第67話 クリスタルとの出会い

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

「はい、私がキキョウシティのクリスタルです。どちら様でしょうか……ってオーキド博士!? ど、どうしてオーキド博士のような人が私に!?」

 キキョウシティの民家にてクリスタルことクリスの声が家に響く。しばらくオーキド博士と話したのだが詳しい話しは直接言いたいということで話を切られそうになる。

「はい! 今すぐ行きます! えーと、カントー地方マサラタウン、でしたよね?」
『いやいや、今は観光中でなジョウト地方にいるんじゃ。君の家からも遠くない、ワカバタウンのウツギ博士の研究所にいるんじゃよ。そんなに急がなくてもいいから今日中に来てくれんか?』
「今すぐ行きます!」

 クリスが電話を切るなりネイティに素早くワカバタウンに連れて行ってもらう。オーキド博士はウツギ博士からコーヒーをもらおうとしていたのだがクリスが予想の斜め上の時間に来るものだから口に含もうとして口をつけたティーカップをすぐにテーブルに置いた。

「やあ、クリス君待っていたよ。電話よりも直接”本物”を見て話した方が実感があると思ってな、わざわざすまんの」
「いえ! 構わないです! 話しはなんですか?」
「おお、本当に話しの通り真面目ちゃんなんじゃなあ。これじゃ、ポケモン図鑑なんだが……図鑑を託した他の図鑑所有者が図鑑を埋めることをしなくてなぁ。君は捕獲のプロ、らしいから頼みたいと思っていた」

 ポケモン図鑑をクリスに手渡しながら説明をしてやるとクリスの瞳が年相応の子供のようにキラキラとした瞳に変わる。

「はい! ぜひ私にお任せください! これで塾の子達にも安全度が増すわ……」
「マイー! こっちに来てんだろ! 返事しろコラ!」

 クリスが感動から瞳に涙を浮かべている時、そんな雰囲気をブチ壊す声と共に扉が勢い良く開けられて地面を蹴るような荒々しい足音と一緒に彼が現れた。

「ゴールドさん、こっちですよー。お客さんが来てるから静かにしなくちゃですよー」
「あ!? 俺に逆らうってか? マイ行くぞ、おもしれえ店があってよォ」
「うう……久しぶりに年の近い女の人が来るっていうから話したかったのに……」

 研究所の奥からマイがひょっこり顔を出してゴールドを小さな声と手招きする。が、そんなのお構いなしに大きな声でマイを呼び呼び込む。そんなシーンを見たクリスがオーキドに「ちょっと失礼」と言ってゴールドに近寄る。

「ちょっとあなた!? その子嫌がってるでしょ!」
「ああ~……いつものことです。でもありがとうございます本当に」

 マイがなんとも言えずに手を宙に彷徨わせ行き場に困っているとそばに寄って来たゴールドに手を掴まれてクリスの元に引き連れ行かれる。

「はは~ん、お前俺が苦手な超真面目系学級委員タイプだな? 大体なマイと俺はダチ公なんだよ、嫌がってねぇしな! な? マイ!」
「……はい」
「本当に? ならいいけど、ってもしかしてオーキド博士! もしかしてさっき電話で話したポケモン図鑑を完成させる気のないワカバトレーナーで瞳が金色ってこの不良のこと!?」
「不良!? 俺は不良なんかじゃねえよ! シルバーならともかく!」
(シルバーさんは不良じゃないような……)

 腕を首に回されて顔を近づけるとマイに脅すように言う。ハイとしか言いようがないマイに逃げる手段はクリスに助けてもらうしかないが……。クリスの「不良」発言にマイから腕を外してクリスに近づく。

「あら、本当にそうかしら? そんな可笑しな髪型、見たことないわよ」
「見慣れれば変じゃないですよ! あっ……」
「マイ、お前あとで覚えておけ。この前髪に命賭けてんだよ! お前に言われる筋合いはないね!」

 喧嘩が始まってしまいそうな雰囲気、ウツギ博士がようやく研究所に顔を出してオーキド博士と二人を止め、クリスに話を戻す。

「じゃあ、ゴールド君にマイちゃん。今日も気を付けて遊んできてね」
「はい、わかりました!」
「おー、よしマイ行くぜ! さっきホーホーを使って悪事に使ってたやつがいてよぉ」

 そんな会話をクリスは最後に聞いたのだった。

 
「シルバーというのは一ヵ月程前に図鑑を託した所有者でな。使い方を知らないみたいで図鑑を埋めるのが進んでいないようなんじゃよ。だからクリス君には使い方をキチンと教えようとな……」
「ゴールド、でしたっけ? ゴールドはいつ図鑑をもらったんですか?」

 クリスの真っすぐな質問にウツギ博士はたじろぐ。瞳にはキラキラとしたものが消えていて怒りに満ちていたからだ――。

「ゴールド君はいつからじゃったっけ? かなり前のような……一年前、十一歳の時だったかな」
「そうです、十一歳になった年にもらいに来ました」
「もう博士! どうして十二歳の私に渡すんですか! できることなら過去に戻って十一歳の私に渡して欲しいくらいです!」

 シルバー同様クリスも十二歳に図鑑をもらった。言いたくはないがポケモン図鑑歴で言えばゴールドが一年先輩に当たる。

「まあゴールド君が図鑑を欲しい理由は仕方ないと言えば仕方ないんじゃがなあ」
「え? あの不良にも理由が? 強くなりたいとかじゃないですよね?」
「まあ、建前はそうじゃったな。そうだな、マイ君の親であるウツギ君から聞いた方がしっくりくるじゃろう。話してやりなさい、真実を」

 オーキド博士にそう言われてコーヒーを一口、口に入れてから飲み込むと話をする。

「ゴールド君はああ見えて誰よりも、もしかしたら僕よりもマイちゃんのことを想っているかもしれなくてね。そんな彼女を守りたくて図鑑を欲しいって言ってきたんだよ」
「そうなんですか……あの茶髪の女の子……ええと、マイちゃんがそんなに大切なんですね。ただの不良じゃないことは分かりました! たまに様子を見に遊びに来てもいいですか?」
「ああ、そうした方がマイちゃんも喜ぶよ。ありがとう」

 こうして、ゴールド、シルバー、クリスタルにポケモン図鑑が託されたのであった。
ゴールドは11歳にもらって
シルバー、クリスタルが12歳の時に図鑑をもらいました。

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