第64話 もしかして:ポケモンと同じ知能
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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください
「え~っくし! う~……身体がだるい……」
「たりーめーだろ! 濡れたままバトルすっからだっつってんだろ。なんか前もこんなことあったような気がするな……?」
「な、なんのことかな?」
ミカン戦を終えた後、ポケモンセンターに行きアルファを回復させている間に借りた部屋にてお風呂に入っていたのだが……簡単にいうとマイが倒れた。単に体力オーバーで疲れ切ってしまった、という結果だ。
自力でパジャマに着替え風呂から出てきてゴールドにベットまで運ばれたのち爆睡、起きたら高熱、という風邪をひいているのが現状。
「まあ、しばらくは大人しくしてるこった。また俺がお前の手持ちを外で遊ばせてきてやっからよ! ってするとコウとかに会ったり展開が変わったり、面倒に巻き込まれるんだけどな~」
「ごめんなさ~い。はい、じゃあリューくん達よろしくね」
「おー。寝てろよな。なんか買ってきてやっからな」
「ありがと~……」
苦痛と哀願と申し訳なさが交り合ったような声で外に出るゴールドは、日差しの強さに目を細める。
もう八月も終わってしまう、本当に今年はあっという間だったな~と爺臭いことを手持ちポケモン達に言いながらボールから開放してやると、元気にポケモン達が出てきた。
ゴールドの手持ちはマグマラシ、エイパム、ニョロトノ、ウソッキー、キマワリ。マイはハクリュー、ピカチュウ、エーフィ、キュウコン、ラプラス。周りが一気に華やかになったゴールドは観光客を横目に自慢気に手なんか振っている。
「あ! ゴールド君! よかったよかった! 会えたね~!」
「ゲッ、アンタはウツギ博士の助手!」
「ゲッとは酷いですね~! この間のタマゴが孵化したと聞いたのでまたこのタマゴ、よろしくお願いしますね!」
「あっ! オイコラ! くそっ絶対こういう目に会うと思ったぜ……」
浜辺に胡坐をかいていたところを後ろからウツギ博士の助手に声を掛けられて追いかけようと立ち上がったらすでに助手は飛行タイプのポケモンで天高く昇っていた。
「おーいお前ら集合~。おーおー迫力あんな、こうして見ると。ほれ、新しい仲間だ。仲良くしてやってくれよ」
ポケモン達一匹一匹に見せて回るとエーフィが尻尾をピンと伸ばし、ゴールドに何か言いたげに鳴いている。
「ん? なんだタマゴになんか付いて……ん? これは技マシンじゃねーか!」
「フィー!」
「おー、ありがとな。これは……ダブルアタック? エーたろう、おめーにやるよ」
タマゴの側面に雑にもカラーテープで技マシンがくっついていた。いわゆる「タマゴを孵化してくれるなら技マシンをあげよう」とかいうものだ。
エーフィがドヤ顔をしていたのでお礼を言いつつ頭を撫でてやる。
「パム! パム!?」
「なんだなんだ進化!?」
錠剤型の技マシンを飲み込んだ途端、エイパムの身体が光り輝きだした。突然のことにゴールド以外のポケモン達が一歩後ろに下がる。
「おー! 尻尾が二つになってんじゃねーか! かっこいいぜ!」
「パム~♪」
身体も一回り以上大きくなってご機嫌になったエイパムはタマゴを尻尾で抱えて海に近寄って行った。どうやらラプラスと同じ方法で産まれるのでは? と思ったらしいのだが、まだまだタマゴは孵る様子がなく不思議そうに首を傾げていた。
「ハハッエーたろう、そんな簡単にゃ孵化しねーよ。じっくりゆっくり時間掛けてくんだよ」
まだ出てきたばかりだがタマゴも受け取ったのでマイの元に戻ろうとアサギシティ名物「アサギ灯台パフェ」を買ってポケモンセンターに戻る。
「よーマイ、戻ってきたぜー」
「早かったね~おかえり~。え、何そのタマゴ、戻してきなよ。ドロボーはだめだよ、さすがに」
左手には灯台パフェと書かれたパフェが入った紙袋、右手にはタマゴを持って登場したゴールドにジトーと細い目をしたマイに見られてコメカミに青い筋が浮かぶゴールド、しかしその青筋はすぐに消えて行く。
「カーバ、ウツギ博士の助手からもらったんだよ」
「そうなんだ~。えへへゴールド、やっぱり優しいね。体調悪い時は怒らないんだもん」
いつもならキレるゴールドだったがマイには甘い。しかも体調が悪いので余計に怒鳴れない。図星を付かれて何も言えなくなったゴールド。
本題のタマゴをマイに渡そうとする前にパフェを渡して食べさせる。
「ん! おいしい! ゴールドありがとう! それで、そのタマゴなんのポケモンかはわかんないの?」
「おー。まだもらったばかりだしな。これから仲間になるわけだし、みんなには紹介しておいた。それと、ほれ! エーたろう、出てこい!」
「わあ! エーたろう大きくなってる! 尻尾二つ! かっこいい!」
(俺と同じこと言ってら……)
パフェを口にいっぱい含んで幸せそうに頬を触るマイに思い出したように進化したばかりのエテボーテを見せ、ゴールドの同じ感想を言うので思わずニヤける。
「ねえ、エーたろう! このタマゴも海に連れて行ったら産まれるんじゃないのかなあ」
(エーたろうと同じことしようとしてら……)
エテボースとも同じ行動をしているのでニヤけた顔から、ポケモンと同じ知能なのかもしれないと頭を悩ませるゴールド。
「どんな子が産まれてくるのかなあ、楽しみだね」
「……俺はどんな大人にお前がなるのか楽しみだよ」
「たりーめーだろ! 濡れたままバトルすっからだっつってんだろ。なんか前もこんなことあったような気がするな……?」
「な、なんのことかな?」
ミカン戦を終えた後、ポケモンセンターに行きアルファを回復させている間に借りた部屋にてお風呂に入っていたのだが……簡単にいうとマイが倒れた。単に体力オーバーで疲れ切ってしまった、という結果だ。
自力でパジャマに着替え風呂から出てきてゴールドにベットまで運ばれたのち爆睡、起きたら高熱、という風邪をひいているのが現状。
「まあ、しばらくは大人しくしてるこった。また俺がお前の手持ちを外で遊ばせてきてやっからよ! ってするとコウとかに会ったり展開が変わったり、面倒に巻き込まれるんだけどな~」
「ごめんなさ~い。はい、じゃあリューくん達よろしくね」
「おー。寝てろよな。なんか買ってきてやっからな」
「ありがと~……」
苦痛と哀願と申し訳なさが交り合ったような声で外に出るゴールドは、日差しの強さに目を細める。
もう八月も終わってしまう、本当に今年はあっという間だったな~と爺臭いことを手持ちポケモン達に言いながらボールから開放してやると、元気にポケモン達が出てきた。
ゴールドの手持ちはマグマラシ、エイパム、ニョロトノ、ウソッキー、キマワリ。マイはハクリュー、ピカチュウ、エーフィ、キュウコン、ラプラス。周りが一気に華やかになったゴールドは観光客を横目に自慢気に手なんか振っている。
「あ! ゴールド君! よかったよかった! 会えたね~!」
「ゲッ、アンタはウツギ博士の助手!」
「ゲッとは酷いですね~! この間のタマゴが孵化したと聞いたのでまたこのタマゴ、よろしくお願いしますね!」
「あっ! オイコラ! くそっ絶対こういう目に会うと思ったぜ……」
浜辺に胡坐をかいていたところを後ろからウツギ博士の助手に声を掛けられて追いかけようと立ち上がったらすでに助手は飛行タイプのポケモンで天高く昇っていた。
「おーいお前ら集合~。おーおー迫力あんな、こうして見ると。ほれ、新しい仲間だ。仲良くしてやってくれよ」
ポケモン達一匹一匹に見せて回るとエーフィが尻尾をピンと伸ばし、ゴールドに何か言いたげに鳴いている。
「ん? なんだタマゴになんか付いて……ん? これは技マシンじゃねーか!」
「フィー!」
「おー、ありがとな。これは……ダブルアタック? エーたろう、おめーにやるよ」
タマゴの側面に雑にもカラーテープで技マシンがくっついていた。いわゆる「タマゴを孵化してくれるなら技マシンをあげよう」とかいうものだ。
エーフィがドヤ顔をしていたのでお礼を言いつつ頭を撫でてやる。
「パム! パム!?」
「なんだなんだ進化!?」
錠剤型の技マシンを飲み込んだ途端、エイパムの身体が光り輝きだした。突然のことにゴールド以外のポケモン達が一歩後ろに下がる。
「おー! 尻尾が二つになってんじゃねーか! かっこいいぜ!」
「パム~♪」
身体も一回り以上大きくなってご機嫌になったエイパムはタマゴを尻尾で抱えて海に近寄って行った。どうやらラプラスと同じ方法で産まれるのでは? と思ったらしいのだが、まだまだタマゴは孵る様子がなく不思議そうに首を傾げていた。
「ハハッエーたろう、そんな簡単にゃ孵化しねーよ。じっくりゆっくり時間掛けてくんだよ」
まだ出てきたばかりだがタマゴも受け取ったのでマイの元に戻ろうとアサギシティ名物「アサギ灯台パフェ」を買ってポケモンセンターに戻る。
「よーマイ、戻ってきたぜー」
「早かったね~おかえり~。え、何そのタマゴ、戻してきなよ。ドロボーはだめだよ、さすがに」
左手には灯台パフェと書かれたパフェが入った紙袋、右手にはタマゴを持って登場したゴールドにジトーと細い目をしたマイに見られてコメカミに青い筋が浮かぶゴールド、しかしその青筋はすぐに消えて行く。
「カーバ、ウツギ博士の助手からもらったんだよ」
「そうなんだ~。えへへゴールド、やっぱり優しいね。体調悪い時は怒らないんだもん」
いつもならキレるゴールドだったがマイには甘い。しかも体調が悪いので余計に怒鳴れない。図星を付かれて何も言えなくなったゴールド。
本題のタマゴをマイに渡そうとする前にパフェを渡して食べさせる。
「ん! おいしい! ゴールドありがとう! それで、そのタマゴなんのポケモンかはわかんないの?」
「おー。まだもらったばかりだしな。これから仲間になるわけだし、みんなには紹介しておいた。それと、ほれ! エーたろう、出てこい!」
「わあ! エーたろう大きくなってる! 尻尾二つ! かっこいい!」
(俺と同じこと言ってら……)
パフェを口にいっぱい含んで幸せそうに頬を触るマイに思い出したように進化したばかりのエテボーテを見せ、ゴールドの同じ感想を言うので思わずニヤける。
「ねえ、エーたろう! このタマゴも海に連れて行ったら産まれるんじゃないのかなあ」
(エーたろうと同じことしようとしてら……)
エテボースとも同じ行動をしているのでニヤけた顔から、ポケモンと同じ知能なのかもしれないと頭を悩ませるゴールド。
「どんな子が産まれてくるのかなあ、楽しみだね」
「……俺はどんな大人にお前がなるのか楽しみだよ」