第86話

しおりを挟みました
しおりが挟まっています。続きから読む場合はクリックしてください
読了時間目安:24分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

翌日はフィーロの予想した通りに雲一つ無い快晴となった。しかし、前日寝たのが遅かったタツミ達は時計の針が8時を過ぎようとしていても起きる気配すら見せず夢の中に滞在していた。

フ『・・・もう朝・・・?あれ?まだみんな起きてないの・・?珍しくタツミが起きていないって相当昨日疲れたのかな・・・?』

ティ『・・・フィーロどうしたの・・?ってもう8時過ぎ・・・しかもタツミが起きてないって・・・珍しいね・・・まぁまだそんなに焦るような時間じゃないだろうしそっとしておいてあげよう。』

フ『うん。でも僕達もう起きちゃったけどどうする・・・?取り敢えず用意だけしておく・・?』

ティ『そうだね・・・タツミが起きたら直ぐ出発出来るように荷物まとめておいてあげよう。』

ティアとフィーロはひとまず散らかっている荷物をまとめてからバッグに入れておくことにした。しかし、予想以上にバッグの中に荷物を入れる事は難航しまた荷物をバックに入れるときにフィーロの手がテーブルの上のコップに当たり床に落ちてしまいその音で全員が起きてしまった。

タ「フィーロとティア・・・朝からどうした?」

フ『いや・・タツミが寝ている内に荷物を入れておいてあげようと思って・・・。』

ティ『うん・・・・。』

タ「そっか・・・・そんなに気を遣わなくても良かったのに・・・ありがとうね、もう8時過ぎたか・・・じゃあそろそろ用意して朝ご飯食べてから出発しようか。」


その後フィーロとティアが入れてくれた荷物以外の荷物をバッグの中に入れ散らかったシーツやゴミなどはゴミ箱に入れ部屋を綺麗にした後に朝ご飯にする事にした。

タ「一応今日は下の食堂で・・・っと言いたいところだけどスパイアとレガがまだあれかもしれないからここで・・・。」

ス『ごめん・・・。あれだったら僕達だけボールに入れてから行っても良いんだよ?』

レガ『そうだよ、僕達に構わないで行っても良いよ?気にしないでさ。』

タ「いや、なんかそれもなんか気が引けるからここで食べるよ?一応昨日の夜に近くのコンビニで買ってきたからあまり種類はないけどね・・・。早く食べて次の町に出発しよう。」

ティ『でもなんか外見てみると人だらけなんだけど・・・今日って何かある日なの?』

タ「えっ・・・?何だって・・・ちょっと調べてみる・・・って今日コンテストのマスターランクの大会初日だ・・・こりゃ人多くなるぞ・・・早めに食べて早めに出発した方が良いかもしれないからね・・・。」

ス『分った!早めに食べてから早めに準備するよ!』

レガ『昨日の話がまだ広まったままならスパイアとか僕が見られたら勝負を仕掛けられかねないね・・・その大会って何時から?』

タ「大体11時開演だから少なくとも9時には出演者は入る・・・ってもう9時過ぎようとしているし!こりゃちょっと歩くけど海岸線まで行ってからスパイアを出した方が得策かな・・・。」

フ『そうかもしれないね・・・昨日の騒ぎの中心がスパイアとレガって知れ渡っているなら流石にトレーナーも気になるだろうからね・・・。』

タ「そうなんだよね・・だからちょっと急ぐよ~。」

フ『でももう人混みが出来てるって事は早めに準備して出発しても結局は人混みの中を掻き分けて進まないと行けないって事だから・・・逆に開演した後に行くってのも一つの手かもしれないよ?』

タ「それもそうだな・・・今の時間は9時ちょっと前で開演が11時・・・少なくとも10時30分くらいには人混みは少なくなっているかな・・・それならそっちが良いか・・・じゃあそうしよう。フィーロも中々冴えてるね。」

フ『いや~それ程でも~。』

ティ『まぁ何時ものほほーんとしているのにこういう時に至っては冴えるんだからねぇ。』

ス『じゃあ僕達はまだボールの中に入らなくても大丈夫だよね・・・?』

タ「大丈夫だよ、それよりもゆっくり朝食を・・・ってあれ?」

タツミ達が話している時に玄関ドアを叩く音が聞こえてきた。それを聞いたスパイアとレガは取り敢えず見えない位置へ、ティアはある程度タツミに近づいた距離を保ちフィーロも同じような位置に配置した。

タ「どちらさま~・・・・ってうわ!!」

ス『!?タツミ!?』

レガ『まさかの敵か!?』

フ『いや・・・クラウンだ!』

ス『えっ・・・・?クラウン・・・・?』

ク『タツミーーー!!久し振り--!!』

タ「ななななななんでクラウンがこんな所に居るんだ・・・?それよりもなんでルビアもいるの・・・?何か頼まれ事でも頼まれたの・?え?え?」

ルビ『そんなに驚かないで。ただ私達は博士からこれをタツミに渡して欲しいって言われたからこっちまで来たの。はい、タツミこれ。』

タツミはルビアから一つの観戦券みたいな物を受け取った。まじまじとそれを見てみるとミナモシティで今日行われるコンテストの観戦チケットのようだった。

タ「これって今日開催されるコンテストの観覧チケットじゃない?でもなんでこれ博士が持ってるのか・・・・?それよりもクラウンちょっと離れてくれ・・・動きづらい・・。」

ク『あっ・・ごめん。つい嬉しくて嬉しくて・・・。』

ス『確かにクラウンはこっちに来てから全然会ってなかったからなぁ・・・それよりもなんかまた強くなった感が凄いなぁ・・・ルビアも前来たときと比べると・・・うん。』

ルビ『ちょ・・・!スパイアそこまで言ったならもうその先まで言ってしまいなさいよ!それよりもあの後何かまたトラブル起こしたって?』

レガ『なんでその事を・・・公にはなってないはずなのに・・・。』

ルビ『それ位こっちは情報網持ってるのよ。タツミに負担かけて・・・本当この2人は。』

ク『レガに至ってはタツミ守れなくて逆に攻撃しようとしていたらしいじゃないか、スパイアも一時期正気を失ってたって話だしこの2人は・・・やっぱり僕が居ないと駄目だな!うん!』

タ「2人ともそんなにスパイアとレガを虐めないであげて。それなりに事情があったし2人だけが悪いって訳じゃないし僕も多少は悪いからさ・・・。」

ルビ『いや、タツミは悪くないよ。2人とも・・・次からは気をつけなさい。ウィングもそれ知って怒ってたから次会ったら何されるか分らないけどね?』

ス『マジデスカ・・・。』

レガ『怖・・・まぁ・・・それ位怒られる事したから仕方ないか・・・。』

タ「はいはい、そこまでにしておいて・・・ところで2人はこれからどうするの?もう帰るの?」

ク『折角来たから暫くはタツミと一緒に居ることにするよー。ところでこいつ誰?小さくて緑のこの地方のポケモンじゃないって事は分るけど。』

タ「あー、クラウンは初めてだね・・・ってルビアも初めてか。この子はハリマロンって言ってカロスのポケモンみたい。ちょっと訳ありで仲間になったけどまぁ仲良くしてあげてね。」

ハ『なんかかなり暑苦しいのが来たなぁ・・・しかももう片方は太ってるし・・・。』

ルビ『はぁ?何この子?少しは分らせないといけないみたいね?覚悟は出来ているかしら?』

ク『ちょちょちょルビア、そんなに本気にならないで。相手はまだ子どもなんだからそんなにぶち切れなくても・・・。』

タ「ルビア、そんなに怒るな。ハリマロンもそんな事言ったら駄目でしょ・・・こんな感じに不快感を与えることになるからね?ところでルビアもクラウンと同じく暫く居ることにするの?」

ルビ『一応私もそうする。本当はウィングとかレスタも来る予定だったけどちょっと前から体調不良で今回は無理って・・・。』

タ「なるほど・・・2人とも大丈夫かな・・・でも僕達これからもう次の町に向けて出発するところだけどボールとか持ってきてる?」

ク『勿論!はいこれ!』

ルビ『勿論私も持ってきているよ!これが私のボール。』

タ「2人とももう端からその気だったでしょ・・・まぁ仲間は多い方が楽しいし良い感じかな~。」

ク『ところでスカイはどうしたの?さっきから全く姿どころか声も聞かないんだけど・・・?』

タ「あ~スカイはね・・・ちょっと前に色々と事情があって別れたんだ。だから今はここに居ないよ。」

ルビ『えっ・・・別れたって・・・?どういうこと・?』

タ「まぁちょっと色々とあってね。でももう二度と会えないって訳じゃないから良いんだけど・・・それよりも2人ともお腹空いてない?朝から食べてないでしょ。」

ク『言われてみれば・・・昨日船に乗ってから何も食べてない・・・。』

ルビ『何も食べてないって訳じゃないでしょ、船に乗ってから私の分まで奪って食べてしまうんだから・・・何も食べてない・・・。』

タ「なるほど・・・ほら2人とも朝ご飯食べて。それから出発するからね。」

ク『分った!』

ルビ『うん!』



その後クラウンとルビアの朝食が終わったのを見越して今後の事を再検討することにした。今回はルビア達が観覧券を持ってきた為それを考慮した感じで今後の行動を考えることとした。

タ「一応見てから・・ひとまず1時か2時くらいに出発するって感じで良いかなぁ・・・2日間の通し券だけど明日まで滞在するとなると相当今後狂いそうだからそれは今日までと言う事で・・・。」

ス『なるほど・・・でも恐らく人だらけだから僕達が出ておくのはちょっと危険かな。』

レガ『そうやね、危ないし色々と問題になりそうだからボールの中から見ておく事にして・・・でも今日次の町まで行けるか怪しくなるね・・・。』

フ『明日はちょっと天気が崩れるから今日中に何とか次の町に着いていた方が安全とは思うよ。』

タ「なるほどねぇ・・・1時くらいに出て何とか急いでその日の内に向こうに着いてしまえたら良いけど・・・取り敢えず観覧する事にするよ。荷物はここにひとまず置いておいて行こうかな。」

ク『でも相当人多そうだったし何かあったらって思うんだけど・・・。』

タ「うーむ・・・でもあまりにも大きなポケモンだとそれなりに他の人の迷惑になると思うし・・・ルビアくらいだったら大丈夫か・・・?」

ルビ『えっ?私?まぁそれなりの大きさだけど・・・私もそれなりに大きいから他の人の迷惑になると思うよ・・?』

タ「そうだよなぁ・・・まぁ警備もそれなりに厳戒態勢だから大丈夫でしょう。時間はもう10時ちょっと過ぎ・・・うーん・・・今入って行っても開演まで時間あるしな・・もうちょっとしてから行くとしますか。でも2人ともなんか成長したねぇ・・・。前会ったときと比べたら全然雰囲気違うから驚いたよ。」

ク『そりゃああの後ルビアとウィングが酷くて酷くて・・・・。』

ルビ『私達の何が酷いって?そもそも私達から怒られるようなことばかりするクラウンの方が悪いでしょ!』

ク『まぁそりゃあそうだけど・・・でもあれは流石に度が過ぎるって。いきなり岩タイプと水タイプの技で攻撃してくるのは反則でしょ・・・。』

ス『なにそれ怖い。』

レガ『滅茶苦茶怖いな・・・やっぱり女は怖い。それにしてもクラウンは今まで研究所で何してたんだ?動いとかないとどうにもならなそうな性格なのに。』

ク『なんか遠回しに悪口言われている気がするけど・・・まぁそれなりに動き回れるから特段問題は無いって言うか・・・逆にのんびり出来るから楽って言うか・・・あっ楽って言ってもタツミとの旅が苦痛だったとかそういうわけじゃなくて・・・。』

タ「そりゃあ分ってるよ。でも研究所での生活もそれなりに安定して居るみたいだから良かった良かった。でもウィングもそうだけどルビアもあんまり度が過ぎないようにね。」

ルビ『はい・・・・もうちょっと考えて行動することにするよ・・・。』

ク『そうそう、これで少しは研究所も平穏な日々を送ることが出来るな。』

ルビ『クラウン!』

ク『はい!!!!!すいませんでした!!!』

タ「何だこのやりとり・・・ま・・まぁもうそろそろ余裕見て会場に行ってみることにするよ。」


会場周辺はこの日を待ってましたと言わんばかりの人だかりでろくに真っ直ぐ歩くこともままならないほどの人が集まっていた。その為警察や警備員が交通整理を行っていたとしてもそれを無視する人が続発、人にプラスしてタクシー・バスや自家用車の乗り入れも多いため会場周辺は混乱しているようにも見られる。

タ「うわ~・・・何だこのカオスな現場は・・・ルビア離れないようにね?はぐれるとこりゃ暫く会えないわ・・・。」

ルビ『うん・・・でも人多いけど意外と大きなポケモン出している人多いんだね・・・これもまた混乱の原因になってそうだけど・・・。』

タ「まぁ考え方は人それぞれだからなぁ・・・でも入るだけで40分待ちってどういうことよ・・・。なら開演時間ギリギリに入る方がまだ良かったかな・・・。」

ルビ『でも席って自由?それとも指定的な感じなの?』

タ「うーん・・・これには一応席番号は書いているけどどうかなぁ・・・恐らく指定席が殆どだと思うけどこの状態だと何でもありな感じだろうな。」

タツミ達がその後会場の中には入れたのは開演時刻をとっくに過ぎた11時20分辺りのことであり、当然のことながらもうコンテストは時間通りに開式されており早くも2人目のショーが開始されようとしている間際だった。席は満員状態で立ち見の人も発生する程中は人でごった返していた。

タ「ちょ・・・人と同じくらいポケモンが陣取ってるやん・・・こりゃ立ち見が出てきてしまうわけだ。でも博士も指定席2つとはまた中々粋な計らいだな~。丁度良かったね、ルビア。」

ルビ『うん。本当丁度良かったと思う。』

そう答えるルビアの顔は何故か少々赤くなっていたがタツミはそれに気づいては居たが特段深追いはしない事にしステージの方へ視線を移す。

タ「ん?もうそろそろ次が始まるかな。にしても案外色々な地方のポケモンが出てくるもんだなぁ~。これならハリマロンとかで出ても大丈夫そうだね。」

その後数組の演技を見終わった後はしばしの審査員の審査判断の後に2回戦が始まる。2回戦に出場できるのは1回戦を勝ち抜いたコンビだけで有りその数は約半数、2回戦に進んだコンビは1回戦と同じように競い続ける。しかし、同じような演技では審査員や観客に飽きられてしまう為演技自体を変える必要が生じる為その部分でつまずくコンビが多いようである。

タ「なるほどね・・・っで3回戦になるとバトル形式になるという感じなんだね。」

ルビ『なんか・・・かなり難しそう・・・ああやってアピールできたら凄いことなんだろうけど・・・。』

タ「まぁそうだろうけど、これはコンビ同士の相性とか間とか色々な要素が組み合わされているから相当な難しさだと思うよ。僕だってかなり難しそうって思うから。」

タツミとルビアが話していると2回戦が始まったらしく最初のトレーナーとポケモンが出てきてアピールを始めようとしているところだった。

タ「おっ始まった。今日は一応2回戦までみたいで3回戦とか決勝は明日に持ち越しみたいだからこれの途中でもう次の町に出発することにしようか。」

ルビ『向こうに着くのが遅くなるからね、それが良いと思うよ。』



タツミ達は3回戦の最後の組が始まるちょっと前に会場を出ることにしたが、同じように考えている人は多数いるようで約2割の人はもう会場から出ようと席を立ち出口へと向かっていた。

タ「マジかよ・・・みんなもう最終組まで見ずに帰ろうって・・・これなら最初の人が良いんじゃないの・・まぁひとそれぞれの考え方だろうけどさ・・・。」

ルビ『本当、でもそんな事言ってたら私達だって最終組まで見ずに帰ってる人って位置づけだからね。』

タ「それ言っちゃ駄目でしょう。さってと早い所次の町まで行かないとね。」

ルビ『でも外に出るまで相当時間掛りそうだけど・・・。』

タ「えっ?」

そう言われタツミは出口の方を見てみる。すると出ようとする観客と出口の大きさとのキャパが不足しているのか入るときと同じような感じになっていた。

タ「一体どういうことなの・・・っと思ったらタクシー待ちとかで列が伸びすぎて普通に出る人の流れが悪くなっているからかぁ・・ルビア離れないようにね~。」

ルビ『うん、分かった。』

その後も暫くは殆ど停滞状態が続いていたのだがある地点を越えた時点で一気に人が流れ出し外へと出ることが出来た。それはまるで高速道路での渋滞のような感じであった。

タ「うーむ・・・一応外に出ることは出来たけど時間的にはちょっと押し気味の2時過ぎか・・・昼を途中の島でとる事にしてもやっぱり6時くらいかな・・・。」

ルビ『その島ってここからそんなに掛るんだね・・・なんか地図を見る限りじゃ直ぐいけそうな距離にありそうなのに・・。』

タ「まぁ島ってそこが難しい所なんだよね・・・橋でも架かっていたら早いんだけど中々そうも行かないから結局はフェリーに頼ることになるし・・・でもフェリーは相当時間掛るからねぇ・・・。」

ス『もうそろそろ出発する?・・・あっ・・・出てきた時間が悪かった・・・。』

タツミとルビアが話している時にスパイアがボールから飛び出してきたが場所がまだ比較的会場に近い場所だった為、一気にスパイアの方に視線が集まってしまった。

タ「何故このタイミングで出てくる・・・嫌な予感するから早い所次の町に・・・ルビア!スパイア伏せて!」

ルビアとスパイアはタツミからそう言われてその場に伏せる。するとどこからか火炎放射とハイドロポンプと思われる技が飛んで来て後ろの壁に当たり粉砕した。周りに居た人もまさか技が飛んでくるとは思わなかったのか悲鳴を上げる人もいればその場から逃げる人など混乱状態に陥った。

ス『!?一体誰がこんな事を・・・。』

タ「取り敢えず急いで逃げるよ!ルビアはボールの中に入って!スパイア急いで!」

ス『わわわ分かった!』

タツミ達はその場から逃げるように立ち去ったがその数分後には謎のトレーナーがタツミが居た所に来ては何かを呟くと何処かへと歩いて行った。



ス『あーびっくりした・・・でもなんでいきなり攻撃してきたんだろ?・・・って誰が攻撃してきたんだろう・・・。』

タ「うーん・・・全く検討付かないけど一応逃げたから大丈夫だと思う・・・でもあんな所でいきなりあんな強いポケモンが使いそうな技を放ってきたって事は並大抵の精神力じゃないみたいだね。」

タツミ達は無事に逃げ切った後、近くの休憩施設を伴う島に休憩がてら立ち寄ることにした。その島はミナモシティから大体30分くらいの距離の所にあり高速道路で言うPAやSAのような施設を備え通行する人やポケモンの所謂休憩所的な感じで運営されていた。

タ「どうやらここは高速道路のSAみたいな感じなんだね・・・なるほど・・。」

ス『?SAって?高速道路って・・・?何?』

タ「あー・・確かにスパイアにとっては馴染み無いって言うか・・・見たことないかもしれないね・・・?高速道路ってはその名の通り自動車が高速で走れる道の事でその道路の途中にある休憩施設の事をサービスエリアとかパーキングエリアとかって言うんだ。」

ス『へぇ・・・知らなかった・・・。ならそういう感じの施設って事なんだ・・・ここは・・・。』

タ「まぁ多分そういう位置づけだと思うよ。多分ここまでは居ってこないだろうし昨日の騒動とか知っている人も少ないだろうからここで暫く休憩を取って先に進むことにしよう。」

この休憩施設は島一つそのままを整備しているため敷地面積はかなり広くポケモンを出している人も多く居た為タツミも全員をボールの外へと出すことにした。

ク『あーやっと外に出れたー。それにしてもタツミ大丈夫だった?なんか攻撃されていたようだけど・・・。』

タ「一応スパイアのお陰で逃げ切れたから大丈夫だったよ。それよりもルビアなんとも無い?」

ルビ『うん!私はこの通り何もなってないから大丈夫!それにしても変な状況だったね・・・なんでいきなりハイドロポンプなんて飛んできたのかしら・・・・?』

レガ『それはなんかちょっと気になっちゃうね。でも次も何かあったら・・・一応調べておく必要がありそうだね・・・?』

タ「まぁそんな感じだったけど・・でももう大丈夫と思うからここで自由に過ごして良いよ~。時間も急いでいないからね~。」

フ『えっ・・?でも僕がボールから出てたらかなり危ないんじゃない・・・?外に出てても良いの・・?』

ス『確かに・・・フィーロを一人にしておくのは危ないけど・・まぁそれ程人も居ないし・・・何よりこの地方には元々居ないポケモンだから良いとは思うけど・・・。』

ク『うーん・・あんまり危ない橋は渡らない方が良いと思うけどなぁ~。』

タ「おっ・・・クラウンが珍しく慎重だな・・・それもそうか・・・危ない目に遭わせるのもあれだし今回はフィーロはごめんけど・・・。」

フ『別に気にしなくても良いよー。最近は夜に部屋でボールから出しててくれるからそれだけで僕は十分だから。』

そう言うとフィーロは自分からボールの中へと入って行った。

タ「なんかフィーロに悪いことしたかな・・・?」

ク『?大丈夫と思うよ?でもそれよりも何か悪い事した?』

ス『別に何時も通りだったしタツミも何もしてないから大丈夫と思う。それにこれ位じゃフィーロも傷つかないでしょ・・・。』


小1時間位休憩を取ったタツミ達は次の町へと向けて出発する事にした。しかし、ここから先はやや休憩所の感覚が遠くなる為タツミはスパイアの疲労具合を見てある程度休憩を取ったレガに飛んで貰う事の方が双方の負担が少ないと感じそうしたようだ。

ス『別に僕でも全然大丈夫なのに・・・。なんでレガなんかに・・・。』

タ「まぁちょっと負担を考えると2人で半々くらいの割合が良いかなと思ってね。まぁまたレガが疲れたなと思ったら交代するからそれまでしっかり休んでて。」

レガ『って・・なんかスパイアに馬鹿にされたみたいだけど僕だって全然これ位の距離なら飛べるんだからね?』

タ「はいストップ。なんかまた喧嘩になりそうな予感がするからスパイアとかクラウンはボールの中に入ってて。さてと・・行こうか、レガよろしく頼んだよ。」

レガ『任せて!スパイアとは比べものにならないくらい快適に且つ早く着くから。』

ス『はぁ?何言っているの?早いだけが良いの?安全は?』

レガ『うるさいな・・・別に良いんだよ?何だったらバトルでけりを付けようじゃないか?・・・・怖いの?やっぱりスパイアは弱いなー。』

ス『むかついた・・・何だったらこっちからお手合わせ願おうか?まぁレガは知能選者弱いと思うけどネ?』

レガ『良いだろう、何だったらここでやっても良いんだぞ?』

タ「2人とも・・・いい加減にしなさい!!相変わらず勝負ばっかり考えないの!・・・レガとスパイアはボールの中に入っておいて。」

レガ『えっ・・・でも僕が飛ぶんじゃ・・・。』

タ「喧嘩しそうになった罰。今回はフィーロに飛んで貰うから暫く頭冷やしておいて。・・・もう何回目?こういう事はそろそろ考えて欲しいな。」

レガ『はい・・・つい・・・。』

ス『僕もごめん・・・頭に血が上った感じで・・・・タツミの言うとおりだった・・・僕達最近ずっとこういう喧嘩腰ばっかりだったね・・。』

スパイアとレガはボールの中に入っていったがそれと入れ替わるようにフィーロがボールから飛び出してきた。

フ『まったくあの2人は相変わらずだね~。まぁ僕でも良ければ飛ぶよー。』

タ「本当ごめんね・・・フィーロ、お願い出来るかな?」

フ『うん!分かった!』


最近仕事が忙しく結局は書く時間も取れない・・・

読了報告

 この作品を読了した記録ができるとともに、作者に読了したことを匿名で伝えます。

 ログインすると読了報告できます。

感想フォーム

 ログインすると感想を書くことができます。

感想