではチャンピオンとしてハウや他の凄腕トレーナーたちを迎え撃った。そうそう、実はウルトラビースト絡みでも一悶着あったのだが、それは国際警察の絡む機密事項なので、まだ内緒にしておこう。
「今日はハウを誘ってバトルツリーでも行こうかな。」
 声に出して考えていると、洗濯物を干し終えて部屋の中に入ってきたママが、いいじゃない、と賛成してくれた。
「たまにはニャースも連れていってあげたら?」
「うーん、バトルツリーはニャースにはちょっと向いてない場所かなあ。」
 ぬにゃあ、とあくびをするニャースを横目にそんな話をして笑っていると、ピンポーンと玄関チャイムが鳴った。
「あら、誰かしら? ヨウ、出てくれる?」
「はーい。」
 と、ヨウがドアを開けるよりも早く、ドアノブがくるりと回って、来訪者が姿を現した。
「ヨウー!」
 ハウだった。それも、いつもの潮風に誘われたような軽やかさはどこへやら、頬を火照らせ肩で息をし、ひどく興奮した様子だった。
「アローラ、ハウ。ちょうど今バトルツリー誘いに行こうと思ってたんだよ。どうしたの、そんなに慌てて。」
「てっ、て……」
 返事をしたいのと息を吸いたいのとの狭間で、声はひしゃげて言葉にならなかった。落ち着いてハウ、とのヨウの言葉を受けてやっとハウは深く息を吸い、吐き、なんとか整った呼吸の上で改めて口を開いた。
「手紙! リーリエから手紙が来たよー!」
 ハウが高々と掲げた、可愛らしい桜色の封書を見て、今度はヨウの声と呼吸がぶつかる番だった。驚きの一拍の後は、わあっと歓喜が体中に広がる。ヨウのその反応を見て、ハウもさらに笑顔を重ねた。
「もうおれ一刻も早くヨウに教えたくってさー! じーちゃんに修行のお休みもらって、ゼンリョクのウルトラダッシュで会いに来たよー。」
「そうだったんだ。どうもありがとう。スカル団の人たちは、置いといて大丈夫なの?」
「うん。アローラ相撲にもだいぶ慣れてきたし、今日は二人で修行するって張り切ってたよー。なんせタフなスカル団だからねー!」
 タフなスカル団、縮めてタスカル団。スカル団の矜持を捨てず、けれども何か変えることを決意したタッパとラップが自分たちで考えた、新しい所属団体の名前だった。ハウはハラから二人の指南役を任され、三人で日々心身の鍛練に励んでいるそうだ。タスカル団員たちはなかなか素直ではなく、上手くいかないことも会話がぎこちないこともまだたくさんあるとハウは言っていたけれど、少しずつ信頼関係を作り、前に進んでいることは、ハウの口振りから明らかだった。
「なーなーヨウー、早くリーリエの手紙開けようよー!」
「そうだね。さあどうぞハウ、上がって。」
「お邪魔しまーす!」
 ヨウもハウも、リーリエの手紙を読むのをもう一秒だって待ちきれなかった。元気でやっているだろうか。ルザミーネさんの具合はどうだろうか。カントーは気に入っただろうか。ポケモントレーナーになったのだろうか。聞きたいことが山ほどあった。そしてリーリエの話を聞いた後は、きっともっと聞きたいことや話したいことが山ほど出てくるに違いなかった。
 それぞれの今までと、これからと。レターオープナーで封を開ける音が、思いのあふれる時間の始まりを告げた。



Fin.
(このお話は、ここでおしまい。
 けれどもハウとヨウの物語は、まだまだ続く。続くったら続く!)


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ポケットモンスターサン・ムーン
発売6周年、おめでとう!!

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