第6話 落とし文句

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すいません、遅くなりました…(--;)引っ越しの準備でなにかと忙しくて…。
しかし、現在私は北海道網走市にいます!独り暮らしサイコー!!
しかしたまに寂しくなるのはどうにかならないでしょいか?まぁペット可物件だからなにか動物を飼えば無くなりますかね?独り暮らしのアドバイスもらえたら嬉しいです(個人的に…)
コモさんと二人して笑ってからしばらくして………。
「ぅぐぇ‼」
お腹にものすごい衝撃を受けて目が覚める。う~、何だよもう人がせっかく気持ちよく寝てたのにさぁ‼
と思って起き上がろうとしたけど頭から下が動かない。こ、これは俗にいう金縛り…‼
「ゆみ~…俺もうだめだ~…」
「げっ、レン…何してんのここで…つーか酒臭っ」
目を開けて胸から下を見てみれば暗がりに赤い瞳が見え、柔らかい毛が擦れる音がする。
う~わ、完全に出来てるよ…これ……。どうやって収集付ければいいのよ。
「もう、俺生きてる意味ないよ~…これからどうやって生きて行けばいいの~?」
「いや、私に聞かれても…」
「だって、だって、俺はあいつが死んでからず~っと頑張ってきたんだよ?今までしたこともない炊事だって洗濯だって掃除だって何から何までぜ~んぶさぁ‼ それなのに…それなのにぃ‼」
「うわ、そんなに大きな声出さないで!二人が起きる‼」
「ゆみも俺の事怒るんだ‼ 俺はもうこの世にいらないんだ、うわ~ん!」
「ちょっ!?」
コモさんが作ってくれた簡易パジャマの上で泣くな!
こいつ…もしかして泣き上戸か?私は笑い上戸だけど…泣き上戸って言うのはなんともめんどくさいねぇ…。どっちもどっちか。
ってそんなことはどうでもいいんだよ。今はこいつが離れないと私は安眠が出来ないということのほうがよっぽど重要なんだよ。しかも酒臭いし涙はとめどなく溢れるし…今のこいつに我慢というものは無いんだろうか…無いんだろうな、きっと…。いや、無いに決まってる‼
「離れろ、私が眠れない!」
「いやぁあ、一緒に寝るぅぅう!」
「ガキじゃないんだから一人で寝なさい‼」
「うびゃぁぁぁああ‼‼‼」
いやぁぁぁあ‼ なんで鳴き声なんて覚えてんの、この人!? もしかしてレベル低かったりするの?
うるさいし、何より近所迷惑だからやめてー。つーか止めなさい。
「うびゃっ!?」
「寝てやるから泣き止め」
ぱぁぁぁああ…と満面の笑みを浮かべてこちらを上目遣いで見上げる。可愛い…可愛いが酒臭い。それがなんとも残念だよ…レン。それが無ければレンと一緒に寝るのもためらわないんだけどねぇ。
酒は飲んでも呑まれるな…。酒好きの間に古くから伝わる酒を飲むときに気を付けなければならないこと。今、再確認しました。あと、レンの酒癖の悪さもね。
「寝るから静かにね?」
「うん!」
うわぁお、無邪気すぎるよ。キラキラお目々が可愛いよぉ…。臭いけどね。
いつもこんな感じで接してくれたら私、ころっといっちゃってもいいんだけどなぁ。……一目惚れはしてるんだろうけどさ。やっぱり相手がポケモンとなるとねぇ…?
「スピー…スピー…」
「はやっ!」
もう寝てるし。う~ん…こう見るとやっぱりカッコイイんだよなぁ。赤い瞳もそうだけど顔立ちがすっきりしてると言うかなんと言うか。童顔ではないしなぁ…。それに私はどうしたいのかわからないし。
とか何とか考えながら二度寝の体勢に入る。うん、まぁ、明日いろいろ考えよう。それで、これからどうするか決めよう。
「ヘブゥ!!」
腹、腹が、腹が潰れる!今度はなんだ!?
「お姉ちゃ~ん…」
まぁ私のお腹の上にチャムちゃんが可愛く抱きついていますぅ。ってそうじゃない!!
重い、苦しい、息が詰まる!!
「ちゃ、チャムちゃん?降りて…」
「んやぁ!」
拒否られました。抱き上げようと手を伸ばしたら振り払われました。やばい、息が…息がぁ!
「あなたぁ…」
「ウブゥ!?」
こ、今度はなに!?
「どうして、私のことを置いていったの?どうしてチャムと私を置いていったの?ねぇ…何で?」
コモさ~ん、私はあなたの旦那さまではありまっしぇん!ですから今すぐどいてぇ!!
「お姉ちゃん…もっと、もっと一緒に遊ぼうよ~…」
「あなたぁ…私と一緒に今日は楽しみましょう?」
「スピー…スピー…」
イヤァァァァァアアア…………!!


「ん~……ふぅ。よく寝たわぁ」
あぁ…やっと起きてくれた。これでやっと布団で眠れる。
「あら、ゆみ。何で私の袋に入っているのかしら?」
あはは…そりゃコモさんが寝ぼけて私を無理矢理ここに押し込んだからですよ。なーんて言えるわけもないから適当に誤魔化す。コモさんの顔にはクエスチョンマークがいくつかついていたけどコモさんばかり構っていられない。
もう一つやらねばならぬことがあるのだ!!
す~…っと息を吸い込んで私の布団を捲りその中にむかって……
「起きろーーーーーっ!!!」
「うぐぅ…っ!」
ぬぉっ、私の手から布団をとりかえすだとぅ?どんだけ寝たいんだ。だがしかーし、ここで引き下がるゆみさんではないのだよ、レンよ。
抱き枕のように布団を抱え込むレンの腹にむかってダーイブ!うわっ、ふわっふわっだ。うへへへ、ふわもこ万歳\(^^)/
「重い~降りろ…」
「やだ」
ぐいぐいと捩じ込むように自分の体をレンと布団の間に押し込む。するとレンは私を抱き締めるような形になる。あったか~い。
「れ~ん?」
「早くどけよ」
「ここどこだと思う?」
「俺の部屋だろ、いいから寝かせてくれ…頭がガンガンするから」
ん~…二日酔いですね。確実に。
酒を飲む人にしかわからないだろうなぁこの気持ち…。なんかねぇ…頭の中に音が直接響くような感じかな?よく表現できないけどさ。
「ここねぇ、残念ながらあんたの部屋じゃないんだ。コモさんの家なんだ…」
「げっ…まじか」
はぁぁぁぁ…とあからさまなため息をつくとなぁと声をかけてきた。
「俺、変なこと言ってなかったか?」
待ってました、その言葉!
私はニヤニヤしながらレンの顔を見つめる。ついでにちょっと顔を赤らめて…
「う、うん。その…えっと……キャー!やっぱり言えないよ~!」
「えっ…お、俺なんかしたのか?」
「だって…あんなことをするなんて……ねぇ?」
ふははは、男はこういう動作に弱いのは友人に確認済みだ。どうせならあんたの弱みを握ってやろうじゃないのよ!
「な、なぁ本当に俺、何をしたか覚えてなくて…その…えっと……ごめん」
「えっ、そんなに落ち込まなくても…」
「本当に…ごめんね」
とぼとぼと玄関の方に歩いて行きドアを開けて階段を登っていく足音が響き、後ろめたさだけが私の心に残った。
「ご飯が出来たわよ…ったあらレンの分も作ったのにいないのね。あっ、ちょっ、ゆみどこ行くの!?」
なんとなく謝らなくてはいけないような気がして私はレンの部屋のドアを叩いた。

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