第74話 情報交換

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

「まず、ここがどこかって話ね。ポケギアは使えるには使えるけど電波が届かないからメモ機能くらいがやっとだわ」
「ここは三人で協力して脱出と行くか?」
「そうね。じゃあ、自己紹介と行きましょうか? お互いのことをキチンと知らないと協力も何もないわ」
「ああ、そうしよう」

 二人で話を始めたのにマイは会話に入れないでいた。それも当然、今まではゴールドがいたから他の人とは話せたが同年代とは会話をロクにしたことがないのだ。

「私からね。えと、なんだかこう言うのって新鮮で恥ずかしいかも。オホン」

 言い出しっぺとしてアヤノから自己紹介を始めようとするのだが気恥ずかしさから、咳払いをする。

「私はサニー地方エトワールシティ出身で今はジョウト地方のキキョウシティを拠点にクリスさまのお手伝いをしているわ」
「俺もサニー地方ルーナタウン出身だ。今はポケモンセンターに世話になってる」
「へえ~みんなサニー地方だったんだ」

 アヤノが故郷を思い出すかのように視線を上げながら身振り手振りを付けて自己紹介すると、コウも続ける。そんな二人にマイは間抜けな声を出した。

「マイも? それは意外ね、でもその目の色だしソウルシティじゃないわよね」
「ううん、ソウルシティで産まれて、そっからサンシティの養護施設で育ててもらって六歳の時にこっちのワカバタウンに来たよ。」
「――!? ソウルシティって金の瞳は禁忌だから産まれ次第殺されるとか聞いたぞ」
「殺されないよ~大げさだなぁ。ちょっと他に行かされるだけだよ」

 前にも説明をしたが、マイの本当の故郷”ソウルシティ”では金目は神様と同じ色だと伝わっていて、神様と同じとは無礼な! ということで他のシティやタウンからはコウが言ったようなことが教えられているらしい。
 マイの他に金色の瞳を持つ子供がいたとは知らされていないが”マイ”の場合は他のシティに異動し生き延びている。

「あ、こういうのって誕生日、年齢、血液型とか言うんでしょ? わたしはね、五月二三日のO型で十歳になった!」
「え、マイも? 私も五月十七日のB型で十歳よ。コウは?」
「俺も五月十九日、AB型、十歳だ。なんなんだ俺達……」
「へえ~ってことはアヤノが一番年上なんだ~! よっお姉さん!」
「身長だけじゃなくて年齢も下なのね。」

 すっかりココがどこなのか、自分達は今安全な場所にいるのかを忘れてしまっている十歳。アヤノやコウも案外ミーハーなのか自己紹介を楽しんでいるようだった。

「いやそんなことよりここから出ようよ(ゴールドに会いたい)」
「そうね、忘れてたわ(クリスさまに会いたい)」
「ああ、ピカチュウ、モココ、フラッシュを頼む(女の子二人とか怖いから早く出たい)」

 心を開いたと思ったのに真実は口に出さない三人組。果たして脱出は可能なのか?
 コウの台詞に二匹は張り切って辺りを照らす、すると一本道のように道が目の前にある事にようやく気づく。

「きゃあ! び、びっくりしたズバットか……」
「リューくん、後ろの天井に向かって電気ショック!」

 先頭を歩いていたアヤノがズバットに悲鳴を上げる。一匹のズバットがアヤノの頭上を通ったと思えば、後ろから無数の羽音が迫ってくる。マイがハクリューに電気ショックを指示して、ズバットの大軍を地面に叩き下ろす。

「あ、ありがとうマイ。また助けられたわね、やっぱり運命のひ「よし行こう」ええ、行きましょう」
(アヤってこんな性格だったのか)
「おー、一本道を抜けると大きな空洞ってわけかぁ~」

 先頭をマイに変えて、妙に男らしいマイの背中をうっとりとした目で見つめてとぼけたことを言うが遮られる。そこからまた黙って歩いているとマイの声が洞窟に響く。
 顔を上に向けてコウが高い天井に目を細める。光は差し込んでいない。

「ねえ、コウちゃんグライガ―に掴まって上まで行ってみてよ」
「やだよ怖い」
「え? コウ、何か言ったかしら?」
「なんでもない、行く」

 どのくらいの高さがあるのかちっぽけな身長のマイ達には見当もつかない。よって実際に見てこい、とマイは言いたいらしい。が、怖がりのコウにとったら暗いしどこまで続くかも分からない未知との遭遇は遠慮したい。アヤノの低い声に脅されてグライガ―に掴まれて空へ飛ぶ。

「コウちゃーん、どうだったー! 天井壊せそ~!?」
「そんな大きな声出さなくても聞こえている。高さは感じられないな、ズバットやゴルバットに気を付けていれば天井を破壊することも……」
「あら、コウどうしたの?」
「なんでもない。天井は壊せない!」

 口元に開いた手を置いて声を大きく出すが、十分聞こえているらしくコウは文句を言いながら降りてきた。言葉が止まった理由は無理やり壊すなんてアホなマイっぽいことを言ってしまったからである。

「そっかー。みんなで協力すれば壊せると思ったんだけどなぁ。あ、リューくん、電気ショック」
「えっ!? な、なにポケモンなんて出てないわよ!?」

 幼稚な考えを言っている途中でサラリとハクリューに攻撃を指示。アヤノは何がなんだか分からず自分に攻撃をされたと思って手を握る。

「あっちからゴルバットが見えたから威嚇攻撃しただけだよ」
「お前、本当目だけはいいんだな。目だけ」
「ええ、目だけはいいのね目だけは」
「…………帰りたい」

 せっかくピンチになる前に救ったのに、そんな態度をされてしまってはマイも落ち込む。
 ハクリューの戦闘経験が他の手持ちとは比べ物にならないくらいになってしまっているがマイはまだ気づいていない――。

「とりあえずまだ道はあるし進んでみよー」
「もう少し早く歩けないの?」
「そんなんでよくゴールドさんの歩幅についていけるな」

 緩いマイの台詞にアヤノとコウの言葉が続く。こんな風に話せるなんて思ってもいなかった三人は無事に帰れるのだろうか?

「ゴールドは早歩きしないよ?」
(あーなるほど……歩幅を合わせてもらってるってことか)
「ほら! さっさと行くわよ!」
「「おー!」」

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