第2話 「依託」

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不定期更新ですw
≪シンオウ地方新チャンピオンの着任式から5年後…ナギサシティにて≫
「よう、デンジ」
赤髪アフロヘアの男はデンジのもとに駆け寄った。
「ん…ああ、オーバか…。久しぶりだな」
「そっちこそ、相変わらずって感じだな!」
「相変わらず、お前はうるさいなw」
無限の声域を持つ熱い男と、冷静的確なツッコミを入れるイケメンの異色の絡みは、シンオウ地方でも有名だった。
デンジはオーバを宥めるように言った。
「それで…どうだった?シキミさんは」
オーバは窓から蒼い空を見上げて微笑みながら言った。
「強かったよ。アフロブレイクでも打てそうなやつだって言われたw」
「そっか。俺も勝てなかったからな…」
その時、ナギサジムの照明がふっと消えた。
「あれ、また停電だ。直さないと」
「停電なのは、お前が大量の機械をフル稼働してるからじゃね?w」
オーバが冗談を言った時、奥から叫び声が聞こえた。
《きゃ~!!》
と、同時になだめるような気の強い声が聞こえた。子供の男の子の声だ。
《大丈夫だよ。ただの停電だって》
「何だ?そこに誰かいるのか?」
オーバがジムに取り付けられたエレベーターの扉を開けると、中から女性が思い切り飛び出してきた。
「はぁ…はぁ…助かりました…。何なんですかここは…」
「なんだなんだ?チャレンジャーか?」
その言葉に反応するように女性が言った。
「ち、違います!私はジムリーダーのミカンです!」
「ミカン?どっかで聞いたような…」
デンジが首を傾けると、ミカンの後ろから男の子が出てきた。ぱっと見、5歳ぐらいだろう。
「こんなんでも、ジョウト地方のジムリーダーだよ」
オーバは、思い出したように言った。
「ああ!鋼タイプの使い手だっけか!」
デンジが催促する。
「それで…何の用なんだ?」
ミカンは、待ってましたと言わんばかりにはっきりと答える。
「この子の、面倒を見てほしいのです!」
オーバが、男の子に近づいて言った。
「この子をデンジが?そりゃ、なんでまた」
「この子には家族がいません。私一人の身には負えないのですが、この間、シロナさんに会いました」
デンジとオーバは、その瞬間悟った。一気に顔が暗くなる。
「なるほど…シロナさんに紹介されたわけか…。あの人のやりそうなことだ…」
「どうするデンジ?シロナさんが絡んでる以上、断るわけにもいかないぜ」
「弟子は取る気はないんだが、別に構わないだろう。俺はいいぜ」
オーバは再び男の子を見つめていった。
「君は、デンジに預けられていいのかい?」
「別に…どこに行ってもいいよ。少なくとも、ミカンよりかは頼りになりそう」
「カケル!私だってちゃんとやれます!」
ミカンは頬を膨らませながら言った。
デンジが男の子を見つめて言う。
「カケル君…それが君の名前だね。何歳かな?」
「5歳だよ。それよりあんた、デンジさんでしょ。ミカンの話によく出てくるから、知ってるよ」
オーバが苦笑いしながら呟いた。
「5歳児の割に堂々としてて、気が強いな…」
デンジが笑いながら言う。
「いいんじゃないか?なかなか見込みあるぜ♪」
ミカンがぱっと笑顔になりながら言った。
「じゃあこれで話は解決ですね!いやぁ~早く済んでよかった♪」
カケルが思い出すように、ふと呟いた。
「それよりさ…」
「ん?なんだい?カケル君」
「ポケモンバトル…教えてくんない?」

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