第二十六話 犠牲の上に

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

お待たせしました。第二十六話です。
[第二十六話 犠牲の上で]

「………!」

咄嗟にぐっと目を閉じるハヤテ。だが次に感じたのは刺される痛みではなく、ポタッ……と顔に何かが滴る感覚だった。

ハヤテがゆっくりと目を開くと、

「ラグラージ…?」

自分とパルキアの間にラグラージがいる。そのラグラージの胸元から黒い棒が生えている。それが闇の槍である事、其処から自分の顔に滴る液体が血であることを認識するまでに少し時間を要した。

「…ふ…ふふ……ハヤテ、大丈夫か…?」

苦しみと何かしらの達成感が入り混じり、痛みで顔をしかめながらラグラージは無理に笑みを浮かべた。

「ラグラージ!」

ハヤテは悲鳴にも似た声でラグラージの名を呼ぶ。だがその瞬間、

「うぐぐ…ハヤテ……」

ドスッ…!ドスッ…!という音とともに、ラグラージの体に更に二本の槍が突き刺さった。

「チッ……邪魔だ…!消えろ!」

その上からパルキアは、更にもう一本の槍を作り出し、高く振りかざすが、

「やらせるかぁ!」

飛び込んできたツバサとデンリュウの蹴りを受け、その場から飛び退いた。

「ハヤテ!ラグラージを端に寄せろ!」

慌てて上ずった声で、ツバサはハヤテの方を向きそう叫んだ。ハヤテは指示通りに、駆けつけたバシャーモ、ジュカインと共にラグラージの体を広場の端に運んだ。

「ラグラージ!しっかりしろ!」

ハヤテは必死に呼びかけるが、背中から三本の槍が体を貫通したラグラージに助かる見込みは、無い。ハヤテはラグラージの傷元に手を当て、波導を使って塞ごうとしたが、ラグラージは震える手でそれを制した。

「ラグラージ……」

「いいんだハヤテ……俺は最後にお前を……守る事が出来た…から……」

ラグラージは肺を貫かれ、呼吸すら満足に出来ていない。それでもなんとか笑顔を浮かべようとするラグラージを見て、ハヤテは胸が痛くなった。

「ハヤテ…これだけ言っておく……俺の事は…気にするな……。多くの…命が…失われる前に…必ず…パルキアを…ダークライを倒すんだ…!」

「ラグラージ…わかっている…!」

ハヤテの目からポタリ……ポタリ……と涙が溢れる。ラグラージはそれを見て、フッ……と微かに笑うと、ハヤテの手をぐっと握りしめた。

「ラグラージ……」

それも一時のことであり、ラグラージは安心しきった穏やかな表情のまま、その命を散らした。

「ラグラージ。安らかに眠れ。」

ハヤテは亡骸となったラグラージから三本の槍を丁寧に引き抜くと、その体を横たえ、その手を胸に置いた。

「…………。」

ハヤテは立ち上がると、未だパルキアと睨み合いをしているツバサの横に並んだ。

「ハヤテ。仲間とのお別れは済んだのか?」

ケラケラと笑いながら、馬鹿にしたような口調でパルキアはそう言った。パルキアは平常時も粗暴な性格だが、普段のパルキアでもそんな事は絶対に言わない。闇はポケモンの心をここまで変えてしまうものなのか。

「お前としては幸運(ラッキー)なんだろうが、始末し損ねた俺としては嬉しくないね。」

パルキアの周りには、常に渦巻くように闇が発生している。パルキアは其処から触手状にした闇を数本作り出した。

「だから、今度はお前らまとめて殺してやるよ!」

そう叫ぶとパルキアは、触手状の闇を次々に発射した。

「来ましたよ!触れるだけでも危険です!上手く避けて!」

デンリュウが大声で呼びかけ、皆が退避する。しかし闇は全てハヤテの方を向いている。パルキアはまとめて、と言ったが、やはり狙いはハヤテのようだ。

「くっ!」

ハヤテは左右に動いたり、棍棒で弾いたりしてそれをかわす。そして埒があかないと思ったのか、一瞬で棍棒に波導を纏わせると、闇を手前から次々に粉々にし、その間を抜けてパルキアに接近する。

「おっ!速いな!」

ハヤテの突然の行動に驚くとともにハハハハッと笑うパルキア。ハヤテは黙れと言わんばかりに跳び上がり棍棒を手前に引き寄せると、パルキアの目の前で落下しながらそれを真っ直ぐ突き入れた。

「いい攻撃だ。だが……」

パルキアは何重にも張った闇の壁を目の前に作り出した。

「無駄だ!波導は闇を打ち砕けるのだぞ!」

波導を纏った棍棒で突かれた闇の壁は、まるでガラスのようにバラバラに砕けていく。パルキアの張った計10枚の壁の真ん中を棍棒は止まることなく貫通し、その一撃がパルキアに入った。が、

「ぐっ…動かない…?」

叩き込んだ棍棒が、固定されたかのように動かないのだ。ハヤテがどんなに力を込めてもピクリともしない。

「パルキア!何をした!」

闇の壁が溶けるように消える。その後ろでパルキアは平然と立っているのだが……

「ククッ…残念だったな。ハヤテ。」

薄気味悪い笑みを浮かべるパルキアの右手……ハヤテの棍棒はその中にきっちりと収まり、握りしめられていた。

「どうやって止めた…?」

「どうって……見れば分かるだろ。手で止めたんだよ。」

「波導での一撃も受けずにか…!」

「ああ、そういうこと……」

パルキアは納得した表情でハヤテを見ている。右手の棍棒は握りしめたままだ。

「なら教えてやろう。お前の波導は確かに闇を打ち砕ける。だが勘違いするな。波導は『闇を破壊できる力』ではなく、『闇に対抗できる力』だ。」

「どういうことだ…!」

「説明してやろう。が、その前に、」

パルキアはカッと目を見開くと、右手の棍棒を一気に手前に引いた。強く握っていたハヤテはなす術なく引っ張られ、パルキアは無防備なハヤテの腹部に強烈なラリアットをかました。

「がはっ…!」

ハヤテは吹っ飛んでいき、壁に衝突する手前でツバサに受け止められた。

「ずっと握っていては、手が疲れるからな。」

腹部を押さえ、苦しそうにハヤテは咳き込む。パルキアはその様子を面白そうに眺めていた。

◆◆◆

咳き込んできたハヤテがようやく落ち着いてきた頃、パルキアは口を開いた。

「さて、まずは闇の仕組みからだな。俺たちは闇を当たり前のように硬化させたり、逆に軟化させたりするが、その仕組みを考えた事があるか?」

「…………。」

ハヤテは答えずにじっとパルキアを睨みつけている。

「…だろうな。お前たちにとって、闇は未知数のものだからな。よく聞け。俺たちが闇の状態を変化させるために『ある物』を使っている。」

「…『ある物』だと…?」

「それはな、『波導』だ。」

「何…!?」

予想だにしないところでその言葉が出てきた事に、ハヤテも若干の驚きを隠せない。パルキアは説明を続ける。

「この闇というのは得体の知れぬものでな。生き物でないにもかかわらず、波導を持ち合わせているのだ。そしてどういう原理か知らんが、こいつは俺たちが波導を奪う事で硬くなり、波導を吸収すると柔らかくなる。」

パルキアは話しながら手のひらで闇を硬化・軟化して見せた。闇はパルキアの思うがままに、形を変えている。

「俺たちはお前と違って波導を自在に扱う事ができない。だが闇の形状を変えたい…!と頭の中で思うと、勝手に闇が反応し、自分の想い望んだ形となる。そういう点では、ある意味生き物なのかも知れんな。」

「だが、それと、『波導が闇に対抗できる力』がどうつながると言うんだ!」

「話は最後まで聞けよ。いいか?言ったように闇が硬化している時は、闇は波導を持っていない状態だ。其処にお前の波導を纏った何かが当たるとどうなる?…そう、砕けてしまう。闇が波導を受け取り、軟化してしまうからだ。だが、闇も一瞬で波導を吸いとれる訳ではない。この量の闇を軟化させるのに、急いでも2秒はかかる。対してお前の波導が当たる時間は僅か0.1秒。」

パルキアは両手を使って、ハヤテが棍棒を闇に当てる手振りをしている。

「そんな時間では闇は波導を、僅かな量しか受け取れない。調節された訳でもない量の波導を受け取った闇は、その部分から脆くなっていく。加えてお前の打撃攻撃だ。一瞬で砕ける事は想像できるだろう?」

パルキアは足元に散らばっている闇の破片に手を向け、自分の元へ引き寄せた。バラバラだった破片はひとつにまとまり、パルキアの言う、『波導を万全に受け取った状態』に戻った。

「闇に含まれる波導の量が少ないほど硬くなり、逆に多くするとマックスでこの様に、霧の様な状態になる。波導の量を上手く調節すれば、固まっていながらも、柔らかさを持つ闇も作れるのだ。」

「つまり、お前が先ほど、私の波導での攻撃を止めたのは……」

「調節した量の波導を含ませた闇で防御したからだ。僅かに波導を含んだ闇は、波導による攻撃に対し、それなりの耐久性を持つ。無論、完全に防げる訳ではないのだが、勢いを奪うには十分だ。」

(そうか……だからあの時のツンベアーへの波導攻撃も防がれたのか……)

ハヤテはいつかのツンベアーとの戦いを思い出した。あの時はハヤテの波導弾もそれを纏った手足での格闘攻撃も全て防がれてしまった。思えばあれらを防いだ闇は全て、帯状であったり触手状であったのだろう。

「だが、それだけで私の攻撃が止められるとは……」

「お前との間に闇の壁を出しただろう。あれは1枚目だけは頑丈にしたが、あとは僅かに波導を含ませた壁だったのさ。それだけあれば、いくらお前の攻撃でも防ぐ事は難くない。」

ハヤテは納得した。パルキアの咄嗟の状況判断力と、闇の力を目の前で見せつけられ、更にそれについての詳しい説明である。納得せざるを得ないだろう。

「…しかし、何故其処まで知っている…?」

「なに、ダークライから聞いただけさ。それより、続きを始めるぞ?」

そう言うとパルキアは、手に持っていたハヤテの棍棒を思い切り前方に投げ飛ばした。棍棒は回転しながら飛び、真っ直ぐハヤテを狙うが、ハヤテは簡単にかわし棍棒は後ろの壁に突き刺さる。

「全員離れてろ!」

後ろに回した手で壁に刺さる棍棒を手に取ったハヤテは、周りに対し離れる様に叫んだ。

パルキアは闇を変形させ、自身の背丈ほどもある巨大な大刀を作り、前方へ走り出すとハヤテを狙い振り下ろした。ハヤテは後ろに回転しながらそれを避け、大刀は石壁を両断した。

「上手く避けるな。それでこそお前だ。」

パルキアはハヤテ目掛けて大刀を振り回す!大刀は地面を砕き、砂塵を舞い上げた。ハヤテはそれを避けつつ後退し、パルキアはそれに伴い、ズンズンと前に進んでいた。

(ここだ!)

あるタイミングを好機と見たハヤテは、波導を纏わせた棍棒で大刀を真っ二つにした。

「ちっ!」

パルキアは舌打ちすると、右手を振り上げ、《ドラゴンクロー》を発動。しかし攻撃は外れ、地面に陥没を作った。その隙にハヤテはパルキアの後ろへ回り、パルキアの首に棍棒を引っ掛けると、そのまま《神速》を使用し、その勢いを利用してパルキアを背中から地面に叩きつけた。

「…!、あれは…!」

その様子を見たツバサは何かに気づくと、手招きでハヤテを呼び寄せた。

「ハヤテ!今のパルキアの動きに思い当たるところがある。試してほしいことがあるんだ。」

ツバサは何かをハヤテに耳打ちし、ハヤテは「わかった。やってみよう。」と了承した。

「イテテ……やるじゃないか。」

地面にぶつけた後頭部を摩りながら、パルキアが立ち上がった。ハヤテもパルキアの方を向く。

「今のはよくやったな。だが次はそうはいかんぞ!」

パルキアがそう叫ぶと同時にハヤテも駆け出した。パルキアは闇を触手状にし、先端を鋭く尖らせると、幾つか作り出したそれをハヤテ目掛け打ち出した。

(見切った!)

ハヤテは迫るそれらを体を捻りながら上手く避け、パルキアの目の前まで迫った。

「ちっ!喰らえ!」

パルキアは素早く闇を剣状に変形させ前に突き出すが、それよりも早くハヤテは地を蹴って跳び上がり、パルキアの頭を掴んで土台にしつつ、回転しながら反対側に着地した。

(速い!しかしこの位置なら闇の速度を利用して…!)

「もう一発行くぞ!ドラゴンクロー!」

この位置なら避けられまい、パルキアは高を括っていた。だが、

「なっ!また避けられただと!?」

パルキアが自信を持って繰り出した技をも、ハヤテはあっさりと避けてしまったのだ。

「何故だ!何故2回も避けられる!」

叫びながらパルキアは、目の前のハヤテに三たび、《ドラゴンクロー》を繰り出したが、ハヤテはひょいと体をよじってまたもや避けてしまった。

「畜生!だったらこれなら……」

パルキアは電気を帯びた手を前に突き出した。

「10万……」

「させないぞ!」

パルキアのする事を察知したハヤテは、パルキアの手を上に蹴り上げると、そのまま無防備なパルキアの腹に蹴りを入れた。

「ぐおおっ…!」

パルキアは腹部を押さえながら後退し、その場に跪いた。

(やはりそうだ!これがパルキアの弱点か!)

一連のパルキアの動きを見たツバサは、その中でパルキアの弱点を見破ったのだ。それはハヤテも同じだった。

(パルキアは闇を得て、その身体能力や速度が飛躍的に上がっている。だがその反面、技の速度は極端に落ちている…!
恐らく技を繰り出そうとするいつもの感覚が、闇の速度について来れていないんだ。闇を得るとこんな弱点が生じるとは…。)

技を放つにはまず、その技が関係してくる体の部分にエネルギーを送り、力を込めなくてはならない。例えばハヤテの《波導弾》は手のひらに、ツバサの《火炎放射》は喉元に力を込める。その行為自体はポケモンにとって、ごく普通のことなので大抵のポケモンは一瞬で出来る。

対して闇の力は、闇に波導を吸収させるか奪うかで、操作ができる。技との違いは、闇はエネルギーを必要としない点であり、その部分を考えれば闇の方が性能が良い。

しかし技のエネルギーと闇の力は水と油の様に、混じり合うことが出来ないのである。つまり、闇によって移動速度が上がったのはいいが、その状態で技を使おうとしても、技のエネルギーが闇の速度についてこれず、結果として技の発動が遅れてしまうのだ。更に技を放とうとする間は無防備なのだ。そこを攻撃されては元も子もない。

「何故だ!何故技が当たらない!?ハヤテ!俺に何をした!」

「別に何もしていないさ!闇の力を得た事で、お前は自分の力を過信しているのだ!」

ハヤテはパルキアに向かってそう叫ぶと同時に、波導を使ってパルキアの後ろで自分の頭を指差しているツバサの考えを読み取った。

「信じるか…!俺は闇を自在に操れているんだ…!それをお前を使って証明してやる!」

パルキアは素早く闇で杭を作り出し、ハヤテに向かって次々に発射した。しかしハヤテにとってはもう、見慣れた攻撃である。ハヤテは大きく旋回しながら走り、パルキアの後ろへ回った。

「逃げられないぞハヤテ!砕け散れ!」

ハヤテと距離を取り、両手に力を込めたパルキア。その状態から放たれた無数の斬撃。パルキアの《亜空切断》がハヤテを一気に襲う。

「パルキア……闇から解放された時は……自分の行いを悔いてくれよ…?」

合わせた両手の先に、銀色のエネルギーが集中する。それを一度、後ろへ引くと、斬撃へ向けて放った。

「ラスターカノン。」

放たれた鋼のエネルギーは斬撃に当たった次の瞬間、まばゆい光を放ち炸裂した。

「ぐっ…前が見えん……」

発生した水滴が白い霧状になって、パルキアの目眩しをする。しかしハヤテは、パルキアの位置をしっかりと把握していた。

「今だ!一斉にかかれぇ!」

霧の中を指差し、ハヤテがそう叫んだ瞬間、その後ろからツバサを筆頭に、デンリュウらポケモン調査団、バシャーモたちが一斉に飛び出した。

「動くなよパルキア!エアスラッシュ!」

先頭のツバサが真っ先に、霧の中心に向けて大きなカマイタチを放った。それは霧を吹き飛ばし、その先で辺りを見回していたパルキアに直撃した。

「何だ……がああっ!」

技の当たった右腕を押さえ、後退したパルキア。それでも左腕に力を込め、前に見えるツバサを撃ち落とそうとするが、

「まだまだ行きますよ!」

パルキアの後ろへ回っていたデンリュウが、パルキアに《雷パンチ》を放った。

「ぐがあっ!し…痺れ……」

デンリュウの攻撃はパルキアに直撃し、更にパルキアを麻痺状態にもした。

「今です!連携攻撃を!」

デンリュウの呼びかけと同時に、パルキアの前方からポケモンたちが突っ込んできた。

「うおおおおっ!俺たちの力を見ろぉっ!」

一斉に飛び出したポケモンたちが、麻痺して動けないパルキアに向かって、それぞれの技を同時に放つ、連携攻撃を繰り出した。

「ひぎ…ぎゃああああっ!!」

急所をさらけ出したパルキアに、ポケモンたちの一斉攻撃が入り、パルキアは悲鳴を上げ、建物の壁を打ち抜きながら吹き飛ばされたのだった。

◆◆◆

「お……おおっ!」

「やった、やったぞ!」

「うおお!俺たちの勝ちだぁっ!」

皆が歓声を上げ、互いに抱きしめあったり子供のように跳んだりして、喜びを爆発させている。

ハヤテとツバサは瓦礫を蹴散らしながら、倒れるパルキアの元へ向かった。

「…うぐ……はぁ……はぁ……」

荒い呼吸を繰り返すパルキアは、目線の先のハヤテとツバサの存在に気づいた。

「う……ハ、ハヤテと…ツバサか……」

パルキアは苦しそうにしていたが、少ししてフッと口元を緩めた。

「ありがとよ……俺を闇から解放してくれて……」

「パルキア、お前、闇が消えたのか!?」

「いや、消えたわけじゃない……」

するとパルキアの顔から笑みが消えた。歯を食いしばり、何かに耐えているようだ。

「俺の意識が戻ったのは今だけだ…!今度は…完全に意識を奪われる…!そして…別の場所を襲撃させられる…!」

「パルキア…!」

「頼む…!誰かを傷つける前に…俺を……止めてくれ…!」

「わかった!何処を襲撃させられるのかわかるか?」

「俺よりも…先にそこへ行け…!向かわされるのは…恐らく…避難所…!……………………!」

避難所と言うと同時に、元の状態へと戻ったパルキアの赤い目が、黒い瞳孔も含めその全てが、真っ赤に染まった。

「ググ…メイレイダ……」

完全に自我を失ったパルキアは、一気に空に浮かび上がると、街の東側へと飛んで行った。

「くそっ!俺はあいつを追う!ハヤテ!お前はみんなにこの事を知らせろ!」

「わかった!気を付けろよ!」

そう言うと、ツバサはパルキアの後を追い、飛んで行った。

「急いで向かわねば…!あの状態のパルキアは…非常に危険だ!」

これまで以上の焦りを見せるハヤテ。パルキアの脅威は、相当なものだった…!
いかがでしたでしょうか。死んだはずのラグラージが他のポケモンたちと共にパルキアに飛びかかるという執筆ミスをしている事を、この小説を編集して気づきました。というかこれまでずっと間違えたまま公開してたのか……

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