第3話 研究者と付き添い

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

「ハーネス博士、本当にいるのか?」
「ここにいるって噂があるんだ。
火の無い所に煙は立たぬって言葉あるでしょ?
きっといるんだよ」

草木を掻き分けて、白衣を来た男性ハーネス博士に、若い黒髪の少年が溜め息を吐き歩いていた。

「こんな森深くまで来て迷うぞ」
「トキヤ君がいるから大丈夫でしょ?」

そうにっこり振り向いてきたら何も言えない。
信じてくれるのは嬉しいが、探索に付き合わないといけないのは面倒だ。

「珍しいんだ。
そんな簡単に見付けれるなんて思ってないから」

やる気に満ちた博士に今日は長いなと考えていると…

「キャンキャン」
「ニィ~ニャニャ」

色んなポケモン達の鳴き声からその鳴き声だけをトキヤは聞き分けてその方向へ向いた。

「博士」
「あ~本当にどこにいるんだろ~」
「博士」
「めっちゃ待ち遠しいよ」  
「博士!!!」
「はい!」

声を上げる博士に口に人差し指を当て静かにさせる。
鳴き声のした方に指を指しトキヤは歩き、博士は頷き着いて行った。

「キャキャン!!」
「ニャーニャー」
「キャン!!」

どんな会話をしているのかは分からないが、見た感じリオルがニャスパーを怒って追い掛けている様だ。

「おーーー、リオルじゃないか!
やっぱりいるじゃないか!!」

きらきらと輝かせる目に、今日はすぐに終われそうだと一安心したトキヤだったが、笑って逃げていたニャスパーが立ち止まった事でリオルがぶつかった。

「ギャン!?」

鼻を痛そうに擦るリオルとは裏腹に、ニャスパーは隠れている俺達の方に向き

「ニィーー!!」

威嚇声を上げて両耳を上げて目を光らせた。

「何でばれたんだ!?」
「博士のせいだろ」

リオルだけ何が何だか分からないかの様にして首を傾げていた。
俺達は隠れていた草木から出て攻撃する気が無いと伝えるように両手を上げた。

「僕は君達に何もしないよ!
ただポケモンの事をしりたいだけなんだ。 
そこのリオル、滅多にいないからリオルやルカリオの事を教えて欲しいんだ」

穏和に話す博士に、少年は後ろでモンスターボールを握り締めていた。
じーっと二人を怪しむニャスパーに、リオルは二人を見てニャスパーに話し掛けるように鳴いた。

「キャン」
「ニィー」 
「キャンキャン!」 
「ニィニィ?」
「キャーン!」  

説得してくれている様子のリオルに、ニャスパーは仕方無く耳を閉じた。
リオルもニャスパーもどちらも信頼しているような関係だ。
攻撃体制を解いた事で一安心した博士は

「リオルもニャスパーも可愛いな~」

ポケモン愛を表す姿にぞわっと鳥肌が立つリオルとニャスパーだった。



────来ちゃダメ!─────

頭の中に響いてきた声に目を見開き耳を横に立たせる。
母ちゃんの切羽詰まった声、何かあったのか不安に刈られる。
目を閉じ腕を横に伸ばして波動を感じる。
母ちゃんの様にまだ上手く出来ないけど、今母ちゃんが危ない。
何が起こってるのか、母ちゃん大丈夫なのか…

ルキの異変に直ぐに察したニース。
それは、人間にも伝わっていた。

母ちゃん!!

俺は目を開け走り出した。
後ろから着いてくるニースに人間も気にせず走った。

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