Mission #164 今、できることを(前編)

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それから数日は、特に何か事件が起きるわけでもなく、平穏無事という言葉が似合うような時が流れた。
もっとも、レンジャーユニオンにとっては、それは平穏無事というよりも、嵐の前の静けさ――不気味な沈黙という言葉の方がしっくり来たかもしれない。
というのも、ヤミヤミ団が表立った行動を起こしていないからだ。
ダズルと交換する形で『王子の涙』を奪ってからというもの、不気味なまでの沈黙を保っている。
何かロクでもないことを企んでいるのは間違いなく、ハーブの報告によれば、ヤミヤミ団のヘリがアンヘルの新本社ビルに降り立ったということからも、アンヘルとのつながりも直接的な証拠はないがほぼ確実。
ユニオン上層部は連日、アンヘル本社に合法的に捜査をかけられないかと協議を続けているが、多少強引な方法で発展してきた会社とはいえ、コンプライアンスを遵守し、アルミア地方においては模範的な企業である。
名目を別件に仕立てた捜査を行ったところで、何も見つからなければかえって自分たちの首を絞める結果になりかねない。
ヤミヤミ団とて、レンジャーユニオンにはアンヘルとのつながりを察知されていると思っているだろうし、捜査できる範囲内に悪事の証拠を残すようなヘマをするはずもない。
上層部が足踏み状態なのを余所に、アカツキとダズルは連日、地下のトレーニングルームで自分たちの能力を高めることに専念していた。
特にミッションを与えられていないこともあり、セブンが彼らのコーチとして指導に当たっていたのだが……

「違うな。そこは強引にでも突っ込んで、相手の手数を制限する方法を採るべきだ」
「押してダメなら引いてみろ。どんな判断をするにしても、不必要に長く考えると、本当に必要なことが考えられなくなるぞ」
「自分一人で頑張ろうとするな。パートナーとの息遣いを忘れたら意味がない」

次々に飛び出すダメ押し。
数十秒に一回の割合でケチをつけられているわけだが、これもアカツキたちに少しでも早くポケモンレンジャーとして成長してもらいたいと言うセブンなりの愛情の表れだ。
アカツキとダズルが今やっているのは、コンピューターが作った擬似的なミッションだった。
本物かと見紛うばかりの立体映像と、スタイラーに入るコンピューターからのオペレーター通信。
さらには、映像のポケモンとはいえ、ディスクが攻撃を受けるとバックファイアがレンジャーに襲い掛かるという実戦仕様。
経験の浅いポケモンレンジャーには解放していないシステムなのだが、アカツキとダズルがセブンに頼み込んで、彼が責任を取るという形で承諾したのだ。
……が、実際にやってみると、これがなかなか難しい。
実戦仕様だけあって、お遣い程度の簡単なミッションは用意されておらず、最低でもキャプチャが必要なものから、果てはトップレンジャー向けの難易度MAXのミッションまで、数万通りが用意されている。
アカツキとダズルが二人して挑んでいるのは、ビル内で発生した火事で逃げ遅れた人やポケモンを助けるというミッションだった。

(他に逃げ遅れたポケモンは……)

コンピューターから送られる情報を元に、アカツキはスタイラーの画面で他に逃げ遅れたポケモンがいないかどうか確認した。
そうしている間に、ダズルが片っ端から廊下の扉を開いて、逃げ遅れがいないかどうか確認している。

「ダズル、もっとセイルの能力を活用しろ。水タイプのポケモンなんだからそういった場所でこそもっと活躍させるんだ」
「はい!!」
「アカツキ、ダズルとしっかり連携しろ。先走りそうになる仲間を諌めるのも、大事な行動だ」
「はいっ!!」

トップレンジャーとして様々なミッションをこなしてきただけあって、セブンのダメ出しは適切だった。
二人の息が少しでも合っていないと感じると、こうしてバシバシ指摘してくる。

(経験半年にしてはいい線行ってるが、俺から見ればまだまだだな。
数日で結構いい感じになってきたとはいえ、型にハマった行動が多すぎる。
頭を柔軟にするのは簡単じゃないが、だからこそ様々なケースのミッションをこなして、知識と経験を蓄えてもらわなきゃな)

セブンの目から見て、アカツキとダズルはいいコンビだ。
互いにないものを補い合っているという意味で、理想的と言っていい。
断言はできないが、自分とハーブがトレーナーから解かれた後は、二人で様々なミッションに臨むことになるだろう。
そうなった時に完全に息が合っていないと、ちぐはぐな行動で事態をややこしくしてしまう可能性がある。
ただでさえマニュアル通りの行動をとりがちなのだ。
変な方向に凝り固まってしまう前に、矯正できるところはしっかり矯正してやらなければならない。
これも、トレーナーとしての重要な仕事だ。
セブンが自分たちにただならぬ期待を抱いているのを視線から感じて、アカツキは彼に言われたことを何度も頭の中で反芻しながらミッションを遂行した。

「ダズル、右奥の部屋に一体!! その奥には二体いる!!」
「オッケー!! セイル、扉を開けたら軽く水鉄砲だ!!」
「ムック、他にポケモンの気配がないか確認して!!」
「ムクバーっ」

アカツキがナビを担当し、ダズルがその通りに動く。
複数人でミッションを遂行する時は、明確な役割分担を行っておくことが重要だ。
セブンは敢えてそのことを言わなかったが、アカツキたちはそれを理解しているようだった。
実際、ユニオン本部に来る前に、そういったケースのミッションを経験してきているからだろう。
ダズルが壁にぴったり背中をつけ、ゆっくりと扉を開くと、部屋の中から勢いよく炎が噴出してきた。
すかさずセイルが水鉄砲で炎を消し、ダズルとアカツキが二人揃って部屋に飛び込む。
そこには逃げ遅れたコリンクがいた。
特に怪我をしている様子はなく、室内に充満した煙を吸い込んで咳き込んでいるだけだった。
すぐさま救助して、別の部屋へ。
次の場所でも逃げ遅れたポケモンがいたが、興奮状態で、アカツキたちを見るや否や襲いかかってきた。

「アカツキ、別のところに逃げ遅れたポケモンがいないか確かめてくれ。
こいつはオレがキャプチャして落ち着かせる!!」
「分かった!!」
「おっし、キャプチャ・オン!!」

ここでも役割分担を明確にして、ダズルがそのポケモンのキャプチャに当たる間、アカツキがさらに別の部屋の状況を確認した。

(悪くない行動だ。
……欲を言えば、言葉にしなくてもそれができるようになるのが理想だが、さすがに今のこいつらじゃそれは厳しいか)

役割分担は絶対的なものではない。
状況が変われば、個々人に求められるものの性質も度合いも異なってくるのが当然だからだ。
しかし、それを逆に言うならば、状況が変わらない限り、自分に課せられた役割を愚直なまでにこなすこともまた重要だ。
それを言葉に出すまでもなくできるようになるのが理想だが、そこは経験に裏打ちされた行動という意味合いが大きい。今すぐにできるようになることではないだろう。
セブンが鋭い観察眼でアカツキたちのミッションを眺めていると、一分で終了した。
興奮したポケモンが最後の救助対処だったからだ。
ダズルがそのポケモンをキャプチャし終えると、立体映像が消えて、壁際のモニターにミッション終了の旨が表示される。
併せて、終了までに要した時間と、内容に対する評価のランクも表示された。

(Cランクか……まあ、そんなところだろう)

セブンはふっと息をついた。
おおよそ、自分が思っていた通りの評価だった。
評価は終了までの時間と、その間に行った行動を元に算出される。
Sが最高の評価で、順にA、B、C、Dと、五段階の評価基準が設けられているが、今のミッションの評価はCランク。
下から二番目――決して良いとは言えない評価である。

(Cランクかあ。セブンさんにいろいろ言われちゃったし、それも無理ないかな……)

決して良いとは言えない評価だったが、いろいろと反省点が多いと思ったので、アカツキは素直に納得していたのだが……

(もっといいと思ってたんだけどな……)

ダズルは少し不満げだった。
自分が行動的に徹していたという自覚があるだけに、そういったものが評価に織り交ぜられていないと感じたようだ。
汗びっしょりで、肩で息をしながら厳しい評価を見ているアカツキとダズルに、セブンが声をかけた。

「お疲れさん。
最初よりはマシになったが、正直まだまだだな」

こちらもちょっぴり厳しい評価だったが、今回やらせたミッションは、アカツキとダズルと同じ一年目のポケモンレンジャーにやらせれば、大概はDランクと評価されてしまう、少し難易度の高いミッションだった。
五段階の評価基準しかないため、ランクがひとつ違うだけで評価がかなり変わってくるわけだが、CとDでは雲泥の差があることを考えれば、将来のトップレンジャー候補として本部にやってきた一年生としての評価はそこそこといったところだろう。

「やってみると、結構難しいですね」
「そういうんじゃなきゃ意味ないからな。だから経験の浅い連中にはやらせてないんだが」

荒い息を繰り返しながら言うアカツキに、ニコッと微笑みかけるセブン。
リアルな立体映像とはいえ、直前までどのような内容かは分からないのだ。
突然ミッションが言い渡されることなど珍しくはないし、そういったものにもきっちり対応できるだけの力を身につけなければ、このトレーニングマシンの意味もない。

「……で、結論から言うと、だ」

マシンの評価はあくまでもCランク。
下から二番目。
機械的な評価は段階でしかつけられないため、細かな指摘事項については、人の口から伝えるのが一番なのだ。
セブンの言葉に、アカツキとダズルが緊張した表情で背筋を伸ばした。

「アカツキ。おまえは行動する前に一呼吸置くことを心がけてるみたいだな。冷静に事態を見極めるってのはとても大事なことだから、それは常に頭に入れとくといい」
「はい」
「ただ、見てるとマニュアル通りの行動をしちまってるところがある。おまえ自身はそうしようと思ってはいないんだろうが。
そこはこれから経験を積んで、直感的に行動できるようにしていくといいだろう」
「ありがとうございます」

的確な指摘を受けて、アカツキは今回の行動を振り返った。
表立って行動していたのはダズルだったので、冷静に事態を見極めるという点では役割分担を果たしていると言っていい。
しかし、マニュアル通り……言い換えればあまりにスタンダードな行動を取りすぎていたというのは、言われてみればその通りだった。

(ぼくはそうしようって思ってなかったけど……やっぱり、経験で変えていくしかないのか)

こんな時、どうすればいいか。
そんな都合のいいマニュアルが用意されているはずはないのだが、今までの経験から、パターン通りの行動を取ってしまったのかもしれない。
それは経験の乏しさから来る欠点であり、経験を積んで様々な状況での行動を学ぶことで、解消していけるところだ。
続いて、セブンはダズルに視線を向けた。

「ダズル。おまえはどうも一人で突っ走ろうとする傾向があるな。
行動的なのはいいんだが、周囲との連携をしっかり確認しながら進むクセをつけろ。
おまえ一人で行動している時は突っ走るくらいでいいが、複数でミッションを遂行している時は気をつけるんだ」
「あ、はい……」

冷静なアカツキと、行動的なダズル。
互いに足りないものを補い合っているとはいえ、相手のことばかりアテにしていれは本末転倒だ。
可能な限り、自分に足りないものを吸収するクセを今のうちからつけさせておかない。
セブンの見立てでは、長くても一年が経過した時点でトレーナーが離れ、アカツキとダズルはペアでミッションを遂行していくことになるだろう。
それがどれだけの期間になるかは分からないが、さらに年月が経過したら一人で行動させる……そうなった時に、ペアで行動する時のクセが抜け切っていないのでは困るのだ。

「途中でも何度か言ったが、複数で行動している時は互いに連携を乱さないように心がけろ。
あとは、せっかくパートナーポケモンがいるんだから、その能力を最大限に活用できるように、状況に応じて立ち回らせることだ。
今回の現場は火事だ。
セイルなら水鉄砲で火を消せるし、ムックは鳥ポケモンならではの視力の良さを生かして、煙の中にいるかもしれない逃げ遅れたポケモンを発見することもできる。
あとは、炎タイプのポケモンがもし現場にいたら、キャプチャで力を借りることも考えられただろう。
ミッション中は言うまでもないが、それ以外の時でも、ヒマがあればそういったシチュエーションを想定してみるのも一つの勉強だ。覚えておくといい」
「ありがとうございます、セブンさん」
「勉強になります」

ダメ出しだけでなく、今の自分たちに必要なアドバイスをしっかりしてくれる。
厳しいところはあるが、どうでもいいと思う相手に厳しくはしない。
セブンの表情や態度、言葉の節々ににじみ出ている自分たちへの愛情、期待が嫌でも感じられるから、アカツキもダズルも頑張らなければ、という気持ちになってくる。
ちなみに、アカツキのトレーナーであるハーブは議長に呼び出されているため不在。
自由に空を飛べるムクホークがパートナーポケモンのためか、いろいろな場所に派遣されることが多いらしい。
今回はアカツキを一緒に連れていくだけの余力がなさそうということで、戻るまでの間はセブンに彼の分の教育も一任しているのだ。

(ま、こいつらはこいつらなりに頑張ってるからな)

一年生ということもあって頼りない部分は多いのだが、それでも将来のトップレンジャー候補としてここに来ただけのことはあると、セブンは思っている。
ヌリエ高原の遺跡や、ボイルランド、カバルドン神殿……普通の一年生を連れて行けば、パニックになるか途中で投げ出すかの二択しか考えられないところを、目の前の二人は最後まで自分にできることをやり抜いた。
彼らの努力はハーブとセブンがよく知っているし、議長や教授をはじめとした上層部もしっかり見てくれている。
今日も朝早くから昼前まで、三件の擬似ミッションをぶっ続けで遂行してきたのだ。
動き回りっぱなしで全身汗びっしょりで、肩で荒い息をし続けている二人だったが、表情はどこか晴れ晴れとしているように見えた。
今までの特訓の成果を理解したのか、それとも休みなしで頑張ったという充実感や達成感を噛みしめているのか。
どちらにしても、まだまだいくらでも伸ばそうと思えば伸ばせるのだ。
ここ数日でそれなりに実力を伸ばしているが、焦らずじっくりやっていきたい。
ヤミヤミ団という脅威がアルミア地方を覆っている状況だけに、二人の方が焦って無茶することのないように見張っていくのも、自分の仕事だろう。

(こいつらを快く思わない連中も、中にはいるからな……そういう連中に好き勝手言わさないようにもしとかなきゃいけないか)

いつの間にか反省会を始めているアカツキとダズルを見やり、セブンは数日前の出来事を思い返していた。
カバルドン神殿で手に入れた『王子の涙』を、ダズルの身柄と引き換えにヤミヤミ団に渡し、ユニオン本部に戻ってきた日の夕方のことだ。
セブンが議長に報告していたのを立ち聞きしていた若手のレンジャーが、揚げ足を取らんばかりにアカツキとダズルの失態を詰ったのだ。
もっとも、セブンに言わせれば――というより、大部分の人間の見解ではあるが――、二人とも失態らしい失態をするどころか、むしろよく頑張っていた。
その場でセブンが睨みを利かしたし、恐らくは上層部に呼び出されて涙目になるくらい説教されただろうから、大丈夫だとは思うのだが……
それでも、アカツキとダズルのことを快く思わないレンジャーがいるのは事実だ。
エリアレンジャーの異動は、特に掲示はされず、本人と周囲(職場の同僚)にだけ知らされる。
ゆえに、アカツキとダズルがここにやってきた理由自体は表に出てこないのだが、トップレンジャーと行動を共にしている理由については、基本的に一つしか考えられない。

――『将来のトップレンジャー候補』として、トレーナーを務めるトップレンジャーと行動を共にしている。

将来のトップレンジャー候補というのも、上層部が便宜的に用いている表現に過ぎない。
だが、その表現が事実であるという暗黙の了解が存在することと、事実としてアカツキとダズルがトップレンジャーにかなり近い位置にいることから、トップレンジャーになりたいと思っていたり、トップレンジャーに憧れを抱いているエリアレンジャーからすれば、面白くない。
数日前にアカツキとダズルが二人きりで食事を摂っているところに言いがかりをつけてきたのも、そんな嫉妬に駆られた若手のレンジャーのストレスの捌け口だったのだろう。
現実問題、努力しても報われない人間からすれば、なんの苦労も経験せずにトップレンジャーに近い位置で勉強させてもらえるという一年生レンジャーの存在は許しがたいのかもしれない。

(それでも、あいつらの努力を否定するような言い方を許すつもりはないけどな)

セブンに言わせれば、誰が他人に対して何を思おうがそれは自由だ。
しかし、だからといって相手の努力や苦労も知らずに一方的に自分の気持ちを押し付けるだけというのは、いただけない。
今後も、アカツキとダズルには立場上、いわれのない言いがかりが何度も飛んでくるだろう。
今回、きちんと言い含めてあるから大丈夫だと思うが、一生懸命頑張っている彼らが、周囲の心無い言葉に振り回されないような下地を作っておくことも大事だろう。
即席の反省会で自分たちの至らないところを何度も何度もしつこく確認しているアカツキとダズルに、セブンが声をかけた。

「おまえたちもぶっ続けでやって疲れてるだろう。
ちょうど昼食の時間に近くなったし、続きは午後からにしよう。
午後はキャプチャのトレーニングだ。
おまえたちならなんとかなる程度の、そこそこ強いポケモンを何体か続けてキャプチャしてもらうつもりだから、ちゃんと休んでおけよ」
「はい、分かりました」
「俺はちょっとした仕込みがあるから上に戻るが、休息も大切だ。忘れないように」
「了解っす!!」

ちゃんと言っておかなければ、昼休みさえまともに休息しないまま午後の部に突入しそうな気がしたので、セブンはしつこいくらいに念を押すと、エレベーターホールへ向かった。
人のいない廊下をゆったり歩きながら、思案する。
午前は様々なミッションを想定しての実践訓練。
午後は様々なポケモンを相手にキャプチャの訓練。
ここ数日は似たり寄ったりのことを毎日続けているが、ユニオンが誇るスーパーコンピューターは数万通りのミッションを擬似的に作り出すことができ、数年単位で毎日ぶっ続けでやらない限り、同じ内容のミッションを体験することはない。
マンネリを防ぐと共に、様々なケースに対応できるようにするための措置だ。
ただ、今日の午後は少し違うことをしたい。
セブンが言うところの『仕込み』とは、そのことだ。
今すぐではないが、いずれ必要になること……その『いずれ』がいつのことになるかは分からないが、どうせなら今のうちから慣れさせておいた方がいい。

(まあ、午後は成果ゼロだろうが、しょうがない。
『これがトップレンジャーなんだ』ってことをしっかり認識してもらうだけでも、成果といえば成果だろう)

午後になって課題を言われた時、アカツキとダズルの驚く顔が目に浮かぶようで、セブンは口の端に笑みを浮かべた。
せっかくハーブからアカツキの面倒も看るように頼まれたのだ。
二人分の世話をしなければならないのだから、せいぜい楽しませてもらうとしよう……などと意地悪なことを思いながら、セブンはエレベーターに乗り込んだ。






To Be Continued...

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