或る夜の願い事

作者:雪椿

あらすじ

それは、一体どのくらい前のことだったのか。記憶は確かにあったはずなのに、「彼」が思い出すことはもう二度とない。

本文冒頭

 その日は、星がとても綺麗に見えた。空一面に広がる星々がまるで煌めく絨毯のように広がる中、ある森で眠っていた結晶の中から一匹のポケモンが覚醒する。
 まるで星の半分が乗っかったかのような黄色い頭には黄緑の短冊が揺れ、背中から伸びる黄色の羽衣は風もないのにゆらゆらと宙を舞う。夜空の色を溶かしたかのような目の下には、短冊と同じ色の逆三角模様が描かれていた。
 このポケモンはジラーチ。世間では幻や伝説といった分類に振り分けられるポケモンで、千年の眠りの後七日だけ目覚めて願いを叶え、それが過ぎるとまた千年の眠りにつくと言われている。
 ジラーチはまだ半分寝てい

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