17話 ギンガ団の脅威! 発動、エナジーゲイン!

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 風見杯の本戦一回戦。俺と半田さんの戦いはまだまだ序盤だ。
 俺のバトル場には炎エネルギーが二つ付いたワカシャモ80/80、ベンチにノコッチ50/60、ヒコザル40/40。
 半田さんのバトル場にはマニューラG60/80。ベンチには超エネルギーが一つついたスカタンクG80/80、ドクロッグG90/90、ドンカラスG80/80。サイドはどちらも三枚ずつだ。
「俺のターン。手札のトレーナーカードを発動。ギンガ団の発明G-105 ポケターン! このカードは自分のSPポケモンとそれについているカードを手札に戻す効果を持つ。マニューラGを手札に戻す!」
 フィールドのマニューラG60/80が黒い光の球となり、半田さんの手札へ飛んでいく。
 一見無意味に思える行為だが、そうではない。手札に戻すという行為は自分のポケモンのダメージを全て回復させることと同値だ。
 エネルギーも戻ってきてしまうビハインドがあるが、それでも普通、ダメージを全回復なんてなかなかない。そして新手をバトル場に出す役目も果たす。
「新しいバトルポケモンはドクロッグGを選択」
 ドクロッグG90/90がかったるそうにバトル場へやってきた。
「続いてポケモンのどうぐ、ギンガ団の発明G-101 エナジーゲインをドクロッグGにつける。このカードはSPポケモン専用の道具だ」
 ドクロッグGが左腕を掲げると、ギンガ団のマークがかかれた腕時計のようなものが装着される。
「このカードをつけているポケモンのワザエネルギーはそれぞれ無色エネルギー一個ぶんずつ少なくなる。ドクロッグGの技、ディープポイズンは超と無色エネルギーが必要だがエナジーゲインの効果により、超エネルギー一つだけでディープポイズンが使えるようになった。そしてスカタンクGのポケパワー発動。ポイズンストラクチャー!」
 またもやスカタンクGが紫色の霧を出す。ワカシャモだけが影響を受け、苦しそうにしている。
「ポイズンストラクチャーは場にスタジアムがあるとき発動できるポケパワー。SPポケモン以外の互いのバトルポケモンを毒にするためドクロッグGが影響を受けない。ドクロッグに超エネルギーをつけて攻撃。ディープポイズン!」
 ドクロッグGがあっという間にワカシャモに近づく。そしてとがったツメでワカシャモに一突き。ワカシャモは空に舞うとドサッと力なく倒れる。
「ディープポイズンは相手が毒状態だと40ダメージを追加するワザだ」
 もともと与えるダメージが20なので60ダメージ。高火力のダメージを受けてワカシャモの残りHPは20/80。毒のダメージを受け、俺の番が始まったころには残りHPが10となる。
 しかし手札にはこのピンチを打開してくれるカードがない。
「ターンエンド。そしてポケモンチェックにより、ワカシャモは毒のダメージとしてダメージカウンターを一つ乗せる」
「俺のターン!」
 デッキの一番上のカードを掴む。なんでもいい、この状況を打開してくれるカードをっ……!
「っしゃ来たぜ!」
 俺の無邪気な笑みに、半田さんは面食らう。
「何を引いたかしらないが、ドクロッグGにはきけんよちというポケボディーがある。このポケボディーによって相手のワザの効果を受けないぞ」
「手札からサポーターカード、ミズキの検索を発動。俺は手札のカードを一枚山札に戻す代わりに山札からバシャーモを手札に加える!」
「なっ……!」
 訪れた好転にふっと笑みがこぼれる。
「そう。進化したら毒は回復、さらに最大HPも上昇する。俺はワカシャモをバシャーモに進化させる!」
 ワカシャモはさらに大きく成長し、バシャーモ60/130へと姿を変えた。
「だがスタジアム、ギンガ団のアジトの効果発動。進化したポケモンにダメージカウンターを2つ乗せる!」
「くっ!」
 再び電撃がバシャーモ40/130に襲う。残りHPがこれだけじゃ、安心なんて到底出来ない。
 しかし攻めれるときには攻めていきましょうか!
「バシャーモのポケパワー発動。バーニングブレス! この効果により相手のバトルポケモンを火傷にする!」
 バシャーモは火炎放射に似た炎の息をドクロッグGに吹きつけようとした。まさにその時だ。
「この瞬間、手札のトレーナーカード。ギンガ団の発明G-103 パワースプレーをバシャーモを対象に発動!」
「俺の番なのにトレーナーカードだって?」
 通常、ポケモンカードは他のカードゲームとは違い、自分の番には自分しか動けず、相手の番には相手しか動けないものだ。だがこのカードはどうやら相手の番に使える相当貴重なカードだ。
「このカードは自分の場にSPポケモンが二匹以上いないと発動できないカードだが、俺の場にはドクロッグG、スカタンクG、ドンカラスGの三匹がいるため発動できる。そして相手の番に発動する珍しいカードだ。その効果は、相手のポケパワーを無効にする!」
 バシャーモの目の前に謎の黒い機械が現れた。その機械の上部にとりつけられたレーザーがバシャーモのバーニングブレスを妨げる。これじゃあドクロッグGを火傷には出来ない。
「だったら炎エネルギーをバシャーモにつけて攻撃だ! 炎の渦!」
 このワザはバシャーモにつけていたエネルギー二枚をトラッシュへと置かないといけないワザだが威力は強力だ。バシャーモはドクロッグGを中心に炎の渦を作りだすと、そのままじわじわと炙っていく。100ダメージの威力を持つこのワザで、ドクロッグG0/90は一発KOだ。
「次はドンカラスGだ」
「サイドを引いて俺の番は終了」
 サイドが一枚少ない俺が優勢。……のように思えるかもしれないがそうでもない。気絶寸前のバシャーモ40/130とノコッチ50/60。そして全く育ってないヒコザル40/40。しかし半田さんの場には無傷のドンカラスG80/80とスカタンクG80/80、さらに手札にはマニューラGもいる。
「俺のターン!」
 半田さんが山札からカードを引く。
「俺はポケモンの道具、エナジーゲインと悪の基本エネルギードンカラスにつける」
 またエナジーゲインか。今度はドンカラスGの首に装着された。このエナジーゲインはワザまでの時間が一ターン分短くなるのが非常に恐ろしい。本来エネルギーが二つ必要なドンカラスGのワザ、「傷を狙う」がこれで発動できる。
「マニューラG(80/80)を再びベンチに出してスカタンクGのポケパワー、ポイズンストラクチャーを発動」
 もう見飽きたこのポケパワーだ。これでバシャーモがまたしても一方的に毒になる。しかしドンカラスGで結局バシャーモを倒せるんだし何のメリットが……。
「さらに手札のクロバットGをベンチに出す。そしてこの瞬間にポケパワーのフラッシュバイツが発動。このポケモンを手札からベンチに出した時、相手のポケモン一匹にダメージカウンターを一つ乗せる!」
「なっ!」
 バシャーモを避けてノコッチの元まで飛んできたクロバットG80/80は、ノコッチの背中にがぶりと一噛み。これでノコッチのHPは40/60。俺の場の全てのポケモンのHPが40にまで落ちてしまう。
「ドンカラスGで攻撃。きずをねらう!」
 ドンカラスGが黒い翼で羽ばたくと、バシャーモを……。ではなくてノコッチの上方へとやってきた。
「きずをねらうは相手のポケモンに20ダメージを与える技。しかしそれはバトルポケモンでなくてもいい。そしてワザを受けるポケモンにダメージカウンターが乗ってると20ダメージを追加する!」
 ドンカラスGが翼でノコッチ40/60を撥ねるように攻撃する。真上に吹き飛ばされたノコッチはそのまま力を失くして倒れ伏す。
「サイドを引いてターンエンド。そしてポケモンチェックで毒状態のバシャーモに10ダメージだ」
 バシャーモが苦しそうに動く。残りHPは30/130、後は無い。余裕の表情の半田さんに対して苦い顔をする俺。だがこんなところで負けるわけにはいかない!
「俺のターンだ!」
 山札の一番上のカードを力強く引いた。
「ドロー!」



翔「今日のキーカードはギンガ団の発明G-101 エナジーゲイン!
  SPポケモンにしかつけられないカードだが、SPポケモンのワザに必要な無色エネルギーを一つ減らせるカードだ!
  一気にガンガン攻撃しよう!」

ギンガ団の発明G-101 エナジーゲイン ポケモンのどうぐ (DPt1)
 このカードをつけているポケモンのワザエネルギーは、それぞれ無色エネルギー1個ぶんずつ少なくなる。
 ポケモンのどうぐは、自分のポケモンにつけて使う。すでにポケモンのどうぐをつけているポケモンには、つけられない。
 このカードは、SPポケモンにしかつけられない。SPポケモンについていないなら、このカードをトラッシュ。

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