第29話 難攻不落のレジたち

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「それでは始めるぞ!エストくん!」

「はい!よろしくお願いします!」

 二人は同時にボールを投げる。

「よろしく!ミナト!」

 僕は先発にミナトを選んだ。

「頼んだぞ!レジアイス!」

 変(と言ったらジンダイさんに怒られそうだが)な鳴き声を出して現れたポケモン。
「レ....レジアイス。」
 流石はジャックの師匠だ。伝説を繰り出してくる。


「行くよミナト!ハイドロポンプ!」

 レジアイスに激流をぶち当てる。
 だが流石は伝説。一つも怯まない。
「レジアイス、凍える風!」

 辺り一面にひんやりとした風が吹きわたる。足元が少し凍り、ちょっとだけ動きにくくなる。

「今だレジアイス、電磁砲!」

 レジアイスは背中に生えている四本の突起の先からそれぞれ電流を発し、それを一つに纏めて弾を作る。
 それをミナト目掛けて発射する。

「ならばミナト!ミラーコートだ!」

「何ッ!」

 ミナトが跳ね返したエネルギー弾はレジアイスを吹き飛ばす。
 ジンダイは驚いていた。
「流石はバトルフロンティアを制覇した者。並々ならぬ強さを感じる。面白くなってきたぞ!行け、レジスチル!」

 鋼の体を持ったポケモンが出てくる。
 腕をくねくね動かしながら立っている。

「ミナト、吹き飛ばせ!ハイドロポンプ!」

 エストはミナトにハイドロポンプを指示する。
 レジスチルに命中。
 だが、殆どダメージを受けた様子はない。

「レジスチル、ドわすれ!」

 ジンダイが声を上げる。レジスチルの特防が上がる。

「ミナト、ハイドロポンプ!」

 しかしもうほぼダメージは無い。

「レジスチル、ドわすれ!」

 また特防が上がる。

「レジスチルの耐久力を舐めるでないぞ!もうこいつは並大抵の特殊技じゃ落ちん!」

 ジンダイはニヤリと笑って言う。

「....知ってます。ミナト!ドラゴンテール!」

 エストはミナトに大声で指示を出す。レジスチルは吹き飛ばされ、ジンダイの手元に戻る。

「ま、まさか!」

 またもや予想の斜め上を行かれたジンダイ。
「ハッハッハッ!ここまで強いトレーナーとお手合わせ願えるのは久しぶりだ。楽しくなってきたぞ!行けい!レジロック!」

 ドシンと地面を揺らして出てくるレジロック。

「ミナト!ハイドロポンプ!」
「レジロック!ロックカット!」

 レジロックはミナトが放った激流を堪えながら自身の体を削り、素早さを上げる。

「ハッハッハッ!儂のレジロックの持ち物は....弱点保険だ!」

 ジンダイさんはニヤリと笑い言う。

「まさかッ!」

 今度はエストが驚く番だった。

「やれ!レジロック、ストーンエッジ!」

 岩がミナトの体に直撃する。

「まずい!ミナーー」

「ドレインパンチだ!」

 速すぎた。

 自身の体を削ったことによりレジロックの素早さは倍。あのサンダースやクロバットですら抜く素早さだ。

「岩タイプ....そうか!ライン、頼むよ!」

ーーOK!

「成る程。フライゴンならば岩を半減できると見たか。だが甘い!レジロック!れいとうパンチだ!」

「なら避ける!ライン!鋼の翼でれいとうパンチを弾くんだ!」

 飛び掛かってきたレジロックの拳に一撃加える。
 しかしレジロックは殆どダメージを受けた様子はない。やはり得意技でなければダメか。

「レジロック、れいとうパンチ!」

 またもや拳に冷気を纏わせ殴りかかってくる。エストもそう何度も同じ手で技を透かさせてくれるとは思っていない。
「ライン、アイアンテールで地面に叩き付けて!」

 鋼の尾は飛び掛かってきたレジロックの脳天に直撃。地面に撃ち落とす。

「そのまま、じしんだ!」

 ラインは急降下し、地面を殴る。
 大地震が起こる。その揺れはバトルフィールド外にも伝わり、その揺れでジャックが転ぶ。

「やったか!」

 完璧にコンボが決まった。

 いくら素早くなっていても空中戦はラインの方に利がある。



 はずだった。





「惜しかったな。ドレインパンチ。」

 土煙の中からレジロックが飛び出してきて、じしんの直後で隙の出来たラインを殴る。

 れいとうパンチを透かしてはいたもののその時に受けていたダメージも相まって、ラインは倒れる。


 まだレジロックの体力は半分ほど残っている。しかしエストは急に笑い出す。

「ふふふ....ジンダイさん、ラインがやったことは全て今からすることの布石だったのですよ」


 その言葉にジンダイは驚きを隠せなかった。

 その驚きをよそに、エストはボールを構える。
カプ・レヒレ「次回30話だけど記念の何かするの?」
エスト「....あの人にそんなアイデアがあると思う?」
カプ・レヒレ「....(察し)」

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