【ここまでのダイジェスト】フウジシティ編

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

〈第030話〉湧き上がる興味、縮まらない距離

某街の地下にて怪しげな会話を繰り広げるダフ・エンビ・クランガの3名。
その眼前にあったのは、6つの窪みが刻まれた、黒く巨大な鉄製の扉であった。この一味の目的と関連性があるのだろうか。
直後、フウジシティのジムへとお嬢が訪れる事を聴いたクランガは、何故か上機嫌でその場を後にした。

一方で最先端科学と工業の都市・フウジシティへとたどり着いたトレンチ一行。
デパートの屋上にてカジッチュとの親睦を深めようと試みたが、臆病な彼女はリンゴの中に閉じこもって顔すら見せない有様であった。
結局、カジッチュとの距離が縮まることはなかった。
帰り際、フウジジムに勝利した直後のハオリと遭遇。
彼女ら3名は、共にフウジジムへと行くことになった。
が、ゲートの前にてお嬢は門前払いを受ける。
人工知能いわく、野良戦を含んだ勝率の低いお嬢はこのジムに挑戦する権利がない、とのことだ。
しかしそこに作業着を着た謎の男が現れ、ゲートの電源を落としていった。
おかげでお嬢は特例でジムへの挑戦を受け入れられたのだった。
出迎えたのは少女型のロボット『MA-Ⅰ(まーすと)』。
自律式の人工知能とのバトル、という前代未聞の状況であった。
加えてお嬢は、何故か椅子に縛られた状態でのバトルを強いられることに。
この4on4のバトル、果たしてどう転ぶか。


〈第031話〉意志の不自由、言葉の不自由
作業着の男が影から試合を見守る中、バトルが幕を開けた。
先発はサダイジャvsギギギアル。
相性上は有利であり、序盤は得意の奇襲によって優勢に試合を進めた。
しかしここでこのジムの特殊ギミックがお嬢を苦しめる。
「MA-Ⅰによって投げられる質問に、正直に答えないとトレーナーが電流を食らう。黙秘の場合も同様。」というルールが存在したのだ。
これによって、奇襲戦法やギリギリの場面での駆け引きが意味を成さなくなるのである。
サダイジャの奇襲法について聞かれたお嬢は沈黙を貫き、電撃を食らってしまう。
その後一気に形勢は崩れ、サダイジャはあえなく敗北した。


〈第032話〉握られる心理、信頼と待機〉

お嬢の2匹目はラビフット。
ギギギアルの『ギアチェンジ』によるキャストオフ戦法に驚いたものの、最終的には「片足で本体ギアをせき止めつつ、コアをエレキボールで撃ち抜く」という荒々しい戦法で相手を撃破した。
MA-Ⅰの続く2匹目はレアコイル。
『ロックオン+でんじほう』の絶対追従コンボに苦しむことになる。
これをラビフットは『あなをほる』で視界の外に隠れることで対処。
居場所を聞かれてもお嬢は黙秘し、更に電流を食らう。
しかしその沈黙は状況を好転させた。
遠方ドロップキックによる奇襲と、ロックオンを受けていることを逆手に取った自爆戦法で、レアコイルとの相打ちにまで持ち込んだ。


〈第033話〉封ぜられる技、見いだされる盲点

お嬢の3匹目はマネネ、MA-Ⅰはメタング。
『ひかりのかべ』による反射で、メタングはマネネの攻撃を一切無効化する。
おまけにそれを剥がすための『ちょうはつ』すら撃たせてもらえない始末だ。
そこでお嬢とマネネが取った策は、メタングの死角である脇の突起にしがみつき、『ひかりのかべ』の効果が切れるのを待つ……というものであった。
その策は成功し、至近距離でマネネが放った『サイケこうせん』によりメタングは『こんらん』する。
結果的にメタングは自滅し、マネネとお嬢は無事この勝負に王手をかけた。


〈第034話〉信条と狂気、揺らぐ目標

MA-Ⅰの最後のポケモンはジュラルドン。
軽量化された身体を活かし、見かけによらぬスピードでマネネを翻弄する。
更には『サイケこうせん』をジュラルドンに『ミラーコート』で反射されたことで、マネネは『こんらん』を罹患し一気に形勢不利に。
しかしお嬢が「自ら虚言を叫び、電流を浴びてマネネを無理やり呼び起こす」という凶行に出たことで、偶然にも状況は打開された。
ギリギリで回避した『てっていこうせん』を逆にコピーすることで、マネネはジュラルドンを追い詰める。
直後、MA-Ⅰは「何があなたをそこまで狂気に駆り立てるのか」という質問をお嬢へ投げた。
これに彼女は「チャンピオンであるジャックのため」と答える。
しかしこの回答は何故か虚偽として扱われ、お嬢は電流を浴びた。
ここで彼女は、「自らの目標を否定された」と思い込み、心が折れて戦意を喪失する。そこに釣られるようにマネネはジュラルドンに敗北。
続くカジッチュも、無抵抗なままジュラルドンの餌食に。
フウジジム戦は、お嬢の敗北という形で幕を閉じたのであった。


〈第035話〉砕けた意志、彷徨える足

戦う理由を否定されたお嬢は心神喪失し、ジャックすらも置き去りにしてジムを去った。
その後、遅れてジャックとハオリのもとに現れたのは先の作業着の男……改めクランガであった。
彼はお嬢が最後に電流を喰らった理由を知っていたようで、負い目を感じていたジャックの傷を抉るような言葉を投げかける。
しかしそれをよく思わなかったハオリが彼を遮り、2人はジムを後にする。
壮絶な挫折を目の当たりにしたMA-Ⅰは、同情という感情を学習し、お嬢を憂いた。
だがそれを見たMA-Ⅰの開発者であったクランガは機嫌を損ね、自らMA-Ⅰを踏み壊した。
誰もいないジムにてクランガは高笑いをし、お嬢に対してさらなる関心を向けるのであった。


〈第036話〉トレンチの疲弊、深夜の逃避行

さて、逃げるようにジムを後にしたお嬢。
彼女はジャックと会いたくない一心で深夜の街を駆ける。
そこに偶然、車で通りかかったスモック博士が声をかけてきた。
一通りの事情を聴いたスモックは、気分転換と称してお嬢を『ロメロシティ』まで連れていくことにした。
遅れてジャックは、イエッサンのサイコメトリーによってその事を知り顔面蒼白に。『ロメロシティ』は賭博施設や性風俗店が栄える超無法地帯であったからだ。
彼はアーマーガアに乗ると、急いでお嬢とスモック博士を追いかけた。

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