マリン少女時代編その2 仲間を増やせ!ポケモン、ゲットに挑戦!

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これは、今から17年前。マリンがまだ10歳のころの話である。彼女はウツギ博士からワニノコをもらい、ワカバタウンを旅立ったのだ。しかし、見知らぬ少年とのポケモンバトルに負けてしまい、彼女はとても悔しい思いをしたのである。しかし、ウツギ博士の励ましと指導のもと、彼女は自信を取り戻し、チャンピオンを目指す長い旅に出たのであった。
マリンがワカバタウンを出て近くの草むらに入ろうとすると、1人のお兄さんが声をかけた。
お兄さん「君、何度も通ってるけどどれくらいポケモン捕まえた?」
マリン「いいえ。まだ1匹も・・・」
お兄さん「何だったら、僕がポケモンの捕まえ方教えてあげるよ?」
マリン「ほんとですか?」
お兄さん「ところで、ポケモンの捕まえ方って知ってるかな?」
マリン「はい、確かモンスターボールを使うんでしたよね?」
お兄さん「もちろんそうだよ。でも、いきなりモンスターボールを使ってゲットすることはお勧めできないね。」
マリン「どうしてですか?」
お兄さん「まあ、よく見ててよ。」
その時、野生のオタチが飛び出してきたのだ。
マリン「あのポケモンは?」
ポケモン図鑑「オタチ。みはりポケモン。見張り役は鋭く鳴いたり、尻尾で地面をたたいたりして仲間に危険を知らせる。」
お兄さん「このように、草むらではいつポケモンが飛び出すかわからないからね。行け、コラッタ!」
マリン「あっ、コラッタ!」
ポケモン図鑑「コラッタ。ねずみポケモン。どんな所でも住みつける生命力を持っており、どんどん数が増えていく。」
お兄さん「今から、僕があのオタチをゲットしてみせる。よく見てるんだよ!」
マリン「はい!」
お兄さん「コラッタ、でんこうせっか!」
コラッタの「でんこうせっか」がオタチを直撃した。しかし、オタチは「たいあたり」で反撃。
お兄さん「コラッタ、だいじょうぶか?」
お兄さんのコラッタは、全然平気である。
マリン「まだモンスターボールを使わないんですか?」
お兄さん「そう慌てないで。コラッタ、次はたいあたり!」
今度は、コラッタの「たいあたり」が命中。オタチは負けずに反撃に転じようとしたが、しかし・・・
お兄さん「コラッタ、かわしてたいあたり!」
オタチの「たいあたり」を右にかわしたコラッタは、もう一度「たいあたり」をオタチにお見舞いした。オタチは、ダメージがかなりたまってきているみたいである。
お兄さん「よし、これくらいで十分だろう。行け、モンスターボール!」
お兄さんは、オタチに向かってモンスターボールを投げた。ボールは小刻みに揺れ、しばらくするとぴたりとその揺れは収まったのである。
お兄さん「よし!」
マリン「素晴らしいです!」
お兄さん「とまあ、こんなもんだね。ごらんのように、ポケモンをゲットするときは、バトルである程度弱らせてからモンスターボールを使うことをお勧めするよ。あとは、毒、まひ、眠りなどの特殊状態にすると、ポケモンはゲットするのが簡単になるよ。」
マリン「はい。ところでそのオタチ、よかったらあたしにください。」
お兄さん「それは無理だね。このオタチは僕がゲットしたんだから、僕のポケモンだよ。」
マリン「どうしてですか?」
お兄さん「あのさあ、もしバトル中に相手のポケモンをゲットしようとするのは泥棒と同じだよ!」
マリン「そうですか・・・」
お兄さん「そんなの常識だよ。他人のポケモンを取ったら泥棒!だって、他人のポケモンは他人のもの。君だって、自分のポケモンを取られたらどう思う?」
マリン「せっかくウツギ博士からもらったワニノコを取られるのは、正直言って寂しいです。」
お兄さん「それは僕だって同じだよ。だから、野生のポケモンにだけモンスターボールを使ってゲットするんだよ。」
マリン「はい、わかりました。あたしも頑張ってポケモンをゲットします!いろいろありがとうございました。」
お兄さん「たくさんポケモンをゲットするんだよ!」
マリンは、お兄さんからポケモンの捕まえ方を教わると、キキョウシティに向かって旅立った。そこには、彼女が挑戦する最初のジム「キキョウジム」があるのだ。

ヨシノシティを抜けて、最初のジムがあるキキョウシティを目指すことになったマリン。すると、目の前に野生のポッポが現れたのだ。彼女は早速、ポケモン図鑑でチェックすることに。
ポケモン図鑑「ポッポ。ことりポケモン。草むらで激しく羽ばたき、砂煙を起こして飛び出た虫をとらえて食べる。」
マリン「よ~し、さっそくゲットしようっと!・・・あっ!」
お兄さん「ポケモンをゲットするときは、バトルである程度弱らせてからモンスターボールを使うことをお勧めするよ。」
マリンは、お兄さんの言葉を思い出したのだ。
マリン「危ない危ない。バトルで弱らせてからゲットするんだったわよね。頼むわよ、ワニノコ!」
マリンはモンスターボールからワニノコを繰り出した。
マリン「ワニノコ、今からあのポッポをゲットするから手伝ってくれる?」
ワニノコは大きくうなずいた。
マリン「行くわよワニノコ、みずでっぽう!」
しかし、ポッポは飛び上がって「みずでっぽう」をかわした。
マリン「は、速い!」
ポッポは「たいあたり」で反撃。ワニノコはダメージを受けてしまった。
マリン「ワニノコ、だいじょうぶ?」
もちろん、ワニノコは平気である。一方、ポッポはもう一度攻撃を仕掛けようとするが、今度はマリンも冷静である。
マリン「ワニノコ、相手をよく見て!」
ポッポは、ワニノコをめがけてどんどん近づいてきた。しかし、ワニノコは冷静で、ポッポの動きを目でしっかりととらえているみたいである。そして、至近距離に迫ると・・・
マリン「今よ、みずでっぽう!」
見事に、「みずでっぽう」がクリーンヒット。ポッポはダメージを受けてしまった。
マリン「続いて、ひっかく攻撃!」
さらに、「ひっかく」で追撃。ポッポのダメージはさらに増えたのである。しかし、ポッポは「かぜおこし」で反撃しようとするが・・・
マリン「ワニノコ、かわしてひっかく攻撃!」
ワニノコはポッポの攻撃をかわすと「ひっかく」を繰り出し、その技はポッポに直撃した。ポッポの体力は、残りあとわずかである。
マリン「行け、モンスターボール!」
マリンは、ポッポに向かってモンスターボールを投げた。ボールは小刻みに揺れ、しばらくするとぴたりとその揺れは収まったのである。彼女はポッポが入ったモンスターボールを拾うと・・・
マリン「どうやら、ちゃんとゲットできたみたい・・・やったやったぁ~!ついにあたしも、ポケモンゲットできたんだわ!しかも、ポッポをゲットしちゃった!」
ワニノコも仲間が増えてうれしそうである。
マリン「ポッポ、出てきて!」
ポッポは、モンスターボールから外に出された。
マリン「ポッポ、あんたはあたしが初めてモンスターボールでゲットしたポケモンよ。これからよろしくね。」
ポッポは、大きくうなずくとワニノコのほうを見て、2匹のポケモンはお互いにっこりとほほ笑んだ。
マリン「2人とも、モンスターボールに戻って!」
マリンはワニノコとポッポをモンスターボールに戻すと、ポケモンセンターに向かっていった。

ジョーイ「お預かりしたポケモンは、みんな元気になりましたよ!またのご利用をお待ちしております。」
マリン「ありがとうございます。」
マリンはポケモンセンターを後にすると・・・
マリンは「この調子で、次のポケモンもゲットするわよ!」
と、意気揚々に草むらの中に入っていった。
マリン「さ~て、次は何に出会うのかしら?あっ、キャタピー発見!」
ポケモン図鑑「キャタピー。いもむしポケモン。葉っぱの中に潜り込むのは、体と同じ色の中で自分をカモフラージュするためである。」
マリン「キャタピーって、確か進化するとバタフリーになるのよね。よし、あの子も仲間に加えようっと!行くのよ、ワニノコ!」
マリンはワニノコを繰り出し、キャタピーのゲットを手伝わせることにした。
マリン「ワニノコ、みずでっぽう!」
ワニノコの「みずでっぽう」がクリーンヒット。キャタピーは攻撃を耐えた。そして、「いとをはく」で反撃しようとするが・・・
マリン「かわしてひっかく攻撃!」
ワニノコの「ひっかく」が決まり、キャタピーの体力は残りあとわずかである。
マリン「行け、モンスターボール!」
マリンは、キャタピーに向かってモンスターボールを投げた。ボールは小刻みに揺れ、しばらくするとぴたりとその揺れは収まったのである。彼女はキャタピーが入ったモンスターボールを拾うと・・・
マリン「やったぁ~!キャタピーゲットだわ!」
マリンはポケモンセンターでポケモンたちを回復させると、突然誰かの声が聞こえてきた。
少年「今、ヨシノシティのポケモンセンターにいます。」
ウツギ博士「そうかいそうかい。グレンくん、もうそこまで来ていたんだね。」
ウツギ博士と話していた帽子を逆にかぶり、赤い服を着た少年の名は「グレン」というみたいである。ちょうどそこに、マリンがやってきたのだ。
マリン「あっ、ウツギ博士!」
ウツギ博士「あれ、マリンちゃん!」
グレン「えっ?」
グレンは後ろを振り向き、マリンのほうを見ると、お互い大きな声を上げた。
グレン「マリン!マリンじゃないか!」
マリン「グレン!あんたもワカバタウンから旅立ったのね!」
ウツギ博士「2人とも、知り合いだったの?」
マリン「じつはあたしたち、幼馴染なんです。」
グレン「まさか、こんな所でマリンに出会うなんて・・・びっくりしました。」
ウツギ博士「グレンくん、マリンちゃん、2人とも頑張って旅をつづけるんだよ。」
マリン・グレン「はい!」
グレンはマリンと同い年で、幼馴染である。10歳のころは、後ろが黄色で前が黒の帽子を逆にかぶり、長い前髪が特徴であった。彼は当時、赤い服と黄色のハーフパンツを着用していたのだ。ちなみに髪の色は現在と同じ黒である。
グレン「なあマリン、知ってるか?」
マリン「何?」
グレン「ウツギ博士の研究所から、チコリータが盗まれたって話。」
マリン「ええ。でもあたし、そいつとのバトルに負けちゃったの。あの時は、とっても悔しかったわ。」
グレン「ということは・・・チコリータを盗んだのは、お前じゃなかったのか。」
マリン「当たり前でしょ!あたしがそんなことするわけないじゃない!」
グレン「だったら、俺とバトルしようぜ!」
マリン「いいわ、ちょうど相手が欲しかったところなの。受けて立ちましょう!」
同い年で幼馴染の2人は、ポケモンバトルをすることになったのであった。

グレン「使用ポケモンは1体。お互い自信のあるポケモンで決めようぜ!」
マリン「そうこなくっちゃ!」
グレン「行け、ヒノアラシ!」
グレンは、モンスターボールからヒノアラシを繰り出した。
マリン「ねえグレン。そのヒノアラシ、ウツギ博士からもらったんでしょ?」
グレン「ああ。もうこいつしか残ってなかったからな。でも、ちょうどよかったよ。俺が博士から最初にもらうポケモンは、ヒノアラシって決めてたんだ。ということは、お前が最初にもらったポケモンっていうのは、まさか・・・」
マリン「そのまさかよ。頼むわよ、ワニノコ!」
マリンは、モンスターボールからワニノコを繰り出した。
グレン「やっぱりワニノコだったのか。マリンらしいな。相手はみずタイプか・・・だが、相性なんか俺のヒノアラシには関係ないぜ!ヒノアラシ、ひのこだ!」
ヒノアラシの「ひのこ」がワニノコに直撃。しかし、ワニノコへのダメージは少ないみたいである。効果はいま一つのようだ。
マリン「ワニノコ、みずでっぽう!」
ワニノコの「みずでっぽう」がヒノアラシに直撃。ヒノアラシは大きなダメージを受けてしまった。効果は抜群だ!
グレン「ヒノアラシ、だいじょうぶか?」
ヒノアラシは、まだまだやれる様子である。
グレン「やはり、みずタイプのポケモンにほのおタイプの技は効果が薄かったか・・・だったらえんまくだ、ヒノアラシ!」
ヒノアラシは「えんまく」でワニノコをかく乱するが、マリンは冷静である。
マリン「ワニノコ、もう一度みずでっぽうよ!」
ヒノアラシの位置を把握したワニノコは、見事に「みずでっぽう」を命中させた。効果は抜群だ!
グレン「ヒノアラシ、がんばれ!俺はお前を信じてるぞ!」
ヒノアラシはかろうじて攻撃を耐えたが、体力は残りあとわずかである。すると、赤いオーラがヒノアラシを包み込んだ。ヒノアラシの特性「もうか」が発動したのである。
グレン「ヒノアラシ、たいあたりだ!」
マリン「ワニノコ、かわして!」
ワニノコはヒノアラシの「たいあたり」を右にかわした。
グレン「あきらめるもんか!ヒノアラシ、ひのこだ!」
ヒノアラシの「ひのこ」が直撃。効果はいま一つのようだが、特性「もうか」の影響でワニノコへのダメージは大きいようである。しかも、ワニノコは追加効果で「やけど」状態になってしまったのだ。
マリン「やるわね、グレン!」
グレン「ヒノアラシ、たいあたり!」
マリン「だがもうここまでよ!ワニノコ、かわしてひっかく攻撃!」
ワニノコはヒノアラシの「たいあたり」を左にかわすと、「ひっかく」で勝負を決めた。ヒノアラシはぐるぐると目を回して倒れてしまったのだ。
マリン「勝った・・・あたし、ポケモンバトルに初めて勝ったんだわ!」
グレン「戻れ、ヒノアラシ!」
グレンは、ヒノアラシをモンスターボールに戻した。
グレン「相性をひっくり返せると思ったのに・・・無念!」
マリン「ワニノコ、よくやったわ。ゆっくり休んでね。」
マリンは、ワニノコをモンスターボールに戻した。
マリン「グレン、負けるのってやっぱり悔しい?」
グレン「ああ・・・正直言うとな。」
マリン「やっぱり、誰だって負けるのは悔しいわよね。あたし、何となくグレンの気持ち、わかる気がするの。」
グレン「えっ、それはほんとか?」
マリン「ええ。だけど、負けちゃったことは仕方ないわよ。それに、あんたのヒノアラシ、なかなか根性あって結構強かったわよ。」
グレン「だけど、お前のワニノコにはかなわなかったぜ。やはり俺たちには、相性をひっくり返すことなんかできなかったよ。」
マリン「そんなことないわよ。」
グレン「え?」
マリン「確かにほのおタイプのポケモンは、みずタイプのポケモンとは相性が悪いけど、ほのおタイプの技には、相手をやけど状態にするものがいっぱいあるわ。それに、ヒノアラシは最後まであきらめたくなかったから、もうかを発動したんでしょ?」
グレン「そうかもな。あの時俺は、ここから一気に逆転勝ちを狙おうと思ってたんだ。」
マリン「それにしても、あたしのワニノコをやけど状態にさせるなんて・・・さすがもうかだわ。」
グレン「なあ、マリン。もしよかったら、またバトルしてくれないか?」
マリン「ええ。楽しみにしてるわよ!」
マリンとグレンは、がっちりと握手をしたのである。
グレン「さあ、ポケモンセンターに急ごうぜ。」
マリン「ええ。」
ポケモンセンターでポケモンの体力を回復させたマリンは、お互いのポケギア番号を交換するとグレンに別れを告げ、キキョウシティに向かって旅立ったのであった。

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