3話-1 初めの第一歩目は不安のバックステップ

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

この作品に登場する学校等の建築物はフィクションです。現実に存在する組織や団体とは一切関係がございません。
Western Continent Mars Polytechnic (西大陸マーズ科学技術専門学校)通称 WCMP。

マーズタウンはたくさんのポケモンがにぎわうかなり大きめの町。木造の住宅街や商店があり、狭い地域ではあるが人口は70万。デデンネのギルドから歩いて一時間ほど歩いたところにあるマーズタウンという地域にある鉄筋コンクリートでできた5階建ての巨大な専門学校である。マーズタウンで鉄筋コンクリートで建てられたものはこの学校だけである。

ここではダンジョン、医療、先進科学、工業、商業、考古学、心理学など様々な学科があり、入学が困難な名門校である。ダンジョン専攻科では学内で探検隊国家公務員試験が受けられる。

内容は筆記試験と実技試験(実際にダンジョンに入って判断力や行動力などを点数化して行う)。各600点満点で、合計900点で合格。試験は3月と9月の年二回。合格率は7%。流石は国家公務員試験だ。そして、その試験に合格した時点で卒業することができる。

配布されたB5サイズの教科書を見てみると細かい文字で書かれた文章が約1250ページ。ずっしりのしかかる教科書や参考書を持っているだけでも吐き気がしてくるほどであった。

電気野郎はぱらっと教科書を開くと、



なんだこれは。
文字が読めない。ぐちゃぐちゃしていて全く読めない。これは何語?
クッソ。
話すことはできるのに、文字が分からない。
思わず電気野郎は舌打ちをしてしまう。
しかし、この世界で生きていくためには字を覚えて書けるようにしなくてはならない。
最悪だ。俺はこれから字から学ばなければいけないのか。



あれ?なぜかは知らないけど、この絵、見たことある。わかる。これもこれもこれも、わかる!ダンジョンで主に使われる道具、不思議のたま、特性、相性、わざ、なんて書いてあるかは分からないが教科書をぺらぺらめくっていくと、絵でや図でなんとなくわかる。人間だったころの知識が残っているということなのだろうか。よくわからないが、これはラッキー!筆記試験は問題なさそうだ。あとは実技試験だけ。っと思っていたら。…うっ!数学!!科学!!歴史!!物理!!そして考古学!!やはり勉強するしかないのか。…そもそも数学とか探検隊になって使うの?これやる意味あるの?…やはり勉強するしかないのか…。


「なぁ、そういえば試験が3月と9月にあるけど今って何日なの?」
電気野郎は不思議そうに言った。

「5月18日よ。」

「じゃぁ一番近い試験は大体三か月後だな」

「早い場合、2か月で卒業した人もいるらしいわよ。」
バケモノだろそいつら。

「じゃぁ僕ら、頑張ればいけるんじゃね?」
カイトよ、その自信はどこから出てくるのか。俺にはわからない。

「あのさぁ、悪いけど俺、ダメかもしれない。文字が分からない。なんて書いてあるかさっぱり分からない」

「「………はぁぁぁぁぁぁ?!」」
学生が30匹程度いるだろうこの教室に叫ぶ声が響く。

「じゃぁ一から教えてあげるわ。カイトも協力して。みんな一緒に合格するわよ!」
意外にもミルは受け入れてくれた。果たして俺は合格できるのか?合格するまでにどれくらい時間がかかってしまうのだろうか。
俺はこれからどうなってしまうのだろうか。地獄だ。俺は他の誰よりもスタートの位置が…。挫折してしまうのではないか。不安が募る。






16:00 学校の講義が終了し、向かう先はガルーラが営んでいるカフェ&レストランへ。

このカフェはマーズタウンNo.1の有名店である。いろんな種類の料理があり、いつ来ても大勢のポケモン達がカフェで食事をしながら話したりしている。その店に入り中をうろうろしていたら大きな影が近づいてきた。店長のガルーラである。

「あらあなた達、どうしたの?」
友達感覚で話しかけてきた。

「あの‥‥アルバ‥‥」
「あぁ!あなた達が!デデンネから話は聞いているわ。卒業するまでの間よろしくね!」


「「「おねがいします」」」

「じゃぁ早速これを運んでもらいましょうか。重いよ?」
ガルーラがそう言って指をさした先は大きな小麦粉の袋。言われた通り運ぼうとしたら


「ちょっとこれ‥‥大きすぎじゃない?」
ミルの口から漏れる。袋の大きさは三匹の身長より大きい。一人では運べないだろう。三人で運ぶことにした。

「ちょっ…なにこれ…!!」


「「クッソ重い!!!」」








仕事の内容としては

ピカチュウが運び&接客と会計

カイトが裏方仕事(荷物運び、食器洗いなど)

ミルが料理担当

ということになった。





「ピカチュウ君~これ運んでー」
「はい!」
「おいそこのピカチュウ君~会計よろしくー」
「はい!お会計は‥‥‥。ありがとうございました!」
「ご注文はお決まりでしょうか?」
「この特製スープラーメン麺ちょい硬こってり味で。俺オボンの実アレルギーだから抜いといて」
「かしこまりました!」
「オイそこのピカチュウ!あくしろよ注文はまだなのか!」
「ピカチュウ!!ほら走って走って!!あそこでお客さん呼んでるよ!」
「ピカチュウ君~これお客さんとこ運んでー」
「ピカチュウ!!」「ピカチュウ君~」「ピカチュウ」


(うわああああああああああああ嘘だろ‥‥仕事ってこんなに大変なのかよ…冗談じゃねぇよ…ハァ…ハァ……。)
楽な仕事なんて無い。ある訳がない。仕事とはそういうものである。慣れるまでまだ時間がかかりそうだ…というか慣れるとは思っていない。結局、仕事が終わるpm10:00まで休めることはなかった。




pm11:00  仕事を終えた三匹はギルドの柵のそばにいる門番に通してもらい帰宅。

in自室


「あぁぁぁぁぁ!!死ぬ!!疲れた!!!死にそう!!」
電気野郎が叫ぶ

「あぁぁぁぁぁ!!体が重い!!!」
カイトも叫ぶ

「全くその通りよ‥‥‥」

「でも、おやっさん(ガルーラ)とこのまかないは美味いよな!!」
(カイトたちはガルーラのことを「おやっさん」と呼ぶらしい…ガルーラは女性なんだけど…)

ガルーラの店では仕事終わりの店員にまかないが出る。ガルーラのお店の一番の名物、マラサダだ。
発酵させたパン生地を油で揚げて砂糖をまぶす。そして、柔らかくてとっても甘いカイスの実が入ったホイップクリームを中に注入!直径18cmの大きいマラサダ、これがもう絶品!マーズタウンで知らない者はいない超人気なお菓子である。店で出せない実の切れ端などを使って作るまかないの味は少々落ちるが美味い。腹をすかせた彼らにとって最高の晩御飯である。


「夜の十時にあんな甘いものを食べると太りそうなんだけど‥‥」
ミルがボソッと呟く。
確かにそうである。あんな大きくて甘いものを夜に食べると確定で太る。だが、あんなに働いて太ると思ってんの?バイト中ずっと“でんこうせっか”を使い続けてる気分だ。汗だくになって働いているのに太るわけがない!

太るわけがない!!なんせギルドからマーズタウンまでは片道一時間かかるうえ働くのだ。そうだ、太るわけがない!!

三匹は風呂に入り(言っておきますが男女別々です。三匹一緒に入ったわけじゃないからな!ミルはレディ(女)だから!)、学校で習ったことを軽く復習。明日のために早く寝…ることはできずカイトとミルに文字(語学)を教えてもらっていた。結局寝たのは深夜1:40だった…。


午前5時半に起きて朝飯

午前6時に走って一時間かけて学校へ

午後4時に講義終了

午後10時までアルバイト

午後11時に帰宅

身支度を済ませ(風呂など)学校で習ったことを軽く復習

午前0時 就寝

という生活を月曜から金曜日まで行う。

土曜日が一番地獄。午前9時から午後10時まで働く地獄の13時間労働。

日曜日は休みだが、今までたまっていた課題やレポートを片付ける。それがない日はゆっくりしたり、遊びに行ったりした。しかし、勉強をやらない日はなかった。

修行5日目。金曜日。筋肉痛が収まらないww

修行15日目。月曜日。疲れがたまり授業中に寝ることが多くなってしまった。

修行28日目。日曜日。宿題が多く残っていたのに三匹とも寝落ち。起きたのが午後7時。宿題は極限状態になって終わらせた。死にそう。


毎日が辛かった。だが、おやっさん(ガルーラ)の店のマラサダが雄一の救いだった。日によって味を変えてくれたり、タイプで好みが違うグミ(高価)を入れてくれたりした。
バイトで電気野郎は慣れが出てきた。
疲れが出ることはあまりないようだ。だが、注文のミスがあったり、料理を持っていくポケモンを間違えたり、注文で承った料理をド忘れしたり。失敗はそこそこ多くあるようだ。
(そういえばカイトやミルはどうなんだろうか。上手くやっているのだろうか?)
様子を見に行きたいがそんなことしている余裕はない。






修行45日目


見えないナイフが突き刺さる。
見えないナイフが突き刺さる。
電気野郎「バイトをする理由って何?」

知らない‥‥

(後で分かります)

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