マリン少女時代編その3 謎多きポケモンのタマゴ!そして産まれたのは・・・!

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これは、今から17年前。マリンがまだ10歳のころの話である。ウツギ博士からワニノコをもらい、新たなポケモンを次々にゲットしていった彼女は、ヨシノシティのポケモンセンターで幼馴染のグレンに出会った。彼は、ウツギ研究所でチコリータが盗まれる事件が起こった際に残っていたヒノアラシを最初のポケモンに選んだのだ。2人はポケモンバトルをすることになり、マリンが見事に勝利を収めた。しかし彼女の旅は、まだ始まったばかりである。
マリンは、キキョウシティに向かう途中に1人の少年に声をかけられた。
少年「お前、ポケモントレーナーか?」
マリン「ええ。あたし、ワカバタウンのマリン。まだポケモントレーナーとして旅立ったばかりよ。」
少年「俺はたんパンこぞうのコウヘイ!勝負だ!」
マリン「ポケモンバトルを挑むつもりね。この勝負、受けて立とうじゃないの!」
コウヘイ「使用ポケモンは2体だ。準備はいいな?」
マリン「ええ!」
コウヘイ「頼むぞ、コラッタ!」
たんパンこぞうのコウヘイの1番手はコラッタである。
マリン「まずはコラッタね。コラッタの素早さに対抗するには・・・行くのよ、ポッポ!」
マリンは、モンスターボールから1番手にポッポを繰り出して対抗することに。
マリン「ポッポ、かぜおこし!」
コウヘイ「コラッタ、でんこうせっかだ!」
マリンのポッポが先に攻撃を仕掛けるが、コウヘイのコラッタは素早く、先に「でんこうせっか」が決まってしまった。しかし、ポッポも負けずに「かぜおこし」で反撃したのである。
マリン「ポッポ、すなかけよ!」
ポッポの「すなかけ」が決まった。この技は、相手の命中率を下げる技である。砂はコラッタの目に入ってしまったのだ。
マリン「かぜおこし!」
さらに、ポッポの「かぜおこし」が炸裂。コラッタは、相手が全然見えていないようである。
コウヘイ「がんばれコラッタ、たいあたりだ!」
しかし、コラッタの攻撃は外れてしまったのだ。「すなかけ」の影響で、命中率が下がっているからである。
マリン「今よポッポ、たいあたり!」
ポッポの「たいあたり」が決まって、コラッタはぐるぐると目を回して倒れてしまったのだ。
コウヘイ「戻れ、コラッタ!」
コウヘイは、コラッタをモンスターボールに戻した。
コウヘイ「よく頑張ったな。ゆっくり休んでくれ。」
マリン「さあ、次は何で来るのかしら?」
コウヘイ「なかなかやるな。だが、俺がお前にバトルの厳しさを教えてやるから覚悟しろよ!行け、ピカチュウ!」
たんパンこぞうのコウヘイが2番手に繰り出したのは、でんきタイプのピカチュウだったのだ。
マリン「あのポケモンは?」
ポケモン図鑑「ピカチュウ。ねずみポケモン。両頬には電気を溜めこむ袋がある。怒ると溜めこんだ電気を一気に放ってくる。」
マリン「ポッポ、たいあたりよ!」
コウヘイ「かわしてでんきショック!」
コウヘイのピカチュウは、ポッポの攻撃をジャンプでかわすと「でんきショック」を命中させた。ポッポへのダメージはかなり大きいみたいである。効果は抜群だ!
マリン「ポッポ、しっかりして!」
ポッポはピカチュウの攻撃に耐えきれず、ぐるぐると目を回して倒れてしまったのだ。
マリン「そ、そんな!」
コウヘイ「どんなもんだい!」
ポッポはひこうタイプなので、でんきタイプのピカチュウには不利である。コウヘイは、バトルの厳しさをマリンに教えてくれたのだ。
マリン「ポッポ、戻って!」
マリンは、ポッポをモンスターボールに戻した。
マリン「こうなったら・・・頼むわよ、ワニノコ!」
マリンの2番手は、ワニノコである。
マリン「ひっかく攻撃!」
ワニノコは「ひっかく」で先制するが、ピカチュウの特性「せいでんき」により「まひ」状態になったのである。
コウヘイ「ピカチュウ、でんきショックだ!」
ピカチュウの「でんきショック」がワニノコに直撃。ワニノコは大きなダメージを受けてしまった。効果は抜群だ!
マリン「頑張ってワニノコ、みずでっぽうよ!」
コウヘイ「かげぶんしん!」
ピカチュウは、「かげぶんしん」を使ってワニノコの「みずでっぽう」をかわした。一方のワニノコは、複数いるピカチュウを見て動揺しているようである。
マリン「ワニノコ、落ち着いて!」
ワニノコは冷静になると・・・
マリン「連続でみずでっぽう!」
しかし、本物のピカチュウには攻撃が当たらないのだ。おまけに「まひ」状態なので、しまいには攻撃が出なくなったのである。
コウヘイ「ピカチュウ、でんきショック!」
ピカチュウの「でんきショック」がまたワニノコに直撃。ワニノコは大きなダメージを受けてしまった。効果は抜群だ!
コウヘイ「続いてでんこうせっか!」
マリン「ワニノコ!」
最後は「でんこうせっか」が決まってしまい、ワニノコはぐるぐると目を回して倒れてしまったのだ。
コウヘイ「どうやらこのバトル、俺の勝ちのようだな。」
マリン「ワニノコ、戻って!」
マリンは、ワニノコをモンスターボールに戻した。
コウヘイ「ピカチュウ、よくやった。戻ってくれ。」
コウヘイは、ピカチュウをモンスターボールに戻した。
マリン「そんな!ポッポだけでなくワニノコまで負けちゃうなんて・・・ワニノコのほうがピカチュウより強いと思ったのに・・・」
コウヘイ「何言ってんだよ!お前、そういうことも知らねえのか?」
マリン「え?」
コウヘイ「ワニノコはみずタイプだから、でんきタイプのピカチュウとは相性が悪いんだぞ!」
マリン「え?くさタイプのほかに、でんきタイプにも弱いの?」
コウヘイ「当たり前だろ?ポケモンには相性があるってこと知ってるだろ?」
マリン「ええ。ほのおタイプのポケモンは、みずタイプの技に弱いんでしょ?」
コウヘイ「ああ。でも、さっきも言った通り、みずタイプのポケモンはでんきタイプの技に弱いんだ。それに、そのポケモンが苦手とするタイプは1つとは限らないぞ。」
マリン「そうか・・・みずタイプのポケモンは、でんきだけじゃなく、くさタイプの技にも弱かったわよね。あたし、初めてバトルしたとき、くさタイプのポケモンを相手に全然歯が立たなかったわ。その時は、とっても悔しかったの。」
コウヘイ「これから先、もっと手ごわい相手が現れるぞ。苦手な相手と戦うためには知識を身に着けておかないとな。」
マリン「知識?」
コウヘイ「例えば、素早さを上げて相手の攻撃をかわす技術を身に着けること。それから、ポケモンの技を受け流し、受けるダメージを少なくすること。さらに、相手に有利なタイプの技を教えて相手をびっくりさせることも考えられるぞ!」
マリン「それは、どういうこと?」
コウヘイ「みずタイプのポケモンは、くさタイプのポケモンと相性が悪いだろ?もし、そのポケモンがひこうタイプの技を覚えてたらどうなるかな?」
マリン「確か、ひこうタイプの技は、くさタイプのポケモンに対して効果は抜群のはず・・・そうか!」
コウヘイ「そういうこと!お前はきっと強くなれる。そうだ、ポケギアの番号を交換しないか?」
マリン「え?でもあたし・・・」
コウヘイ「負けたのがそんなに悔しいのか?」
マリン「ちょっぴりは悔しいかもね。でも、ポケモンのタイプに相性があることは知ってても、そのポケモンが苦手とするタイプは1つじゃないことは知らなかったの。それを教えてくれてありがとう。今度バトルするときは、あたしが勝つからね!」
コウヘイ「その意気だぜ!」
マリンとコウヘイは、お互いのポケギア番号を登録し、またバトルをしようと約束を誓ったのである。そして、のちに再びバトルをすることになった2人であったが、今度はマリンが勝利を収め、見事にリベンジを果たしたのであった。

最初のジム・キキョウジムでのジム戦に勝利し、ウイングバッジをゲットしたマリン。ポケモンたちのレベルも上がり、キャタピーはトランセルに進化したのだ。そして、彼女の手持ちには新たにニョロモが加わっている。彼女がジムを出たその時、突然ポケギアが鳴りだした。ウツギ博士からである。
マリン「もしもし・・・」
ウツギ博士「あっ、マリンちゃん!調子はどうだい?」
マリン「今、キキョウジムでジム戦に勝って、最初のバッジをゲットしました。」
ウツギ博士「それはよかったね。それより、ポケモンのタマゴについてわかったことがあるんだ!」
マリン「えっ、ほんとですか?」
ウツギ博士「ほんとだよ。キキョウのポケモンセンターに私の助手がいるはずだから、話を聞いてよ!」
マリン「はい、わかりました。」
マリンは、早速ポケモンセンターに向かったのだった。そこには、ウツギ博士の助手が彼女のことを待っていたのである。
マリン「こんにちは!」
助手「マリンちゃん、お久しぶりです。ウツギ博士に頼まれて、君を探してたんですよ。」
マリン「何ですか?」
助手「じつはですね・・・ポケモンのタマゴを持っていってほしいんですよ!」
マリンは、ポケモンのタマゴを見てびっくりしたのだ。それは、ポケモンじいさんから預かったタマゴと同じものである。
マリン「やっぱり、ウツギ博士の話はほんとだったんですね!」
マリンは、ウツギ博士の助手からポケモンのタマゴをもらった。
助手「ウツギ博士が調べたところ、ポケモンはタマゴの中である程度育たないと産まれてこないそうです!しかも、いつも元気なポケモンのそばにいないといけないらしいんですよ。そういうことをお願いできるのは、マリンちゃんだけですから、よろしく頼みます!」
マリン「はい!」
助手「産まれたら、ウツギ博士に連絡してあげてくださいね。」
マリン「わかりました。」
ウツギ博士の助手は、研究所に戻っていった。

しばらくすると卵がかえり、ポケモンが産まれたのだ。
マリン「このポケモンは?」
ポケモン図鑑「トゲピー。はりたまポケモン。幸運のシンボル。殻の中には、幸せがたくさんつまっているという。」
マリン「へえ~、トゲピーっていうのね。そうだ、ウツギ博士に連絡しなきゃ!」
マリンは、ウツギ博士に連絡した。
ウツギ博士「もしもし・・・」
マリン「ウツギ博士!」
ウツギ博士「やあ、マリンちゃん。タマゴはどんな感じ?」
マリン「はい、ポケモンが産まれました!」
ウツギ博士「えっ、ポケモン産まれたの?ど、どんなポケモンかな。ちょっと戻ってきてよ!」
マリン「はい、わかりました。」
マリンは、トゲピーを抱いてワカバタウンに帰ることにしたのであった。

マリンは故郷・ワカバタウンに帰ってきた。彼女は早速、産まれたトゲピーを見せるためにウツギ研究所を訪れたのである。
マリン「博士!」
ウツギ博士「マリンちゃん、元気そうだね。」
マリン「これを見てください。」
マリンは、抱いているトゲピーをウツギ博士に見せた。
ウツギ博士「えっ?そのポケモンは・・・!」
助手「トゲピーですね。」
ウツギ博士「タマゴがかえったんだね!」
マリン「はい、そうなんです!」
ウツギ博士「そうすると、ポケモンはタマゴから産まれるのか・・・いやいや、全てのポケモンがそうと決まったわけじゃないぞ。」
マリン「ポケモンじいさんによると、ポケモンを預かって育ててる夫婦がいて、そこでもらったものだそうです。」
ウツギ博士「う~ん、まだまだ調べることいっぱいなんだね。マリンちゃん、ありがとう!君のおかげで、ポケモンの謎がわかりそうだよ。これは、私の感謝の気持ち。遠慮せずに持っていってよ!」
マリン「ありがとうございます。」
マリンは、ウツギ博士から「かわらずのいし」をもらった。
ウツギ博士「それは、かわらずのいし!」
マリン「かわらずのいし?」
ウツギ博士「ポケモンは、種類によっては、ある程度育つと進化して姿を変える。その時、かわらずのいしを持たせていると進化しないんだ。」
マリン「へえ~。」
ウツギ博士「今の姿のまま育ててみたいポケモンがいたら、使ってみてよ。」
マリン「わかりました。」
マリンは、いったん実家に立ち寄ることにしたのだ。

マリン「ただいま!」
母親「おかえり!マリン、元気そうね。」
マリン「じつは、ウツギ博士にこの子を見せにきたの。」
母親「その子は?」
マリン「トゲピーよ。タマゴから産まれたの!」
母親「かわいいじゃない!それよりワニノコは?ほかのポケモンもゲットしたの?」
マリン「みんな、出てきて!」
マリンは、手持ちのポケモンを全部出して母親に紹介した。ワニノコを筆頭に、ポッポ、トランセル、ニョロモ、コラッタ、そしてトゲピーである。
母親「どの子もかわいいポケモンばかりね。」
マリンは、母親にウイングバッジを見せた。
母親「やるじゃない。この調子で頑張ってね!そうだ。お金どうする?結構集まってきてるわよ。」
マリン「それじゃあ、半分もらっていい?」
マリンは、母親に預けている金額の半分を受け取った。
母親「ねえ、マリン。せっかく帰ってきたんだから今日はうちでゆっくりしてって、明日旅に出ていいわよ。」
マリン「ありがとう、お母さん。」
その晩、マリンは母親の作った料理をいただくことにしたのである。
母親「今夜は、マリンの大好きなグレン風火山ハンバーグよ。召し上がれ。」
マリン「うわあ~、おいしそう!そうだ、みんなも一緒に食べましょう!」
マリンのポケモンたちも、一緒に食事を楽しむことにしたのだ。
マリン「いただきます!」
マリンは、母親が作ってくれたグレン風火山ハンバーグを食べた。
マリン「おいしい!久しぶりにお母さんの料理を食べたわ!」
母親「ワニノコたちも、おいしそうに食べてるわね。」
そして翌朝、マリンは実家を旅立った。彼女のポケモンたちは、既にモンスターボールの中である。
子供のころのマリンにポケモンバトルの厳しさを教えた「コウヘイ」は、アニポケ「ダイヤモンド&パール」に登場したキャラクターと同名ですが、異なるキャラクターです。

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