side ストレートバレンタイン

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

フィオーレ「バレンタイン過ぎてるけど…。」
シルヴァ「そこはあれです…お約束というやつです…。」
〜キングドラの部屋〜

キングドラ「…今日は貴重な時間を潰して私の部屋に集まってくれてありがとう…心から礼を言う…。」

エーフィ「謝ることはありませんよ…それにキングドラさんのその顔…とても重大なことなのでしょう?」

キングドラ「……。」

フィオーレ「全員は集めれなかったけどね…で…今日私達を呼んだ理由ってなに?」

キングドラ「あぁ…実はお前達に頼みたいことが…。」

ミミロップ「ちょっと待って!」

シルヴァ「ミミロップ様…急に大声はやめてください…心臓に悪いですから…ほら、ドレディア様が固まってます。」

ドレディア「………!」

ミミロップ「あらら…ごめんなさいね…では気を取り直して…キングドラ!貴方が今回私達を集めた理由…なんとなく分かったわ!」

キングドラ「あ、あぁ…言ってみてくれ。」

ミミロップ「ズバリ!男よ!」


キングドラ「………。」

フィオーレ「……。」

シルヴァ「……。」

エーフィ「……。」

ドレディア「……。」

デンリュウ「…男…?」


フィオーレ「うわぁ!?デンリュウいたの!?」

エーフィ「全く気づきませんでした…!」

デンリュウ「えっと…今…きた…。」


ミミロップ「デンリュウも来てくれたところで…さぁ!キングドラ!この答えは正解かしら!?」


正解間違いなし、と言わんばかりにドヤ顔を決めるミミロップ、色恋沙汰に関してはエキスパートな彼女らしい考え方だった…キングドラは黙ったまま下を向いており表情が読めない…。

フィオーレ「…ミミロップ…確かに私達女の子が集まったらそんな会話もするとは思うけど…。」

エーフィ「キングドラさんは流石に…。」

キングドラ「……だ。」

デンリュウ「ん?…キングドラ…なに…?」

キングドラ「正解…なんだ…。」

ドレディア「正解…というと?」

キングドラ「その男についてなんだ…!今日お前らに集まったもらったのは…!」

ミミロップ&エーフィ「な…なんですってえぇぇぇ!」

フィオーレ「聞いた本人が驚いてどうするの…。」

シルヴァ「エーフィ様も…空気を読んで乗らなくても…。」

エーフィ「えへへ…つい…。」

ドレディア「キングドラさんが男性について相談するとは珍しいですね…事情を聞いても…?」

キングドラ「あ、あぁ…みんなは俺が人間の文化について調べるのが趣味なのは知ってるな?」

フィオーレ「そうなの?」

デンリュウ「元はこの世界人間もいて…もう消えた文化もあるから…それを調べてるの。」

フィオーレ(多趣味なのね…ぬいぐるみも作るし。)

エーフィ「それでキングドラさんは人間さんがいたということを忘れないために文化を広めていくのが夢なんですよね!」

キングドラ「あぁ、それについてなんだが…明日が俺たち女にとって大切な日だと言うことが分かったんだ…!」

デンリュウ「明日…?」

ドレディア「2月の14日ですよ。」

シルヴァ「……なんと!?」

ミミロップ「シルヴァ、貴方アブソルのポケモンよね!?なにか知ってるの!?」

シルヴァ「は、はい…聞いたことがあります…2月の14日…人はその日を…。」

フィオーレ達「ゴクリ…。」


キングドラ「言っておくが…ふんどしの日ではないからな?」

シルヴァ「違うのですか!?」

キングドラ(念を押しといてよかった…!)

エーフィ「ふんどしってなんです?」

フィオーレ「さぁ…?」

シルヴァ「えっとですね…人間が身につけ…。」

キングドラ「待て待て!すまんがこれじゃあ話が進まん!答えを言わせてもらう!バレンタインという日だ!」

シルヴァ「バレンタイン…?あぁ、チョコを渡すあの…!」

キングドラ「それだ!…ふぅ…ようやく進めれる。」

ミミロップ「チョコってあれよね?あの甘くて美味しいやつの。」

キングドラ「あぁ、その日に女性から男性に渡されるチョコにはある思いを込めると言われてるんだ。」

デンリュウ「…どんな…?」

シルヴァ「日頃の感謝…好きだという思いが代表ですね。」

フィオーレ&エーフィ「!?」

キングドラ「その通りだ…俺はその日を利用して日頃世話になってる奴らに贈り物を渡したい。」

ミミロップ「本音は?」

キングドラ「リ、リーダーに渡して…美味しいと言ってもらいたい…その…ついでに感謝の言葉も添えて…。」

フィオーレ「ねぇ!それって要は大好きですって「告白」してるのと同じよね!」

エーフィ「期限は明日で間違いないですか!?」

シルヴァ「は、はい…2月14日で間違いはないですけど…。」

フィオーレ&エーフィ「ありがとうございます失礼しました!」

シルヴァの言葉を聞くが早くキングドラの部屋を飛び出していくフィオーレとエーフィ…静まり返った部屋の中に一瞬風が吹いた気がした…。

デンリュウ「行っちゃった…。」

ミミロップ「多分作りに行ったわね…。」

シルヴァ「それで…相談と言うのは…?」

キングドラ「そうだった…!俺とチョコを作って欲しいんだ…!」

デンリュウ「…いいけど…なんで?」

キングドラ「俺も一応料理はするのだが作り方がよく分からなくてな…買って渡すのもありなんだが出来れば手作りで渡したいのだ…。」


ミミロップ「ふふふ…そんなことなら!」

ドレディア「私達料理班に任せてください!」

シルヴァ(ドレディア様は医療班では!?)

デンリュウ(そう言えば作ってる所たまに見る…。)

キングドラ「心強い…よろしく頼む!」

シルヴァ「では私はチョコレートを買ってきます。」

デンリュウ「器具…良いお店知ってる…。」

ミミロップ「必要なものは私達が目利きするわ!それじゃあみんな!準備開始よ!」

全員「おぉーー!」

デンリュウ(あ…誰に渡すか決めてなかった…。)





2時間後…。





ミミロップ「それじゃあ材料も揃ったし!始めるわよ!」

フィオーレ&エーフィ「……。」

デンリュウ「もう…作ってる…?」

ドレディア「混ぜ始めてますね…。」

ミミロップ「あの子達は教えなくても完璧だったから心配要らないわ!それよりもこっちが優先よ!日頃の感謝!そして好きという気持ち!これを伝えるのに不味いチョコを渡すのはNG!チョコでいうとビターよ!」

シルヴァ(ビターが好みの人もいるのですが…めんどくさくなるので言わないでおきましょう…。)


キングドラ「よろしく頼む…!手はないから口でいく!いざという時は尻尾が筋肉痛になる覚悟は出来てる!」

ミミロップ「素晴らしい覚悟ね!それじゃあ最初にまずはチョコを湯せんで溶かすことから始めるわ!全力で溶かしなさい!」

キングドラ「了解だ!」

シルヴァ(お湯で溶かすから全力はいらな…余計なお世話ですね…。)










〜暫くして〜

ミミロップ「溶け始めたら混ぜるわよ!」

ドレディア「や、火傷には気をつけてくださいね…?」

デンリュウ「…うーん…。」

シルヴァ「デンリュウ様…?どうしたのです?手が止まりかけてますが…。」

デンリュウ「あ、うん…チョコ…誰に渡そうかな…って。」

シルヴァ「それで考え事を…。」

デンリュウ「ねぇ…シルヴァは誰に渡すの…?やっぱりアブソルに…?」

シルヴァ「そうですね…マスターに本来渡すべきなのですが…流石に3つは食べれないでしょう…。」

デンリュウ「あ…そう…だね。」

シルヴァ「なので私はリオルに渡そうかと。」

デンリュウ「…喜ぶと思う…!」

シルヴァ「だと良いのですが…そう言えばドレディア様はどなたに…?」

ドレディア「え?あぁ…私は…ヘラクロスさんにです…日頃からよく接して貰ってるのでそのお礼になればと…。」

デンリュウ(予想外…。)

シルヴァ「ヘラクロス様は確か甘いものを好んでましたね…きっと感謝も伝わるでしょう…。」

ドレディア「えぇ…その為にも頑張りますわ…!」

デンリュウ「…ミミロップは…?」

ミミロップ「え?なにが…?」

デンリュウ「チョコ…誰に渡すの…?」

ミミロップ「はぇ!?」

シルヴァ「おっと危ない…器具が落ちましたわ…。」

ミミロップ「あ、ご…ごめんなさいねシルヴァ…私ったらとんだドジを…。」

キングドラ「興味あるな…聞いても良いか?」

ミミロップ「え…あ…そ、それは…その…。」

エーフィ「え?ボスゴドラさんにじゃないんですか?」


カターーン!!

全員「………。」


誰が落としたのかボウルの落ちる音が周りに響き渡る…エーフィの一言でデンリュウ達は思わず固まっていた…それほどまでに衝撃が強かったのだ…主にドレディア以外にはバレないようにアプローチを仕掛けていたミミロップからしたら…。

ドレディア(ば…バレてた…?)

キングドラ「ほぉ…意外だな…てっきりギルドのみんなに渡すとばかり…。」

フィオーレ「…エーフィ…なんでわかったの?」

エーフィ「へ?…いえ、日頃からボスゴドラさんとよく一緒にいるところ見ますから…。」

シルヴァ「日頃から…!」

デンリュウ「一緒に…。」

ドレディア「……。」←唯一事情知ってる人

エーフィ「それに買出しに行く時いつも遠くにいても声をかけに行きますし…。」

キングドラ「荷物持ちと称して二人でいれる時間を作るためか…道理で買出しの時は積極的に引き受けてくれた訳か…。」

ミミロップ「そ…そうよ!あ、でも好きってわけじゃあないの!日頃から一緒にいてくれるお礼なの!そうお礼!だから…その…!決して気になるってわけじゃないからね!?ただ渡す人が彼しか思いつかなかったわけじゃないから…!」

デンリュウ(なんか始まった…。)

フィオーレ(すごい必死だ…!)

キングドラ(ここまで取り乱すの珍しいな…。)

シルヴァ(しかし…。)

ドレディア「ミミロップ…それじゃあもう自滅してるよ…。」

ミミロップ「あ…。」

顔を赤くしながらブンブン手を振るミミロップが正気に戻った時はもう既に時は遅く、この場にいた全員に知れ渡っていた…。



フィオーレ「…ところで二人は何してるの?」

デンリュウ「…かき混ぜてる…。」

シルヴァ「同じく…疲れますね…これ。」

フィオーレ「…ずっとやってたの…?」

デンリュウ「そうだよ…?」

フィオーレ「…ハンドミキサー…使う?」

デンリュウ&シルヴァ「…?」






〜それからさらに時間は経ち〜

ミミロップ「よ、よし!最後はここで冷やすだけ!みんなお疲れ様!あとは明日を待つだけよ!」

ドレディア(若干まだ慌ててる…。)

デンリュウ「………。」

シルヴァ「渡す相手は決めれましたか…?」

デンリュウ「…うん…決めれた…。」

キングドラ「お前ら…ここまで付き合ってくれてありがとう…明日、お前達が渡す相手に思いが伝わることを祈ってるぞ…。」

エーフィ「キングドラさんも頑張ってくださいね!」

キングドラ「あ、あぁ…まぁリーダーなら心配いらないとは思うが…。」








〜翌日 6:30〜

キングドラ(戦場の幕は切って落とされた…よし…行くか…。)

朝早くおきて冷蔵庫からチョコを取り出し、予め用意した紙で器用に包み、リボンで固定する…これで準備は完了だ…リーダーは…おそらく朝の依頼整理だろう…。



キングドラ(やっぱりいた…。)

バンギラス「ん?おはようキングドラ、どうしたの顔だけ出して…なんかあった?」

キングドラ「いや、ちょっとな…。」

バンギラス「?」

不味い…緊張でセリフ飛んだ…!(忘れた)、何を伝えるんだったか…ええいこの際どうにでもなれ!

キングドラ「あ、あのだな…今日は人間の文化でいうと思いを伝える日でだな…その…。」

バンギラス「うん、バレンタインでしょ?知ってる。」

キングドラ「うむ…その通り…は?」

ちょっと待て…今リーダーなんて言った?バレンタインでしょ、知ってるだと…!バカな…こいつが人間の文化に興味を持ってるところは見たことないぞ…!?

バンギラス「えへへ〜、キングドラいつもおしゃべりする時の話題って消えちゃった人間の文化についてが多いでしょ?だから夜中にちょいちょい私も勉強してたんだ、君との会話が弾めるようにね。」

キングドラ「……。」

なるほど…そうだったのか…知ってたのか…はぁ、まぁ良いことではあるのだが…ちょっとがっかりしたという気持ちもあるな…だが…これで安心して言える…。


キングドラ「知ってるなら話は早い…ハッピーバレンタインだ、リーダー…いつもありがとう…これからもよろしく頼むぞ…。」

バンギラス「うん!ありがとう…ホワイトデー楽しみにしててね!あ、手作りなんだ!へー…野菜型に作ってくれたんだ〜、これが人参でこれは…丸っこいからトマトかな…?」

ふっ…ホワイトデー…か、そんなことまで調べてるとは驚いたな…リーダーの言うとおり、楽しみにしておくとしよう…。

バンギラス「ん?この真っ黒なのはビターチョコかな?」

キングドラ「あ、すまん…それ失敗作だ…なんで混じってるんだ全く…。」

バンギラス「それほどまでに真剣に作ってくれたんだねー。」

キングドラ「…うるさい…。」

さて、他のみんなはうまく渡せたかな…。







〜アブソルの部屋〜

フィオーレ「アブソルおはよう!そしてハッピーバレンタイン!早速だけど私からチョコの贈り物だよ!」

アブソル「そ、それは嬉しいな…だけどその前にごめんフィオーレ…布団から降りて…重い…。」

フィオーレ「あ、ごめん。」

アブソル「よっと…ここにもバレンタインの文化はあったのか…。」

フィオーレ「昨日キングドラから聞いたの!それで集まった私達で作ったんだよ!」

エーフィ「因みに私からもありますよ〜、あ・な・た♪」(背後をとって耳元で)

アブソル「エーフィさんまで!?」

エーフィ「おはようございます、日頃の感謝の感謝の気持ちを込めて送らせてもらいますね…受け取ってくれますか?」

アブソル「もちろん…受け取らない手はありませんよ…これは…タルトですか…うん、程よく甘くて美味しい…。」

エーフィ「喜んでもらえたようでなによりです!では渡すものは渡したので私はこれで失礼します!また後ほど!」

バタン…!

アブソル「行っちゃった…ホワイトデーのお返し何にしようかな…。」

フィオーレ「私はまだいるけどね…。」

アブソル「そう不機嫌にならないでフィオーレ…ちゃんと君のくれたものもありがたく貰うよ…ん?ハート型…。」

フィオーレ「うん、毎日の感謝と…大好きの気持ちを込めたかったから…この形が良いかなって…。」

アブソル「そっか…あ、ちょっと苦めだ…甘いものがほとんどだから飽きないように作ってくれたんだね。」

フィオーレ「へぇ…分かるんだ。」

アブソル「パートナーだから、じゃあ理由としてはおかしいかな…?」

フィオーレ「ううん、寧ろそう言ってくれたことがとても嬉しい…これからも…その…よろしくね?」

アブソル「こちらこそ…よろしくフィオーレ、朝から素敵な贈り物をありがとう…。」









〜ギルド外〜

リオル「チョコ…ですか?」

シルヴァ「えぇ、日頃の感謝を込めてあなたに送ります。」

リオル「いや…感謝するのは逆に俺の方で…。」

シルヴァ「受け取ってくれないのですか…?」

リオル「頂きます!」

シルヴァ「それはよかった…ですがただでとはいきませんよ…私に一発でも攻撃を当ててみなさい…これが条件です。」

リオル「あーそう来ましたか…なんというか師匠らしいですね、望むところです!」

シルヴァ「では…。」

リオル「…参ります!」








〜医務室〜

ヘラクロス「へぇー、綺麗なお花のチョコッスね!本物そっくりっス!」

ドレディア「そ、そう言ってもらえると嬉しいです…気に入って頂けましたか…?」

ヘラクロス「勿体なくて食べれないッス!保存って出来るッスか?」

ドレディア「ふふっ…溶けちゃうので早めに召し上がってくださいな…でもゆっくり食べたいなら…一緒に紅茶でも如何です?」

ヘラクロス「わーい!頂くッス!ドレディアとお茶会っス!」

ドレディア「食べたらちゃんと歯を磨くのですよ?」

ヘラクロス「はいッス!」

ドレディア「ふふっ…。」







〜ギルドから少し離れた街、ぺリッパー宅配便〜

ぺリッパー「じゃあこれを運べば良いのですね?」

デンリュウ「うん…よろしく…。」

ぺリッパー「お任せ下さい!それでは!」



デンリュウ「………これでよし…と。」





〜ぺリッパー宅配便から少し離れた商店街〜

ミミロップ「わ、悪いわね…今日も荷物持ちに付き合わせちゃって…。」

ボスゴドラ「気にすんな、俺もどうせギルドにいても暇だったからな!」

ミミロップ「そう…。」

ボスゴドラ「どうした?いつもなら色々喋ってるのに今日はやけに元気ないな…?顔も赤い…風邪か?」

ミミロップ「だ、大丈夫よ!風邪じゃないわ!ほらこの通り元気よ!」

ボスゴドラ「そうか…?何かあったら言ってくれよ、俺で良かったら何でも聞くぜ?」

ミミロップ「何でも…?」

ボスゴドラ「ん?あぁ、そう言ったが…?」

ミミロップ「じゃあ…聞いても良いかしら…?」

ボスゴドラ「やっぱり何かあったか!で、なんだ!何かあったのか…?」

ミミロップ「大したことじゃないわ…ねぇ貴方…。」

ボスゴドラ「おぅ…?」

ミミロップ「チョコレートは…好きかしら…?」











エーフィ「2名ほど結果が明らかになってませんが…。」
キングドラ「今後に繋がるように作者が少々いじってる。」
エーフィ(めんどくさい…。)

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