128話 能力の全て

しおりを挟みました
しおりが挟まっています。続きから読む場合はクリックしてください
読了時間目安:20分
「分かっている者もいるようだが、こんなところで安心されては困る」
 エンテイが先ほどまでいた場所から緑の光が拡散していく。眩んでしまった目でも、光の中に突如人影が現れたのは見える。少しずつ光が弱まり、徐々にそのシルエットの正体が浮かび上がっていく。
 さっきの声でおおよそ予想はついていたが、姿を見て確信した。有瀬悠介、俺たちがこの件に巻き込まれた根本的原因を持つ男だ。
「だがエンテイ、ライコウを撃破したことは素晴らしい。ここまで来たご褒美だ。君たちが知りたがっていることを少しだけ教えてあげよう」
 ヤツが一歩一歩近づくにつれて、今までの安堵していた雰囲気が吹き飛ばされていく。皆の視線がそこに集まり、急激に胃が引き締まる思いになる。
「そういえば自己紹介が遅れていた。こうして改めて向き合うのは初めてだな。私が有瀬悠介だ。よろしく」
「なっ、何がよろしくだ。舐めてんじゃねーぞ!」
 怒声と共に恭介が有瀬に向かって駆け出す。縮こまったムードを吹き飛ばして、恭介が右腕を引き、有瀬に飛びかかる。
 が、恭介の拳は有瀬には届かなかった。
 思わず目を疑った。恭介の拳は有瀬をすり抜けたのだ。
 重心を崩した恭介は、驚きの表情を浮かべつつ振り返りながら、前のめりになって転んでしまった。
「残念だが、これは私のヴィジョンであって本体ではない。いくら果敢に殴りかかってもその拳は通用しない。逸る気持ちも解るが少しは落ち着いたらどうだ。長岡恭介」
 苛立ちを晴らすように地面を叩きつける恭介から、有瀬は興味を失ったのかすぐに視線を戻す。
「安心したまえ。さっきも既に言ったが、君たちにはここまで頑張ったご褒美として朗報を持ってきた」
 おそらく他の皆も、ここでそっくりそのまま朗報がやってくるとは思っていない。予感というべきか、この場合の朗報っていうのはだいたいが、有瀬にとっての朗報でこっちからすれば朗報ではない気がするのだ。
 そう考えるのも束の間だった。
「敗北して消えた君たちの仲間や対戦相手だが、『まだ』生きている」
「まだ? えらく含みのある言い方だな」
 間髪置かず、珍しく風見が突っかかるように切り返す。
 もしも風見がそう言ってくれなければ、何も考えずにただホッとしていたかもしれない。
「君たちの活躍次第では彼らは本当に消え失せる可能性があるからだ」
「活躍次第だァ? どーいうことだ」
「君たちが私に勝てば彼らは助かる。君たちが負ければ彼ら諸とも君たちも塵になる。それだけだ」
「だったら今からあたしらと勝負しなさい!」
「まあまあ焦るな。さっきも言ったがこれは私のヴィジョンであって本体ではない。元よりここで戦うつもりはないし、今ここでは戦えない」
「じゃあもう一つ私からも質問いいかしら」
 沈黙を避けるように、今度は松野さんが前に出る。いいだろうと返す有瀬に、松野さんは単刀直入に切り出した。
「そもそも私たちを巻き込んだりして、貴方の目的は何なの? 一之瀬君は一体何をしているの?」
「目的か。……良いだろう。私がいちいち君たちに教える義務は無いが、君たちは聞く権利を持っている。私の目的はただ一つ。世界の再生だ。そして一之瀬は私のアシストをしてもらっている」
 あまりに突飛な発言に、誰も彼もが呆気にとられる。
 しかしスケールの違う有瀬の力に、にわかにも嘘だと決め打つのも難い。
「世界の再生って、どういうことだよ」
「君たちのいる次元を全て無に帰し、新たに次元を作り出す」
「無に帰すだァ?」
「その通りの意味だ。君たちのいる次元を。世界を全て0にする。私にはそうする義務がある」
 皆が皆思い思いに困惑の声を上げる。今までと同じような淡々とした抑揚のない事務的な言い方で、有瀬はさらっと言いやがった。目も揺るがない。きっと、本気でこいつはそう言っている。しかも義務と来たもんだ。
 俺たちが棒立ちになっている間に、有瀬はこちらのことを気にせずに続けていく。
「……能力(ちから)の事は皆知っているという前提で話させてもらう。単純に言えば能力が存在していること自体がアブノーマルなのだ」
「待った。お前もこんなことしたりして、能力者だろ!?」
「まさか。能力のようなものと同一視されるのは心外だが、事情を知らない以上致し方ない、か。私や一之瀬の力を能力と同じものだと勘違いされては困る。具体的にどう違うかはまた後回しにさせてもらうが、ともかく私や一之瀬の力は能力ではないということだけ理解してもらえるとありがたい」
 ここから少し長い説明になるから好きに座ってくれたまえ。と、有瀬はそう言って指を鳴らす。すると忽然と映画のシートのような深く腰掛けれる座席が人数分現れた。
 荒野とはミスマッチなそれに違和感を感じるが、四の五の言ったところでどうにかなるものではない。最初は戸惑いと不安を浮かべていた皆も、納得いく様子は無いようだがどうにか席に着いた。
「まず君たちには能力とはそもそも何か、を知る必要がある。端的に言えば、能力とは負の感情が呼び起こした負のエネルギーが、具現化したものだ。
 そもそもこの世には君たちがよく知る物理的な力学的エネルギー以外にも、正と負の二つに分類出来る精神的エネルギーが存在する。
 負の感情……、と言って分かるかな?
 恨み、妬み、怒り、悲しみ。そう言った負の感情が負のエネルギーという目に見えず、具体的に世界に干渉しないエネルギーを生む。
 そしてその負の感情と相反する正の感情。喜び、幸福、達成などの正の感情もまた、正のエネルギーを生み出す。
 そして生み出されたエネルギーは互いに打ち消しあいながらも、余ったいくつかはそれぞれ、正のエネルギーは強い正の感情を持つものに宿り、負のエネルギーは強い負の感情を持つものに宿る。そしてたくさんの負のエネルギーをため込んだ結果、物理的に干渉出来るようになったものを能力と定義した」
 確かに能力を持っているやつは何かしら負の感情が特別強く持っていた。拓哉は両親との不和がこじれていった上で不安と恐怖、苛立ちを抱えていた。俺と戦った山本もかなり大きな恨みを持っていた。
 確かに有瀬の言っていることには筋が通っているような気がする。しかしそうだとしたら一つだけ気になることがある。
「じゃあ正のエネルギーってのがたくさんため込めたらどうなるんだ」
「流石は奥村翔。目の付け所が素晴らしい。後ほど言うつもりだったが、正のエネルギーをため込んだ結果、物理的に干渉出来る力、これには能力のような名前はついていないが。それもまたきちんと存在する。そしてその力を持っているのが君たちも知っている一之瀬和也だ」
 松野さんの表情に陰りが走る。雰囲気や先ほどの発言から、一之瀬さんからは本当に何も聞いていなかったのかもしれない。松野さんのことだから、きっと告げてくれなかったことに文句を言いたいか、それとも力になれなくて責任を感じているかのどちらかかもしれない。
「ひとまず一之瀬のことは後にして、先に進ませてもらう。精神的エネルギーの話をしたが、それがもたらすのは能力などのことばかりではない。
 しょげているときに嫌なことが起こる、気分が良いときは何かいいことが起きやすい。これと似たようなものは日常で感覚的に体験しているはずだ。これこそが精神的エネルギーが持つ力といえる。とはいえ、世界全体では正のエネルギーと負のエネルギーがおおよそつりあっていた。
 しかしここ百年余り、急激な勢いで負の感情を持つものが現れてきた。人間のキャパシティを越えていく文明の発達がすべての原因だ。そしてその結果、より深く浅ましくなった欲望が生み出す戦争、挙げ句の果てには恐慌。
 一度火種がついてしまえば、燃え広がるのは早かった。それに呼応するように負のエネルギーも増幅し、正のエネルギーを凌駕してしまったのだ。その結果次元のバランスが崩れ、具現化した負のエネルギーが能力という形で顕現した。普段は決して過剰に抱えていても、決して物理的に干渉する事の無かったはずの精神エネルギーが。
 このまま次元のバランスが崩れれば、平行線上であり続けた君たちの次元ともう一つの次元が接触し、どちらも異常現象が発生して滅ぶことになる。そうはさせまいと、私は長い間この状況を打開しようとありとあらゆる手段を取った」
「ああ、分かった。お前がしていたことだったのか!」
 突然拓哉が跳ねるように椅子から立ち上がり、有瀬を指さす。
「ポケモンカードで負けて能力を失う。アレは自然現象でもなんでもねぇ。お前がどうやったかは知らないが負けて弱った能力者から負のエネルギーとやらを強引に吸い取った結果、能力が無くなっていったんだ」
 拓哉は前に一度俺たちに教えてくれた。能力を失ったとき、まるで何かを吸収されたかのような違和感があった、と。有瀬はそうだ、と短く答えた。
「対戦を通して高揚した心の能力者は、特別に負のエネルギーが薄くなる。その残りかすを集め、正のエネルギーと相殺させることで能力者を少しずつ減らしていく作戦も試みた。しかしそれ以上に能力者が増えるスピードの方が早かったのだ。
 それと同じように、今までに能力を対処しようとかなりたくさん取り組んでみたが、どれも結果を残すことは出来なかった。そして今回のこの取り組みが最後のチャンスだ。この今一瞬を守るために未来を、他の次元を犠牲にするわけにはいかない。
 だから私は君たちの世界を破壊し、新たに世界を作り直す!」
 今まで冷静沈着を崩さなかった有瀬が、語尾に力が入っていた。それだけなのに、さっきと比べものにならない程の威圧感があり、俺たちを飲み込んでしまった。
 有瀬はわざとらしく「しまった」と言いたげな表情を浮かべると、すぐにそれを戻して冷静な表情に切り替える。
「ところで一つ余談になるが、君たちはどうしてポケモンカードを通じてでしか能力が発動しないか考えたことはあるか?」
「え?」
 そういえばそうだ。当初からずっと気になっていた。どうして能力はポケモンカードのプレイヤーにしか宿らないか。そしてそのほとんどがポケモンカードを媒体にしていたのか。
 カードゲームなら別にポケモンカード以外にもたくさんある。それにそもそもカードゲームである必要もないはずだ。だったらどうして。
「答えは簡単だ。私がさっき言ったもう一つの次元……。それはいわゆる『ポケモンが実在する次元』だからだ」
「なっ!」
「そんなバカな。あれはただのゲームだぞ!」
「本当にあれはただのゲームだと思っているのか?」
 有瀬の含みのある言葉が胸に刺さる。ただのゲームではない。それに一体どういう意味があるんだ。
 有瀬は小さく息を吐くと、乾いた空に響きわたるように指を鳴らす。すると、どこからか別の声が聞こえた。
『グラヴィティポイント、チェック完了。エリア設定B。スモールスクリーン展開』
 バトルテーブルのアナウンスのような声と共に、荒野の風景が「切り取られて」いく。ドームのような半球状に俺たちの周辺が切り取られると、上下左右全てが真っ黒に塗りつぶされてしまった。
 もう一度有瀬が指を鳴らせば、俺たちの遙か足下に草原が映えていた。
「うおおおおお! 落ちるっ、落ちる!」
 慌てふためいて椅子にしがみつく恭介の気持ちがよく分かる。まるで浮いているんだ。しかし落ちる気配はまるでない。
「安心したまえ。この下の風景はあくまでスクリーン。君たちにとっての地面はその椅子がある平面上に存在する。スクリーンとは言ったが、ここはさっき言ったもう一つの次元のとある場所の現在の状況だ」
 目下では見たことのない頭が二つある茶色の生き物が数匹、草原を駆け抜けようとしている。いや、これは知っている。あれは……。
「ドードー?」
 そしてその後を人間が走って追いかけていくが、足の速さの差は歴然。どんどんと差は広がっていく。途中で立ち止まり、息を切らした人間はベルトに取り付けた赤い球体から黒と青の毛をもつ四足歩行の新たな生き物を呼びだし、そこに跨る。その生き物は人間とは打って変わって猛スピードでドードーと思わしきそれに接近し、体から電撃を放って攻撃していく。
 どう考えたってあの球体はモンスターボールだし、そこから出てきたポケモンはレントラーだ。
「まさかそんなことが……」
「そもそも君たちが知っているポケットモンスターというゲームは、偶然この次元に迷い込んだ君たちの次元の人間がその目にしたものを娯楽として書き換えたモノだ。そして人気を博し、商業用トレーディングカードゲームとしてポケモンカードゲームが生まれた」
「そ、そんなことがーー」
 あるんだよ。有瀬はやや逸れかけた話を能力の話題へと持ち直す。
「ポケモンカードに描かれているものは所詮イラストではあるが、イラストであれどポケモンであることに変わりはない。それ故、多少ではあれど何かしらの力を秘めている媒体となってしまった。例えばレシラムのカードにはほんの少しだけレシラムの力が宿っている。そんな風に。
 そして流動的に画面が変化していくゲームでは、宿った力がまたすぐ別の力へと変化し続けるために力が固定されない。そのためポケモンカードは唯一無二の力を宿す存在となっている。
 長い間行き場も無く彷徨っていた精神的エネルギーはその僅かな力に反応し、それを通して物理的なものになった結果、能力として非常識的な力を持つようになったのだ」
「こ、こんな映像を用意して俺たちを騙そうたって効くもんか。ここまでいろんなことをやらかしてきたんだ。俺たちに幻を見せることくらい余裕だろ!」
 唇を震わせて、上擦った声で身を乗り出しながら恭介が虚勢を張る。だが、それを嘲笑うように有瀬は簡単に押し退けてみせる。
「だったら一之瀬に聞いてみたらどうだ」
 突然一之瀬さんの名前が挙がり、一様に面を食らってしまう。有瀬はそんなリアクションが面白いのか、口角を少しつり上げた。
「さっき言っていた一之瀬の力、オーバーゲート。その力は次元と次元を結ぶゲートを作る力。言ってしまえば一之瀬自身がもう一つの次元に行くことも出来るし、逆に言えばもう一つの次元に存在するポケモンをこの次元に召還することが出来る。次に会ったとき実際に呼び出してもらえばいい」
「だとしたら、アレはやっぱりただポケモンが実体化した訳じゃねえってことか」
 拓哉が言うには、エンテイやライコウ、そしてまだどこかにいるスイクンは対戦中に一部のポケモンを映像ではなく実体化ーーでもなく、そのオーバーゲートの力で強制的にポケモンを呼び出していたというのだ。
 生憎それには心当たりが少しばかりある。エンテイと戦っていたときも、マルマイングレートやエレキブルからは何も感じなかった。でもライコウ&スイクンLEGENDからは桁違いのプレッシャーを感じ取っていた。
 きっとそれはただ俺が臆していたわけではなく、その存在感や迫力。もしかしたらその他にも二匹の特性のプレッシャーが関わっていたかもしれないと、今なら思える。
「でもまだおかしいことがある。俺たちがもともといた次元と、今お前が見せたもう一つの次元の二つの次元があるんだよな」
「そうだ」
「じゃあ『ここ』はどこなんだ?」
「ほう。良い目の付け所だ。単刀直入に言おう、ここはその二つの次元の狭間、そこで私が用意したこの計画のための空間。名称はワンダーワールド、我々はWWと呼んでいる。……だが君たちの体は元の次元にある。君たちの精神だけを、この次元の狭間のワンダーワールドに飛ばした。いくら私と一之瀬と言えど、同時に百人余りの肉体と精神を移動させることは出来ない。それと君たちの肉体はきちんと無事だ、そこは安心してもらってもいい」
「精神の世界……。見事に藤原君の考えていた通りね」
「さて。長々と説明を受けるだけも飽きたろう」
 有瀬が再び指を鳴らすと、足下が先ほどの荒野に。そしてドーム状に切り取られていた空間が元通りの乾いた空に戻っていく。困惑、それ一色で塗りたくられた重い雰囲気が背中にひどくのしかかる。
 あまりに突飛な内容で、にわかには信じられないものばかりだった。しかし、事実能力というものを間近で見てきた上にこうしてこんな異常事態に巻き込まれた。さらに有瀬や一之瀬さんの力を知った以上、嘘と一蹴も出来ない。拓哉のリアクションなどを見ている限り、判断出来る以上では筋は通っているようだ。
 でも、だからって俺たちの次元を壊してもう一つの次元を救う? はいそうですかで引き下がれる訳ねえだろ!
「ふざけんな! いくら偉そうな大義名分があるからって、他人に運命を握られる覚えはない! いくら力があるからって神にでもなったつもりか!」
「……本当に私が君たちと同じ人間だと思っているのか?」
「なっ……。どういうことだ!」
「これ以上今ここで君たちの矮小な意見や質問を聞くつもりはない。何か言いたいことがあるなら、『面と向かって』私に言いに来るんだ。私は山エリアの奥にあるワームホールの先、アルティメットゾーンで君たちを待つ」
 そう言うや否や、有瀬の後ろに緑色の閃光を放つ空間の裂け目が現れ、有瀬をまるごと包んでいく。
「待て!」
 立ち上がってその姿に手を伸ばそうとする寸前で、有瀬ごと消えて行ってしまった。
「……。まあ待ってくれるような相手とは思ってないだろう。とはいえ聞くチャンスが無くなったわけじゃない。ヤツが言っていた通り、こっちから会いに行けばきっと叶う」
「ああ。待ってくれねえ、ってことなら俺らから迎えにいってやるだけだ。そんで今度こそ一発あの済ました顔面にぶちかます」
「殴ってどうするんですか……。でも、あたしもこっちから行く案には大賛成よ」
「ケッ。賛成も反対もクソも、元から俺たちに選択肢はねえんだ。行く以外の道は全部閉じちまってる。ま、俺様もアイツにはまだ聞きたいことが山のようにあんだ。都合が良い」
「それは私もよ。一之瀬君にも直接聞きたいことがあるんだから。それに、まだ消えていった人たちが生きているというなら尚更よ」
 皆もきっと、心の中で聞いた話を消化しきれずモヤモヤを抱えているはずだ。それでも自分がすべきことを見つけて、それを支えに立ち上がってる。
 俺だって、一体何が正しいかどうかすらきちんと分かっていない。でも、まだ消えていった人たちが生きているというなら。助けることが出来るというなら、立ち向かっていくしかない。きっと進んでいく先に全ての答えがある。そう信じていくだけだ。
 不安や迷いが何かしてくれることは無い、ってことはもう痛いほど学んだ。いつだって力になるのは希望と勇気だ。
 胸に手を当てれば、確かに鼓動が聞こえる。生きている。ただそれだけの事実が俺の勇気になり、力になる。
 後ろを振り返れば、皆の意気込んだ顔が見える。仲間がいる。当たり前のことが俺の希望になり、前へ進む原動力になる。
 覚悟は決まった。そうなったら後はひたすら駆け抜けるだけだ。
「ああ。やることはもう決まってる。有瀬を倒す! そんで皆を助け出す。それだけだ!」



拓哉(裏)「今回のキーカードはランターングレート。
      自身のタイプを変えるポケパワーは、一見地味に見えるがとんでもねえ。
      相手の弱点、抵抗力を見て好きな方で攻撃出来るんだからな」

ランターン HP110 グレート 雷 (L2)
ポケパワー せんすい
 自分の番に1回使える。この番の終わりまで、このポケモンのタイプは水タイプになる。このパワーは、このポケモンが特殊状態なら使えない。
雷無無 パワフルスパーク  40+
 自分のポケモンについているエネルギーの合計×10ダメージを追加。
弱点 闘×2 抵抗力 - にげる 2

読了報告

 この作品を読了した記録ができるとともに、作者に読了したことを匿名で伝えます。

 ログインすると読了報告できます。

感想フォーム

 ログインすると感想を書くことができます。

感想